食料安全保障“全農グレイン(株)のIPハンドリング(遺伝子組み換え作物分別物流)”について考える!

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     私は常日頃、マスコミTV新聞が正しく報道せず、公務員・国会議員削減すべき!医療費削除すべき!改革なくして成長なし!に流れる世論動向を残念に思っています。
     多くの国民がインフレデフレと政府の負債についての正しい知識を持っておらず、アナリストエコノミスト経済学者でさえ間違ったことを言っています。

     TPPと農協の関係でいえば、今では郵政民営化も正しくなかったのでは?と考えております。(私はかつて賛成していた愚か者です。)
     特に農協が「全農」「農林中金」「全共連」で総合経営で成り立っていることを知ったとき、郵政についても「郵便事業」「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」で総合経営として成り立っているのと同じ構図であることに気付きました。
     特定郵便局を「既得権益」として世論を民営化が正しいと導いた結果、「日本郵政」「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」が株式上場し、本来「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」の利益で「郵便事業」の赤字を補てんすべきなのに、「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」の利益をグローバル投資家らに配当流出する仕組みになってしまったのです。

     

     

    【郵便事業の一体経営】

     

     

    【農業事業の一体経営】

     

     

     どんなに辺鄙な島であろうと、湯西川のような山奥であっても郵便局や農協があってこそ、コミュニティが成り立つ。郵便事業単体では黒字化するためには、利益追求の株式会社の論理からすれば、赤字は無駄、そんな赤字の島や村の郵便局は失くすべき!そこに住んでいる人が悪い!などと言う人もいるように思えます。このまま時が経てばやがて郵便事業の赤字が深刻化し、日本郵政としては子会社の日本郵便事業を黒字化させるために、郵便料金を今の3倍〜4倍に引き上げて全国サービスを維持させるか?辺鄙な場所にある郵便局は閉鎖するしかなくなるでしょう。

     都会で暮らす人から見れば、東京や大阪や名古屋や仙台・札幌・福岡に出てくれば?と思うかもしれませんが、自分が生まれた故郷であれば大事にしたいという思いもあるでしょうし、むしろ災害大国の我が国の現状からすれば、いざという時の助け合いで、地方が真に創生して都会とそん色のない住みやすい環境を用意し、国民が分散して生活した方が、災害から身を守ることができます。

     
     真の地方創生は、地方同士を競争させることではなく、都市部とのインフラ格差を縮小させることです。そのベクトルで考えれば、政府からの補助金が農家の収入の60%が賄われている米国農家、90%が賄われている欧州農家と、関税がなくても競争できるなどというのは寝言に等しい。私は農家を守る観点から言えば、仮にTPPを批准するならば、一回限りの財政出動でなく、欧米農家と同様に永続的に政府支出によって補助金を出すべきと考えています。(私はTPPに反対の立場です。デフレに苦しむ我が国にとって、マクロ経済的に急ぐ必要が全くありません。)
     このとき、ルサンチマンを抱く人から見れば、なぜ農家だけが優遇されるのか?という声に必ずなります。しかし、その考え方が間違っているのです。

     農協を守るのは、食料安全保障のあり方を考えるとき重要です。ほとんどの人は知らないと思いますが、全農グレイン(株)という農協100%の子会社が、ロサンゼルスにあります。
     この全農グレイン(株)は、穀物メジャーの米国カーギル、中国COFCO(中糧集団有限公司)らの競争相手で、これら穀物メジャーに対抗する唯一の穀物商社の全農グレイン(株)を、モンサント(遺伝子組み換え作物製造)、ダウケミカル(化学薬品メーカー)らが、買収したがっているという話があります。

     

     理由は、全農グレイン(株)がIPハンドリング(遺伝子組み換えとそうでないものとを分別物流すること)を実施しているため、モンサントが小麦やトウモロコシや大豆を日本に輸出する際、分別物流というロードをかけざるを得ず、余分なコストがかかっているのです。そのため、遺伝子組み換え作物の日本への輸出を推進したいモンサントから見れば、全農グレイン(株)の遺伝子組み換えのIPハンドリングは、売上拡大の障害になっているのです。

     

     しかし、モンサントが全農グレイン(株)を買収したくても買収することができません。なぜならば、全農グレイン(株)の株式の100%を、協同組合である全農が保有しているからです。そして、全農は株式会社ではなく、協同組合組織のため、親会社の全農を買収することもできないのです。)

     

     全農グレイン(株)が「遺伝子組み換え」と「遺伝子組み換えでない」にIPハンドリングをしているおかげで、我々は食品購入する際、「遺伝子組み換えでない」の表示がある食品とそうでない食品を選ぶことができるということを、どれだけの日本国民が知っているでしょうか?

     

     もし「全農」が株式会社化され、外資規制をかけることなく株式上場すれば、モンサントは「全農」買収をすぐにでも実行するでしょう。なぜならば、100%子会社の全農グレイン(株)の分別物流をやめさせ、親会社として本業の遺伝子組み換え作物の日本への販売の不要なコストである分別物流を辞めてしまうことができ、売上拡大につながるからです。そうなれば、日本国民は遺伝子組み換え作物か?遺伝子組み換え作物でないか?表示区別されないものを買うしかなくなってしまうのです。

     

     モンサントは社員食堂がありますが、メニューには一切遺伝子組み換え作物は使われていないと言われています。遺伝子組み換え作物大手のモンサントの社員食堂にすら使われない遺伝子組み換え作物を、みなさんは積極的に摂取したいと思うでしょうか?「農協や農家をなんで補助金で助けるのか?」と批判するのは結構ですが、こうしたことを理解した上で議論が行われるべきだと考えます。

     

     私は「既得権批判」する勢力には汲みしないのと同時に、食料安全保障の問題として、我が国の農業問題について正しい真実を多くの皆さんに知っていただきたいと願っております。


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