中国でモノを作るとコストが低い理由は?

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     今日は「中国でモノを作るとコストが低い理由は?」と題して論説します。

     

     昨日オーストラリアのシンクタンクの「Australian Strategic Policy Institute(以下ASPI)」の報告書についてご紹介しました。その中で、中国共産党政府がウイグル人を不当に拘束して再教育キャンプに収容し、その後、中国の全土にあるグローバル企業の工場で、賃金を払わずにウイグル人を働かせていると説明させていただきました。

     

     中国でモノを作るとなぜコストが抑えられるのか?といえば、それは人件費がゼロのウイグル人を奴隷として働かせて作っているからコストが抑えられるのです。

     

     前回日本企業11社について、実名を出しました。具体的には、日立、ジャパンディスプレイ、三菱電機、ミツミ電機、任天堂、パナソニック、シャープ、ソニー、TDK、東芝、ユニクロの11社です。

     

     中国に工場を進出して、その工場がウイグル人を雇用しているということは無くても、製造委託契約を交わした契約企業がウイグル人を雇用しているというケースがあります。

     

    <日立ハイテクが今創集団有限公司(KTKグループ)と合弁会社設立>

    (出典:日立ハイテクのホームページ)

     

     上記は日立の子会社の日立ハイテク社が、中国のKTKグループと合弁会社設立に向けたプロジェクトを紹介しているホームページのサイトです。

     

     なぜ私がこうしたサイトを紹介するか?といえば、一部の企業がASPIに対して、ウイグル人を強制労働させるような企業と契約関係にないと反論しているからです。

     

     もちろん直接的契約して関与することはなくても、間接的に関与することはあり得ます。その例がKTKグループです。ASPIは直接契約した契約企業の先のサプライチェーンのほとんどに、ウイグル人の強制労働があるとしています。サプライチェーンのチェーンを辿れば、ウイグル人の強制労働につながるのです。

     

     今や、中国で製造された製品について、強制労働によらないことを保証するのは難しい。必ずどこかでウイグル人の強制労働のチェーンに汚染されているといえます。

     

     ニューズウィークの記事をご紹介します。

    『Newsweek 2020/03/10 17:10 新型肺炎の流行地にウイグル人労働者を送り込む中国政府の非道

     <感染を恐れて中国人労働者が集まらないのを補塡するため、各地の工場にウイグル人が派遣されている>

     世界のトップ企業に供給される部品を製造する中国の工場では2017年から19年にかけて、新疆ウイグル自治区の収容施設から移送された8万人ものウイグル人が強制労働させられている──。シンクタンクのオーストラリア戦略政策研究所が3月1日に発表したレポートが世界に波紋を広げている。

     レポートはウイグル人の強制労働が行われているのは「アップル、BMW、ソニー」の関連工場だと言及しているが、この動きは新型肺炎の拡大後、違う形で加速している。

     同自治区のニュースサイト「天山網」は3月4日、「私たちは元気で暮らしています──新疆生まれの労働者たちの声」と題する記事を配信した。それによると「2月23日、97人の若者が専用機でアクスから杭州に行き、杭州日月電器有限公司で働くようになった」。この工場は電気コネクタなどを生産しており、生産品の80%以上をアメリカや日本、フランスなどに輸出している。杭州は浙江省の省都であり、浙江省は湖北省に次ぐ新型肺炎の流行地となった場所だ。

     さらにその記事は「2月27日と29日、ホタン市とその周辺から185人が福建省晋江市に赴き、スポーツシューズ製造工場で労働を始めた」「ホタン地区グマ県からは3月1日、169人が出発し、その日の晩に山東省青島市の聯洋水産品有限公司に到着した」とも記している。また新華社通信の記事には「2月27日、ホタン市とカラカシ県の353人の農民が飛行機で広西チワン族自治区の南寧市と福建省晋江市に赴いた」とある。

     いずれも「新型肺炎の検査を経て、健康に問題のない者たちが貧困脱出のために出稼ぎに出た」ことが記されている。さらに人民日報ネット版の1月13日の報道では、カシュガル地区マルキト県から1025人のウイグル人が、新型肺炎の蔓延する湖北省や北京などに派遣されたことが、はっきり記されている。

     1月から3月にかけての官製メディアの報道を分析すると、新型肺炎が蔓延する湖北省や隣の湖南省、中国沿海の工業発展地域に南新疆出身のウイグル人が「出稼ぎ」に出されていると分かる。彼らは当局の管理の下、飛行機で大量移送させられている。(後略)』

     

     この記事にある3/1発表のレポートとは、まさにASPIの報告書です。そして日本企業でソニーの名前が出ています。

     

     記事を見て衝撃的なのですが、新型コロナウイルスの感染拡大が広がる中、湖北省や北京にウイグル人が強制労働者として派遣させられていたのです。中国共産党の非道と表題にありますが、非道と報じられても仕方がないでしょう。

     

     もう1つニューズウィークの記事をご紹介します。

    『Newsweek 2019/11/26 20:15 ウイグル弾圧で生産された「新疆綿」を日の丸アパレルが使用?

