百貨店の衰退とファストファッションの台頭

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    JUGEMテーマ:経済全般

     

     前回、都内の百貨店が中国の爆買いに頼った投資での失敗を述べましたが、今日は百貨店の衰退についてマクロ経済の観点から意見したいと思います。

     

     1998年以降、デフレが続いてきました。この間、物・サービスが安く買われる(名目GDPの減少)、個数・回数を減らして買われる(実質GDPの減少)により、企業は過剰サービスを強いられてきました。そのしわ寄せが個人にも影響し、賃金伸び悩みで、ブラック企業が誕生するなどしてきました。

     

     百貨店で言えば、中国人の爆買い目当ての投資をやってきたのでは?と。私は中国の経済指標から見て、中国の爆買いに頼ることは危険であり、中国ビジネスは、できる限り縮小した方がよいと考えてきました。

     事実、私は直接投資ではありませんが、間接投資即ち株式投資において、投資額の半分の株式を売却して資金回収しています。具体的には江蘇省高禄道路有限公司(香港証券取引所:0177)に2002年から株式を保有していましたが、保有株数の半分を売却いたしました。このように間接投資の場合は、株式の売却損という形ですが、直接投資の場合は、設備投資した供給力が無駄になるということです。

     

     海外の法律税制についてとやかく言うことは内政干渉に他なりません。「トランプはとんでもない保護主義者だ!」とかなんとか言っても、大統領を選んだのは米国民であり、米国の法律は米国民によって決められるもので、日本国民がとやかく言うことではありません。この手の内政干渉について、TV新聞をはじめとするマスコミは鈍感になっているような気がします。

     

     それはさておき百貨店と言えば、小さい頃、非日常の屋上の遊園地で、レストランでお子様ランチを食べる。私が小学生のころ、よく亡き母親に連れられた百貨店と言えば、新宿の小田急百貨店でした。レストランでお子様ランチを食べ、屋上の遊園地でゲームしたり乗り物に乗って遊んでいたのが、今でも記憶に残っています。

     

     私の話は新宿の百貨店でしたが、こうした百貨店は地方都市にもありました。福岡県の井筒屋(証券コード:8260)、愛知県の丸栄(証券コード:8245)、石川県の大和(証券コード:8247)、静岡県の松菱(2001年11月に自己破産で経営破たん)など、地方都市にあった百貨店も閉店の動きが増えています。

     

     実質賃金が下がった影響で、消費が増えないためです。正しい文化というのは、国民にある程度の所得の余裕がないと衰退してしまいます。

     

     下記は日経新聞の記事です。

    『(2017年2月17日 20:27 日本経済新聞)総務省が17日発表した2016年の家計調査速報によると、家計の支出に占める食費の割合である「エンゲル係数」は2人以上の世帯で前年より0.8ポイント上昇して25.8%となった。1987年以来29年ぶりの高水準。食品価格が上昇した他、共働き世代の増加で調理食品などの購入が増えたことが背景にある。衣料品などを買い控えており、家計の節約志向は根強い。16年の1世代あたり月額消費支出は平均28万2188円で物価変動の影響を除いた実質で前年に比べ1.7%減った。前年を下回ったのは3年連続だ。勤労者世帯の消費支出も実質で1.7%減。エンゲル係数(農林漁業世帯を除く)は24.1%となり、90年以来の高水準だった。(後略)』

     

     アニメ、漫画、ゲームといった日本独自のコンテンツが維持、発展されるためには、我々日本国民の所得、厳密に言えば食糧費などの必需品以外に使える所得の動向にかかっています。つまりエンゲル係数が低いことが必要なのです。

     もし、所得が不十分で食糧費の割合が高く占める場合、文化的なものに対する支出は減らさざるを得ません。日本のエンゲル係数がこのまま上昇していくと、そのうち国民は食料を買うのが精一杯となり、日本が誇るべきコンテンツの文化は衰退していく可能性があるのです。2014年の消費税増税以降、エンゲル係数の上昇ペースに、皆さんはどのようにお感じになるでしょうか?

     

    <日本のエンゲル係数>

     

     正しい文化というのは、国民にある程度の所得の余裕がないと衰退してしまいます。安倍政権のせいで、エンゲル係数が上昇し、食費以外にお金を出すことができなくなっているわけで、百貨店文化が衰退するのは当たり前です。

     

     最近のファストファッションですが、流行を取り入れて、安い値段に抑えたファッションを大量生産し、短いサイクルでどんどん販売していくというビジネス、これは正にデフレビジネスの極みです。理由は実質賃金が増えず、所得が増えないデフレ環境であるにもかかわらず、安倍政権は緊縮財政を実施しているから。

     

     ファストファッションの台頭は、消費者の多様化のためなどと言う人もいますが、結局のところ所得に余裕がないから。だから安いものを買うのです。ユニクロ、しまむら、こうした会社が売上を伸ばすのは、単に人件費の安い国に供給力を移し、結果日本国内の所得が奪われて所得が減少し、大量に逆輸入で日本に仕入れて、日本国内で売っているというもの。新たに付加価値を増やすというのとは程遠いビジネスモデルです。ファーストリテイリング(証券コード:9983)の株価上昇と、信越化学やアステラス製薬やトヨタ自動車の株価上昇であれば、圧倒的に後者の3社の方が付加価値の高いビジネスをしていると私は思います。

     

     安倍首相は自分が総理になってから株価が上がったと言いますけど、株価は経済とは関係ありません。もともと株価が高くなれば景気が良くなるという論説が間違っているということについても、GDP3面等価の原則を考えればわかること。要はこうした論説を唱える識者と言われる人々は、マクロ経済について何一つ理解していないのです。

     

     消費増税後、実質消費は10%減少しています。これは、今までパンを10個買えていたのに、9個しか買えなくなったということであり、貧困化がすすんだというのが安倍政権の政策の結果です。

     

     ぜひ、下方に総務省の統計局が2017年3月3日に公表した家計調査報告をご覧いただきたいと思います。

     

     ここまでの数字の状態になっているのに、経済が好調というのは、私は目を疑います。

    「あなた数字が見えているの?眼医者に行った方がいいんじゃない?」というレベル、「数字が見えてないですよ!あなた!」というレベルです。

     

     2014年4月以降消費増税の影響はものすごく大きい。個人消費の減少は、なぜ?

     消費増税と実質賃金の減少が原因であることは言うまでもなく、むしろ個人消費が下がらない方が不思議であり、下がって当然の結果と言えます。

     

     下がり具合についていえば、2016年1月と2017年1月の実質消費支出は食料品が低迷し、1世代あたり27万9249円。物価変動を除いた実質で2016年1月の数値を比較して2017年1月は1.2%減少。1月に限ってみれば3年連続の減少です。

    (資料の掲載はありませんが、消費増税前の2014年1月と比較し、2015年1月、2016年1月、2017年1月で3年連続の減少)

     3年連続で下がって下がって下がって、2014年1月と比べて約9%減少。普通のまともな政治家やアナリスト・エコノミストであれば、消費減税の議論をしなければいけない状況です。ところが森友学園問題とかやっているから、本当にヤバイです。

     

     消費増税が問題となるわけですが、安倍総理の前の民主党の野田政権が法案を通したのは間違いありませんが、増税の判断をして実行に移したのは安倍総理です。

     

     安倍総理大臣は日本の憲政史上、伊藤博文以来、最も日本の消費を減らした総理大臣と言えます。「昭和恐慌の時はどうだったの?」という人がいるかもしれませんが、1年ごとに総理大臣が変わっていますので、3年連続で消費を減らしたというのは安倍政権が初めてです。

     

     表面的なことで言えば、確かに安倍政権になって株価は上昇しました。とはいえ、株価は円安になれば上がるのです。何しろ日本の株式市場の参加者の60%が外国人投資家であり、彼らは円安になれば株を買い、円高になれば株を売ってきます。株価が上がっているから経済がうまくいっているというのは詭弁で、そうやってごまかしの政治をやって日本国民がどんどん貧乏になっているというのが事実です。

     

     野党の国会議員も問題ですが、自民党の議員も問題。国民の実質消費が消費増税前と比較して3年にわたって9%(約10%)も下がったということについて、誰も問題にしないのが今の日本の姿です。

     

     デフレ脱却のために消費減税が必要なのに、財務省に逆らえない政治家ばかりだから、無意識のうちに問題にすらしない。数字を見ようとはしない。ファストファッションが流行るのは日本国民が貧乏になっているからにほかなりません。国民の貧困化、貧乏になっているという真実と共に、国力強化ができず、防衛費増強ができず、やがて中国の属国になる日が来るかもしれません。我々は今の日本とは異なる形の日本を、子孫に受け継ぐことになるかもしれないのです。

     

     ファストファッションが流行るのは決して褒められたものではない、事実は日本国民が貧困化、貧乏になっていることであるということに、多くの人々が気付いていただきたいと思うのであります。

     

    <総務省ホームページより抜粋:2017年3月3日総務省統計局公表の家計調査報告>

     

     


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