GDP3面等価の原則について(「スマートフォン製造」のシミュレーション)

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    JUGEMテーマ:経済全般

     

    以前「付加価値の積み上げ」をお肉屋さんでやりましたが、今日はGDP3面等価の原則の完全理解を目指していただくため、少し複雑にしてスマートフォンを製造したシミュレーションでやってみようと思います。お肉屋さんで説明したときのブログ記事の表題「トランプ誕生の経緯とトランプリスクに備えて日本がすべきことは?」です。

     

     

     

    ◆GDP3面等価の原則をスマートフォン製造でシミュレーションしてみる!

     

    まず言葉の定義からですが、下記の通りとします。

     \納=名目GDP×税率×税収弾性値

     ■韮P=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出
      純輸出=輸出−輸入

     

    【ケーススタディ(資源を海外から輸入して、あとは全て日本国内で製造した場合の日本のGDP)】

     

     

    スマートフォンという最終生産財3000円について、消費者は3000円支払いますが、輸入分はGDPから控除されるため、消費者は200円分輸入して2800円消費支出したということになります。即ち最終生産財3000円=輸入200円+消費支出2800円です。

    (もし、資源を輸入せず、日本で資源が取れていれば、最終生産財3000円=消費支出3000円になります。)

     

    付加価値の積み上げイメージは下記の通り。

     

    上記付加価値の積み上げの通り、

    生産面のGDP2800円=支出面のGDP2800円=分配面のGDP2800円

    となります。

     

    生産面のGDP2800円=日本国内で生産された付加価値の合計

    支出面のGDP2800円=日本国内での消費支出額の合計

    分配面のGDP2800円=日本国内での所得額の合計

     

     最終生産財3000円輸入200円+消費支出額2800円 

     

     GDP2800円=A社400円+B社400円+C社200円+D社200円+E社600円+F社300円+G社700円 

     

    もし、赤い部分が日本でできれば、つまり国内で資源が取れれば最終生産財3000円のすべてがGDPカウントされます。

     

     

     

    ◆「韓国に学べ!サムスン電子に学べ!」というアホな論説

     

    過去、日本国内のアナリストらの間では、韓国のサムスン電子に学べ!といった論説が流行ったことがありました。例えばジャーナリストの財部誠一氏らが、サムスン電子のマーケティング力ということで、日本企業はサムスンに学べ!と。

    サムスン電子は確かに半導体でDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しできるメモリー)やNAND(電気的一括消去が可能なメモリー)で世界トップシェアであります。とはいえ、高純度のレアーガスや、セラミックやチップやコンデンサーやシリコンウウェハーなどの精密機器や電子部品・電子部材は日本から輸入します。下記は日韓貿易の内訳です。

     

     

    つまり韓国は、国力としてみれば日本より格段に弱い。サムスン電子のスマートフォンは、電子部品から全部を作ることができず、日本からの輸入に依存しているのです。結果、サムスン電子のスマートフォンが売れれば売れるほど、日本のGDPが増えることになります。

     

    韓国は大企業の財閥企業優遇政策を進めてきた結果、部品製造などのすそ野産業の成長がなされず、国力強化がされない状態で今日まで来ました。その点、我が国は資源こそ海外からの輸入に頼るものの、電子部品やら精密機械やら、ほとんど日本国内で生産ができます。スマートフォンを製造するにしても、自動車を製造するにしても、日本は裾野の企業がたくさんあり、経済効果が大きい。韓国と比べればGDP成長がしやすい国力が高い国であると言えるのです。このことを潜在GDPが高い、即ち供給力が高い=国力が強いということを意味します。

     

    もし安い人件費の中国でスマートフォンを作らせて逆輸入するとなれば、中国のGDPが増え、日本のGDPが減ります。上述のシミュレーションで、中国から安い粗悪な半導体メモリーとディスプレイを輸入してスマートフォンを作ったらどうなるか?

     

     

    上記付加価値の積み上げの通り、

    生産面のGDP1600円=支出面のGDP1600円=分配面のGDP1600円

    となります。

     

    生産面のGDP1600円=日本国内で生産された付加価値の合計

    支出面のGDP1600円=日本国内での消費支出額の合計

    分配面のGDP1600円=日本国内での所得額の合計

     

     最終生産財2200円輸入600円+消費支出額1600円 

     

     GDP1600円=E社600円+F社300円+G社700円 

     

    つまり安い電子部品で、最終生産財は2200円となって消費者や安いものを買っていますが、最初のシミュレーションと比べ、A社、B社、C社、D社で働く人々は、所得を得られません。なんとシミュレーション上では、GDPが2800円→1600円になってしまいました。安いものを輸入するということは、こういうことなのです。

     

    これが、まさにトランプ大統領が指摘するメキシコの逆輸入問題の姿です。メキシコに工場を作って安い製品を逆輸入をすれば、メキシコのGDPが増えて米国のGDPが減る。米国のGDPが減るということは米国民の貧困化を意味しますので、トランプは逆輸入こそ米国民を貧困化に貶める問題であるとして、それを改善すべく保護貿易という政策に舵を切ったのです。

     

    GDP3面等価の原則を完全理解しますと、マクロ経済が見えてきます。そんなわけで、今日は改めてGDP3面等価の原則を取り上げてみました。

     

     

     


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