ファーウェイつぶしの目的は5G技術の覇権を取らせないためか?

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     トランプ大統領は5/10(金)00:00に、中国から米国への輸入品2000億ドル分(日本円で約22兆円分)に対して、関税25%をかけたという記事を、5/18の記事(日本はトランプ大統領の関税カードの使い方を学ぶべきです!)で取り上げました。

     

     それを第一弾とするならば、第二弾としてファーウェイつぶしという”もう一つの手”を打ってきました。これはトランプ政権が思い付きでやっているのではありません。とりわけ米国政権が2018年に入ってから、ファーウェイとZTE(中興通訊)排除をしてきたわけですが、孟晩舟CFOのカナダでの逮捕など、目の敵にされてきたファーウェイ。なぜ米国がファーウェイをそこまでしてつぶそうとしているのか?を論じたく、今日は「ファーウェイつぶしの目的は5G技術の覇権を取らせないためか?」と題して論説します。

     

     2019/05/16、米国の商務省は、米国の企業に対して政府の許可なく安全保障のリスクがある外国の通信機器を使ってはならないという発表をしましたが、これはファーウェイを指していました。

     

     下記はロイター通信の記事です。

    『ロイター通信 2019/05/17 07:18 米商務省、ファーウェイを規制リストに正式に追加 即日発効

    [ワシントン 16日 ロイター] - 米商務省は16日、米政府の許可なく米企業から部品などを購入することを禁止する「エンティティーリスト」に中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]と関連68社を正式に追加した。

     商務省報道官は、措置は直ちに発効するとし、日本やカナダ、ブラジル、英国、シンガポールなど20カ国以上にあるファーウェイ関連企業が含まれると述べた。

     商務省は、取引許可を求める申請は「推定却下」の方針に基づいて審査されるとした。

     貿易を専門とする弁護士ダグラス・ジェイコブソン氏は、商務省が取引を許可する可能性は極めて低いとの見方を示した。

     トランプ米大統領は前日、米企業が安全保障上のリスクがある企業から通信機器を調達することを禁じる大統領令に署名した。

     米国は、ファーウェイのスマートフォンや通信機器が中国政府のスパイ活動に使われていると主張している。

     米議会議員や政権当局者は、ファーウェイが米国のサプライヤーに依存していることを踏まえると、今後同社の製品販売に影響が及ぶと指摘している。

     前出のジェイコブソン氏は、ファーウェイに製品を販売している米企業にも影響が波及するとし、「ファーウェイへの締め付けを意図した措置だが、最終的には米企業も不利益を被る」と述べた。

     アナリストは、ザイリンクス(XLNX.O)など複数の半導体銘柄の目標株価を引き下げた。ザイリンクスは7.3%安で取引を終えた。クアルコム(QCOM.O)も4%下落した。』

     

     

     米国は2018年8月に、米国防権限法によって、米国政府や関係機関においてファーウェイとZTEの機器の使用を禁じましたが、上記のロイター通信の記事の通り、米国の企業にまで広げました。

     

     ファーウェイについては、様々な情報がありますが、東洋経済新聞社が2011年12月1日寄稿で、企業戦略という特集記事でファーウェイについて取り上げています。

     

     創業者は任正非(レン・ツェンフェイ)CEOですが、1944年に生まれ、建築関連の学校を卒業後、人民解放軍の工兵団(土木・通信を専門とする技術者部隊)に入団。最終的には副連隊長に相当する階級まで昇進しました。1987年に工兵団が解散され、解放軍の将校仲間とともに資本金2500ドルを元手にファーウェイを設立したとのこと。わずか30年で中国最大、世界有数の通信機器メーカーにのし上げたという点で、任正非は非常に立派な経営者であることは間違いないでしょう。

     

     その任正非の娘の孟晩舟(モウ・ワンシュウ)氏が昨年カナダで、イランとの制裁違反ということで逮捕され、今もなおバンクーバー近くで拘留されています。

     

     孟晩舟はファーウェイの副会長でCFOになっています。年間売上高は1,050億ドルと、日本円で11兆円もあります。しかも170か国に展開して社員は18万人います。

     

     日本でも2018年度の大卒を募集し、初任給40万円ということで大変な話題になりました。(「日本人が中国人を安い賃金で雇う」ではなく「中国人が日本人を安い賃金で雇う」時代へ!

     

     特にスマホは人気があります。例えば新宿のビックカメラとユニクロが合体化したビックロに行きますと、ファーウェイ製品がたくさん宣伝されているだけに留まらず、上りのエスカレーターでは、ステップにファーウェイの広告が掲載されているなど、ビックカメラはファーウェイ専門店か?と突っ込みたくなるほど、人気があります。(私は絶対に中国製品は使いませんが・・・。)

     

     人気がある理由の一つに、カメラの性能が良いという声があります。にもかかわらず、なぜこの会社が問題になっているか?といえば、民間企業である株式会社であるものの中国政府との関係が強いというのが、その批判の第一の理由です。

     

     先述の通り任正非自身、人民解放軍出身ということもあり、中国共産党のハッカーのためにこの会社を創設したのでは?という疑惑もあり、この会社自身が海外におけるビジネスを通じて、米国や日本の企業の知的財産権を盗んできたと言われています。

     

