”「主要農作物種子法」廃止法案可決”食料安全保障問題として報道しないマスコミに怒り!

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     2017年3月24日木曜日、主要農作物種子法と農業機械化促進法の廃止法案の質疑と即日採決が行われました。このニュースのリソースは、農業協同組合新聞からであり、記事の概要は下記の通りです。

     

    『農業協同組合新聞 2017.03.30【種子法廃止】種子の自給は農民の自立

    農林水産省は主要農作物種子法を「廃止する」法案を今国会に提出し3月23日に衆議院農林水産委員会が可決した。今後、参議院で審議が行われるが、同法の廃止は国民の基礎的食料である米、麦、大豆の種子を国が守るという政策を放棄するもので、種子の供給不安、外資系企業の参入による種子の支配などの懸念が国民の間で広がっている。法律が果たしてきた役割を議論せず、廃止ありきの政府の姿勢は問題だとして3月27日に有志が呼びかけて開いた「日本の種子(たね)を守る会」には全国から250人を超える人々が集まり、「種子の自給は農民の自立、国民の自立の問題」などの声があがったほか、議員立法で種子法に代わる法律を制定することも食と農の未来のために必要だとの意見も出た。集会の概要をもとに問題を整理する。(後略)』

     

    このニュース、全くマスコミ(TV新聞)に報じられないで衆院を通過したのですが、ほとんど取り上げられていないので大問題です。種子法を変えるならまだしも廃止です。「主要農作物種子法」の廃止!とは、どういうことなのか?この話をするうえで知っていただきたい企業があります。それは米国のモンサント社です。

     

     記事には、外資系企業の参入による種子の支配の懸念とありますが、これは本当に恐るべきことです。もし外資系企業が、日本で保護され続けてきた外来種の種を支配して種子の特許を取り、種を使う農家に対して特許料を取るというということになれば、食料安全保障は崩壊し、安心して米や農作物を食べられなくなるという懸念が生じます。

     

     外資系企業の具体的な企業名を挙げれば、それが米国のモンサント社です。このモンサントという会社は、種を支配して農作物を作る農家に対し特許料を取り続けるというビジネスモデルを画策しています。今日はこのモンサントという会社の問題点と、種子法廃止によって日本の食料安全保障がどうなるか?論じたいと思います。

     

     

     

    1.遺伝子組み換え作物の種子から特許料を取って儲け続けるモンサント社のビジネスモデルについて

     

    モンサント社は、ティッカー名「MON」で、米国のニューヨーク証券取引所に上場しています。

    どんな会社か?概要を見てみましょう!

     

     

     

     モンサント社は、米国に本社を持つバイオ化学メーカーです。ベトナム戦争時には枯葉剤を作っていました。直近ではドイツのバイエル社による買収話が進んでいますが、モンサントのビジネスモデルは遺伝子組換種子です。

     この遺伝子組み換え種子を普及させて、農家に他の種子に浮気させないように仕掛けを作っているのです。それは特許料を取り続ける、即ち遺伝子組み換え作物の種子から特許料を取り続けて儲け続けるというビジネスモデルです。

     このビジネスモデルの何がすごいか?ですが、例えば農家の畑で、モンサントの大豆と、モンサントの農薬ラウンドアップ(=除草剤で日本でも売られています。)を組み合わせた場合、ラウンドアップは基本的にすべての植物を枯らしますが、モンサントの大豆だけは殺しません。モンサントから大豆の種子を買い、農薬ラウンドアップを買えば、変な言い方になりますが、非常に生産性の高い農業ができるのです。

     具体的に言えば、遺伝子組み換えの大豆を作っている畑に一気に大量にラウンドアップを撒きます。年に2〜3回大量にラウンドアップを撒くだけで、雑草取りをやらなくてよくなるのです。これは農家から見れば、すごくうれしい話です。

     しかし、その農家に、その遺伝子組み換えの大豆の種子を使い続けさせるために、種子の警察が農家を見張っています。例えばラウンドアップと遺伝子組み換えの大豆を撒いた土壌を洗浄して他の種子を植えるなどした場合、モンサントは特許違反としてすぐ訴訟するのです。普通に考えたら、好きな穀物を収穫するために、畑に他の種子を植えるのは自由なのに、モンサントは特許料が取れなくなる、儲けることができなくなるという理由で、訴訟をするのです。

     

     

     

    2.遺伝子にバクテリアを注入!

     

     国家の食料安全保障の問題として、モンサント社のビジネスモデルについて2点を指摘いたします。

     

     1点目の問題、ラウンドアップという除草剤は確かに強力です。とはいえ耐性がついた強い雑草が生まれてしまっているのです。そうするとさらに強力なラウンドアップ・・・・という形で、イタチごっこがすでに始まっています。そうすると、土地の土壌がだんだんおかしくなってきて、後からモンサントの遺伝子組み換えではない、普通の在来種の種をまいても育たなくなってしまいます。つまりモンサントの遺伝子組み換え種子しか、育たなくなる土地になってしまうのです。

     

     2点目の問題、遺伝子組み換え作物自体の問題があります。私たちが日常的にご飯を食べているわけですが、なんで安全?って判断できるかと言えば、過去人類が何千年何百年と食べてきているからです。もちろん品種改良で自然に起こり得る可能性がある組合せに限定して新たな品種を作ってきましたが、それは自然に起こり得る現象で組み合わせるため、問題ありません。

     ところが、モンサントの遺伝子組み換えは上述の自然に起こり得る現象での組み合わせではなく、レベルが違います。なぜラウンドアップを撒いても遺伝子組み換え作物は枯れないのでしょうか?理由は簡単で、作物の遺伝子に除草剤に対して耐性を持つバクテリアを注入するからです。そんなこと、自然界では絶対に起こり得ません。

     そもそも遺伝子組み換え作物自体、1990年代から始まった話ですので、遺伝子に除草剤の耐性を持つバクテリアを注入された農作物を、人間が食べても安全か?という知識見聞が十分に蓄積されていないのです。

     

     日本はバラの花だけ、遺伝子組み換え作物を認めていますが、それ以外の農作物について、商業栽培が禁止されています。バラの花を認めているのはなぜか?といえば、バラの花は食べないからです。

     流通については商業栽培、例えば加工品について一部のトウモロコシと大豆は認めていますが、栽培するとヤバいことがあるから禁止しています。

     ヤバいこととは何か?と言えば、遺伝子組み換えの植物の花粉が飛んで、普通の在来種が受粉してしまう危険性があるのです。というより、在来種が受粉する可能性は高いし、止められない。だから、商業栽培を禁止し、種については日本は厳しく管理しているのです。

     

     また、遺伝子組み換えを使っている場合は、パッケージ表示を義務付けています。種子というのは、そのくらい大事な問題です。一回遺伝子組み換え作物に汚染されると、おそらく在来種に戻すことができなくなってしまうからです。

     

     モンサント社は、ホームページで遺伝子組み換え作物は安全だとしていますが、安全の言い方が変で、本当に安全かどうかは不明です。加えてモンサント社はロビー活動を行って、米国のFDAや政治家や規制官庁を動かし、実質的に既存の種や穀物と同一であるとしています。「実質的に同一!」の実質的ってなんでしょうか?私は医薬品においてもジェネリックは使いたくありません。「実質的に同一」の実質的とは全く欺瞞です。

     

     日本で遺伝子組み換え作物の栽培が認められないのは当然ですし、同時に日本では都道府県と政府に対して、優良な種の生産普及というものを主要農作物種子法という法律によって義務付けています。

     そのため、行政が種子を管理するというのが日本のスタンスであり、あり方だったわけですが、その法律が廃止されてしまったのです。賛成したのは自民党・公明党等国会議員の賛成多数で、共産党の国会議員だけが反対です。

     賛成した国会議員は、主要農作物種子法という法律が何のための法律か?理解していないのではないでしょうか?この種の無知・無関心は罪深いと思います。

     また、規制改革推進会議のメンバーらの、思考停止的に儲かるのであれば何でもOKという国家の安全保障を考えないグローバリズムに偏った思考回路も問題です。

     

     

     

    3.犯人は規制改革推進委員か?

     

     本題の種子法廃止法案については、規制改革推進会議(パソナの竹中平蔵、サントリーの新浪剛史(旧ローソン社長)、楽天の三木谷浩史らが参加している会議)が、種子法の規制がビジネスの妨げになっているなどとして、廃案なのであっという間に簡単に作ってしまったのでしょう。種子法があるために、企業が農業進出などのビジネスチャンスが拡大できないとして不便を被っているケースはあるでしょう。だからといって廃止というのは話が飛び過ぎじゃないでしょうか?

     100歩譲って企業に対して配慮したいならば、種子法改正なら理解しますが、廃止はないのではと思うのです。これは本当に怖いことです。なぜならば種子法がある限り、日本ではモンサントの遺伝子組み換え作物を主流にすることはできません。なぜならば行政が種子を管理するというスタンスだからです。

     

     規制緩和は、基本的に劇的に一気に緩和して一気に拡大することはありません。まずアリの一穴を開けて、そこからじりじりと拡大させていく。派遣法改正によって多くの業種で派遣業が増えてきたという歴史も典型的ですが、今回の種子法改正もそのアリの一穴にならないか?懸念しています。

     

     農地法改正やら農業協同組合に対してビジネスするな?とか、ルサンチマンを利用して農協を民営化しようとする動きなども同様です。農協がどれだけ日本の食料安全保障に貢献してきたか?そして今もなお貢献しているか?

     私は農協が日本の食料安全保障のカギを握っており、決して競争に晒して潰してしまうようなことがあってはならないと思って、「食料安全保障“全農グレイン(株)のIPハンドリング(遺伝子組み換え作物分別物流)”について考える!」「全農は世界一の商社です!」という記事で、農協について取り上げさせていただいたこともありますが、食料自給も安全保障の一つです。

     

     例えばメキシコ、ブラジルがそうなっていますが、種を外資系のモンサントやバイエルに握られるとすれば、食料安全保障は崩壊します。モンサントやバイエルが「NO」と言えば、特許があるために種が使えません。種子についてこうした構造にしてしまっていいのでしょうか?

     

     医療ビジネスの自由化やビジネス化にも私は反対していますが、種子についても同じです。種子や食料について、「カネカネカネ」とやっていいのでしょうか?もちろん価値観の問題なので押し付けられませんが、私はイイとは思いません。

     価値観の問題であれば情報公開し、その上で議論しましょうとするべきなのですが、なんでマスコミ(TV新聞)は報道しないのか?グローバリズムが正しいと盲目的に信じて規制改革・規制緩和すべきと、いわば思考停止に陥っているとしか私には思えないのです。


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