韓国のTHAAD配備によって生じた東アジア情勢の変化
JUGEMテーマ:国防・軍事
今日は、韓国のTHAAD配備によって生じた東アジア情勢の変化について、読売新聞の「北ミサイル”脅威は新たな段階”・・・日米首脳一致」という記事と合わせて、私見を述べます。
以下が読売新聞の記事の概要です。
『(2017年3月7日)安倍首相は7日午前、米国のトランプ大統領と電話で会談し、北朝鮮による6日の弾道ミサイル発射について、「脅威は新たな段階になっている」との認識で一致した。
日米韓3か国で緊密に連携し、北朝鮮に対する圧力強化に向け、国連安全保障理事会などで速やかな対応を求めていくことも確認した。一方、北朝鮮国営の朝鮮中央通信は7日、ミサイル発射は「在日米軍基地を攻撃する」部隊の訓練だと発表した。
首相は会談後、首相官邸で記者団に対し、「北朝鮮のミサイル発射は明確な(国連)安保理決議違反であり、地域や国際社会に対する明らかな挑戦で、その脅威は新たな段階になっていると確認した」と述べた。
両首脳は、外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)を早期に開催することでも合意した。(後略)』
北朝鮮は3月6日朝、4発の弾道ミサイルを西岸から発射し、そのうち3発が日本の排他的経済水域(EEZ)に落下。しかもほぼ同時に着弾しています。これは北朝鮮のミサイル技術の精密精度が非常に上がっているということが言えるでしょう。
日本がまともな国だったら、日本から攻撃して発射台を潰すべきなのですが、それができません。今後、北朝鮮が核の小型化に成功し、弾道ミサイルを日本に向けたらどうするのでしょう?という危機が現実に迫ろうとしているのです。
北朝鮮は「在日米軍基地が標的だ!」と言っています。「あぁ!在日米軍が標的なんだ!安心だ!」ということになりません。日本の領土なのですから。
在日米軍基地が標的という狙いは、米国と同じ交渉の土俵に乗りたいのでは?と考えられます。弾道ミサイルと核の技術が発達すればするほど、それを捨てるというカードができます。
韓国ではTHAAD(高高度迎撃ミサイル体制)配備を早める動きがあり、北朝鮮が警戒しています。
北朝鮮のミサイル開発に対して中止するよう、中国にも協力を呼び掛けていましたが、ここにきてようやく重い腰を上げ、北朝鮮からの石炭の輸入を今年いっぱいで辞めることを発表しましたが、それをあざ笑うかのような北朝鮮の態度。
北朝鮮のミサイル発射をきっかけに、韓国でTHAADを配備することに対して、中国は反発しています。
韓国のTHAAD配備は、これまで米韓両軍の間で、年内の運用開始を目指していましたが、これを大幅に前倒しし、今年4月の運用開始を目指すことになりました。言うまでもなく、北朝鮮のミサイル発射が大きなきっかけです。
一方で、THAAD配備により、韓国と中国の対立時期が早まりました。北朝鮮からのミサイル攻撃を韓国が受けた時、THAAD以外では一部のミサイルの迎撃が不可能ということから早めるわけですが、ソウルは場所が北朝鮮に近く、普通の砲撃が届いてしまいます。地政学的に首都のソウルが北朝鮮の国境に近く、長距離弾道弾でなくても、普通の砲撃が届いてしまう点が問題です。
そして中国は韓国のTHAAD配備に反発しています。
THAAD導入の決定により、「韓国に行く旅行客を20%減らせ!」「爆買いを制限する!」「ロッテで買い物するな!」ここまでやる国です。
中国というのは経済を外交政治の武器に使ってくる国であるということを、我々日本国民は改めて理解するべきです。
日本企業が爆買いに投資するなんて本当に愚かなこと。中国とはそういう国なのです。本当にえげつない。
そんな中国に、需要や労働などを依存することがどれだけ危険か?日本人は認識するべきなのです。
- 2017.03.23 Thursday
- 日本経済(防衛安全保障)
- 23:40
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- by 杉っ子