米国にとって安全保障上の脅威となっている日本とEUの米国への自動車輸出台数について

0

    JUGEMテーマ:ドナルド・トランプ

    JUGEMテーマ:通商政策

    JUGEMテーマ:安全保障

    JUGEMテーマ:自動車産業

     

     今日は「米国にとって安全保障上の脅威となっている日本とEUの米国への自動車輸出台数について」と題して論説します。

     

     トランプ大統領が中国のファーウェイを排除するということで、米中貿易戦争が激しさを増す中、日本やEUの自動車と自動車部品への関税についても注目する必要があります。

     

     なぜならばトランプ大統領は、ファーウェイを排除する理由について国家安全保障を損なうという表現をしているのですが、全く同じ表現を日本とEUに対しても使っているのです。

     

     ブルームバーグの記事をご紹介します。

    『ブルームバーグ 2019/05/21 17:02 豊田自工会会長:トランプ大統領の判断「大変残念」−輸入車脅威論

     日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は21日、米国のトランプ大統領が輸入車や自動車部品を国家安全保障に対する脅威としたことについて「大変残念」に思うなどとする内容の声明を発表、日系自動車メーカーの米国での貢献が歓迎されないようなメッセージに業界として驚いていると表明した。

     豊田会長は声明で、米通商拡大法232条調査への判断に関してトランプ大統領が米国への輸入車や部品が国家安全保障に関する脅威と位置づけたことについて遺憾の意を表明。自工会の会員企業は累計約510億ドル(約5兆6000億円)を米国に投資して28州に生産拠点を持ち9万3000人以上の直接雇用を創出するなど米国社会に貢献しているとし「日系自動車メーカーの長年にわたる米国での投資と雇用への貢献が歓迎されないかのようなメッセージには日本の自動車産業として大変驚いている」と述べた。

     米商務省は自動車・同部品の米国への輸入を調査した結果、1980年代以降、米国の地場の自動車メーカーの市場シェアが低下し、安全保障が損なわれていると結論付けた。トランプ大統領はこれに同意すると言明。日本や欧州連合(EU)などから輸入する自動車・同部品への追加関税発動を180日延期し、合意に向けて交渉を進めるよう通商代表部(USTR)に指示した。

     これに対してトヨタは17日の米国での発表で、トランプ大統領の主張に反論。「われわれの投資が歓迎されていないとのメッセージをトヨタに送るものだ」と異例の強い表現で指摘していた。

     豊田会長は声明で、輸入車や部品が米国の安保上の脅威になることはないと確信しているとし、トランプ大統領にトヨタの思いを理解してもらい、日米両政府間の協議が両国の自動車産業や経済の発展につながる結果になることを強く願っているとした。

     

     

     上記記事はトヨタ自動車の豊田章男社長が、トランプ大統領の考えに対して遺憾の意を表明したというニュースです。

     

     私は別に「輸出で稼いではいけない!」というつもりはありませんが、輸出は他国の雇用を奪うということが起こり得ます。例え、豊田章男社長が、米国で雇用を創出して米国国内の経済に貢献しているとしたとしても、米国にはクライスラーやフォードといった米国発の自動車産業が存在します。クライスラーやフォードにとっては、技術力が高くかつ生産性が高いということで、価格競争もある日本の自動車は脅威に映るに決まっています。

     

     何が言いたいか?といえば、自国産業で自動車が作れない国ならば、トヨタ自動車の投資は歓迎されるでしょう。自国産業で品質は日本車並みとはならないものの、結果的にクライスラーやフォードといった米国の自国産の自動車産業がつぶれそうになるとなれば、米国ファーストを掲げるトランプ政権にとってはトヨタ自動車もファーウェイと同じに映るということは十分に考えられます。

     

     自動車産業における日米の関係は、1600年代のキャラコ産業における英国インドの関係を似ています。英国では産業革命による生産性向上も相まって、インド産のキャラコ産業と対抗する形で綿製品をインドに輸出しました。その際、軍事力を背景に関税をゼロにさせて輸出しました。

     

     結果、インドのキャラコ産業は大打撃を受け、ダッカ(今のバングラディッシュの首都)、スラート、ムルシダバードといった綿産業で栄えた都市は、綿布産業が壊滅状態となりました。そしてインド国民は貧困にあえぐこととなり、餓死者が多発して白骨死体の山ができたとのこと。英国のインド総督府が着任の際、高原に白骨が広がっている風景を見て嘆いたという話があるほど、インドは没落しました。

     

     輸出というのは、そういうものです。もし米国に自動車を作る技術がなければ、投資は歓迎されるでしょうが、それでもいずれ自国で作られるようになりたいと人は思うようになります。

     

     技術支援といえばそれまでですが、輸出を伸ばし続けるというのは、結果的に通商政策でその国と絶対に摩擦が生じます。最悪は、武力行使による戦争ということも普通にあり得るのです。

     

     記事の話に戻りますが、トランプ大統領は日本とEUの自動車と自動車部品の輸入への追加関税について、実施の判断を6カ月延長すると表明しました。とはいえ、日本とEUからの自動車の輸入台数は、米国の安全保障を損なうほど多いと述べています。

     

     米国政府が表現として用いている「国家安全保障を損なう!」という表現は、ファーウェイに対しても使っていますが、日本とEUに対しても同じ表現を使っています。

     

     オーストラリアやカナダやニュージーランドがファーウェイ排除に追随する一方、EUがファーウェイ排除に同調しないのは、この自動車問題があるからといえます。

     

     トランプ大統領がなぜ5月に来日したか?といえば、この自動車問題を交渉するために来たわけです。

     

     令和になって新しくなった天皇陛下に会うために来日したわけでもなく、大相撲で優勝力士に優勝カップを渡すことが目的で来日したわけでもありません。

     

     一番の目的は国家の安全保障を損なうほど、日本から米国への自動車の輸入台数は多すぎることについて、「何とかしろ!」と言うために来日したのです。

     

     

     というわけで今日は「米国にとって安全保障上の脅威となっている日本とEUの米国への自動車輸出台数について」と題して論説しました。

     米国のトランプ政権、そして米国議会は、ファーウェイ問題のみならず、日本とEUの自動車問題に対しても、自国の国家安全保障問題ということで言い寄ってきます。

     これは米国が本当に変わったということであり、従来のグローバリズムの発想で「一緒に儲かればいいじゃん!」という時代が終わったことを意味するものと私は思います。と同時にこれからは「反グローバリズム」「自国民ファースト」という厳しい時代になったといえますし、そのことを私たち日本人も自覚する必要があるものと私は思うのです。 


    コメント
    コメントする








       

    calendar

    S M T W T F S
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    293031    
    << December 2019 >>

    スポンサーリンク

    ブログ村

    ブログランキング・にほんブログ村へ
    にほんブログ村

    recent comment

    profile

    search this site.

    mobile

    qrcode

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM