地方自治制度の根幹を揺るがす「ふるさと納税」

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    JUGEMテーマ:ふるさと納税

     

    今日はふるさと納税について述べます。2/23にTHE PAGE  2017.02.23 09:00 返礼品競争がエスカレート、ふるさと納税批判高まる」という論説が掲載されました。概要は以下の通りです。

     

    『(2017/2/23 THE PAGE 配信)このところ、ふるさと納税制度に対する批判が高まっています。都市部の自治体で税収が減ってしまったり、配信豪華な返礼品競争が過熱したりしており、一部自治体の首長は制度のあり方そのものについて疑問の声を上げています。ふるさと納税制度については、当初から、民主主義の根幹である税の公平性という観点において重大な欠陥があるとの指摘が出ていました。こうした批判が出てくるのは時間の問題だったといってよいでしょう。

    ふるさと納税制度に対する批判が高まっています。

     ふるさと納税は、任意の自治体に寄付をすると、その寄付金額の一部が所得税や現在住んでいる地域の住民税から控除されるという制度です。厳密には税金ではなく寄付行為ですが、住んでいる地域の課税が減免され、他の地域の歳入が増えるわけですから、実質的には税金と考えて差し支えありません。 

     地域の行政サービスについては、サービスを受ける人が税金を負担するという受益者負担の原則があります。しかし、ふるさと納税制度はこの原則を崩してしまうリスクがあります。例えば大阪府に住んでいる人が、東北のある地域にふるさと納税をした場合、東北の自治体にはお金が入りますが、大阪府にはお金が入りません。

     しかし、ふるさと納税をした人は、大阪に税金を払っていないにもかかわらず、税金を全額払った人と同じ行政サービスを受け続けることができます。こうした行為が行き過ぎれば、税収を奪われる自治体のサービス水準が低下したり、公平性が保てなくなるという弊害が発生します。(後略)』

     

     

     

    1.ふるさと納税制度は地方自治制度の根幹を揺るがす

     

    ふるさと納税制度の問題点について、私は下記2点に集約されると思っております。

    【問題点1】受益者負担の原則の無視

    【問題点2】地方間の格差是正の機能喪失

     

     

    【問題点1】受益者負担の原則の無視

     

     端的に言えば受益者負担の原則を無視しているという点です。受益者負担の原則の観点から言えば、東京というインフラを使って事業をしている、所得を稼いでいるのであれば、当たり前ですが東京都に納税するべきなのです。

     これは、アマゾン(米国)が日本に1円も法人税を払っていないという問題と同じです。日本という中間層所得が多い国家の国民から、日本の高速道路や自動車などのインフラを使って売り上げを稼いでいるにもかかわらず、アマゾンは日本に法人税を1円も払っていないという事実を皆さんご存知でしょうか?同じように、東京に住んで東京で稼ぐ人が、東京のインフラを使っているので東京都に税金を納めるべきですが、ふるさと納税をすると東京都の税金が少なくなり、納税した地方に税金が入ります。

     大阪に住んで大阪で稼ぐ人が、大阪のインフラを使っているのに、大阪に府税を納めず、地方に税金を納め、対価として商品券やら産地特産物などを受け取って、所得控除を受けるのです。

     この場合、地方交付税交付金を受けなくても企業や人が集まる財源が潤沢な東京都はまだしも、大阪府などは府税が減収し、インフラの維持に必要な税収の確保ができなくなります。インフラの維持にかかるコストは、そのインフラ利用者が負担するという受益者負担の原則から見れば、その原則を無視することを助長する制度であると言えます。

     

     

    【問題点2】地方間の格差是正機能の喪失

     

     例えば東京都はインフラが最も整備された都道府県であるため、企業本社がこぞって集まり、仕事が多くなることで人が集まります。企業本社がこぞって集まれば、法人事業税という地方税が多く集まり、企業本社が集まりにくい地方自治体との格差が生じます。

     日本の場合、地方交付税交付金というのがあるために、地方の負け組の都道府県に税金を分配し、勝ち組の東京都とのインフラの格差縮小のため、その地方交付税交付金を使ってインフラ整備を行うのです。

     ヨーロッパや道州制の米国はことなります。例えば、欧州の勝ち組ドイツ、負け組ギリシャとの間で、所得移転は行われません。ナショナリズムが異なり、言語も違う。ドイツ人からすれば、「なぜ負け組のギリシャ人にお金を使わなければならないのだ!」ということになります。

     日本も、そうした気運になりつつありますが、我が国は世界でも有数の災害大国です。首都直下型地震が発生した場合に、地方の皆様が助けてくれなければ生き延びることが難しい国です。地震以外にも火山噴火・津波・大洪水・竜巻・大雪災害なんでもオンパレードの国です。日本と同じような災害の種類と頻度が高いいわば災害大国は、世界中で他にはないのです。

     災害が多い国だからこそ、地域間でいえば勝ち負けを決めるのではなく、切磋琢磨して競い合い、助け合ってきたというのが日本です。

     

     

     

    2.タクシーの運転手さんとの会話から

     

     先日、タクシーの運転手さんとお話したことがありまして、渋谷から荻窪までタクシーに乗車しました。その際の運転手の方(50代後半〜60代前半)が、秋田県出身と仰っていました。なんでも秋田県のゼネコンで働いていたが倒産し、奥さんに働けと言われて、東京に出てきたとのことでした。若者だけでなく、中高年の人々でさえも仕事を求めて東京にやってきます

     秋田県と言えば、日本海側に属します。太平洋側と異なり、新幹線が走っていません。太平洋側は政令指定都市が沢山ありますが、日本海側は新潟市と福岡市ぐらいしかありません。政令指定都市とは、地方自治法第252条の19以下に定められた我が国の都市制度の一つで大都市に該当します。権限は東京の23区よりも上に位置します。

     

    <参考>我が国の政令指定都市

     

     日本海側では新潟市と福岡市ぐらいしか政令指定都市がないのです。日本海側エリアは、太平洋側エリアと比べて新幹線や高速道路などインフラ整備が遅れています。本来、日本海側は、国家が率先してインフラ整備を推進し、仕事を作る必要があったのですが、公共工事は無駄だ!とのことで公共工事削減の波に飲み込まれました。(新幹線整備などはあったのですが、財政難と人口減少するから無駄と理由で実施が見送られてきたと思われます。)

     結果、地方のゼネコンの経営が苦しくなるのが当たり前。後継者でさえも儲からないからということで跡継ぎをせず、次々と廃業やMAされる事態になるわけです。タクシーの運転手の方のお話を聞いて、私は何とも悲しい気持ちになりました。

     せめて太平洋側と同様にインフラ整備をやり、仕事を政府が作れば、ゼネコンは安心して従業員を雇用できます。そうすれば、タクシーの運転手の方は、仕事を失うことはなかったのではないか?と思うのです。

     インフラの整備すらせず、ふるさと納税で地方創生というのは、間違っています。インフラが整備されてないかつ地元特産物のない負け組の地方自治体は、努力するために金券を配布、家電製品を配布するなどしています。総務省はこうした動きを自粛するよう求めていますが、地方同士を税金かき集め競争にしてしまっている以上どうにもなりません。

     

     

     

    3.日本を中国の属国にし、日本を亡国へ導く間違ったフレーズ

     

     未だ我が国には「公共工事は無駄」「日本は財政破綻する!」「人口減少する日本は経済成長しない」という完全に間違ったフレーズを信じ込み、その思考回路からくる「プライマリーバランスを黒字化しなければ・・・」「消費税を引き上げないと財政破綻する」「小さな政府にするために政府支出を削減する」と考えている人が大多数。

     このままではデフレ脱却を果たせず、国民の貧困化が進み、軍事拠出額でも中国と大差がついて、中国の属国になると私は憂いています。このまま中国の属国になった場合でも、後世の人々がこのブログを読み、「公共工事は無駄」「日本は財政破綻する!」「人口減少する日本は経済成長しない」が誤りで、「プライマリーバランスを黒字化しなければ・・・」「消費税を引き上げないと財政破綻する」「小さな政府にするために政府支出を削減する」を反対していた言論人がいたのだと知って欲しい、気付いて欲しい。そんな思いで今日も意見させていただきました。

     

     

     


    デフレを放置すれば我が国は昭和時代に逆戻り!

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      JUGEMテーマ:レストラン

       

       

       外食産業でロイヤルホスト(証券コード:8179)が24時間営業を廃止というニュースがありました。このニュースをご覧になった皆さんは、どう思われたでしょうか?

       「夜間に、外出してまでして食事なんてどうなの?」という意見もあるかと思いますが、私は「夜間でも外食サービスが屋外で楽しめる」というサービスが無くなったという点で、発展途上国化していると思いました。必要な時にタイムリーに物をいつでも入手できる環境とは、世界でも稀、というより日本しかないかもしれません。

       特に、住宅街であっても徒歩圏内で、コンビニやらスーパーがあり、水着を買いたいと思えば、24時間営業のスーパーで水着を買うことが可能です。同様に夜間も外食ができるというサービスが無くなってしまうということに国力の低下と思わざるを得ないのです。

       デフレで外食する機会が減った、外食しても安いものしか買わない、夜間スーパーで安いものを買って家で食べる、こうした消費行動は、毎月決まってもらえる賃金が増えない限り、当たり前だと思うのです。

       

       正にデフレ放置の極みといいたいわけですが、これを放置し続ければ、デフレがさらに悪化して日本は発展途上国に逆戻りします。
       橋本政権が緊縮財政を始めた1997年以降、さらには1998年に消費税を3%→5%にしてから、我が国のGDP500兆円前後で20年近く足踏みしています。
       実質賃金が増えない(増えてもボーナスで還元され、毎月の給料が増えない)状況では、消費を削ることはあっても増やす人は少ないでしょう。
       何か素晴らしい発明があったとして、ヒットした商品開発があったとして、それらを購入する代わりに他の物を安く買う、個数を少なくするなどして、年間の消費額を調整する人は多いのではないでしょうか?即ち実質賃金が増えなければ、年間の消費額の絶対額を増やす人は少ないでしょうか?

       20年間デフレに苦しむ我が国において、供給サイドである製造業、卸売業、小売業等企業は、顧客離れを恐れて物・サービス価格の値上げができず、それどころか価格・サービス維持が困難になっている業態まで出てきているものと思われます。
       その証拠に、多くの日本人が、次のような消費行動を取っているのでは?と考えます。

      ◆◆「物の値段が安く買われる」で名目GDP減少になる消費行動の例◆◆
      =供給サイドの売上減少、従業員の賃金低下、一層の製造原価削減や販管費削減の促進となってしまう例

      従来は、あんぱんを1100円で買っていたが、190円で買う
      普段は定価や正規料金を払わず、値段が下がるキャンペーンやイベントのときに集中的に物・サービスを購入する
      スーパーや百貨店で安くなる時間帯に食品を買う
      居酒屋を利用するときにキャンペーンで安くなっているメニューを注文する(クーポン利用などによる割引購入含む)
      家電量販店でPCやタブレットやスマートフォーンを定価よりも安く買う
      コンビニで1.5リットルのジュースを200円で買っていたが、スーパーで150円で購入する
      床屋でシャンプー込み2000円のサービスを受けていたが、1000円のカットのみにする

      ◆◆「サービスが買われる回数の減少」で実質GDP減少になる消費行動の例◆◆
      =供給サイドの稼働率減少による売上減少、雇用悪化、店舗閉鎖や工場閉鎖につながる例

      従来あんぱんを10個買っていたが、9個にする
      美容院に2か月1回行っていたのを、3か月1回にする
      床屋に毎月1回行っていたのを、2か月1回にする
      従来1年に2回国内旅行をしていたものを11回にする
      従来毎週1回外食をしていたものを2週間1回に控える

       程度はどうであれ、サービスを受ける回数を減らし、物・サービスを安くなった時に買ったり、ディスカウントストア(ドンキホーテや薬局など)で物・サービスを買う人が多いのではないでしょうか?よく考えればわかると思いますが、毎月もらえる給料が増えない限り、消費の絶対額を増やす人は少ないのです。

       結局、20年間デフレを放置した結果、特に直近の2014年に消費増税5%→8%により、2014年以降GDPは横ばいでV字回復せず。この環境では、ファミレス業界でいえば、物・サービスが安く買われる(単価の下落)、来店回数が少なくなる(客数の減少)により、24時間営業が利益を圧迫。儲かりにくいとの経営判断により夜間営業を中止するという判断に至ったということでしょう。

       ファミレス業界だけでなく、居酒屋業界などの外食産業のIRを見ていますと、既存店で100%以上維持している会社は少なく、新規出店分で全体の「単価の下落」と「来店客数の減少」の売上減少分を埋めている会社が多いです。
       その新規出店分も下手するとM&Aで買った居ぬき店舗で、被買収会社のGDPが買収会社のGDPに置き換わっただけ。我が国のGDPでは行って来いになっているものも多い。純粋に店舗数が純増だったとしても、周りの他社競合店が売上を維持できず、我が国のGDPで見た場合、やはり行って来いになっていると思われます。

      【国家の5階層】
      5階》国民の生活、経済活動
      4階》それ以外の産業
      3階》ソフトウェア的インフラ(農業、医療、教育、防衛、行政、建設、電力、ガス等)
      2階》インフラストラクチャー(道路、橋梁、トンネル、送電網、交通網等)
      1階》国土

       物を製造できる、夜間に飲食店がサービスを提供できる、そうした供給能力の蓄積こそが経済力です。
       上記は国家が成り立つ重要度の高さの順に1→5階となり、ファミレス業界や居酒屋業界は4階層になります。
       仮にデフレを放置して、今後、3階層・2階層の企業の供給力を毀損するとなれば、我が国は将来世代に大きなツケを残すことになるでしょう。

       一刻も早くデフレ脱却のため、安倍政権には3次補正予算の着手、国債増刷と医療介護インフラ等への政府支出増に転じていただきたいと切に願っております。


      打つ手なしの中国経済(爆買い規制と供給力過剰問題)

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        JUGEMテーマ:経済全般

         

        今日は中国経済について意見いたします。

         

         

         

        1.爆買い規制と減少し続ける中国の外貨準備高

         

         201611日から爆買いに規制が入ったのはご存知の通り。今、銀座は閑古鳥が鳴いている施設もあると言われています。

        爆買いの規制とはどんな内容か?それは、11万元(2017/2/26の為替レートで約16万円)だったのが、年間最高10万元(約160万円)にまで規制されたのです。即ち11万元なら年間365万元と約6,000万円弱の購買力から、160万円の購買力に規制がされたことになるのです。

         通常爆買いした場合、中国人が銀聯カードで日本の秋葉原で家電製品を購入した場合、購入する都度、人民元売り日本円買いという両替が発生します。ところが、中国共産党政府は、この爆買いを規制しなければならないくらい、為替レートのトレンドが変わってしまったのです。

         

         今、中国は人民元高には困っていません。人民元安で困っているのです。20158月に上海バブル崩壊のあと、景気浮揚策として輸出を伸ばそうとするために人民元売り外貨(ドル・ユーロ・円)買いの為替介入に出たところ、外国人投資家らが、人民元を売り始めました。

         

         もともと、外国人投資家らの見立てとして「人口大国かつGDPで日本を抜いて2位に躍り出た中国の需要は、この先無限に広がるに違いない。需要が大きく伸びる中国において、自国通貨の人民元は上昇し続けるだろう。人民元は買い!」というのが外国人投資家の投資スタンスでした。

         

         20158月上海バブル崩壊以降の人民元売り外貨買いの為替介入の結果、こうした見方が外れ、「あ、人民元って下がることもあるの?」ということで、人民元を売り始めるようになりました。

         

         中国人民中央銀行は、外貨準備高400兆円を取り崩し、人民元を買い支える通貨防衛に出ます。即ち人民元売り外貨買いの為替介入から一転し、人民元買い外貨売りの為替介入に打って出たのです。そして、外貨準備高300兆円を切ったという報道がありました。20158月には400兆円あった外貨準備高が、わずか1年半程度で100兆円も減少するという異常なスピードで為替介入をしています。つまり1年半ずっと為替介入を継続していたわけで、今もなお続いているのです。

         

         他の国だったらとっくに通貨危機が発生しているところですが、400兆円もの外貨準備高があるので、買い支えることができます。外貨が減少を続ける理由は、中国人民中央銀行が外貨準備高の中身を公表しないから。

         

         なぜ公表しないのか?普通、外貨準備は米ドル債などで多く保有しますが、中国の場合は300兆円も米ドル債が保有されてなく、別な形で保有されているものが多いのでは?との憶測があります。例えば、アフリカや南米のプロジェクト関連に投資という形です。こうした方法で保有している外貨は、すぐに換金することができないため、外貨準備高を取り崩して人民元を買う通貨の買い支えができません。本来、中国人民中央銀行は、外貨準備高の中身を公表するべきなのですが、それをしないから、世界中から人民元が信用を失う形で、人民元が売られ続けているのです。

         

         

        2.鉄鋼産業に見られる過剰生産能力の問題

         

         中国の経済の問題の大きな柱の一つは、中国の過剰生産能力です。

         GDPには民間設備投資という項目があります。設備投資をすればGDPはUPします。つまり設備投資をすれば、経済成長するのです。

         ところがGDPというものは、需要が十分にあるか?市場が十分にあるか?需要がなくても設備投資を実施すればGDPは増えてしまいます。例えば、需要が全くないエリアに家を建ててしまい、結果誰も住んでいないマンションをたくさん建ててしまったとしても、GDPは増えるのです。

         

         設備投資についても、需要がなくても工場を作れば、GDPは増えます。中国共産党政府は、それに頼った結果、過剰生産能力がとんでもないことになってしまいました。特にひどいのが自動車産業と鉄鋼産業の供給力です。

         例えば、鉄鋼の過剰生産能力だけで4億トンと言われています。4億トンという数字は、日本の生産能力の4倍に相当します。

        中国共産党政府は、各地に鉄鋼の減産を指示しますが、地方は言うことを聞きません。減産するとは端的に言えば、リストラです。工場閉鎖、従業員カットであり、中国共産党政府の指示通りに実行すれば、暴動が起こる可能性があります。

         そのため既にダンピング輸出が始まっており、新日鉄(証券コード:5401)JFEホールディングス(証券コード:5411)といった日本の鉄鋼業の業績にも影響を与えています。

         

         とはいえ、ダンピング輸出しても、供給能力が減るわけではありません。余るものは使わなければならない。そのため、AIIB、インドネシア高速鉄道、シルクロード計画など、海外事業で無茶な受注をして食いつなごうとしているのです。

         

        「過剰生産能力=供給能力が余っている状態」の問題点は、巨大なデフレギャップです。即ち、「極小需要<過剰供給」で供給力があまりにも大きすぎる状態です。この過剰生産能力の解消方法は、工場閉鎖しかありません。

        とはいえ、無理に実施すれば失業者がたくさん増えます。これは株式バブル・不動産バブル以上に重く解決が困難な問題です。

         

         中国の輸入14%マイナス、GDPで言えば普通はマイナス3%くらいですが、いつも中国政府が発表するGDPの数値は7%。なぜか?理由は習近平政権は10年でGDP2倍にすると公約しているからです。資産運用の世界で言えば、7%利回りの金融商品を10年保有すれば、元金は2倍になります。1.0710乗≒2.00です。そのため、本当は経済成長がマイナスである可能性もあるにもかかわらず、経済成長率7%という発表をしているのです。

         

         

         

        3.中国経済に頼ってはいけない

         

         このような中国とお付き合いを深めれば深めるほど、中国経済が崩壊した場合の経済的ダメージは大きい。中国の爆買いに限らず、中国そのものに頼った企業経営・国家運営は極めて危険です。我が国はグローバルが正しいとして中国に頼った経済成長というのは、絶対にやってはいけないのです。

         我が国がとるべきは、一刻も早くデフレ脱却のために政府支出増に転換することです。我が国の政府が政府支出増により需要を作れば、中国向けに輸出や欧州・米国向けの輸出の供給能力を日本国内に振り向けられます。

         今日は中国経済状況について、外貨準備高減少が続く理由背景と合わせ、過剰供給能力問題についても指摘させていただきました。


        フランス大統領選挙!ルペン氏は極右なのか?

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           今日はフランスの女性の政治家、国民戦線の党首でマリーヌ・ル・ペン氏について取り上げます。

           

           マリーヌ・ル・ペン氏はフランス大統領選挙の選挙運動の中で、トランプ大統領を取り上げ、トランプ大統領は選挙公約を着実に行動に移していると力説され、トランプ大統領を持ち上げました。

           

           マリーヌ・ル・ペン氏が主張する政策とはどういう政策か?といえば、欧州連合というグローバリズムという国際協定に対して非常に懐疑的。即ちEUやユーロについて懐疑的に見ています。人の移動の自由、物・資本の移動の自由について、もっと制限をかけるべきでは?と主張しています。いわば、トランプ大統領の女フランスバージョンと言えます。

          もっとも国民戦線という政党自体が、上述の主張をしており、ル・ペン氏も以前からこうした公約を掲げていたようです。

           

          政策の具体的な内容は?

          ●警察署・刑務所の増設

          ●公共サービスの充実

          ●移民を厳しく制限する

          ●製造業中心の国家主導の産業政策

          ●輸入品と外国人労働者への課税強化

          ●外国資本の規制

          ●国内産業の補助金支給

           

           フランスは日本以上にグローバリズムが進行してしまった国です。とはいえ、上述の施策は全てグローバリズムに逆行する政策です。これらの政策、日本で安倍政権がすべてを実行すれば、デフレ脱却を果たし、間違いなく国富増強、国力強化につながります。トランプ大統領がやろうとしている保護主義と財政出動の組み合わせは、経済を成長させるための政策として至極全うなのです。にもかかわらず、保護主義といえばグローバリズムに逆行するとか、財政出動といえば借金が増える、などと我が国には相も変わらず、何もわかっていない頭の中がお花畑な思考停止の愚民が多い国家となり、発展途上国化していきます。

           

           私は、日本のマスコミが、ル・ペン氏が率いる国民戦線に対し、極右政党という報道をすることを辞めて欲しいと思うのです。

           例えば、トランプ大統領も極右なのでしょうか?

          「自国民を大切にするため、保護主義をする」という論説は極右なのでしょうか?

          この手のレッテル貼りする人こそ、思考停止に陥ったバカ。頭の中にお花畑が咲いているアホです。

           

           イギリスのメイ首相、フランスのル・ペン氏、米国のトランプ大統領らの論説で、重要なキーワードである「保護主義」は、1年後には標準になっている可能性があります。そのくらい世界ではグローバリズムで自国の産業や雇用やインフラが壊されて、グローバリズムに疲れているのです。日本はデフレという問題を抱えていますが、まだそこまでグローバリズムに疲れていません。とはいえ、周回遅れのグローバリズム路線を突っ走っている感があります。

           

           ル・ペン氏が率いる国民戦線について、おそらく大統領選挙で決選投票にル・ペンが出るのは間違いないでしょうが、従来の発想、レジームで考えれば、絶対にそこで負けることになるでしょう。なぜならば他の政党が大同団結して、ル・ペン氏が過激だとしてみんなで反対に回るからです。でも、英国のメイ首相、米国のトランプ大統領の登場でわからなくなりました。トランプ大統領が登場する1年前に「トランプが大統領になる」と言っていた人は頭がおかしい人というレッテル貼をされていたでしょう。ところが実際にはトランプが大統領になってしまったのですから、ル・ペン氏が大統領になる可能性もあるのでは?と私は思っております。

           

           もちろん日本にとっても株式投資をしている投資家の皆さんにとっても、間違いなく保護主義で各国が内需拡大政策を打ち出す方が世界経済はよくなります。ぜひ、この流れでル・ペン氏が大統領になれば株式市場にとっても上昇要因になるものと思っております。

           

           

           


          米国の貿易赤字 日本は2位の7.7兆円

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            JUGEMテーマ:経済全般

             

            今日は読売新聞の記事、米国の対日貿易赤字が2位という報道について意見いたします。

             

             

             

            1.米国の対日貿易赤字を解消する方法として日本がやるべきことは?

             

             米国総務省が2/7、2016年貿易統計の数値を発表しました。米国の貿易赤字は対日本で689億ドル(約7.7兆円)となり、中国に次いで日本は二位に浮上したとのこと。これまではドイツが二位でした。米国の対日貿易赤字の689億ドルのうち、自動車が526億ドルと70%を占めている状況です。

             

            米国の製造業の競争力低下による貿易赤字の拡大が問題であるとしてトランプ大統領が登場したわけですが、この貿易統計の数値を改めて認識したトランプ政権は、通商政策でいろんな要求を突き付けてくることでしょう。何しろ「アメリカファースト」なのですから。

             

             これは善悪、良し悪しの問題ではないのです。貿易赤字拡大が米国の製造業の競争力低下にあって、そうした製造業のグローバリズムに不満を持つ米国人から票を得たトランプ大統領ですから、無視するはずがありません。

             

             日本がやるべきことは簡単です。デフレを脱却させればよい!ただそれだけです。内需主導の経済成長路線政策をとればいいのです。ところが、「日本は人口が減少するから内需主導はできない、外需依存度を高めなければ・・・。外需依存する以上、関税をかけられては輸出産業に不利になる。自由貿易協定を広めなければ・・・。その前にトランプにTPPを締結するよう翻らせよう!」などと日本の国益を損ね、トランプ大統領を怒らせるだけになってしまい、米国の主権で保護主義にしてしまうことは日本の立場として内政干渉して止めることなどできないのですが、このような本当に不毛な思考回路になる人が多いのでは?と推察いたします。

             

             日本がデフレ脱却できれば、まず日本の生産能力、家電や自動車といった消費財を中心とした生産能力が日本の需要に向かいます。米国への輸出は減るでしょう。そしてデフレ脱却して日本の景気が良くなれば、米国から輸入する者が増える形で、貿易赤字を縮小することができます。

             

             

             

            2.日本の政治家は頭悪すぎ!インフラ輸出は円安ドル高に拍車をかける!

             

             日本は、普通にデフレ脱却のために内需拡大政策を表明すればいいのに、日米首脳会談では、日本が米国に雇用を作るとしてインフラ投資をすると言っていました。これ、本当に頭大丈夫?という世界です。

             何しろ日本円で米国にインフラ投資をすることはできません。日本企業が米国に投資をしようとする際、必ず円をドルに両替します。米国内では円が使えず、絶対にドルが買われます。その結果、絶対に円安ドル高に向かい、日本の対米貿易黒字、対日貿易赤字は拡大いたします。投資額で50兆円とすれば、ものすごい円安ドル高になります。

             まだインフラ投資を実行していませんが、そういう報道が流れて、トランプ大統領の耳に入ったらえらいことになります。例えば金融緩和ができなくなる条項を二国間協議に盛り込まれるなどしたら、金融緩和を辞める→金融緩和後退→超円高→日本株大暴落という日本発の金融危機が勃発します。

             

             インフラ輸出で70万人の雇用を作ると言っていましたが、まず日本の雇用を作るのが先です。結局、トランプ大統領が登場した理由、本質の問題を理解していないのです。

             対日貿易赤字を問題にしているのに、円安ドル高政策にして、どうするのでしょうか?頭が悪い過ぎるとしか言えません。

             

             

             

            3.日本がやるべきは内需拡大です!

             

             国連通商会議のナバロ議長、総務長官で著名魯投資家のロス氏ら、連名でトランプ経済プランの達成ということで、両者は米国の貿易赤字を問題視していることが明らかになっていました。米国の製造業を弱体化させた不利益な貿易協定の見直しに言及し、中国に対しては貿易の詐欺師という言葉を39回、日本にも5回使ったとされています。米国にとって貿易赤字国はわずか6か国。その中でも貿易赤字額が大きい順に、中国、日本、ドイツについて、二国間交渉で有利な条件を引き出そうとしているのです。

             

             とはいえ、日本は日本の国益なるよう発言していくべきであります。具体的に言えば、日本は為替操作をしていません。為替介入をしておらず、日銀による市中の銀行からの国債買取という金融緩和をやっているだけ。中国は露骨に為替介入をしています。2015年8月の上海バブル崩壊前までは、外貨を買って人民元を売る為替介入、2015年8月以降は景気が悪いので輸出を増やすために実施したドル買い人民元売りで、外国人投資家のキャピタルフライトと中国国内での外貨への両替が進み、今の中国人民銀行は外貨を売って人民元を買う為替介入をしています。

             中国は為替操作国ですというのは間違っていませんが、日本は違います。

             米国車が日本で売れないのは、米国企業の努力不足。具体的には右ハンドルにする、燃費を良くする、アフターサービス網を充実させるといった努力をしていないから。

             日本は日本の立場で国益になるように主張をするだけだと思うのですが、皆さんいかがでしょうか?

             

             もちろんトランプ大統領に言いがかりをつけられても言うべき反論をしたうえで、トランプ大統領に花を持たせるの出れば、内需拡大を意思表示すべきでした。もし、日本が内需拡大を意思表示すれば、トランプ大統領にお土産を持たせるだけでなく、我が国もついにデフレ脱却を明確に政府が財政支出増へと、緊縮財政から方向転換することにつながっていたはずだからです。

             

             

             以上、米国の2016年の対日貿易赤字が大きかったこと、それを踏まえて日本がやるべきことを述べさせていただきました。

             

             


            英語教育について(トランプ大統領の演説を誤訳したNHK)

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                よくTVや新聞などで「英語をネイティブに話せるようにするためには、早いうちから英語教育をすべき!」などという論説をよく見かけられるかと思います。私はその必要がないと常に思っておりまして、今日はNHKニュースで、2/14(火)17:43に配信された「小学校の英語は3年生から学習指導要領の改定案公表」という記事について意見させていただきたいと思います。

               

               

               

              1.小中学校の英語教育の学習指導要領の改定案について

               

               『NHKWebニュース2/14(火)17:43 小中学校で教える内容を示した学習指導要領の改訂案が公表され、小学校の英語は3年後から3年生に前倒しされるほか、5年生からは「読む」「書く」を加えた正式な教科となり、授業時間も今の週1時間から2時間へと増えます。専門家は「小学校では授業時間をどう確保するかが大きな課題となる」と指摘しています。


              バフェット指数について(「トランプ相場に乗り切れぬ日本の“なぜ”」を考える)

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                JUGEMテーマ:経済全般

                 

                 

                今日は株式投資全般について、意見いたします。

                よく株式雑誌や日経ラジオで主演される株式アドバイザーで北浜流一郎という方が紹介されます。

                直近の株式市場の動きについて意見されていましたので取り上げたいと思います。

                 

                 

                1.株式アドバイザーの北浜流一郎氏の論説

                 

                 この方が、株探ニュースの中で、次のように述べています。

                 

                 『株探ニュース(2/19 09:30配信)米国市場でNYダウ、NASDAQ、S&Pの3大指標が順調に上昇、史上最高値を更新しているというのに、東京市場の騰勢は残念ながら弱々しい。
                 上がらないわけではない。しかし、力強さにかけ、なかなか2万円大台どころか、1万9500円の突破にも苦戦しているのが実際だ。その背景にあるのは、米国市場ではトランプ政権に対する期待感と信頼性が衰えていないのに対し、東京市場では元々どららも高くなかったものが、さらに低減傾向にあるため。こういうことになる。
                 われわれは米国発のトランプ政権関連情報をCNNや新聞情報などで入手し、それらのほとんどがネガティブ情報であるため、どうしてもそれに影響されてしまうところがある。しかし、米国の投資家たちは、ほとんどマスコミ情報を当てにしていないようなのだ。そして、むしろ信じているのはトランプ大統領が日々発信し続けているツイッター経由の情報。こうなっている可能性が高い。
                 私もトランプ大統領のツイッターは毎日欠かさず見ているが、なぜそうしているのか。改めて考えてみると、トランプ政権が言ったり、行おうとしていることを知るためにはツイッターを見てさえいればよいのだから、極論するならCNNや新聞、雑誌媒体は見たり読む必要も、買う必要もない。こうなってしまう。(後略)』

                 

                 北浜アドバイザーの発言の趣旨は、米国株がトランプ相場に乗って上昇を続け、市場初の2万ドル越えの後も、高値を更新し続けるのと比べて、日経平均、TOPIXといった日本株の指標は未だ波に乗れず。日経平均は2万円越えどころか、1万9500円突破もままならないとのこと。

                 

                 米国の投資家は、米国のマスコミのCNNやニューヨークタイムズ、ワシントンポストらの論説を信用せず、トランプのツイッターを見て判断している。同じよう日本国内のマスコミもトランプ大統領の政策にネガティブな報道がなされ、それが原因なのでは?←ここまで書いていませんが、要は日本はマスコミのトランプ大統領へのネガティブ報道のおかげで日本株が低迷している。それであれば、いっそのことネガティブ報道を無視してトランプの発言だけに注目すれば、日本株もおのずと上昇していくのでは?ということを主張したいのではと、私は思っております。

                 

                 この点についていえば、答えは簡単。トランプ大統領はGDPを増やす政府支出増(インフラ投資1兆ドル=約110兆円など)を表明しているのに、日本は政府支出増などのGDPを増やす政策を打ち出していない、むしろGDPを減らす緊縮財政(医療介護費縮小、公共工事を増やさない)をしているからです。

                 

                 

                 

                2.ウォーレン・バフェットとはどのような人物か?

                 

                 ウォーレン・バフェットは、今80歳くらい。小学生のころから株式投資をしていたと言われています。バフェットの投資手法は、超長期投資で有名です。またニューヨーク証券取引所で、バークシャ・ハサウェイ(証券コード:BRK−B)という投資持株会社が上場されていますが、この会社の社長です。

                 バフェットの投資スタンスは超長期投資を基本としています。バフェットが何年も長期に保有している主な銘柄としては以下の通り。

                 

                 ウェールズ・ファーゴ (ニューヨーク証券取引所 証券コード:WFC)

                 コカ・コーラ (ニューヨーク証券取引所 証券コード:KO)

                 アメリカン・エキスプレス (ニューヨーク証券取引所 証券コード:AXP)

                 P&G(プロクター・アンド・ギャンブル) (ニューヨーク証券取引所 証券コード:PG)

                 

                 この他、ブラウン、ワシントンポストといったブランド力の高い企業を何十年も保有して資産を増やしていったと言われています。またこれから中国株が流行ろうとしていた2003年4月に1株=1.7香港ドルで中国石油天然集団株(香港証券取引所 証券コード:00857)を買って、筆頭株主に躍り出たこともあります。そして2007年10月に売却し、取得価額5億ドルを35億ドルと6倍以上にして売却したとされています。

                 

                 私が福島県のいわきに住んでいるときに、バフェット初来日というニュースがあって、当時はワクワクしたものです。新工場本社いわき市移転で(株)タンガロイの竣工式に出席するために来日したのが、初来日なのですから。

                 

                 バフェットは10年経っても20年経ってもその製品が売れ続けるか?といった視点で企業を調査します。要は超長期投資を基本とするバフェットが、マーケット全体が割安か?割高か?を判断するにおいて、GDPと株式時価総額の比率を見ているというのは、GDPというものを理解しているか否かわかりかねますが、GDPが何を意味するか?を理解する私にとっては、実に理にかなった指標であると思います。

                 

                 

                3.バフェット指数と日本株の今後の行方 

                 

                 バフェット指数とは、米国の著名投資家であるウォーレンバフェットが愛用している指標でして、その国のGDPと株式時価総額総和を比率でみて、今のマーケットが割高か?割安か?を判断するというもの。

                 

                 GDP<株式時価総額  ⇒  割高

                 GDP>株式時価総額  ⇒  割安

                 

                 こんな感じで、判断方法は簡単です。GDPについて十分に理解されている方であれば、バフェット指数は誠に理にかなっている指標に映るのでは?と思います。

                 下記は米国と日本のそれぞれのバフェット指数の推移のグラフです。

                 

                 

                 

                 上記グラフは、日米のバフェット指数の推移です。

                 GDPが増加する=経済成長しているです。具体的に言えば、粗利益(売上高−仕入高)が付加価値であり、粗利益が増加していることになるからです。粗利益が増えれば、GDP3面等価の原則により分配(賃金・報酬)も増えます。粗利益増加は、企業会計上では売上高増加と直結します。このため、GDPが増加すれば企業もまた売上増、利益増となり、株式の理論価値が上がります。

                 雰囲気で株価が上昇して、GDPが伸び悩んでいる状態では、株価上昇は長続きせず、GDPの数値に収斂されることとなり、株になるでしょう。

                 

                 

                 

                 

                 バフェット指数の推移を見れば一目瞭然ですが、日本は1997年あたりから500兆から成長できていません。失われた20年とは、成長できていない20年間、まさにこのことです。

                 

                 一方米国は、ITバブル崩壊(2002年〜2003年)、サブプライムローン・リーマンショック(2008年〜2009年)で、株式時価総額がGDPを下回ることがありましたが、2013年では株式時価総額がGDPを上回りました。

                 

                 米国をバフェット指数で考えれば、株式時価総額がGDPを上回っていたとしても、トランプ大統領が米国のGDPを着実に増やす政府支出増により、GDPが増えることを見越している可能性が極めて高い。なぜならば政府支出増は、減税と違って必ず支出されることが決まっているので、GDPが必ず増えることになるからです。

                 

                 それに比べて日本は政府支出増どころか、医療介護費削減、公共工事削減(一般予算と補正予算の合計額で見ますと、安倍政権は2013年こそ政府支出を増やしましたが、2014年、2015年は前年比マイナスで、「コンクリートから人へ」の民主党よりも公共工事を削減しています。)をやっていますので、GDPが増えなくて当たり前。デフレ環境下で規制緩和をやれば、さらにデフレが促進されるにもかかわらず、構造改革・規制緩和を推進しています。

                 

                 デフレという物・サービスが安く買われないと売れない環境、即ち儲かりにくい環境において、いわば需要が十分にない環境において、構造改革=供給力を削ぐ、規制緩和=供給を増やすをやれば、更にデフレが促進されます。

                 

                 構造改革=供給力を削ぐ=工場閉鎖・解雇、人件費カット

                 規制緩和=供給を増やす=競争激化による価格低下圧力

                 

                 上記は、いずれもインフレの時には有効な政策ですが、デフレの時は悪影響でしかなく、デフレを促進させるだけです。

                 

                 したがって、雰囲気で一部の日本株で上昇する銘柄もあるでしょう。しかしそれは米国のインフラ投資1兆ドル(=約110兆円)で恩恵を受ける可能性が高い業界、例えば米国に技術がないが日本には存在する技術もしくは高品質な技術を持つ業界に限られます。

                 

                 信越化学工業(証券コード:4063)、アドバンテスト(証券コード:6857)、東京精密(証券コード:7729)、東京エレクトローン(証券コード:8035)などの半導体関連株しかり、コマツ(証券コード:6301)、日立建機(証券コード:6305)などの建設機械株や建設機械企業にフィルターを供給するヤマシンフィルタ(証券コード:6240)などが、トランプ大統領の登場を契機に、株価を伸ばしてきました。

                 

                 とはいえ、日本国内は相変わらず米国の政策とは逆に緊縮財政の施策を継続しています。すべては、「本当は存在しない日本の財政問題」「人口が減少するから日本は成長しない」「公共工事は無駄だ!」とする論調が原因です。

                 

                 したがって、このまま日本株が日経平均で2万円を超えるのは難しい。2万円超えて持続的に2万円台を維持し、3万円を目指す動きになるためには、「政府支出増」「国債増刷」「消費税減税」が不可欠と考えます。

                 

                 次の3つ「政府支出増」「国債増刷」「消費税減税」のうち、「国債増刷」は市中に国債を供給しなければ金融緩和ができなくなります。金融緩和は、デフレが続く日本にとっては、デフレ脱却を後押しする必要条件です。また「政府支出増」「消費税減税」はGDPを増やす政策です。

                 

                 こうして考えますと、日本が構造改革と規制緩和を続ける限り、日本株が大きく飛躍することはバフェット指数の推移とその意味を考えれば、ご理解いただけるのではないでしょうか?

                 

                 しかもトランプ大統領は日本の金融緩和について為替誘導しているとして、金融緩和策をけん制しています。そのため、ドル円相場で円高になる可能性もあります。円高になれば外国人投資家は日本株売り越しに転ずるでしょうから、日本株の暴落になる可能性があるわけです。

                 

                 そんなわけで今日はバフェット指数という指標を取り上げさせていただき、日本の株式市場の現状について私見を述べさせていただきました。


                中国の外貨準備高3兆ドル割れ

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                  JUGEMテーマ:経済全般

                   

                   

                  今日は日経新聞の記事で、中国の外貨準備高3兆ドル割れとの報道を取り上げます。

                  まず、世界の外貨準備高ランキングという資料を見てみましょう。

                   

                   中国人民銀行が発表した外貨準備高は日本円で336兆円となり、2011年2月末以降、5年11か月ぶりに3兆ドルを下回った報道されました。

                   

                   2/8(水)にこのブログ(中国の爆買い規制と400兆円の外貨準備高の中身について)でも中国の外貨準備について取り上げさせていただいた通り、多くの日本人は勘違いしています。またトランプ大統領でさえ間違った認識を持っている可能性があります。

                  いま中国政府は人民元高に困っていません。人民元安に困っているのが事実なのです。

                   

                   よく中国から資本流出していると聞くこともあるかもしれませんが、これも現状の表現としては正確な表現でなく間違っています。

                   「中国から資本が流出している」というキャピタルフライトも発生はしていますが、主因は両替が激増していることです。

                  両替とは人民元を売ってドルやユーロや円などに換える両替です。いまの中国ではこの両替が激増しています。

                   結果的に人民元の価値がどんどん下がっている状況です。そのため中国人民銀行が外貨準備、主にドル資産を取り崩して売却し、人民元を買い戻して自国通貨の人民元を買い支える通貨防衛をしている状況なのです。

                   

                   2014年には4兆ドル超あった外貨準備が、2年程度で3兆ドルを切ったという恐ろしいペースで外貨準備高が減少しています。

                  しかも、この4兆ドル超の外貨準備高について、中身がわからないとされています。

                  普通は米国債なのですが、何で持っているのでしょうか?

                   

                   中国人民銀行が公表しないので中身が不明なのですが、おそらく米国債を3兆ドルは持っていないのでは?と指摘されています。では何で持っているか?例えばアフリカの鉱山や中国の国有企業に融資するという形で持っていたとしたら、それらは現金にできません。預金化できません。要は簡単に為替介入する原資となり得ません。簡単に換金できず買い支える原資としては役に立たない資産が外貨準備高に含まれているとしたら?と考えますと、大変恐ろしい話です。

                   

                   もともとニセモノ紛いが多い中国ですが、外貨準備高3兆ドルというのもニセモノなのでは?張り子のトラなのでは?と勘ぐってしまいます。本来、外貨準備の中身を公表してオープンにするべきなのに、できない、やらない。だから人民元が信用されず、人民元から外貨への両替が止まらない、どうにもならない状態になっているのです。

                   

                   人民元の両替が進んでいるのはなぜでしょうか?

                   2015年8月の上海バブル崩壊前は、もともと中国の爆買い(銀聯カードによる人民元売り日本円買い)や、中国の官僚が稼いだ資産を外貨に換えるということが多かったのですが、上海バブル崩壊以降、人民元を切り下げる為替介入を契機に、人民元の両替が止まらなくなりました。だから今、中国はものすごい資本制限をかけているのです。

                   

                   この結果、日本企業が中国のマーケットで事業に成功し、人民元を稼いだとしても、人民元を日本円に両替する方法がありません。どれだけ中国で稼いでも日本人に円で給料を払いたくても、人民元を円に換える両替に厳しい規制をかけているため、日本人に給料が払えないことが発生しています。

                   

                   こうして爆買いも規制規制、銀聯カードの使用も規制、そういう形で中国は資本制限をかけています。

                   そんな国の通貨である人民元を、SDR(Special Draw Right=特別引出権)というIMFの通貨バスケットに組み込んで、国際通貨にするというのはあり得ません。中国共産党政府の意向で市場の動きを無視して為替操作する国、そんな国の通貨である人民元は通貨バスケットから外すべきです。

                   

                   そんなわけで今日は、改めて中国の外貨準備高の問題点について指摘させていただきました。

                   

                   


                  トランプ政権の大統領令と日米貿易

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                    JUGEMテーマ:経済全般

                     

                    今日はトランプ大統領の誕生の経緯を踏まえて、日米貿易などについて意見いたします。

                     

                     

                     

                    1.トランプ大統領令について

                     

                     トランプ大統領は「シリアなど7か国からの入国を認めない。120日間停止する。」という大統領令を発しました。

                     大統領令ではテロから守るためとしています。

                     

                     米国大統領令=議会の決議を経なくても法律と同等の効果があります。議会が反発したり、反対する法律を出したり、また最高裁判所が大統領令に違憲判決を出すこともあります。

                     

                     ワシントン州は大統領らを相手取り違憲として提訴という動きもあります。これはトランプ大統領が米国への再入国を認めないとする対象にグリーンカード(永住権保有者)を持っている人まで対象にしたからです。しかしながら、これは反発覚悟でトランプは想定していたはずです。とはいえ、イラクから逃れた人でグリーンカードを持っている人は一回アメリカの外に出ると入れない可能性があります。

                     そこで、CNNの報道でも一旦外に出ると入れなくなる可能性があると報道。トランプ大統領は「我々の国家は強力な国境管理と厳格な入国審査を必要としている。欧州で、世界中で起きていることを見てみろ!」と言っています。私もその認識は正しいと思いますが、さすがにグリーンカード保有者まで対象にするのはおかしいと思います。

                     

                     とはいえ、トランプ大統領令の善悪を問題にするより、こういう人が大統領になったのだと認識して物事を考えて進めていく必要があります。TPPを批准しない、オバマケアは撤廃、入国審査は厳しくなる、という現実を受け入れ、環境が変わったことを認識する必要があるのです。

                     

                     

                     

                    2.思考停止的なグローバリスト

                     

                     グローバリストらは、グローバリズムに対して思考停止的に善としている人が多く、トランプ大統領の登場により、パニックになっているのではないでしょうか?何しろトランプ大統領になってしまったのだから、

                    「そんなバカなことがあるはずがない!」

                    「世界に沿ったことをやってくれるはす!」

                    完全に認知的不協和に陥り、トランプは世界と合わせるはずだ!グローバリズムの良さを理解してくれるはず!とパニックになってしまっていると思います。トランプ誕生の経緯を理解しないと、そうした思考回路から抜け出すことはできないでしょう。

                     

                     トランプ大統領登場の背景はメキシコの逆輸入問題が原因として大きな理由の一つに挙げられます。米国の製造業の企業が、安い人件費を求めてメキシコに工場を移転し、そのメキシコ工場で作られた製品を米国に逆輸入するというのが逆輸入です。それはグローバリズム企業とそれを支援するファンドやら株式投資家らから見れば合理的です。とはいえ、ラストベルト地帯の製造業に勤務する白人労働者層は、賃金上昇を抑制。下手すれば解雇になる可能性ですらあります。そうした逆輸入によってもらたされる雇用の不安定化と賃金上昇の抑制の原因が、グローバリズムであることに気付き、それを至極全うに批判するトランプ大統領を後押ししたのです。

                     

                     トランプ大統領は、政治資金団体スーパーパックから一切献金をもらっていません。何しろトランプ大統領自体が大富豪。政治資金がゼロでも選挙を戦えるだけの資金を持っていました。一方でクリントンしかり、オバマ前大統領ですら、政治資金団体スーパーパックから献金を受けています。その献金の出所は、グローバリズムを肯定するグローバリストら企業やファンドなど。その献金の出し手はロビー活動で自社が有利になるように法律整備を働きかけたりします。こうした政治にトランプ大統領はうんざりしていたものと、演説の和訳解説を見ていて思っておりました。私は、イギリスのメイ首相の登場も同じ理由であり、その後に続くトランプ大統領の主張も方向性として正しいと思っております。

                     

                     にもかかわらず、マスコミ(テレビ新聞)らは、グローバリズムは自由貿易だから安いものが消費者に入って何が悪いの?自由に経済活動をすることがなぜ悪いの?規制なんて古臭い!として、いわば思考停止的にグローバリズムを正しいと思い込んでいるとしか、考えられない報道がなされています。いい加減にトランプ大統領の誕生の本質を理解する必要があると思うのです。

                     

                     トランプは、「メキシコに壁を作るが、メキシコはお金を払わないだろう!となればNAFTA(北米貿易自由協定)は撤退する!」という考えをお持ちの方です。そんな状態の人に「TPPの批准を働きかける!」「考えを翻させる!」というのはアホかと思うわけであります。内政干渉も甚だしい。この手の内政干渉ということについて気付いていない言論人も多いと思っております。

                     

                     

                     

                    3.日米の2国間通商協定とTPP

                     

                     このまま日米は2国間通商協定をやる方向になるでしょう。

                     TPPは無視され、その代わりに2国間で協議。日米FTAを締結を目指すのでは?と思います。そこでは為替操作を防止しろなどと余計な規定が入り込む可能性があり、大変に危惧しています。

                     

                     量的緩和政策は、通貨安政策ではありません。通貨発行してインフレにする政策です。現実は緊縮財政をやっていて、デフレのまま量的緩和を続けると、明らかに通貨安誘導に見えてしまうのです。

                     しかも、一部の学者らが「量的緩和のメリットは通貨安である!」と言ってしまっています。政府の首脳は言いませんが、一部の学者が言うのは、大変マズイことです。トランプ大統領から見れば、為替誘導していると思われてしまうからです。もし、トランプ大統領によって日本が量的緩和政策ができなくなった場合、日本経済はパニックになることでしょう。

                     それを回避するためには、日本がさっさとデフレを脱却し、日本経済がインフレになれば自力で内需主導で内需拡大ができれば、為替の高い安いは関係なくなります。

                     円高になれば、日本の企業は製品価格が上昇し、外国で物が売れなくなるかもしれません。外国で物が売れなくても、日本が政府主導で需要を作れば、日本で売ることができます。海外で売るのも日本で売るのもGDP拡大に貢献しますが日本で売った場合、日本人の所得となれば、その所得を得た日本人が新たに消費をする可能性があります。消費しやすい環境になるまで、日本政府が需要を作り続ければ、デフレ脱却するでしょう。そうなれば日本人の賃金が増え、消費が伸びればそれがさらに需要となってやがて米国製品を買うことも想定されます。そうなれば日本は米国からの輸入も増える可能性も出てきます。この輸入分は米国の国民の所得となります。

                     こうして、日本がデフレをさっさと脱却して米国からの輸入が増えるくらい、経済成長させればトランプ大統領なんて恐れるに足らず。有効な日米関係を築けるものと思うのです。

                     

                     そこで出る話として人口問題を取り上げる人がいます。これもまた誤解が多い。

                     日本の場合、人口が減少すると言っても、日本の人口減少は1億3000万人の人口に対して、22万人程度であり、総人口に占める割合は高々0.2%の減少です。こんなのは国民の所得が10%も増えれば、余裕で埋められます。自虐的に日本の経済を否定しようとして、結果円安に頼ろうとする人が多い。輸出に頼らない国、日米中国ドイツの4か国は、本来内需主導で経済成長できる力があります。ところが実際は日本と米国の2か国だけ。中国とドイツは外需依存国です。

                     

                     日米貿易の不公平で言えば、アメリカの車を買っても左ハンドルばかりでサービス網がありません。日本の車の関税は0%ですが、米国の車の関税は2.5%で、日本の市場は開放しているわけですが、米国は2.5%という関税障壁があります。自分たちの努力不足を日本に押し付けているのです。しかし、このトランプ大統領の主張は、米国第一主義を謳って当選した経緯を踏まえれば、至極全うです。

                     

                     TPPについても触れます。日本の聖域である牛肉について、米国の牛肉には45%の関税がかかっています。かつて米(コメ)ではミニマムアクセス米として、コメの輸入を最低限の量を輸入する取り決めが決まりました。米(コメ)と同じようにミニマムアクセスCARのような可能性も否定できません。

                     

                     このとき一番まずいのは、日本がTPPに批准してしまっていることです。これは本当にマズイ。日本の最高意思決定機関である国会でTPPを批准してしまいました。その結果、交渉の最低ライン=TPPというスタートラインになってしまうのです。TPPの批准内容から、どこまで譲歩するか?という極めて不利益な交渉です。

                     

                     「TPP批准の理由は再交渉を受け付けないという意味で批准した!」は完全に認知的不協和に陥っているとしか言えません。2国間協議は始まってしまいます。米国を除いた11か国でTPP批准をするとすれば、条件を変えなければなりません。しかし変えることなく批准してしまった。この影響は今後も響いてきます。具体的に言えば、EUとのFTA交渉ではTPPが最低ラインになるでしょう。ここからどこまで譲歩するんでしょうか?国会議員に質問したいです。

                     

                     総理はトランプ大統領とゴルフをする前に、TPP以上の譲歩はしないと宣言すべきでした。

                     今後、TPP+ミニマムアクセスCAR+為替条項など、TPPプラスαの要求をしてくるでしょう。

                     日本は日本の国益を考えて、堂々と米国に日本の主張し、ミニマムアクセスCARや為替条項について断固として拒否する主張をしていただきたいと思います。

                     

                     

                     


                    社会通念化している財政破綻論

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                      JUGEMテーマ:年金/財政

                       

                       

                      安倍政権の内閣官房参与の浜田宏一エール大学教授が中日新聞のインタービューに答えました。

                       

                      浜田宏一教授「金融緩和が徐々に効かなくなってきた。財政支出の助けが必要です。」

                       

                       浜田宏一教授は、クリストファーシムズ理論を最近になって読み、考えが以前と変わったとされる人物です。今まで浜田教授は、金融緩和をやればデフレ脱却は可能であると思っていたわけですが、シムズ論文を読み、4年前思っていたことは誤りであり、財政出動が必要である!と考えを翻したのです。私は言論人に対して厳しい批判をすることはありますが、人格否定はしません。今まで間違っていても正しく翻っていただけるのであれば、普通に称賛いたします。

                       

                       クリストファーシムズは、2011年のノーベル経済学賞受賞者で、財政拡大をコミットメントすれば将来インフレになると期待して、インフレになるという理論です。

                       

                       日本国民の場合、日銀も認めていますが、将来こうなるからこうしようという合理的な判断をすることはありません。我々は「過去〇〇だったから、将来も〇〇になる。今デフレだから将来もデフレになる。」そう思っていないでしょうか?浜田教授はいわゆるリフレ派でして、岩田規久男日銀副総裁と同様に、人は「将来〇〇になるだろうから、今〇〇する!」というフォワードルッキングな予想形成(合理的期待形成)をするというお考えをお持ちでした。その証拠に、2013年に安倍政権が誕生して、物価目標2%を公約に金融緩和、即ちアベノミクス第一の矢を放ちました。

                       

                       金融緩和政策自体、デフレ脱却のために必要であり、私は否定しませんが、フォワードルッキングな予想形成で人が動くというのは否定します。

                       例えば「国債発行で財政出動しても、将来増税をして回収されることはなくなる。だからお金を使う。」などと経済合理的に考え方をする人は、ほとんどいないと思われます。個人がお金を使い始めるとすれば、「国債増刷」「財政出動」の結果、仕事が増え、値下げしなくても値上げして物・サービスが売れ、毎月もらえる所得が実質値で増え続けたとき(物価上昇以上に所得が増え続けたとき)です。「これまで実質賃金が安定的に上がってきた。ならばこれからも上がるだろうからお金を使おう!」と考える国民が間違いなく大多数ではないでしょうか?

                       

                       しかしながら、日銀の岩田副総裁は、フィッシャー方程式を持ち出し、次のように語っています。

                       

                      フィッシャー方程式:実質金利=名目金利−期待インフレ率

                       

                      上記の式の通り、期待インフレ率を高めれば、名目金利を操作しなくても実質金利は低下し、消費や投資を促すだろう!と。

                       

                      「期待インフレ率を高める→日銀が2%目標を達成するとコミットメントする→実質金利低下で消費設備投資増」

                       

                       そうすれば、名目金利−2%=実質金利となって、実質金利が低くなるから、家を買う人も増え、設備投資をする企業も増えるというのが岩田副総裁や浜田教授の論説でした。ところが、デフレで物・サービスを安くしないと儲かりにくい環境では、どれだけ金利が安かろうと設備投資をする企業が増えることはありません。つまり「将来〇〇だから、今〇〇する!」という判断はせず、過去〇〇だから将来も〇〇になる」という人が多いと思うのです。フォワードルッキングな予想形成で合理的な判断をするから金融政策をやればデフレ脱却するというのは、明らかに誤りであり、財政出動も同時に実施して実質賃金を増えるようになるまで、金融緩和と財政出動をパッケージにして継続すると主張するべきだったのです。

                       

                       浜田教授が、未だフォワードルッキングな予想形成を元に、財政出動すべきとする論説に、若干違和感がありますが、現在の日本にとっては至極全うなことをおっしゃっています。

                       

                      中日新聞のインタビュアー:「日本の財政は世界一の赤字を抱えています。」

                      例の通り、間違った財政問題の指摘に対し、

                      浜田教授:「財政を均衡させる考えにとらわれ過ぎだ!政府が潤っても国民が貧しいなら、どうしようもない。」

                       

                      私は浜田教授の回答に対し、まさに「その通り!よく言った!」と思うのです。

                       

                      中日新聞のインタビュアー:「政府が当面借金を返す気がないと、国民に思わせても本当に良いのですか?」

                      中日新聞のインタビュアー:「歯止めのないインフレになってしまうのでは?」

                      を財政破綻論者の究極の奥義「はいぱーいんふれーしょん」的な質問に対し、

                      浜田教授:「長年デフレが続いている。そのような心配をする必要はない。」

                       

                      これまた「その通り!」と拍手喝采したい気持ちになる回答をされているのです。

                       

                      「財政を均衡させる考えにとらわれすぎだ!政府が潤っても国民が貧しいならどうしようもない。」

                      「経済が成長していれば財政赤字が増えることは問題ではない」

                      「長年デフレが続いている。歯止めのないインフレの心配をする必要がない」

                      こうした浜田教授の論説は、一般の日本国民にとっては、「何言っているの?」的な人が多いのではないでしょうか?このことが日本のデフレ脱却を困難にしてしまっている原因であり、その原因を作っているのは真実を報道しないマスコミにあると私は思うのであります。

                       

                       蔓延している財政破綻論のウソ・デタラメをつぶす。目的は国益のためです。このブログを通じて言論活動を行い、少しでも真実を皆さんに知ってもらうべく、この活動を続けます。と同時に、内閣官房参与の浜田宏一エール大学教授が、従来の発言を誤りだったと素直に認め、考えを翻られて、正しい論説を中日新聞のインタビューアーにぶつけたことを称賛したいと思います。

                       

                       


                      乏しい成果のマイナス金利!

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                        JUGEMテーマ:経済全般

                         

                         

                         

                         日銀が世界でも珍しいマイナス金利を導入してから1年が経ちました。その後の金利の急低下により、住宅ローンの借換でメリットが出ましたが、消費や投資を促す大きな成果は出ていません。

                         

                         税収=名目GDP×税率×税収弾性値

                         GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出

                         ※純輸出=輸出−輸入

                         

                         当たり前ですが、以前に高い金利で借りた借入金を、低金利の借入金にしたところで、それ自体はGDPの個人消費でもなければ政府支出でもなければ設備投資にも純輸出にも該当しません。税収増に結び付きません。

                         低金利で借り換えた人が浮いたお金で消費?などと言う人がいるかもしれませんが、デフレの環境においては、その分貯金を増やす人の方が多いのではないでしょうか?もちろん全員が貯金を増やすとは言いません。とはいえ、こうした金融政策は、政府支出(=財政出動)と異なり、いつ?いくら?使われるかは測定不可能です。政府支出は予算化されれば、事業年度内つまり1年以内に必ず執行され、GDPにカウントされて税収増につながります。

                         

                         日銀が2016年1月にマイナス金利の導入を決定して以来、どうなったか?振り返ってみましょう。

                         

                        <資料1:「新発10年国債」1か月間の金利の推移>

                         

                        <資料2:「新発10年国債」1か月間の金利の推移>

                         

                         

                         長期金利が1月に0.2%台となり、2月にマイナス圏になり、4月には一時▲0.3%台まで急落しました。

                         それに連動して住宅金利も下がり、8月には過去最低水準にまで下がりました。その結果、住宅ローンの新規申込が急増。昨年1年間で56万件。新たに住宅投資をするのであればGDPにはプラスに働きます。しかしながら借換の場合はプラス側面がありません。今までの銀行から新しい銀行へ所得が移転し、前の銀行は所得を減らすデフレ促進になります。

                         それ以外にもマイナス効果があります。長期金利の低下は、国債の利回りの低下です。安定資産として大量のお金を運用する年金など、利回り低下のデメリットを直撃しました。生命保険会社など長期で資金運用するのに、国債金利がマイナスになってしまうことで、運用難の環境がより厳しくなりました。生命保険各社は、この4月に予定利率を引き下げ、保険料をUPいたします。

                         

                         マイナス金利を導入してどうなったか?検証してみますと、どれだけ量的緩和をしても物価上昇しませんが、考えてみれば当たり前です。デフレで物・サービスを安くしないと売れない状況では、企業が設備投資を控えますし、雇用が不安な状態になれば個人も消費を増やす、具体的に言えば借入して自動車を買う、家を買うなんてことはしません。個人が消費を増やすためには、雇用が安定し、毎月決まってもらえる給料が増え続けるという環境になって、今後もそれが続くと確信が持てる場合のみです。つまり金融緩和策だけで物価上昇すると考えるのは間違っているのです。これはデフレ・インフレについて正しい理解をしていないからです。デフレ・インフレは物価の変動現象です。物価の変動は需要の増減で決まります。貨幣量(定義はマネーストック・マネタリーベースか不明)現象ではないのです。金利を下げれば銀行がお金を貸し出したくなるインセンティブにはなるでしょう!とはいえ、デフレが続く以上、私たちはお金を借りようとしないのです。企業もお金を借りようとせず、自己資金で投資をしようとするでしょう。資本主義の根幹である借り入れによる経済のパイの拡大、即ち信用創造の否定が続きます。資本主義が機能しない状態なのです。

                         

                         また国債の金利が下がるということは、銀行の収益が下がって政府に収益が移転します。政府が銀行に払うべき国債の金利が下がる分、政府が金利を銀行に払うのを免れるからです。銀行が受け取るべき金利(=銀行の収益)を政府に移転するので、マイナス金利は緊縮財政の一環とも言えます。

                         

                         というわけでマイナス金利は、デフレで借りてくれる人がいなくて、仕方なく国債を買って利息を得ている銀行の収益を奪って銀行のバランスシートを傷つけて政府に所得移転をさせる一種の緊縮財政であり、すぐに辞めるべきです。その代りに「国債増刷」で銀行の国債不足の不安を解消し、デフレ脱却を速やかに果たすべく「政府支出増」の決断を急いで欲しいと思うのです。

                         

                         


                        中国人民銀行が人民元の海外流出額を制限!

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                          JUGEMテーマ:経済全般

                           

                           今日は2017年2月1日の日経新聞の記事「人民元、海外流出額を制限(中国、資本規制を強化)」というニュースについて取り上げます。

                           

                          以下が該当のニュースです。

                          『【上海=張勇祥】中国が企業や銀行に課している資本規制の全容が明らかになった。2016年末以降、国境をまたぐ人民元取引の制限を強化。外国企業の中国現地法人が本社に資金を貸し付ける「子親ローン」などが難しくなった。外貨中心の従来規制では資本流出を阻止できないと判断したためだが、企業活動に影響が出始めている。(後略)』

                           

                           

                           中国が企業や銀行に課している資本規制の全容が明らかになりました。2016年度以降、国境をまたぐ人民元取引の制限、これを強化しています。2016年1月からの爆買い規制もその一環と言えるでしょう。企業活動で言えば、具体的には外国企業の中国現地法人が本社に貸し付けるローンが難しくなっているようです。

                           

                           中国は、なぜこの規制をかけるのでしょうか?NHKも今月2月8日に記事を出しました。

                          『中国の外貨準備高は、海外への資金の流出を背景にした通貨・人民元のドルに対する急激な値下がりを食い止めるため、当局が引き続き市場介入を行ったと見られることなどから、先月末の時点で5年11か月ぶりに3兆ドルの大台を割り込みました。

                           中国人民銀行は、民間銀行への指導として、顧客企業に送金のタイミングを遅らせるよう要請しているとのこと。例えば送金を遅らせるために書類上の不備を指摘し、送金の注文を受け付けないという事例も出ているようです。

                           

                           日本企業が輸出などで人民元を稼いだとしても、給料が払えないので普通は稼いだ人民元を円に転換するのですが、それができません。なんだかんだ書類が不備などと言って難癖をつけてくるのです。人民元のまま持っているしかないというくらい大変なことになっているくらいの状況で、いわば資本移動を制限しているのです。

                           

                           

                           というわけで今日は、中国人民銀行が人民元の海外流出を制限している旨の記事を紹介しました。私見を述べさせていただければ、こんな国が人民元の国際通貨化とか、おかしすぎです。資本移動を制限し、中国共産党政府の為替介入で操作される通貨が、国際通貨とかあり得ないと思うのです。IMFはSDR(Special Draw Right=特別引出権)への新規採用を辞めるべきであると思います。


                          トランプ大統領 金融緩和に批判!安倍黒金融緩和にツイッター砲炸裂か?

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                            JUGEMテーマ:経済全般

                             

                            今日はトランプ大統領が、日中の金融緩和政策について言及し始めたことに対して意見いたします。

                             

                             

                             

                            1.トランプ大統領が日本の量的金融緩和策について言及

                             

                            『(朝日新聞2/1付)トランプ米大統領は31日、「他国は、通貨やマネーサプライ(通貨供給量)、通貨安誘導を利用し、我々を出し抜いている。中国がやっていることをみてみろ。日本がこの数年でやってきたことをみてみろ。彼らは金融市場を利用している」と話し、中国と並んで日本の為替政策を批判した。(後略)』

                             

                             トランプ大統領が大手製薬会社と打ち合わせし、上記の通り日本と中国について言及しました。

                             1ドル=113円台で取引されていた為替相場が、一時1ドル=112円まで上昇し、2か月ぶりの円高ドル安水準になりましたが、また1ドル=113円台まで円安ドル高に戻しています。

                             

                             トランプの発言は、「他国が通貨切り下げによって薬を作れないようにしている」として日中の為替政策に触れました。

                            私は、もしトランプ大統領が製造業を本当に復活させたいのであれば、ドル安政策が望ましいので、日本の金融緩和政策についても指摘される可能性があると思っていましたが、ついに安倍黒金融緩和政策にもツイッター砲が炸裂したということでしょうか?

                             

                             しかしながら、トランプ大統領の指摘は正しくありません。もちろんトランプ大統領の登場の経緯で、国力強化、保護貿易、米国人の雇用創出ということを考えれば、そう指摘せざるを得ません。とはいえ、正しくない点は指摘しておきたいと思うのであります。

                             

                             

                             

                            2.日本の量的金融緩和は為替操作ではない

                             

                             金融政策決定会合を受け、黒田日銀総裁は会見を行っています。

                            トランプ大統領はドルが強すぎると露骨にけん制しましたが、黒田総裁は為替に通貨高政策はないと反論し、ファンタメンダルズ(経済の基礎的条件)に則して変動することが望ましいと述べました。これはこれで、黒田総裁の言っていることは正しいです。中国は為替介入を行い、為替操作を行っていますが、日本は為替介入による為替操作は行っていません。

                             とはいえ、内閣官房参与の浜田宏一エール大学教授、日銀岩田規久男副総裁らは、量的緩和の効果については「円安です!」「円高是正です!」「輸出拡大です!」と言っておりました。黒田総裁は言っていません。

                             

                             この「円高是正です!」というフレーズ、内閣官房参与の浜田宏一エール大学教授、日銀岩田規久男副総裁らの発言、これはマズイです。「円高の是正です!」と為替について触れてはいけなかったのです。理由は量的緩和をトランプ大統領のツイッター砲で辞めされられるとしたら、これは大変なことになります。デフレ脱却ができていない日本で、金融緩和を止めた場合、超円高になる可能性があるからです。

                             

                             元々インフレ誘導を目的に始めた金融量的緩和ですが、量的緩和だけやって財政支出をしなかった、これが結果的に円安誘導に見えてしまっているのです。そこをトランプ大統領が「円安誘導国」→「自国通貨切り下げ国」→「為替操作国」と日本の金融緩和政策を批判しているのです。

                             

                             中国は為替操作国ですが、日本は異なります。とはいえ、さっさとデフレ脱却のための財政支出増の政策が打たれなければ、いつまで経ってもデフレ脱却できず、このまま国債買取を続ければ、市中の国債が尽きるというXデーを迎える前に、金融緩和政策を止めさせられて超円高→日本株大暴落というシナリオが実現してしまう可能性が高くなります。

                             

                             日本がすべきことは、トランプ大統領に量的金融緩和策が為替操作と映らないようにするために、デフレ脱却に向けた日本の国内需要拡大のための財政出動を、速やかに実行すべきなのです。

                             

                             

                             

                            3.「中国共産党が人民元安にしている!」との指摘は間違い

                             

                             トランプ大統領の「人民元安にしている!」という指摘は明確に間違っています。今中国は人民元安に苦しんでいます。2015年8月に人民元を下げるための為替介入をしたことは間違いありません。理由は中国の株式バブルが崩壊し、景気が悪くなったことが原因です。そこで景気を良くするために輸出を伸ばして経済成長させようとして自国通貨安となる人民元を大量に売る為替介入を行いました。

                             

                             それまで外国人投資家は、中国の高い経済成長が今後も続き、それに伴って人民元も上昇するとの見方から、人民元を買い続けてきました。一方で人民元高となると輸出が伸び悩みます。以前ブログで指摘しましたが、中国は内需国の日米とは異なり、外需依存国です。人民元高となっては経済成長ができないために、中国は人民元を売って人民元高とさせない為替防衛をしていたのです。

                             

                             しかしながら、中国の株式バブル崩壊後の2015年8月の人民元売りの為替介入によって、外国人投資家らが人民元が高くなるとのシナリオに懐疑的になり、人民元を売り始めました。そして今もなお外国人投資家らは人民元を売っております。つまり今中国は人民元安に悩んでいるのです。その証拠に、既に400兆円あった外貨準備高が300兆円を切ったと言われています。2015年8月時には400兆円あった外貨で、人民元安を防ぐために人民元を買い支えていたのです。買い支えなければ中国はとっくに通貨危機になっていたことでしょう。

                             

                             とはいえ、2015年8月で400兆円が、2年足らずで100兆円減少。これは恐ろしいスピードです。しかもブログで指摘した通り、中国の外貨準備高は中身が不透明。今後も信用されない通貨人民元は、外国人投資家から売られ続けるでしょう。一定水準で為替防衛ができなくなり、外貨準備を取り崩して買い支えることができなくなった時、世界最大の外貨準備高を誇る中国で通貨危機というブラックジョークになってしまう可能性があります。もしそうなれば中国経済は崩壊に向かうでしょう。

                             

                             だから、本来中国人民銀行は、外貨準備の中身を公表すべきです。だけどやらない。やらないから人民元安が止まらず、人民元安を食い止めるための通貨防衛により外貨流出が止められない状況になっているのです。

                             

                             

                            というわけで、今日はトランプ大統領がついに日本の金融緩和に批判をし始めたことと同時に、実はトランプ大統領の指摘は間違っているということを述べさせていただき、その上で日本がとるべき政策と、中国が如何にヤバイ状況になっているか?を指摘させていただきました。


                            ビナミルク(証券コード:VNM)について

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                              JUGEMテーマ:注目企業

                               

                              今日はビナミルクという会社について取り上げます。

                              ビナミルクはベトナム乳業で、ベトナム国内における超優良企業です。

                              私は2006年6月に初めて海外旅行でベトナムのホーチミンを訪れ、ベトナム投資開発銀行とベトナム投資開発銀行証券に口座を開設しました。2006年9月にベトナム株を十数銘柄保有をはじめましたが、このビナミルクも日本円で5万円ほど投資しておりました。

                               

                              まずビナミルクという会社について会社情報を見てみましょう。

                               

                               

                               

                               

                              【2006/9購入時】

                              株数:100株

                              購入単価:83.5VND

                              約定為替レート:1ドン=0.70円

                              購入簿価(日本円):58,450円

                               

                              【2017/2/9時点】

                              株数:777株

                              購入単価:134.1VND

                              為替レート:1ドン=0.4957円(2017/2/9時点)

                              時価額(日本円):516,498円

                               

                              上記の通り、58,450円で買ったものが、8.8倍になった計算です。

                              株価が、83.5VND→134.1VNDと1.6倍になり、株数が7.7倍となり、為替差損が発生していますが、それでも円ベースで簿価から8.8倍になったのです。

                               

                              株式投資を長くやっていますと、株価の上昇だけでなく、株式配当(無償分割)や有償分割で株数が増える楽しみも経験しておりまして、ベトナム株で言えば、ビナミルクは大当たりでした。100万くらい突っ込んでいれば、800万近くになっていたということになりますが、残念ながら6万弱しか投資していませんでした。

                               

                              さて、このビナミルクですが、JALでホーチミンやハノイに行く際、機内食でビナミルクのヨーグルトが出ます。アジアの優良企業50選にも選定されました。

                              『米経済誌フォーブス(Forbes)がこのほど発表した、アジア太平洋地域の上場企業から選ぶ2016年版「アジア優良上場企業50社(Fab 50)」の中で、ベトナムからビナミルク[VNM](Vinamilk)が初めてリスト入りした。

                               同リストにベトナム企業が名を連ねるのは今回が初めて。同誌によると、VNMの2015年売上高は18億USD(約1840億円)、時価総額は92億USD(約9400億円)。「ベトナムからのリスト入りは注目に値する」と評されている。

                               国・地域別でリスト入り企業数が最も多かったのは中国の22社で、6年連続で最多を記録している。2位はインドの8社、3位は韓国の5社。日本からは株式会社サイバーエージェント(東京都渋谷区)、日本ペイント株式会社(東京都品川区)の2社がいずれも初めてリスト入りした。』

                               

                              下記は10年チャートですが、見ての通り、右肩上がりです。

                               

                              今日は外国株でベトナム株のビナミルク株を取り上げさせていただき、株式投資の醍醐味ということをお伝えいたしました。

                              外国株を始めようと思われておられる方、ベトナム株への投資は検討に値すると思います。

                               


                              中国の爆買い規制と400兆円の外貨準備高の中身について

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                                JUGEMテーマ:経済全般

                                 

                                 

                                今日は中国経済について意見いたします。

                                 

                                 

                                 

                                1.爆買いした場合の人民元と円の関係

                                 

                                 よく中国で爆買いの規制が入ったということを耳にする方が居られると思います。具体的に言えば、2016年1月1日から爆買いに規制が入りました。その規制はどんな内容かと言いますと、銀聯カードで買い物をする際、1日1万元という限度額(2/7時点の人民元レートで約16万円)だったのが、年間10万元(2/7時点の人民元レートで約160万円)に規制するというのが規制内容です。1日1万元の限度額の時は、年間365万元で約5,840万円(2/7時点の人民元レート)の買い物ができたのですが、それが年間160万円にまで規制されたのです。

                                 

                                 中国はクレジットカードで買い物をするのではなく、銀聯(ぎんれん)デビットカードで買い物をします。銀聯デビットカードで買い物をするときに何が行われるのか?

                                 例えば、秋葉原で家電製品を中国人が銀聯デビットカードで支払うたびに、人民元から日本円へ円転されます。即ち人民元売り円買いが買い物をする都度行われるのです。

                                中国共産党政府が爆買いを放置すればするほど、人民元売り日本円買いとなって、人民元のレートが切り下がっていくのです。

                                 

                                 

                                 

                                2.中国政府による2015年8月、人民元安の為替介入の実施

                                 

                                下記は人民元円のチャートです。

                                 

                                 2015年8月、人民元を下げるための為替介入をしました。

                                 理由は、中国で株式バブルが崩壊し、景気が悪くなったためです。中国は日米と異なり、内需国(国内需要が海外需要を大きく上回る国)ではなく外需依存国です。即ち輸出依存国です。日米は輸出依存国ではありません。日本の輸出依存度は14%程度。GDP500兆円のうち、純輸出額は70兆円程度で14%程度。中国は純輸出がGDPの50%を超える輸出依存のため、中国共産党政府は輸出を伸ばして経済成長させようとして人民元を下げる為替介入を行ったのです。

                                 

                                 それまでの中国は人民元が高くなることを避けるために、ドルやポンドや円を買って人民元を売り続けていました。それはそれで、輸出依存による外需取り込みという形になって中国経済の成長を伸ばすという結果をもたらしました。中国人民中央銀行が人民元売り外貨買いをしても、経済成長を期待して外国人投資家も人民元高を見越して人民元を買っており、後者の量が大きく人民元は上昇を続けていました。中国政府が上昇を続ける人民元を売って、外貨を買い続けた結果、外貨準備高が世界一になりました。

                                 外国人投資家らは、人民元が下がるとは思ってもいなかったと思われます。そこで2015年8月に人民元を下げる為替介入を行ったことで、外国人投資家は「人民元って下がるんだ!」となり、人民元を売って、ドルユーロポンド円に両替するようになったのです。その結果、人民元安が続くことになりました。

                                 

                                 2015年8月から今に至り、中国は人民元安に悩んでいるのです。

                                 人民元安で困っていると言われると、「人民元が安くなれば輸出が増えるじゃん!」と思われるかもしれませんが、世界的に需要が減っているスロートレード状態のため、人民元を安くしても輸出は増えません。中国の輸出企業にとって円建ての売上やドル建ての売上が、人民元安にすることで人民元の受取額が増えることはありますが、実需(輸出の数量)は世界経済が低迷していて伸び悩んでいるのです。

                                 そんなわけで、今中国は景気を良くしようと人民元売りをしたにもかかわらず、世界経済の低迷によって単に人民元が安くなっただけとなり、そこに外国人投資家らが人民元売りを追随して人民元安に拍車がかかってしまっているのです。

                                 そして拍車がかかった人民元安が止まらず、逆に外貨準備高を取り崩すことになっています。この動き、キャピタルフライト(資産逃避)と言いますが、今もなお続いています。

                                 

                                 

                                 

                                3.中国の外貨準備高400兆円について

                                 

                                 2016年3月、全国人民代表大会で、通貨防衛をしていることを中国共産党政府は認めました。もちろん通貨防衛をしなければ、通貨危機になります。そこで人民元から外貨へ交換することについて規制強化もしています。

                                 

                                 しかしながら世界最大の外貨準備を保有する中国です。その額400兆円。日本の外貨準備高は約140兆円程度ですので、日本の2倍以上の残高です。普通、400兆円も外貨準備があれば、通貨危機が起こる可能性は極めて低いです。ところが、この400兆円の外貨準備について、疑問視する見方があるのです。

                                 

                                 通常、外貨準備と言えば国債を買います。銀行預金ではありません。銀行預金には元利1000万円しか保証されないペイオフ制度があるためです。そのため、普通は米国債や円国債を買います。日本も外貨準備の大部分は、米国債それも米国短期証券が占めます。

                                 

                                 本来400兆円について、ユーロ国債や米ドル国債や円建て国債が占めていれば問題ないのですが、アフリカや南米のプロジェクトに突っ込んでいるのでは?と言われています。さらに為替差損の未計上という指摘もあります。

                                 というわけで、中国政府は外貨準備高の中身を公表すべきなのですが、それをしていません。そのため、外国人投資家は人民元について信用できず、人民元売りが止まらないという状況になっているのです。

                                 

                                 「人民元が今後世界の基軸通貨になる!」なんて言っていた人もいましたが、そうしたエコノミスト、アナリスト、経済評論家や経済学者の皆さん、ご愁傷さまでした。そもそもハードカレンシーでない人民元が世界の基軸通貨になるなんて100%あり得ません。

                                 

                                 というわけで、今日は「人民元売りに困っている中国政府の現状」「爆買い規制の背景」「外貨準備高400兆円の中身が不明という問題点」を述べさせていただきました。


                                ルサンチマンによる公務員批判の愚かさ

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                                  JUGEMテーマ:経済全般

                                   

