実質GDP△2.1%と名目GDP△3.3%を読むリテラシー

0

    JUGEMテーマ:経済成長

     

     今日は「実質GDP△2.1%と名目GDP△3.3%を読むリテラシー」と題し、改めて2019年1月〜3月のGDPについて、輸入8兆円マイナスの意味について触れたいと思います。

     

     予想に反して1月〜3月のGDPは年率換算で△2.1%とプラスになりました。GDPは端的にいえば、下記で構成されます。

     

     GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出(※)

     純輸出=輸出−輸入

     

     

     前回5/22のブログ「中身がボロボロの2019年1月〜3月のGDP1次速報の数値」でも取り上げた数値実額を見てみましょう。

     

    <実質GDPの10-12と1-3の数値実額>

    民間設備投資:87.7兆円→87.4兆円(▲3,000億円)

    在庫投資:1.8兆円→2.5兆円(△7,000億円)

    公的固定資本形成:24.6兆円→25.0兆円(△4,000億円)

    輸出:93.2兆円→90.9兆円(▲2兆3,000億円)

    輸入:96.8兆円→92.3兆円(▲4兆5,000億円)

     

    <名目GDPの10-12と1-3の数値実額>

    民間設備投資:90.6兆円→89.6兆円(▲1兆円)

    在庫投資:1.9兆円→2.5兆円(△6,000億円)

    公的固定資本形成:26.6兆円→27.1兆円(△5,000億円)

    輸出:101.1兆円→97.6兆円(▲3兆5,000億円)

    輸入:102.9兆円→94.7兆円(▲8兆2,000億円)

     

     

     上記の通り、実質GDPで輸入は4兆5,000憶円のマイナス、名目GDPで輸入は8兆2,000億円のマイナスです。輸入が大きく落ち込んでいるというのは、日本人の購買力の低減を意味します。

     

     名目GDPでいえば、8兆円の輸入減は名目GDPは△1.5%、年率換算で△6%寄与します。したがって、8兆円の輸入減がなかりせば△6%がはげ落ち、△3.3%+▲6.0%=▲2.7%となります。

     

     実質GDPでいえば、4.5兆円の輸入減は名目GDPは△0.9%、年率換算で△3.6%寄与します。したがって、8兆円の輸入減がなかりせば△3.6%がはげ落ち、△2.1%+▲3.6%=▲1.5%となります。

     

     実際は小数点などの影響で、小数点第1位以下の数値は、少し異なることはあるとはいえ、輸入減が今回のGDPのプラスに貢献したことは事実といえるでしょう。

     

     とはいえ、日本人の購買力の激減ともいえるほどの輸入の大きな落ち込みは、日本が未だデフレから脱却できず、景気が悪いといえるのです。輸入の大きな落ち込みがなかりせば、実質GDP▲1.5%、名目GDP▲2.7%という数値がそれを物語っています。

     

     しかしながらこうしたGDPを分析する手法や、中身を見ないと、新聞記事で「あぁ!GDPは予想に反してプラスだ!日本は景気がいいんだ!だったら消費増税やってもOKだね!」という発想になります。

     

     実際は景気が悪すぎてGDPがプラスになっているという状況であることを知らない人の発想です。実際に、個人消費は減少し、投資も減少し、輸出も減っていて、内需も外需もボロボロの状況です。輸入はGDPから控除されるということを知らない人は、中身の数字の意味が理解できないでしょうし、そもそも中身を見るという習慣もない。即ちリテラシーがないということでもあります。

     

     2019/05/21に消費増税のリスクを訴える有識者会議が行われ、岩田規久男前日銀副総裁は、多くの経済指標が悪化を示す現状で消費増税を実施すれば、デフレが脱却できないどころか、不況を引き起こし、アベノミクスは失敗だったと判断されかねないと懸念を示しました。そして「安倍総理は2012年に”デフレ脱却まで消費増税をしない”といっていた。」と指摘し、消費増税は辞めるべきである旨の意見を述べられています。

     

     この岩田規久男総裁はリフレ派で、金融緩和だけをやればデフレ脱却できるという意見の張本人であり、私はかつて批判していましたが、今は考えを改められ、実にまともなことをおっしゃっています。

     

     安倍総理が2012年に「デフレ脱却まで消費増税をしない」といっていたとすれば、今やっていることは全く違います。もし増税10%にしたら、5%→10%を実施した総理大臣として、アベノミクスで日本経済を破壊した張本人ということになるでしょう。

     

     

     というわけで今日は「実質GDP△2.1%と名目GDP△3.3%を読むリテラシー」と題して論説しました。

     有識者と呼ばれる人は、少なくても数字を読むリテラシーが備わっているべきであるというのは私だけでしょうか?

     国会議員は有識者に含まれるのか?わかりませんが、国会議員も当然、こうした数字のリテラシーが備わっているべきであり、備わっていない人は国民に迷惑をかけ続けるだけですので、職を辞していただきたいと私は改めて思うのです。


    コメント
    コメントする








       

    calendar

    S M T W T F S
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    28293031   
    << July 2019 >>

    スポンサーリンク

    ブログ村

    ブログランキング・にほんブログ村へ
    にほんブログ村

    recent comment

    • 安定電源に全く役にも立たない再生可能エネルギーが買取から入札へ!
      正論太郎01 (07/01)
    • 大阪W選挙で維新圧勝の影響について
      島道譲 (04/16)
    • 英語教育について(トランプ大統領の演説を誤訳したNHK)
      永井津記夫 (12/07)
    • ハロウィーンは日本のお祭りとは違います!
      ユーロン (11/12)
    • オプジーボが医療財政の大きな負担であるため保険の適用外にしたいと思っている財務省
      SSST. (10/13)
    • サムスン電子について
      故人凍死家 (09/26)
    • 財務省の役人は、なぜ緊縮財政なのか?
      吉住公洋 (09/26)
    • 生乳流通改革という欺瞞と、イギリスのミルク・マーケティング・ボード
      富山の大学生 (06/05)
    • オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス
      師子乃 (10/02)
    • オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス
      mikky (12/01)

    profile

    search this site.

    mobile

    qrcode

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM