消費増税をしなくてもリーマンショック級の経済低迷に陥る日本

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     今日は「消費増税をしなくてもリーマンショック級の経済低迷に陥る日本」と題して論説します。

     

     まずは過去最大となった一般会計101兆円について報じている時事通信の記事を紹介します。

    『時事通信 2018/12/13 11:53 一般会計101兆円前後=過去最大、消費増税対策で膨張19年度予算案

     政府は13日、2019年度予算案について、一般会計総額を過去最大の101兆円前後とする方向で調整に入った。19年10月の消費税増税に備えた景気対策で歳出が膨らみ、当初予算段階で初めて100兆円の大台を突破する。税収は過去最高の62兆円程度を見込むが、歳出拡大も止まらず、財政再建が進むかは不透明だ。

     安倍晋三首相は「経済再生なくして財政健全化なし」との方針で、消費税増税に伴う景気の腰折れ対策に万全の対応を打ち出す構え。21日の閣議決定を目指す。
     歳出総額は、過去最大だった18年度当初予算の97兆7128億円を約3兆円上回る。消費税増税に備え、2兆円規模の景気対策を実施。中小の小売店で現金を使わないキャッシュレス決済時に最大5%のポイントを還元するほか、低所得者向けに公費負担で購入額以上の買い物ができる「プレミアム付き商品券」を発行。今夏の自然災害を踏まえ、重要インフラの防災対策も強化する。
     高齢化に伴う社会保障費(前年度32兆9732億円)の自然増は、臨時の薬価改定などを通じて1000億円程度抑制するが、5000億円弱の伸びは避けられない見通し。消費税収の一部を投じて幼児教育無償化なども盛り込む。』

     

     上記の記事の通り、2019年度の一般会計が101兆円となり、過去最大となりました。そのうえで、歳入では来年2019年の消費増税と、堅調な企業業績を背景に62兆円を超え、過去最高を更新するものの、歳出拡大で支出が税収を大きく上回る借金頼みの財政状況は変わらないと報じています。

     

     相変わらず財政再建とか歳出拡大が悪とか、その報道自体が間違っています。日本は財政問題は存在しませんし、GDPデフレーター、コアコアCPI(生鮮食品とエネルギーの価格変動を除く消費者物価指数)が2%以上を継続的に推移するようになるまでは、デフレ脱却したとは言い切れず、歳出拡大はむしろ推進するべきであって財政赤字を拡大させるのが正しい経済政策です。

     

     ただ”過去最大101兆円の一般会計”という報じ方は、いかにも「歳出拡大しているぞ!」ということなのですが、これにはカラクリがあります。

     

     一般会計という言葉は、当初予算という言い方もします。普通は毎年、当初予算は減らないというイメージがある一方、補正予算はその年によって増減し、例えば今年は補正予算を10兆円出したとしても、次年度はゼロということもあり得ます。補正予算とは異なり、一般会計は絶対減らないというイメージがあるのです。

     

     そして今回の一般会計には、消費増税対策の特別枠が入っています。この特別枠は、当初予算枠に入っているものの、実は完全に補正予算と同じ扱いです。

     

     消費増税対策期間の2年間は骨太方針に書かれているものであり、2019年度と2020年度の2か年は特別期間で、この期間は消費増税対策が必要となるため、特別枠を設けるということであって、仮に消費増税対策で2兆円増えていても、将来その分減ることが予定されています。

     

     一般会計101兆円といっても、少なくても消費増税対策2兆円は入れないのが正しく、時事通信のような報道内容だと「100兆円を超えた!すごい!」とミスリードさせることを通じて、日本国民に政府がお金をたくさん使っているという印象操作されているといえるでしょう。

     

     もちろん100兆円超えたのは事実で、過去最大といえば本当なのですが、特別枠という特別なものが入っていることは、財務省が意図的に無視して敢えて触れずに説明している可能性が高いのです。

     

     巷ではキャッシュレス決済時のポイント還元、自動車税、住宅の税金などなど、消費増税があたかも決まったようなニュースが氾濫していますが、今の世界情勢をみれば、消費増税をしないで経済対策をしなければいけない状況でしょう。

     

     大和総研の試算によれば、デフレが継続している状況の中で下記の要因を掲げ、リーマンショック級の経済低迷に陥る旨の指摘があります。

     

    ●中国の低迷

    ●中東の混乱

    ●トランプ大統領の迷走

    ●働き方改革

     

     上記だけで実質GDPで▲3.6%のマイナス効果との試算としているのですが、リーマンショック時の実質GDPは▲3.7%でした。

     

     世界は、ブレグジット、トランプ大統領、中東混乱、米中貿易戦争等によるスロートレード、国内は働き方改革、オリンピック特需消滅等で、これらを全部合わせて▲3.6%ですから、消費増税をしなくてもリーマンショック級の経済低迷に陥ると予想されています。

     

     だからキャッシュレス決済時のポイント還元やら、自動車や住宅購入時の減税など、消費増税をしないまま消費税率8%のままやるくらいしなければ、ひどいデフレに陥ることは明らかです。

     

     海外情勢が不安定な状況であることを考慮しても、消費増税は延期しても至って普通であり、消費増税しなければならないとか、欧州のように20%近くまで引き上げるべきなどとする言説は、何の根拠もなく理論的にも間違った言説です。

     

     日本は2014年度の消費増税のときと比べ、輸出が15兆円増えています。外需に依存度が増えたという状況ですが、今後は輸出が増えるどころか、減る可能性も十分にあり、消費増税とかいっている状況ではないのです。

     

     

     というわけで今日は「消費増税をしなくてもリーマンショック級の経済低迷に陥る日本」と題して論説しました。

     輸出で増やそうとすることは、ある意味で不況を輸出することと同じであり、通商協議が激しくなったり、最終的には戦争になったりもします。何が言いたいかといえば、真に財政再建をしたいならば、輸出に依存せず国内需要で経済成長できるように、普通に「国債増刷」「政府支出増」のパッケージでの財政拡大をすれば、GDPの成長を通じて税収増となることは確実であるということです。

     消費増税をしなくても財政再建ができること、そして消費増税をすれば国内需要を削減してしまう結果、GDPの6割を占める個人消費を削減することとなって税収が落ち込んでしまうということを、多くの人々に気付いていただきたいと思うのであります。

     

     

    〜関連記事〜

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