                                  次のフレーズは、デフレで苦しんでいる我が国においては正しくありません。

                                   「公務員を削減すべき!国会議員を削減すべき!医療費を削減すべき!改革なくして成長なし!」

                                   残念ながら賃金が伸び悩み、雇用が不安定化しているので、雇用が安定している公務員や大企業従業員へのルサンチマンを抱く人が多いのは、大変残念です。
                                   賃金伸び悩み、雇用不安定化は、政府が正しい政策を打っていないのが原因ですので、気持ちが理解できないわけではありません。

                                   しかしながら公務員・国家議員削減や医療費削減は、少なくてもインフレギャップが生じているときに行うべきであって、デフレギャップ(内閣府は我が国が6兆円のデフレギャップが存在すると分析)が生じている我が国においては、正しい政策ではありません。

                                  税収=名目GDP×税率×税収弾性値
                                  GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出
                                   純輸出=輸出−輸入

                                   公務員・国会議員の給料は政府最終消費支出であり、医療費もまた政府支出です。デフレに苦しむ我が国が、公務員削減や医療費削減をすれば、GDPを減らすことになり、税収も減ります。

                                   「改革」をイデオロギー的に反対するつもりはありませんが、どちらかといえば「需要削減」「需要が増えない分野での供給サイド増加」「供給サイド削減(工場閉鎖・従業員解雇)」のデフレ促進策が多い。緊縮財政を続けている以上、改革をしたとして、従来得ていた所得を、改革によって参入できた他の人の所得になるだけは、我が国のGDPは行って来いで増えないのです。

                                   また「随意契約は一部の業者が儲かるだけなので一般競争入札にすべき」は入札参加者が増えて競争激化につながって値段が下げられて仕事が発注される可能性が高く、名目GDP減少につながります。

                                   「構造改革を推進して経済成長させる」「改革なくして成長なし」という発想は以下の発想が根底にあるものと考えられます。
                                  経済成長の言葉の定義が不明確(私は経済成長=GDP成長と定義します。)
                                  インフレデフレが貨幣現象(貨幣の定義はマネタリーベースかマネーストックかは不明)ではなく、需要過不足であることを理解していない
                                  インフレ対策・デフレ対策でいえば、公務員削減(人員削減も給料削減も)がデフレ対策でなくインフレ対策(GDPを押し下げる政策)であることを気付いていない
                                  国家運営を家計や企業経営と同じに例えて、政府こそコスト削減を推進すべきと考えている

                                   誰かの消費がなければ、誰かの所得にならない。その誰か?は、政府だろうと民間だろうと同じです。正社員で公務員時代の給料と同じ以上の給料が払われる民間求人が多い環境であること、即ちインフレギャップの時であれば、公務員削減しても消費に影響が出ないでしょう。
                                   今は必ずしも正社員で採用されるとは限らず、「無駄(私は無駄と思っていません。)」とレッテル貼された公務員が解雇となって、賃金の低い仕事や雇用が不安定な非正規社員で採用されれば、彼らは間違いなく消費を減らします。

                                   ルサンチマンを抱く人を少しでも減らすには、雇用が安定して実質賃金が増え続ける環境になること。そのためには政府が政府支出増・国債増刷を早く決定し、企業が正社員採用、能力開発投資が継続的に行い続ける環境を整える正しいデフレ対策に舵を切っていただきたいと切に願います。

                                   

                                   

                                   

                                   


                                  認知的不協和に陥る人々(豊洲移転問題とTPP批准問題について)

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                                     最近、私がよく参考にしている藤井聡氏やら三橋貴明氏らの論説で、認知的不協和という語彙を頻繁に見かけるようになりました。心理学の一種のようなのですが、今日は、マスコミ報道の在り方の問題点として、心理学の認知的不協和について、前回の豊洲問題の報道と合わせ、意見したいと思います。

                                     

                                     

                                     

                                    1.藤井聡氏らが言う認知的不協和理論について

                                     

                                     認知的不協和というは心理学で出てくる理論の一つのようです。

                                     ケーススタディとして、喫煙者が陥りやすい認知的不協和を考えてみます。

                                     

                                    【認知1】私、喫煙者Aはタバコを吸う

                                    【認知2】煙草を吸うと肺がんになりやすい

                                    【認知3】私、喫煙者Aは禁煙する

                                    【認知4】喫煙者で長寿の人もいる

                                    【認知5】交通事故で死亡する確率の方が高い

                                     

                                     喫煙者が喫煙の肺がんの危険性【認知2】を知りますと、【認知1】と【認知2】は矛盾する「肺がんになりやすい」を知ってるのに、「タバコを吸う」という行為で矛盾を感じるようになります。

                                     そこで【認知1】を【認知3】「私、喫煙者Aは禁煙する」に変更します。ところが喫煙者の全員が禁煙者にならず、タバコを止められない人の中には、別の事象を必死に認知しようとします。例えば【認知4】【認知5】を探し出して認知することで、タバコを吸う行為を正当化しようとするのです。

                                     

                                     

                                     

                                    2.豊洲市場移転問題に置き換えるとどうなるか?

                                     

                                     この心理学の認知的不要和を、豊洲市場移転問題に置き換えて考えてみましょう。

                                     

                                    【認知A】東京都は悪いはずだ!

                                    【認知B】東京都が移転先に決めた豊洲は不衛生的だ!

                                    【認知B】「東京都が市場移転先に決定した豊洲は衛生的で安全だった」

                                    【認知C】「豊洲が衛生的か否か?は関係なく、問題は東京都が事前にそれを説明しなかったことであり、それはとんでもない悪いことなんだ!」

                                     

                                     【認知A】と【認知B】というこの2つの認知は協和します。結果、東京都はウソをついている、関係者は手抜きしていると、東京都のことを悪く言う行為は正当化されます。

                                    しかしながら【認知A】は、【認知B】と協和(整合)しません。

                                     

                                     もし【認知B】が正しい場合、「東京都が悪いはずだ!」と整合せず、東京都のことを悪く言う行為を正当化できなくなります。即ち【認知B】が正しければ、東京都は悪くなくなり、悪くない東京都を、悪く言い続ける自分たちこそが実は悪いのでは?と不安に駆られることになります。

                                     

                                    【事実1】たまり水に「ヒ素」が検出されたが、70年間毎日2リットル飲み続けた場合でも健康に影響がないとみなせる環境基準は下回っているものだった。

                                    【事実2】地下の「空洞」「空間」は万一の対策のためだった。

                                    【事実3】地下空間を設ける方が盛土構造より、コストがかかるものだった

                                    【事実4】「技術系職員は全て地下空間の存在を知っていて、通称モニタリング空間と呼んでいた。しかも技術系職員だけでなく、部局トップが空間の存在を知らないということはないはずのものだった。

                                     

                                     前回の記事で毎日・朝日新聞で後から報道された上述の【事実1】〜【事実4】は、【認知B】の「東京都が市場移転先に決定した豊洲は衛生的で安全だった」が正当である可能性が高いと考えて報道されたわけです。

                                     

                                     この時、認知的不協和理論では、人は下記のようなことを考えるようです。

                                     「現存する『不協和』を解消できるように、一生懸命工夫して、その『不協和を解消』しようとする」

                                     

                                     藤井聡氏によれば、【認知A】と【認知B】の『不協和解消の方法』には、いくつかパターンがあるとのこと。以下、代表的な方法を「ごまかし方(=対応)」として記載します。

                                     

                                    <対応1>

                                    【認知B】「東京都が市場移転先に決定した豊洲は衛生的で安全だった」がなかったことにして、「豊洲は危険!」という意見ばかり無理やり探して、繰り返し耳にして安心するというもの。端的に言えば、【事実1】〜【事実4】を無視し続けるというものです。

                                     

                                    <対応2>

                                    【認知B】「東京都が市場移転先に決定した豊洲は衛生的で安全だった」を主張している人は、邪悪なやつだと決めつけるというもの。端的に言えば、「豊洲は安全だ」と言っている奴は「どうせ、土建屋の回し者だ!」「東京都と裏で手を組んでいる」「この問題について専門でも何でもないのに勝手なことを言っているだけだ!」と決めつけるというものです。

                                     

                                    <対応3>

                                    【認知B】「東京都が市場移転先に決定した豊洲は衛生的で安全だった」を認めるとしても、別の【認知C】「豊洲が衛生的か否か?は関係なく、問題は東京都が事前にそれを説明しなかったことであり、それはとんでもない悪いことだ!」を認知したり、実際の安全性にほとんど関係ないデータを無理やり持ち出して、「やっぱり危険だったじゃないか!」とするものです。

                                     

                                     もし、豊洲が危ないという決定的な証拠が出れば別ですが、安全であるという【認知B】の説得力が高く<対策1>を取りずらくなればなるほど、<対策2>をしたくなり、それすらできない場合は<対策3>を取るようになるとのこと。

                                     そこで最近では豊洲の問題は「手続きに問題があった」ことに重点が置かれているのです。

                                     

                                     ところで、なぜ今回のような「豊洲が危ない」というデタラメ

                                    【認知A】東京都は悪いはずだ!

                                    【認知B】東京都が移転先に決めた豊洲は、不衛生だ!

                                     ということが一般人に認識されていったのでしょうか?

                                     

                                     藤井聡氏によれば、このこと自体も認知的不協和で解説できるとのことでした。それは以下のプロセスとなります。

                                    1.東京都民は都知事選挙で小池知事を選んだ

                                    2.自分たちが選んだ小池知事は東京都と対立している

                                      だから東京都民は小池知事を選んだ自分たちを正当化するために「東京都は悪いはずだ!」と思いたい欲求を潜在的に持っている

                                    3.自分たちが選んだ小池知事は豊洲移転を「延期」と言った

                                      だから小池知事を選んだ自分たちを正当化するために「豊洲は不衛生的だ」と思いたい欲求を潜在的に持っている

                                     

                                     要するに東京都民は、良いか悪いかわからないうちに選んでしまった小池知事をイイ人にし、それを選んだ自分たちもイイ人にするために、小池知事の判断をサポートする認知を形成するようになってしまっていると藤井聡氏は指摘しています。

                                     

                                     

                                     

                                    3.TPP批准における自民党議員の認知的不協和

                                     

                                     トランプ大統領はTPP離脱を決意いたしました。かねてより私はデフレ環境において、TPP締結を急ぐ必然性はないと主張を続けておりました。ところが安倍政権はTPP批准を国会で決議してしまったのです。自民党議員によれば、TPP批准は「これ以上妥協しない」という決意表明のために、TPPを批准したとのこと。そう思う自民党議員の皆さんは、認知的不協和に陥っているのではないでしょうか?

                                     

                                    【認知➊】安倍政権はイイ政権だ

                                    【認知❷】安倍政権はTPPを批准した

                                    【認知❷】米国を除いた11か国でTPPを批准するとすれば、条件を変える必要があるのに批准してしまい、なんて安倍政権は悪い政権なんだ

                                    【認知】安倍政権が悪い政権であるはずがないから、最低限の譲歩ラインを示すために批准したんだ

                                     

                                     お分かりいただけますでしょうか?安倍政権はイイ政権であるということを盲目的にしか考えていない輩が、認知的不協和に陥り、最低限の譲歩ラインを示すために批准したとしているのです。

                                     

                                     もし、最低限の譲歩ラインを批准したとするのであれば、安倍政権は今後、日米通商交渉を行う前に、具体的には米国に行く前にTPP以上の譲歩はしない旨「二か国間競技には応じるがTPP以上の譲歩は決してしない」と宣言すべきです。それをしなければ、TPPが最低譲歩ラインとなり、プラスαをトランプに突き付けられることが目に見えており、プラスαの追加譲歩を迫られて国益を損ねる可能性が高くなります。

                                     

                                     というわけで、今日は認知的不協和理論という心理学の理論について取り上げ、豊洲問題とTPP批准問題について、陥っている思考回路プロセスというものを記載させていただきました。

                                     私はブログでよく著名人を批判します。とはいえ、人格否定まではしておりません。その方の考え方が変わっていただけるのであれば、普通に称賛いたします。

                                     私自身も認知的不協和に陥ることなく、言論については是々非々で自らが問題を考えて判断することを心がけていきたいと改めて考えされられました。

                                     

                                     


                                    豊洲市場の移転問題

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                                      JUGEMテーマ:豊洲市場移転問題

                                       

                                       今回は、豊洲市場問題について、意見したいと思います。

                                       

                                       昨年の9月頃までマスコミらは下記の報道で「空洞」を騒ぎ立てました。

                                      『(毎日新聞)「盛り土に手抜きなんて」「ポッカリ開いた不信の洞穴」』

                                      『(NHK)盛り土にうそ』

                                      『(日刊ゲンダイ)封鎖不可避、汚染水まみれ』

                                       要は、豊洲市場の責任者が、ウソをつき、手抜きをした結果、汚染まみれになって閉鎖不可避だというのが、マスコミの論調でした。

                                       

                                       その後、朝日新聞や毎日新聞の記事で、次の事実が出て参りました。

                                       

                                      【事実1】たまり水に「ヒ素」が検出されたが、70年間毎日2リットル飲み続けた場合でも健康に影響がないとみなせる環境基準は下回っているものだった。

                                      【事実2】地下の「空洞」「空間」は万一の対策のためだった。

                                      【事実3】地下空間を設ける方が盛土構造より、コストがかかるものだった

                                      【事実4】「技術系職員は全て地下空間の存在を知っていて、通称モニタリング空間と呼んでいた。しかも技術系職員だけでなく、部局トップが空間の存在を知らないということはないはずのものだった。

                                       

