中国人の爆買い需要を狙った三越の失敗(日本人客を大事せず中国人向けシフトにしたツケと百貨店の苦境)

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    JUGEMテーマ:ビジネス

     

    このブログで、中国経済が大変なことになっていることを取り上げてきました。今日は「中国爆買いバブル」終了で、閑古鳥が鳴いている銀座の高級デパートの惨状と後悔「もっと日本のお得意様を大事にしておけばよかった・・・」ということで、三越伊勢丹ホールディングス大西社長退任というニュースについて触れます。

     

    (株)三越伊勢丹ホールディングス(証券コード:3099)は、3月7日、大西社長が3月末に辞任し、後任に杉江俊彦専務執行役員を昇格させる人事を発表いたしました。報道によりますと、主力の百貨店事業が振るわず、純利益が前期比で半減する見通し。業績悪化の責任を取って辞任するということです。

     

    営業時間短縮で小売りに拡大

    営業時間を短くして人材を確保する動き

    営業時間を見直すというのは人件費に影響する

     

    一旦、中国の爆買いシフトを敷いた経営路線を見直し、過剰サービスを辞めていくという方向に舵を切ったものとみられます。

     

     

     

    1.過剰サービスの終焉

     

     過剰サービス自体は否定しませんが、本来その過剰サービスを高く売ればいいのに、デフレで物・サービスが安く買われるのが当たり前の環境であったため、安く売ってきたのです。

     

     この問題は、三越伊勢丹に限りません。アマゾンとヤマト運輸の関係も同じです。翌日配送なるサービスを本来ヤマト運輸は高く売るべきでした。ヤマト運輸がアマゾンに高くサービスを提供すれば、当然アマゾンの利益が減るか?価格を転嫁して消費者にサービス料を取るしかありません。デフレという環境が、仕事を失いたくない売上高を減らしたくないヤマト運輸に、過剰サービスを安い値段で提供するという判断に至らしめたのです。結果、トラックドライバーは過剰労働を強いられ、賃金は他産業よりも低くなる一方。このままでは、トラックドライバーの成り手がいなくなって当たり前。大学卒業してトラック運転手になる人など、いなくなって当然です。かつてはトラックドライバー、ダンプのドライバー、いずれも家を建てられたのに、現在は家を建てることすらできない年収です。

     

     もともと運送業界は最低運賃の引き下げという競争激化の規制緩和を行い、過当競争がいち早くどの産業よりも始まっていました。このままではドライバーの成り手がいないとなれば、いよいよ過剰サービスは辞めざるを得ない。ドライバー確保のために処遇改善していくしかない。小売業も同じです。運送業界との違いと言えば、トラックドライバーは日本で実施される運転免許試験に合格する必要があります。小売業の場合、安価な外国人労働者を受け入れるという逃げ道があります。

     

     

     

    2.中国人の爆買い需要を狙った投資失敗のツケ
     

     事実、旗艦店の銀座の三越では、中国の爆買い需要に備え、中国人店員を採用するという施策に打って出ました。とはいえ、中国の爆買い規制に始まり、円高進行や中国政府の関税引き上げの影響をもろに受け、高級時計や高級ブティックの商品の売れ行きが著しく鈍くなっていました。

     

     以下は、少し古いですが、昨年秋に掲載された東洋経済Onlineの記事の抜粋です。

    『「(東洋経済ONLINE 2016年10月18日)三越銀座店、鳴り物入り免税店の悲しい現状 中国人店員の接客に不満の声も」

    ”爆買いバブル”の減速が、いよいよ深刻化している。10月1日から始まった中国の国慶節に絡んだ大型連休。今年も多くの中国人が日本へ向けて旅立った。訪日観光客に人気の銀座も、この連休中は多くの観光バスや、キャリーケースを引く観光客で溢れた。

    その一方、三越銀座店の空港型免税店「Japan Duty Free GINZA」は、あまりにも閑散としていた。空港型免税店とは、消費税だけではなく関税や酒税、たばこ税まで免税される免税店。今年1月末に沖縄県を除く初の店舗として銀座店の8階にオープンした店舗だ。ところが、今や高級ブティックには文字通り人っ子1人おらず、中国人女性に人気の美容家電を販売する特設コーナーでは、商品を手に持った女性販売員が所在なさげに立ち尽くしている。高級感溢れるお酒とタバコの売り場には、1月下旬に開店当初はなかった「じゃがポックル」や「キットカット」などのお菓子が、うず高く積まれていた。(中略)

    接客面での不満もある。年に数回日本を観光するというある20代の中国人女性はこう語る。「せっかく日本に来たのに、免税店にいるのは中国人の店員ばかり。接客のレベルも日本人に比べると低く、雑な扱いを受けたことがある」「地方の小さなお土産屋さんで中国語の通じない店員さんと話した方がずっと楽しい」三越銀座店を含め、都心の大型百貨店では訪日客の対応策として、外国語を話せるスタッフの雇用を増やしているが、良かれと思ってしたことが、かえって裏目に出てしまっているのだ。(後略)』

     

     上記の東洋経済の記事は、銀座三越についての記事でしたが、東急プラザ銀座の「ロッテ免税店銀座」の惨状もひどい。百貨店をはじめとする小売業は、極端な中国人シフトに舵を切ってきました。銀座にある有名百貨店の社員によれば、日本人客から「いつから中国人観光客向けのお土産屋さんになったのか?」「和のテイストを強調した商品ばかりで買いたいものがなくなった」「中国人のマナーの悪さをなんとかしてほしい」といった意見が連日のように日本人客から寄せられているとのこと。円高に追い打ちをかけるように中国政府が個人関税を強化したことも響いています。景気が悪化している中国では国内の消費を喚起しようと、海外で購入した商品を国内に持ち込む際に課税を強化したのです。

     

     こうした中国国内の動きについて、「経済の壁を作っている」とか「関税を低くすべき!」などと考える人、内政干渉です。中国の主権にもとづいて中国が政策決定するのは中国人によるものです。そもそも、爆買いの需要を狙うということが、外需依存するという愚かな考えであることに気付かず、中国人シフトの設備投資をしたツケです。

     

     海外の需要に頼ることほど、リスクが高いのは言うまでもありません。相手国が法律で規制をすれば、すぐに環境が変わってしまうからです。事実、爆買い規制による人民元の両替の規制(1日19万円=年間約7000万円の両替可能だったのが、年間190万円まで両替限度額を激減した規制)、関税の規制などなど、中国共産党政府の鶴の一声で規制

    されれば環境が変わるのです。

     

     中国人の「爆買い」は、一瞬のバブルだったにもかかわらず、百貨店は巨額の設備投資で中国人シフトを敷きました。売上が落ち込んだからといって、すぐに方向転換はできません。今も店の前を通る中国人観光客にすがって媚びを売っているとすれば、ますます日本人がしらけムードとなり、百貨店から離れていくことでしょう。今さら、日本人客をもっと大切にすればよかったと悔やんでも遅く、しばらく低迷が続くものと思われます。

     

     

     

    3.インバウンドは経営の核にならないことを肝に銘じよう!

     

     日本人からすれば、百貨店は昔から日常を離れて特別感のある場所であり、『ハレの日』に楽しい時間を過ごす場所でした。その特別な場所が中国人向けの接客で溢れると、自分の居場所がないという感情を持つ人もいるのでは?と考えます。

     

     下記はある記事の抜粋です。

    『横山毅さん(仮名、42歳・会社員)は、ある休日の午後、銀座の百貨店内にある高級ブランドショップを訪れた時だった。長年使っているバッグの修理がしたくて店員に声をかけたところ、中国語なまりの日本語で「2Fで聞いてください!」と軽くあしらわれた。自分で勝手に担当を探しに行け!ということか。これまでには考えられない対応だった。以前であれば、ちゃんと修理を担当する店員のところへ連れて行ってくれたはず。それが当然と思っていたのに、中国人観光客が出入りするようになってからサービスの質が落ちた。店員に「大切にされる」感覚が好きで、その店を愛用してきたが、愛着が一気に冷めた。わざわざ銀座まで出かけようとは思わなくなった。(後略)』

     

     インバウンドは経営の核にならないどころか、日本人が近寄らなくなって売り上げ低迷が続くリスクを抱えるのです。新橋のヤマダ電機は、免税店「LABIアメニティ&TAXFREE」は2015年4月に開店しましたが、2016年5月にひっそりと閉店しています。かつてTVなどで中国人が高級炊飯器と温水洗浄便座が爆買いで売れに売れまくりましたが、今は全く売れなくなったとのこと。爆買いの規制の影響は大きいのです。昨年の5月に新橋の免税店を閉店したヤマダ電機の会長が、「インバウンドは経営の核にならない」と仰ったようですが、まさにその通りと言えます。

     

     

     春分の日である今日ですが、皆様も銀座のデパートにお出かけされてた方もあろうかと思います。改めて爆買いシフトを取り上げ、爆買いシフトを含めた外需依存は危険であることをお伝えしました。政府は外需依存を高めることなく、国内需要増に向けた、トランプ大統領のような保護主義、国力を高める政策へと、舵を切っていただきたい。そうすれば再び日本は繁栄の道を歩むであろうと思うのであります。


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