     <MUJIとユニクロを含む世界の衣料大手が、強制労働のウイグル人が生産した綿を調達している疑惑が浮上>

     日本の無印良品(MUJI)とユニクロが国際的な批判にさらされている。理由は、中国の新疆ウイグル自治区で綿を調達しているとされること。中国政府は新疆で、ウイグル人をはじめとするイスラム系少数民族を100万人以上強制収容しているとされる。

     ウォール・ストリート・ジャーナル紙は5月、新疆ウイグル自治区を製品のサプライチェーンに組み込んでいる企業について報じた。さまざまな報告と証言によると、収容施設を出所したウイグル人などがこの地域の工場で強制的に働かされているという。

     記事で名指しされた企業の中には、強制労働で綿花が生産されているウズベキスタンから綿花を調達しないという誓約書に署名している企業もあった。中央アジアのウズベキスタンと新疆では状況にいくらか違いはあるが、人権侵害をめぐる企業責任が問われていることに変わりはない。

     10月にはNPOのウイグル人権プロジェクト(本部ワシントン)のニュリ・トゥルケル議長が、中国問題に関する米連邦議会・行政府委員会で証言。「東トルキスタン(ウイグル人は新疆ウイグル自治区をこう呼ぶ)で強制労働により商品が製造されている可能性を無視することはさらに難しくなっている」と述べた。

     そして11月初めにはオーストラリアの公共放送ABCが、無印良品とユニクロが「新疆綿」の名を付けた製品を売り出して「波紋を呼んでいる」と報じた。無印良品は5月に「新疆綿」シリーズを発表。ユニクロは「高品質で知られる新疆綿を使用」という宣伝文句のシャツを販売している(現在は文言を削除)。

     無印良品はABCの取材に対し、強制労働による製品には関与しないという社内基準を示し、今後さらに内部調査を行うと答えた。ユニクロは「新疆ウイグル自治区に直接の生産パートナーはいない」と答えている。どちらの企業も「新疆綿」を広告でうたいながら、強制労働のイメージから距離を置きたがっている。(後略)』

     

     ASPIの報告書ではユニクロの名前は出ていましたが、無印食品のMUJIの名前はありません。ですが、昨年11月に、MUJIとユニクロが強制労働のウイグル人が生産した綿を調達している疑惑が浮上と報じられています。

     

     無印食品にせよ、ユニクロにせよ、サプライチェーンがウイグル人の強制労働に汚染されていないことを証明するのは難しいと思われます。直接的ではないにしろ、中国でビジネスをやるとなれば、間接的に関与する可能性は極めて大きいのです。

     

     ASPIは、中国にサプライチェーンを持つグローバル企業に対して、即座に徹底的なデューデリジェンス(実態調査)を行うべきであると主張していますが、この主張はその通りといえるでしょう。

     

     私は企業は、お金さえ儲ければ何をやってもいいということではないと考えます。もし人権侵害に関わっていたとしたら、それこそ大問題なのではないでしょうか?

     

     また各国政府は、ウイグル人の強制労働がILO(国際労働機関)が禁ずる強制労働に該当するとして圧力を中国政府にかけていくべきであると主張していますが、その通りです。

     

     安倍首相は2020/05/25、海外の依存度を減らし、サプライチェーンの強靭化を図る旨を述べられ、海外に工場を移転したり、海外で製品を作っている企業に対して、国内回帰を後押しすべく、補助金制度を作ることも検討できることを述べられましたが、これはとっても重要な政策であるといえるでしょう。

     

     ところが経団連企業はサプライチェーンの国内回帰について前向きではありません。

     

     経団連で中西会長は日立の人ですが、2020/05/24に報道されたNHK番組の日曜討論に出演し、「中国は非常に大きなマーケットで、中国と良い関係にある」などとほざいていて、海外に依存している生産のすべての分野を国内に移すのは現実的ではないとしています。

     

     私は、ウイグル人の強制労働という問題に対して、経団連企業、グローバル企業は甘く見ない方がいいと思っております。真剣にサプライチェーンの見直しを考えるべきです。

     

     何しろ米国は2020/06/18にウイグル人権法を成立させました。これによって米国、そして世界の主要な先進国は、ウイグルの人権侵害に関与しているものに対して、制裁することになりました。

     

     制裁対象は何も中国共産党政府の幹部だけではなく、ウイグル弾圧に関わる企業も制裁の対象になってきます。

     

     そのため、リスクマネジメント上も日本企業が例外視されることはないと考えるべきであると私は思います。

     

     

     というわけで今日は「中国でモノを作るとコストが低い理由は?」と題して論説しました。

     「安物買いの銭失い」という言葉がある通り、コストを削減しようとして、ウイグル人の強制労働に目をつぶってサプライチェーンの一部に中国企業が組み入れられることは、リスクしかないと思います。米国から制裁を受けて多額のお金を取られる可能性もあります。

     日本政府は国内回帰の資金的な後押しもさることながら、そもそもデフレを放置してきたことが海外進出に繋がっているため、デフレ脱却を急いで国内でも十分に利益が出る経済環境を整えることを、急いでやっていただきたいものと私は思います。

     そうやって国内回帰をさせて内需主導の経済政策を打ち出すことで、ウイグル人の人権弾圧に直接的には言うまでもなく、間接的にも関与してしまうリスクから解放されるのです。

     

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