                                       上記は、毎日新聞、朝日新聞の記事で報道されたものです。即ち地下の「空洞」はウソをついたとか手抜きしたとかで作られたものでなく、汚染まみれでもなんでもないということが朝日・毎日の報道で明らかにされたのです。

                                       

                                       土木工学の専門家によれば、空洞がある方が、衛生的で耐震性に優れて安全性が高いと言われています。理由について下記の図を使ってご説明いたします。

                                       

                                       

                                       空間は地下水を遮断します。空間があれば、毛管現象によって直接地下水が地上に出てくることを防ぐことができるのです。

                                       

                                       日本は災害大国であるため、建築物は基礎杭を深く打ちます。もし盛土にした場合、毛管現象によって地下水が基礎杭に沿って上がってきて、地表に地下水がそのまま出てきてしまうのです。空間があれば、地下水がそこで止まって遮断できるので地表に出てくることはありません。そしてこの空間には排水システムが完備されるとのことですので、万一空間に溜まった地下水がなんらかの汚染水だったとしても、ダイレクトに市場の1Fに出てくることはないのです。

                                       

                                       

                                       もし、盛土にした場合、基礎杭に沿って毛管現象によって地下水が建物の下にまで上がってきます。その地下水はコンクリート壁の打ち継ぎ目や目地や壁そのものに存在する小さな割れ目などを通って、建物内に侵入してきた場合に避けることができません。

                                       要は空間の上に建築物を作ろうが、盛土の上に建築物を作ろうが、基礎杭を打つ以上、地下水が建物内への侵入回避を検討することは必須です。とはいえ、空間を盛土にしてしまった場合、汚染された地下水を遮断できず、地下水が直接侵入する危険性があるのです。

                                       

                                       盛土にせず、空洞にしてかつ排水システムが正しく稼働できる状態であれば、地下水は空洞で遮断され、1Fに直接入り込んでくることはありません。排水処理システムが正常に稼働できる前提でいえば、空洞に溜まった地下水は排水処理システムで流せばOKなわけです。しかも豊洲市場の空洞(=ピットの空間)は相当広く、万一があった場合に重機が入れられるよう大きな空間にしてあるという話もあります。このように盛土よりも空洞にしている方が遥かに安全であるというのが土木専門家では当たり前の話なのです。

                                       

                                       また、地震に対する耐震性についても、空間がある方が揺れには強く、耐震性は遥かに優れているのです。

                                       豊洲問題については、移転に際して技術的に環境的に問題がないため、早く移転をしていただきたいものと思っております。

                                       

                                       というわけで、今日は豊洲市場の移転問題について、盛り土にすることは却って危険であり、土木専門の人々にとっては空間がある方が、衛生的で耐震性もあって安全であることを述べさせていただきました。

                                       

                                       

                                       

                                       

                                       

                                       

                                       

                                       

                                       

                                       

                                       

                                       

                                       

                                       

                                       


                                      トランプ誕生の経緯とトランプリスクに備えて日本がすべきことは?

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                                        JUGEMテーマ:経済全般

                                         

                                        今日はトランプ誕生の経緯について考察します。

                                         

                                         

                                         

                                        1.付加価値の積み上げとGDP3面等価の原則

                                         

                                        下記はGDP3面等価の原則と付加価値の積み上げのイメージです。

                                         

                                         黒毛和牛を生産するところから、消費者の手元に届くまでの付加価値の積み上げイメージがお分かりいただけるのではないでしょうか?

                                         GDPの算出イメージは下記の通りです。

                                         

                                        生産面のGDP=+黒毛和牛生産の付加価値100

                                                +と殺してカットして食べやすくする付加価値100

                                                +食べやすくしたお肉を冷蔵庫に入れて小売りする付加価値100

                                         

                                        支出面のGDP=+消費者が払った300円(=個人消費300円)

                                         

                                        分配面のGDP=+黒毛和牛生産者の所得100

                                                +と殺業者の所得100

                                                +小売業者の所得100

                                         

                                         上記の通り、GDP3面等価の原則により、生産面のGDP=支出面のGDP=分配面のGDP=300円となります。黒毛和牛生産者、と殺業者、小売業者が「働き」、付加価値を生産した結果、それぞれ100円ずつ所得を稼ぎました。「雇用」による「生産」が「所得」を創出するのです。

                                         

                                         竹中平蔵慶応大学教授、日本総研理事長高橋進らは、上記の生産は、「別に国内でやらなくても。コスト(人件費)が安い国でやればいいじゃん!」となります。

                                         もしこのプロセスを、肉牛でなく米国の車の生産に置き換え、生産拠点をメキシコに移すということを考えてみましょう。

                                         結果的に米国国民は消費者として自動車を購入するにもかかわらず、生産はメキシコということになります。メキシコで生産されてしまうと、米国国民の雇用、所得になりません。メキシコ国民の生産・雇用・所得になってしまうのです。

                                         というわけで「各企業は米国消費するものは米国国内で生産するべきではないのか?」となったわけです。これがトランプ誕生の経緯なのです。

                                         

                                         TV新聞などのマスコミは、「内向き」「閉鎖的」「保護主義」と騒いでいますが、不公正な貿易には断固たる措置を講ずるという方針を打ち出したにすぎないのです。

                                         

                                         

                                         

                                        2.日本の金融緩和についてもトランプ砲が炸裂するとどうなる?

                                         

                                         私は本ブログを始めてから、日本の経済政策において、市中の国債が尽きる日が近づいている旨をお話しし、「国債増刷」と「政府支出増」の2つを急ぐべきであると説明しています。このまま金融緩和で年間80兆円の国債を買い続けますと、2年ちょっとで買う国債がなくなってしまいます。

                                         買う国債がない→金融緩和できない→金融緩和後退→超円高→日本株大暴落というシナリオを、本当に恐れています。このシナリオを回避するとすれば、日本経済がデフレ脱却するために「国債増刷」と「政府支出増」と「消費税減税8%→5%」の3つが実行されることになったときだけです。この3つが実行されない場合は、デフレ脱却を果たせず、結果金融緩和を続けざるを得ず、その間に市中の国債残高が減少して、国債残高が無くなるまで、いわば少しずつ寿命が縮まると言ってもよいでしょう。

                                         

                                         そのシナリオ以外にもっと寿命を早く縮めてしまう最悪のシナリオもあります。それは、トランプ大統領のツイッター砲です。

                                         トヨタ自動車がどうだのという話ではありません。日本の安倍政権黒田総裁の量的金融緩和について、「円安誘導だ!やめないと対抗措置を採る!」と言ってくる可能性があります。日本にとって、これは最大のトランプリスクです。

                                         理由は、我が国は未だにデフレが継続しています。この状況で金融緩和を辞めれば、さらに景気が悪くなります。おそらく日銀が金融緩和後退の気配を匂わせるだけで、超円高→日本株暴落となり、日本発の金融危機が発生して実体経済に多大な悪影響を及ぼすことになるでしょう。

                                         というわけで、日本の金融緩和策についてトランプ砲が炸裂しますと、瞬く間に超円高→大幅株安というシナリオがあり得ると思っておりまして、日本株やっている皆さんは、注視していた方がよいと考えております。

                                         

                                         

                                         

                                        3.トランプ砲炸裂に備える解決策は?

                                         

                                         別にトランプ砲が炸裂しなくても、国債が尽きる日は少しずつ近づいています。となれば国債を増刷し、政府支出増によって国内の需要を創出して、早期にデフレ脱却を果たし、内需主導で経済成長ができるような体制を作ることが唯一の解決策です。国債を増発すれば、国債が尽きる日は遠のきます。同時に輸出企業は米国への輸出が減少したとしても、供給能力を日本国内の需要に応ずるべく振り向ければ成長することが可能です。

                                         トランプ砲を恐れるまでもなく、我が国が「国債増刷」「政府支出増」「消費税減税」などの内需主導の経済政策を打てば、海外需要の増減に振り回されることなく、国内の需要で着実に安定的に成長することができるのです。

                                         

                                         というわけで、今日はトランプ誕生の経緯と合わせ、日本がとるべき解決策について意見を述べさせていただきました。

                                         

                                         

                                         


                                        ウズベキスタン共和国のナヴォイ劇場

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                                          JUGEMテーマ:海外旅行 総合

                                           

                                           

                                           今回は、私がかつて旅行訪問した国、ウズベキスタン共和国について述べたいと思います。

                                           

                                           2013年12月30日〜2014年1月4日にかけて行って参りました。その旅行中、タシケント市内とサマルカンド市内を訪問しました。 もし、日本人がウズベキスタンに行く機会があれば、必ず行っていただきたい場所、それはナヴォイ劇場と日本人墓地です。そして私がウズベキスタンを訪問した目的は「シベリア抑留者が建立したナヴォイ劇場という建築物を見る!」でした。

                                          <ウズベキスタン共和国と首都のタシケント>

                                           

                                           

                                           

                                           シベリア抑留者のうち、20,000人強の人々がウズベキスタンへ移送され、劇場建設を命じられました。そのうち800人近くの人が、ナヴォイ劇場建設で命を落としたと言われています。捕虜という身分で過酷な労働条件のもと「日本に帰って桜を見たい!」と言いながら命を落としていったそうです。

                                           そのシベリア抑留者の日本人たちが、わずか2年足らず1947年にナヴォイ劇場を完成させます。その20年後、1966年のタシケント大地震が発生します。そのタシケント大地震は、タシケント市内の78,000棟の建物が倒壊する大地震でしたが、日本人が建てたナヴォイ劇場は凛として無傷。市民の人々の避難場所として大活躍でした。それが今でもバレー劇場などで使われているのです。

                                           私がこのナヴォイ劇場というものを知ったとき、どうしてもウズベキスタンに渡航して実際の建築物をこの目で見たいという思いから、思い切ってウズベキスタンに行きました。

                                           

                                           ウズベキスタンは、1992年にソビエト連邦共和国から独立した国です。カリモフ大統領が現職で居られますが、カリモフ大統領はナヴォイ劇場にプレートの作成を命じます。そのプレートを作成する際、カリモフ大統領は、「日本人は友人であり恩人だ!間違っても捕虜などと書くな!」と指示したそうです。

                                           

                                           そのプレートとは、こんな感じです。

                                           

                                           

                                          以下は私が撮影した写真を掲載させていただきます。

                                           

                                          <ナヴォイ劇場>

                                          凛として聳え立つナヴォイ劇場です。

                                          私が訪問した何年か前に、福島県から70歳くらいの男性がナヴォイ劇場を訪れ、涙を流したとのこと。その方はシベリア抑留者で、ナヴォイ劇場の建設に携わった方だったようです。ウズベキスタンで奥さんを見つけて結婚したとのことでした。その男性はナヴォイ劇場を見て、建設したばかりの時と全く変わらない凛と聳え立つ様子に感動したようでした。

                                           

                                           

                                           

                                          <日本人墓地>

                                          800人以上の日本人が、「日本に帰って桜を見たい!」と言いながら、命を落としました。

                                          命を落とされた方が眠って居られる日本人墓地には桜の木が植えられています。

                                          私が訪問したのは大晦日正月で真冬でしたが、春になると桜の花が満開になるそうです。

                                          これもガイドの人から聞いた話ですが、私が日本人墓地を訪問した1か月前に、26歳くらいの若い男性が一人で日本人墓地を訪れ、なんでもお爺さんがシベリア抑留者でウズベキスタンで命を落としたとのこと。墓石に亡くなった方の名前が書いてあるのですが、お爺さんの名前が書いてあるか?を探しに、ウズベキスタンのタシケントに来たそうです。

                                           

                                           

                                           

                                          <写真3:ウズベキスタンの新幹線「アフラシアブ号」と車両の中とタシケント駅構内>

                                          1月2日にタシケント発、日帰りで新幹線の「アフラシアブ号」に乗車し、サマルカンドを訪問しました。

                                          その際に撮影したタシケント駅構内や新幹線「アフラシアブ号」車内の様子です。

                                           

                                           以上写真ばかりで私の意見は少なめですが、ナヴォイ劇場について、ぜひ皆さんに見ていただきたいYoutube動画のURLを記載いたします。

                                           昨今のマスコミやら教育の現場では、「日本人は侵略者で悪いことをしてきた!」というような事実と異なる教育が行われ、何が真実か知らない人がほとんどであると思います。そんな人々がこうした動画や我々先祖の日本人がやってきたことの真実を知ることによって、世界の見方も変わってくるのではないかと思います。

                                           

                                          下記のYoutube動画は、

                                          いずれも感動して涙が出ます。

                                           

                                           

                                          『リメイク版国旗の重み〜ウズベキスタンのナヴォイ劇場〜』

                                          ⇒「https://www.youtube.com/watch?v=eGFyq04mn3M

                                           

                                           

                                          『ナヴォイ劇場 』

                                          ⇒「https://www.youtube.com/watch?v=PfcPauuAO7Q

                                           

                                           

                                          『中山恭子 - (20130513) 麻生大臣はウズベキスタンで尊敬されてますね 』

                                          ⇒「https://www.youtube.com/watch?v=8Hs4B99qDSI

                                           

                                           

                                           私は母が生前の時、ナヴォイ劇場のことをよく話しました。どれだけ日本人が好かれているか?日本人を嫌っているのは中国と韓国だけだと。その事例としてナヴォイ劇場、日本人墓地、タシケント大地震について、よく母に話しました。母も私の話が「とても素晴らしい話!」ということで、私が「ウズベキスタン」と言えば、母も「ナヴォイ劇場」と口ずさむほどでありました。

                                           

                                           というわけで、ぜひ皆さんもウズベキスタンに行くことがありましたら、必ずナヴォイ劇場と日本人墓地を訪れていただきたいと思います。

                                           

                                           

                                           


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