ノートルダム大聖堂火災について

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    JUGEMテーマ:フランスに関するニュース

     

     今日は「ノートルダム大聖堂火災について」と題して論説したく、2つの新聞記事をご紹介します。

     

     まずは一つ目で朝日新聞の記事です。

    『朝日新聞 2019/04/16 02:57 ノートルダム大聖堂で火災 96mの塔が焼け落ちる

     フランスのパリ中心部にある世界的な観光名所、ノートルダム大聖堂で15日午後7時ごろ(現地時間)、火災が発生し、教会の尖塔(せんとう)などが燃え落ちるなどの甚大な被害が出た。仏メディアによると、当時は大規模な改修工事が行われており、その足場付近から出火した可能性があるという。

     AFP通信によると、消防当局は火災は午後6時50分ごろに発生したと説明。現場では、大気汚染で汚れた聖堂をきれいにするための改修工事が数カ月前から行われており、屋根に取り付けられた足場部分から燃え広がった可能性があるという。火は屋根付近を中心に瞬く間に燃え広がり、大聖堂は炎と煙に包まれ、出火から1時間後には、高さ96メートルの尖塔も焼け落ちた。出火から4時間たった午後11時も燃え続けている。同日夜、現場で記者会見したローラン・ヌニェス内務副大臣は、「ノートルダムを救えるのか、現時点では見通しが立たない」と語った。消防士数人が負傷したという。

     セーヌ川に挟まれたシテ島に立つノートルダム大聖堂は、12世紀に建造が始まり、改修や増築を繰り返した。1991年には周辺の歴史的建築物などとともにユネスコの世界文化遺産に登録された。年間1200万人が訪れるパリ屈指の観光名所として知られ、日本人観光客も多く訪れる。(パリ=疋田多揚)』

     

     

     次に二つ目で東京新聞の記事です。

    『東京新聞 2019/04/17 ノートルダム大聖堂 尖塔の風見鶏 奇跡の生還

    【パリ=竹田佳彦】フランス・パリのノートルダム寺院(大聖堂)で十六日、大火災で焼け落ちた尖塔(せんとう)の先を飾る風見鶏が原形をとどめた状態で見つかった。内部にキリスト受難の聖遺物などを納めていた雄鶏(おんどり)で、関係者は「奇跡だ」と喜びを語った。 

     風見鶏は青銅製で一九三五年、当時の大司教が信者を守る精神的な避雷針として設置。内部には磔刑(たっけい)にされたキリストの頭にかけられた「イバラの冠」のトゲ一本と、パリの守護聖人、聖ドニと聖ジュヌビエーブゆかりの品物が納められた。

     高さ九十三メートルの尖塔は出火から約一時間後、激しい炎に包まれ崩落。その衝撃と高温で、風見鶏と聖遺物も破壊されたと思われていた。

     風見鶏は仏建設連盟のチャヌ代表が大聖堂内で見つけた。チャヌ氏は十六日、ツイッターで「信じられない。火災の残骸の中で雄鶏を見つけた」と喜びをはじけさせた。

     仏文化省関係者は仏紙パリジャンで「雄鶏は救われた。形はゆがんだが、恐らく修復可能だ」と発言。ただ「聖遺物の状態はまだ、はっきりとは言えない」と慎重な姿勢を示した。

     大聖堂内に保存されていたイバラの冠は消防隊員が運び出して無事だった。』

     

     

     上記2つの記事は、4/15(水)に発生したノートルダム大聖堂の火災事故についての記事です。この火災事故は、4/15(水)PM19:00頃に火災が発生し、みるみる火が広がって大聖堂の屋根を破壊しました。この建物の象徴の先の尖った風見鶏も破壊されたと思われたのですが、無事見つかったとのこと。そしてこの大火災の直後、フランスのマクロン大統領が国際的な募金キャンペーンを始めるということで、それが大変な話題になりました。

     

     その後、4/19(日)には日本経済新聞や毎日新聞など、日本のマスコミが、消防士の活躍について報じています。

     

     この火災は、大変な大規模の火災であって、発生した当初から教会関係者や専門家が、この火災によって全焼すると発表していたのですが、そうならなかったのです。なぜならば、パリ市の消防士の大活躍によって全焼を免れることができたからとのことです。

     

     確かに被害は甚大でノートルダム大聖堂の屋根の2/3ほどが破壊されました。

     

    <ノートルダム大寺院>

    (出典:ロイター通信)

     

    <火災の被害にあったノートルダム大聖堂>

    (出典:2019/05/01 杉っ子が撮影)

     

