構造改革がデフレを促進させるメカニズム

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     皆さんは、「構造改革」という言葉について、どのようなイメージを持つでしょうか?よくテレビや新聞で、改革派の知事が誕生した!などと報じることがあります。

     私はマクロ経済的に、デフレ化の構造改革は不要という立場です。もちろんインフレギャップが拡大し、物価上昇率が10%とかなるような場合は、構造改革を検討することはあり得ますが、デフレ下の日本において構造改革など、全く意味をなさないどころか、むしろ害を及ぼすだけであることをお伝えしたく、今日は「構造改革がデフレを促進させるメカニズム」と題して下記の順で論説します。

     

    1.デフレギャップとは何なのか?

    2.名目GDPの増収と税収の関係について

    3.民営化を中心とした構造改革がデフレを促進させるメカニズム

     

     

     

    1.デフレギャップとは何なのか?

     

     第二次安倍政権は、デフレ脱却を標榜して誕生しました。2012年の総裁選で、デフレ脱却を訴えていたのは安倍晋三氏だけでした。そして総理就任演説で、デフレ脱却が我々の政権に課せられた使命であるとして、「まずデフレギャップを埋めることが重要であります。」と就任記者会見で述べました。

     

     私の記憶では日本の総理大臣がデフレギャップという言葉を使ったのは初めてではないかと思います。

     

     デフレとは仕事がない、買い手がいないという状況なのですが、それを埋めると安倍総理は述べました。デフレギャップとは、「供給力<需要」の状態をいいます。金本位制ではない現在、貨幣量とかマネタリーベースは関係ありません。

     

    <図 Д妊侫譽ャップとデフレギャップ解消のイメージ(経済縮小)>

     

     

     上図,魯妊侫譽ャップ状態(供給>需要)を、需要拡大させずに、製品・サービス価格を値下げ、もしくは供給力削減のためにリストラしたことによってデフレギャップを解消した場合のイメージ図です。

     上記の供給力は、潜在GDPともいいます。竹中平蔵氏が潜在GDPの定義を変えて、デフレギャップが小さく見えるようになってしまったということを過去に書いたことがあります。これを説明すると長くなりますので、右記「プライマリーバランス黒字化目標導入という罪とは別のもう一つの罪」をお読みください。 

     

     

    <図◆Д妊侫譽ャップとデフレギャップ解消のイメージ(経済拡大)>

     

     

     上図△魯妊侫譽ャップ(供給>需要)を、需要創出によって需要が拡大し、デフレギャップが解消された場合のイメージ図です。この場合の需要拡大は、民間(個人・企業)でも政府でも構いません。

     

     供給者が供給する製品・サービスを、政府が高く買い上げればデフレギャップは解消します。

     

     もちろん民間が高く買い上げた場合でもデフレギャップは解消します。しかしながら、デフレというのは貨幣現象ではなく、需要不足による物価が下落の減少であるため、値段を値下げしないと売れない状況では、供給者は厳しい。その供給者が需要者に回った時は、自分が値下げしないと物が売れない状況であるため、需要者に回った時も当然値段を下げてくれないと物が買えないという状況になります。

     

     仮に内部留保を取り崩して値段を高く買ったとしても、いつまでそれが続くか?わかりません。要はお金持ちしか勝てない、生き残れないという状況がデフレであるともいえます。

     

     そういう意味で、第二次安倍政権発足時に、安倍総理が「デフレギャップを埋めることが重要であります。」と発言されたのは、日本にとって真に必要なことであって発言の内容は正しかったのです。

     

     

     

    2.名目GDPの増収と税収の関係について

     

     デフレが7年も続いている現在、かすんでみえるアベノミクスですが、2013年度は、第一の矢の金融緩和に加え、第二の矢の国土強靭化政策によって、名目GDPで1.9%増収し、税収は6.9%増収しました。

     

     税収というのは下記計算式で算出されます。

     

     税収=名目GDP×税率×税収弾性値

     名目GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出(※)

     純輸出=輸出−輸入

     

     第二の矢の国土強靭化政策は、政府支出増を伴いますので、名目GDPの算出式の第2項(=政府支出)が増加し、税収増を果たせたのです。

     

     税収弾性値=税収6.9%÷名目GDP1.9%≒3.5 です。

     

     

     

    3.民営化を中心とした構造改革がデフレを促進させるメカニズム

     

     ここまではデフレギャップについてと、GDPと税収の関係を述べました。

     

     構造改革がなぜデフレギャップを促進させるのか?ですが、下記のイメージ図をご参照ください。

     

    <民営化という構造改革がデフレを促進させるメカニズム>

     

     

     上図は、供給者の政府が、民間にPFIやコンセッション方式などで運営権を売却して、供給者が民間に変わった場合に、経済が縮小することをイメージした図です。

     

     今、地方自治体はPFIやコンセッション方式をどんどん進め、水道事業の民営化を中心に、地下鉄を民営化したりするなど、小さな政府を目指すことを是として、構造改革を推進しています。

     

     PFIやコンセッション方式による民営化をなぜやるのか?といえば、政府が100払っていたところ、民間であれば80でサービスができるということで、100→80と、20の費用が削減できるからやります。

     

     20の費用を削減した場合、GDP3面等価の原則でいえば、「20支出削減=20生産削減=20所得削減」で20の経済縮小となるのです。まさに上図こそ「構造改革がデフレを促進するメカニズム」そのものです。

     

     政府が高い値段でサービスを提供しているものを、民間が安い値段で提供するということは、企業経営や家計簿の発想で考えますと、支出が少なくなるので良いことのようにみえますが、国家全体としてみた場合、マクロ経済で見た場合は、経済縮小ということになります。

     

     また20削減するとなれば、20の部分の余裕がなくなるため、貧すれば鈍するで、いざ自然災害があっても人がいない、派遣社員しかいないということになって、サービスができないということが普通にあり得ます。

     

     ましてや政府は利益追求しませんが、民間にやらせれば利益追求となるため、自然災害の際の復旧に本腰を入れて力を入れるとは限りません。2017年の台風で、関西国際空港につながる橋にタンカーが激突した際、運営者の民間業者は、いつまで経っても復旧に本腰を入れなかったため、国交省が入って復旧が本格的に始まりました。

     

     自然災害の復旧など、民間運営者からすれば巨額の支出を迫られるという点で、すんなり支出するとはいきません。

     

     しかしながら日本政府であれば、補正予算を組み、財政法第4条に基づいて建設国債を発行したり、財政法第7条に基づいて財務省証券を発行すれば、普通に財源を確保して、災害復旧に必要な巨額の費用に充当することが可能です。

     

     ところが民営化されますと、なかなかこうしたことは難しいということは想像に容易いのではないでしょうか?

     

     そういう意味で民営化を中心とする構造改革は、いざという時の安全保障が弱体化し、しかも経済が縮小するという点で、デフレ化では「百害あって一利なし」であることがご理解いただけるのではないかと思います。

     

     

     というわけで今日は「構造改革がデフレを促進させるメカニズム」と題して論説しました。

     改革派知事、改革派首長、いずれも構造改革によってデフレを促進させ、余裕を削減するのでいざという時に日本国民を守ることができなくさせるという意味では、害以外の何物でもありません。

     もちろん地方自治体には通貨発行権がありませんので、日本政府とは異なって財政の制約が存在しますが、そのために「地方交付税交付金をもっとよこしなさい!」とやるのが、地方選出の国会議員や知事の仕事だと考えます。

     また地方交付税交付金に限らず、通貨発行できる政府だけであるという意味で、建設国債で国が主導で事業を創出するのもありですし、私たちが提供するモノ・サービスを高く買うことができるのは、デフレ化では政府しかいないということを、私たち日本人は改めて認識する必要があるものと思います。

     

     

    〜関連記事〜

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