     日本でも名だたる企業が今もなお提携会社としてアニュアルレポートに掲載されています。具体的な企業名でいえば、京セラ、ジャパンディスプレイ、パナソニック、住友電工、村田製作所が挙げられます。「WIN−WINな関係で世界へ!」というスローガンのもと、こうした名だたる企業の技術を盗んできたのでは?という疑義があり、今もなお、盗み続けているのでは?ということも考えられます。

     

     しかもファーウェイは、中国共産党政府から巨額の補助金を受けています。

     

     巨額の補助金を受けているため、ファーウェイ製品は品質が良く低廉な価格で提供するわけですが、そこが批判されているのです。

     

     一方で会社の経営形態は、中国共産党のように閉鎖的ではなく、むしろ開放的で米国に近いとされ、従業員持ち株制度によって株主のほとんどが従業員であり、かつわざと非上場にしていることもあって、株主の顔色をうかがうことなく、利益のほとんどをR&Dにつぎ込むことができます。

     

    <ファーウェイの研究開発に関する指標>

    2016年度研究開発費:764億人民元(約1兆2,789億円)

    研究開発従事者数:約80,000人(全従業員の45%以上)

    研究開発拠点:15か所

     

     

     上記の研究開発費2016年の約1兆2,789億円は、日本でいえばトヨタ自動車の研究開発費に匹敵します。トヨタ自動車の2018年3月期における研究開発費は、1兆642億円でファーウェイよりも低いです。

     

     2018年3月期の数値ですが、下記を参考にしてください。

     

    トヨタ自動車:1兆642億円

    NTTドコモ:917億円

    KDDI:201億円

    武田薬品:3,254億円

    京セラ:582億円

    信越化学:517億円

     

     いかがでしょうか?1兆2,789億円という研究開発費は突出しています。これは株主に配当する必要がなく、その分を投資につぎ込めるということで、非上場にしていることは、その一因といえるでしょう。

     

     ファーウェイは写真のスペックで人気があると述べましたが、一番の売りは次世代通信規格5Gです。そして、2012年米国の下院議会の情報委員会が1年かけて、ファーウェイとZTEの2社を調査しました。

     

     その結果、2社が米国の技術を盗み、中国政府から補助金を得てアンフェアな競争をしていると指摘。この2社は米国の安全保障上の脅威であると断定したのです。

     

     今回、トランプ大統領はファーウェイ排除の理由に、国家安全保障上の脅威であるという言い回しをしていますが、それと全く同じ言い回しを2012年に米国議会が使っているのです。

     

     米治安当局筋によれば、2012年前後、ファーウェイは米国内施設に電子装置による盗聴が不可能な機密保持の部屋が儲けられていることが発覚。世界の情報当局の施設にある設備と似通ったものであり、米国が警戒感を強める一因となりました。

     

     そうした過去の事件は、直近でもウォールストリートジャーナルが2018年12月24日報じています。それによれば、アメリカのフットボールチームのレッドスキンズが、TwiiterでファーウェイとフリーWi-Fiの供給契約を結んだと発表。対中経済安全保障検討委員会のメンバー、マイケル・ウェッセル氏は、別の委員会メンバーと協議し、中国メーカーによる供給をストップさせました。

     

     何しろNFLのVIP観戦のスイートルームには、著名人や政府関係の要人も利用します。フリーWi-Fi契約をファーウェイと結べば、そうした人らの会話などの情報が洩れる可能性は極めて高い。米国政府の要請で、レッドスキンズはフリーWi-Fi設備の供給メーカーを他の企業に変更しましたが、適切な判断といえるでしょう。

     

     このように米国側はファーウェイに対してかなり前から直近までずっと警戒をしていたのです。そして今回正式にトランプ大統領がファーウェイを締め出し、排除するという決定を下しました。

     

     しかも米国のみならず、米国の友好国に対しても同じ対応を求めるということを始めました。既にオーストラリアやカナダやニュージーランドが同じ対応をする旨を決定している一方、欧州は従っていません。理由は欧州とアフリカは4G機器が相当普及していて、他社と互換性がないために既にファーウェイの4Gを選んでいる欧州とアフリカは5Gにおいてもファーウェイしか選べなくなってしまうというのが、その理由のようです。

     

     なぜファーウェイの機器がそれだけ広がっているのかといえば、政府の補助金が入って安くなっているからです。グローバリストらが好きな自由貿易といっても、中国のように政府の補助金が入った状態で自由貿易となれば、たちまち価格競争で日本のメーカーは勝てないでしょう。

     

     といって日本の電子部品メーカーは、消費財メーカーに供給せず、京セラや村田製作所のようにファーウェイに供給し、しかもその技術が盗まれ続けていて、日本人が気付いていないとしたら、我が国は相当安全保障に対して鈍感といえます。

     

     当局が本来、規制すべきところ、「自由貿易が正しい」と馬鹿の一つ覚えで、そうした規制をかけるという声も出さない。「中国と仲良くやれば利益が稼げる」という発想で、日本の安全保障など二の次という思考回路になっているとしか私には思えません。

     

     5Gは私たちの日常では、3時間の動画が3分で早くダウンロードができるくらいに思っている日本人が多いと思いますが、それ以上に軍事分野において、5Gの覇権を制すものは軍事を制すという実態があり、米国は安全保障上の危機感を感じて、今回のファーウェイ締め出しの判断を下したものと思います。

     

     

     というわけで今日は「ファーウェイつぶしの目的は5G技術の覇権を取らせないためか?」と題して論説しました。

     

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