    <火災で崩壊したノートルダム大聖堂の屋根>

    (出典:2019/05/01 杉っ子が撮影)

     

     

     上記写真の通り、屋根の崩壊被害は、かなりひどい状況ですが、それでも全焼すると予想されていた建物は完全に残っています。

     

     実は、パリ市の消防士は限られた時間で大変な任務を背負わされていました。それはノートルダム大聖堂の建物を守るということと同時に、大聖堂の建物の中にある大変貴重な文化財を救出するということです。この2つの任務は、ほぼ不可能と思われていたとのことでした。

     

     当日、4/15(月)PM19:00少し前に火災が発生し、ものすごい速さで火が燃え広がりました。PM19:00前に発生した火が、PM19:40には尖塔に燃え移ってPM20:00には尖塔が崩壊し、その直後に天井が崩落しました。この時点で、ロイター通信などメディア各社は、天井がすべて破壊されたと報じ、その報道によってノートルダム寺院の広報担当者も、全て焼き尽くされて何も残らないだろうと発表したのです。

     

     このとき、大火災と戦っていた消防士らは、大変危険な作業を短い時間でやらなければならず、それでもパリの消防署はツイッターで、翌日4/16(火)AM03:30頃にはほぼ消し止めたと発表しています。つまり9時間以上の時間を経て、ほぼ消し止めたということになります。

     

     それだけではなく、マスコミが報じている通り、貴重な文化財が無事だったことも報じられています。例えば、有名な18世紀の巨大なオルガンや、イエス・キリストが被っていたとされる「いばらの冠」や、十字架、ピエタ像も奇跡的に残りました。

     

     このピエタ像というのは、イエス・キリストが十字架上で亡くなった後、聖母マリアがイエス・キリストの遺体を膝に受け、イエス・キリストの苦難を偲んでいるのを表した像で、まさにノートルダム大聖堂の象徴的な文化財なのですが、これも奇跡的に救出できました。

     

     火災発生後、パリ市民は讃美歌を謳っていたとも報じられていますが、まさにパリ市民にとってノートルダム大聖堂は象徴であって、その象徴が燃えているとき、パリ市民はただ見ているのではなく、賛美歌を歌っていました。

     

     私も大型連休の4/30にノートルダム大聖堂を訪れましたが、ノートルダム大聖堂は毎年1200万人という世界でも多くの人々が訪れ、人気がある教会です。

     

     そんなノートルダム大聖堂は古いという歴史だけでなく、美しい場所でもあって、そのような大聖堂が火災で燃えてしまうというのは、フランス人にとって国家的な悲劇だったといえるでしょう。

     

     それでも幸いに犠牲者は一人もいませんでした。とはいえ、全焼を免れたもののこれだけの被害を受けたというのは、フランス人にとっては大変な悲しみだと思います。日本でいえば、2016年4月に発生した熊本地震の時に、熊本城が崩壊してしまったのと同じなのでは?と思うからです。

     

     そして、多くのフランス人や世界中の多くのリーダーが口にしているのは「連帯」という言葉で、米国のトランプ大統領も、英国のメイ首相も「私たちは連帯している」という旨のメッセージを発しました。

     

     私はキリスト教信者ではないのですが、大学がキリスト教系の大学だったので、少しだけキリスト教について触れさせていただきますと、火災が発生した4/15はキリスト教の教会歴の中で、最も重要な四旬節の日とされています。

     

     クリスマスやハロウィンのイベントは日本でも有名ですが、4月はイースターというイベントがあることはあまり知られていません。イースターは、復活祭と呼ばれ、イエス・キリストの復活を祝うお祭りです。キリストが復活したのが日曜日ということで、イースターの日は春分の日以降の最初の日曜日と定められ、具体的な日は決まっていません。2019年は4/21がイースターの日で、2020年は4/12がイースターの日になります。

     

     今年でいえば2019/04/12のイースターの前の46日前にイエス・キリストが十字架上で亡くなり、その受難を聖母マリアが偲んで祈り、悔い改めて慈善活動を行うということで、キリストの暦の中では大変重要な時期だったのですが、その時期にこのような大規模な火災が発生してしまったということで、多くの人々が「連帯」を口にして祈っていたのです。

     

     

     というわけで今日は「ノートルダム大聖堂火災について」について論説しました。

     このノートルダム大聖堂が全焼せず奇跡的に残ったのは、言うまでもなくパリ市の消防士らの活躍です。とはいえ、それにプラスしてフランス市民のほか、トランプ大統領やメイ首相ら、世界の人々の祈りも、奇跡に通じたのではないか?と思うのです。

     

     


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