中国の爆買い規制と400兆円の外貨準備高の中身について

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    JUGEMテーマ:経済全般

     

     

    今日は中国経済について意見いたします。

     

     

     

    1.爆買いした場合の人民元と円の関係

     

     よく中国で爆買いの規制が入ったということを耳にする方が居られると思います。具体的に言えば、2016年1月1日から爆買いに規制が入りました。その規制はどんな内容かと言いますと、銀聯カードで買い物をする際、1日1万元という限度額(2/7時点の人民元レートで約16万円)だったのが、年間10万元(2/7時点の人民元レートで約160万円)に規制するというのが規制内容です。1日1万元の限度額の時は、年間365万元で約5,840万円(2/7時点の人民元レート)の買い物ができたのですが、それが年間160万円にまで規制されたのです。

     

     中国はクレジットカードで買い物をするのではなく、銀聯(ぎんれん)デビットカードで買い物をします。銀聯デビットカードで買い物をするときに何が行われるのか?

     例えば、秋葉原で家電製品を中国人が銀聯デビットカードで支払うたびに、人民元から日本円へ円転されます。即ち人民元売り円買いが買い物をする都度行われるのです。

    中国共産党政府が爆買いを放置すればするほど、人民元売り日本円買いとなって、人民元のレートが切り下がっていくのです。

     

     

     

    2.中国政府による2015年8月、人民元安の為替介入の実施

     

    下記は人民元円のチャートです。

     

     2015年8月、人民元を下げるための為替介入をしました。

     理由は、中国で株式バブルが崩壊し、景気が悪くなったためです。中国は日米と異なり、内需国(国内需要が海外需要を大きく上回る国)ではなく外需依存国です。即ち輸出依存国です。日米は輸出依存国ではありません。日本の輸出依存度は14%程度。GDP500兆円のうち、純輸出額は70兆円程度で14%程度。中国は純輸出がGDPの50%を超える輸出依存のため、中国共産党政府は輸出を伸ばして経済成長させようとして人民元を下げる為替介入を行ったのです。

     

     それまでの中国は人民元が高くなることを避けるために、ドルやポンドや円を買って人民元を売り続けていました。それはそれで、輸出依存による外需取り込みという形になって中国経済の成長を伸ばすという結果をもたらしました。中国人民中央銀行が人民元売り外貨買いをしても、経済成長を期待して外国人投資家も人民元高を見越して人民元を買っており、後者の量が大きく人民元は上昇を続けていました。中国政府が上昇を続ける人民元を売って、外貨を買い続けた結果、外貨準備高が世界一になりました。

     外国人投資家らは、人民元が下がるとは思ってもいなかったと思われます。そこで2015年8月に人民元を下げる為替介入を行ったことで、外国人投資家は「人民元って下がるんだ!」となり、人民元を売って、ドルユーロポンド円に両替するようになったのです。その結果、人民元安が続くことになりました。

     

     2015年8月から今に至り、中国は人民元安に悩んでいるのです。

     人民元安で困っていると言われると、「人民元が安くなれば輸出が増えるじゃん!」と思われるかもしれませんが、世界的に需要が減っているスロートレード状態のため、人民元を安くしても輸出は増えません。中国の輸出企業にとって円建ての売上やドル建ての売上が、人民元安にすることで人民元の受取額が増えることはありますが、実需(輸出の数量)は世界経済が低迷していて伸び悩んでいるのです。

     そんなわけで、今中国は景気を良くしようと人民元売りをしたにもかかわらず、世界経済の低迷によって単に人民元が安くなっただけとなり、そこに外国人投資家らが人民元売りを追随して人民元安に拍車がかかってしまっているのです。

     そして拍車がかかった人民元安が止まらず、逆に外貨準備高を取り崩すことになっています。この動き、キャピタルフライト(資産逃避)と言いますが、今もなお続いています。

     

     

     

    3.中国の外貨準備高400兆円について

     

     2016年3月、全国人民代表大会で、通貨防衛をしていることを中国共産党政府は認めました。もちろん通貨防衛をしなければ、通貨危機になります。そこで人民元から外貨へ交換することについて規制強化もしています。

     

     しかしながら世界最大の外貨準備を保有する中国です。その額400兆円。日本の外貨準備高は約140兆円程度ですので、日本の2倍以上の残高です。普通、400兆円も外貨準備があれば、通貨危機が起こる可能性は極めて低いです。ところが、この400兆円の外貨準備について、疑問視する見方があるのです。

     

     通常、外貨準備と言えば国債を買います。銀行預金ではありません。銀行預金には元利1000万円しか保証されないペイオフ制度があるためです。そのため、普通は米国債や円国債を買います。日本も外貨準備の大部分は、米国債それも米国短期証券が占めます。

     

     本来400兆円について、ユーロ国債や米ドル国債や円建て国債が占めていれば問題ないのですが、アフリカや南米のプロジェクトに突っ込んでいるのでは?と言われています。さらに為替差損の未計上という指摘もあります。

     というわけで、中国政府は外貨準備高の中身を公表すべきなのですが、それをしていません。そのため、外国人投資家は人民元について信用できず、人民元売りが止まらないという状況になっているのです。

     

     「人民元が今後世界の基軸通貨になる!」なんて言っていた人もいましたが、そうしたエコノミスト、アナリスト、経済評論家や経済学者の皆さん、ご愁傷さまでした。そもそもハードカレンシーでない人民元が世界の基軸通貨になるなんて100%あり得ません。

     

     というわけで、今日は「人民元売りに困っている中国政府の現状」「爆買い規制の背景」「外貨準備高400兆円の中身が不明という問題点」を述べさせていただきました。


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