トランプ大統領がアマゾン・ドットコムを攻撃!

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     今年になってから、ビットコインの急落、NEM流出事件、米中貿易紛争など、いろんな理由で株価が不安定になっています。直近では、米国株式市場でナスダック相場の下落が日米株式相場に影響し、弱い相場となっています。

     フェイスブックの顧客情報漏洩事件、ウーバーの自動運転車事故、テスラの電気自動車リコール問題などが重なったところで、トランプ大統領がアマゾン批判を続けるということで、ナスダック相場に影響を与えています。

     今日は、トランプ大統領がアマゾン・ドットコムを攻撃している理由・背景について、意見したいと思います。

     

     下記はロイター通信の記事です。

    『ロイター通信 2018/04/05

    [大統領専用機 5日 ロイター] - トランプ米大統領は5日、ネット通販大手アマゾン・ドット・コム<AMZN.O>を巡り真剣に政策を検討する考えを示した。大統領は、同社が米郵政公社(USPS)に非常に安い料金で商品を配送させているうえに、税金を十分に支払っていないとして、同社への攻撃を繰り返している。
    トランプ氏は大統領専用機上で記者団に対し、アマゾンは公平な環境で事業を行っていないと述べた。
    同社を巡り政策の見直しを望むかとの質問に対しては「非常に真剣に検討する」と答えた。
    大統領はこれより先、アマゾンのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)が所有する米紙ワシントン・ポストはアマゾンの「親玉ロビイスト」との批判をツイッターに投稿した。
    連日のようにアマゾン攻撃を続けているトランプ大統領だが、この日は攻撃の矛先をワシントン・ポストに向け、「アマゾンの『親玉ロビイスト』であるフェイク(偽)ニュースのワシントン・ポストは、また(多くの)でっち上げ見出しを立てている」とつぶやいた。
    アマゾンとワシントン・ポストからコメントは得られていない。
    アマゾンの株価は2.9%高で取引を終えたが、政策検討に関する大統領のコメントを受けて引け後の時間外取引でやや下落した。(後略)』

     

     

     本件は、上記のロイター通信の記事に記載の通り、トランプ大統領はアマゾン社が郵政公社に非常に安い料金で配送させているうえに、税金を十分に払っていないと指摘しています。

     

     

     

    1.日本における運送業界の規制緩和の流れと3PLの台頭

     

     「アマゾン社が郵政公社に非常に安い料金で配送」という件は、「アマゾン社がヤマト運輸に非常に安い料金で配送」という日本国内で起きた問題とも似ています。日本ではヤマト運輸(証券コード:9064)がアマゾンの仕事を断り、代わりに丸和運輸機関(証券コード:9090)という会社が受注したというニュースがありました。その後、ヤマト運輸の値上げをアマゾンが飲む形で、ヤマト運輸はアマゾンと取引を続けています。

     

     両社について四季報で企業概要を見てみましょう。

     

    <ヤマト・ホールディングス(証券コード:9064)の会社概要>

     

    <丸和運輸機関(証券コード:9090)の会社概要>

     

     

     上記の通り、ヤマト運輸と丸和運輸機関は、いずれも東証1部上場の会社ですが、陸運業界のリーディングカンパニーであるヤマト運輸、新興企業で3PLを武器に売り上げを伸ばしてきた丸和運輸機関という2社ですが、特に丸和運輸機関は、3PLという運送委託をメインにやってきた会社です。

     

     平均年収をみますと、ヤマト運輸が866万円に対して、丸和運輸機関は460万円となっています。従業員の年齢分布などをみないと一概に言えませんが、この2社でこれだけの年収差があります。 

     

     丸和運輸機関が得意とする3PLは、サードパーティーロジスティクスの略称で、端的にいえば、自社で極力運搬車両を保有せず、ドライバーを保有せず、運送委託契約で下請けの運送会社に委託するというビジネスモデルです。

     

     ところで、運送業界の規制緩和の流れについて簡単に触れますと、下記が時系列の流れです。

     

    ●1990年12月

     参入規制が「免許制」から「届出制」に緩和

     運賃も届出制に規制緩和

     

    ●1996年4月

     最低車両台数基準の引き下げ

     営業区域の拡大

     

    ●2003年4月

     営業区域制の廃止

     運賃・料金のさらなる緩和(原価計算書などの添付廃止)

     運賃事後届出制

     

     運送業界は1990年に規制緩和が始まり、運賃・料金事前届出制や営業区域規制が廃止されました。運賃を事前に届け出なくても自由に設定できるという規制の緩和は、運送料金の価格は下がりました。しかしながら運賃は上昇を続けます。理由はバブルの余波で実需が十分にあったために、価格下落が所得縮小に直接結びつかなかったのです。

     

     そこに1997年に財政構造改革法が制定され、1998年に消費増税3%→5%が実施され、日本はデフレに突入していきます。本来ならば、デフレ突入後に規制を強化すべきだったのですが、規制緩和をやりっぱなしにするどころか、2003年にさらなる規制緩和をします。

     

     名目需要と実質需要の両方が十分にあればいいのですが、規制緩和の影響で名目需要は伸び悩み、仕事の数は増えますが価格は下落するという状況が続きました。これが長期にわたって継続した結果、多くの運送事業者が、仕事の数があっても、働けども働けども運賃が安くて稼げないというブラック企業化してしまっているのです。

     

     

     

     

    2.3PLの問題点

     

     大手運送事業者が車両運搬具、ドライバーを抱える中、3PLというビジネスモデルが流行し、車両運搬具、ドライバーを抱えないようになりました。車両運搬具、ドライバーを抱えない代わりに、下請けの運送業者にしわ寄せが来ます。6次下請けくらいにまでなりますと、個人事業主だったりします。この個人事業主は、仕事があれば運転の仕事に従事するということで、生活が不安定になります。

     

     その上、労働者としての保護もされず、厳しい環境で仕事に従事することが多いうえ、1次下請け、2次下請け・・・と利益が中抜きされるため、利益も少なくなりがちです。

     

     このように、アマゾン・ドットコムに限らず、大手スーパーやドラッグストアも含め、バイイングパワーが強すぎて、運送事業者にとっては、泣く泣く仕事を安値で引き受けざるを得なくなっていきました。

     

     こうした安値で運送サービスの仕事を引き受けるというデフレ環境であっても、辛うじて3PL事業者らは利益が出しやすいかもしれません。何しろ、仕事があるかないか不明な状況で、車両運搬具、正社員ドライバーを抱えないので、3PL事業者は利益を確保しやすい。

     

     一方で3PLの下請け中小零細運送業者は悲惨の一言と言っていいでしょう。ある意味、3PLというビジネスモデルは、デフレ放置に加え、運送業界における一連の規制緩和による産物であるともいえます。

     

     デフレ化の中での安値受注競争でも、資金力のある3PL事業者は生き抜きますが、その下請けの業者にしわ寄せが行き、体力消耗戦となっていくことになります。

     

     安値受注が続いても、高齢化でネット販売の仕事は増えていくため、仕事はあれど、競争で安く引き受けるというのが、運送業界のトレンドでした。

     

     そのトレンドを転換させたのが、ヤマト運輸です。ヤマト運輸がアマゾン・ドットコム業務からの撤退表明です。ヤマト運輸としては、「割に合わない仕事はやりません!値上げを飲んでください!」ということです。

     

     

     

    3.納税を回避してきたアマゾン・ドットコムが追従課税を受ける!

     

     話をアマゾン・ドットコムに戻しますが、アマゾン・ドットコムは、つい最近まで日本で法人税を払っておりませんでした。脱税とみるか、税法の解釈についての相違とみるか、きわどいのですが、日本では、Amazonジャパン(株)が販売業務を行い、Amazonジャパン・ロジスティクス(株)が物流業務を行っておりまして、親会社のアマゾン・ドットコムは、この2社に手数料を払い、担当業務以外の主要機能は米国に集中させているのです。

     

     Amazonジャパン(株)にせよ、Amazonジャパン・ロジスティクス(株)にせよ、販売業務を行っていないということで、子会社機能がある会社ではないということで、恒久的施設ではないからとの理由で、日本で売り上げた収益を米国の本国で計上していました。即ち日本には法人税を納めていませんでした。

     

     結果、日本の子会社の利益は大半が米国に持っていかれて、日本の会社には利益がほとんど残りません。結果、法人税もかかりません。

     

     恒久的施設ではないという言い分は、そもそも合理性があるのでしょうか?

     

     千葉県市川市に、「アマゾン市川FC(フルフィルメントセンター)」という巨大な施設があります。施設の概要は下記の通り。

     

    名称:アマゾン市川FC(フルフィルメントセンター)

    所在地:千葉県市川市塩浜

    延べ床面積:18,800坪(62,300屐

    稼働日:2005年11月1日

    供給エリア:国内外

     

     18,800坪もある物流センターが恒久的施設ではないという主張は、果たしてどうなのか。仕入れた商品が置かれ、米国関連会社のPCや機器類が、上記物流センター内で持ち込まれて使用され、物流センター内の配置換えは、米国本社の許可が必要だったとされています。

     

     その上、物流センターと同じ場所に置く、Amazonジャパン・ロジスティクス(株)の職員が米国側から指示をメールで受け、物流業務以外の委託されていない業務の一部を担っていたとされています。

     

     そのため、国税庁は、物流センターは恒久的施設であると主張し、追徴課税するに至ったのです。そして、2016年4月にアマゾン・ドットコムは、日本に法人の実体があることを認めました。

     

     これにより、アマゾン・ドットコムの法人税についての主張が通用しなくなり、日本以外にもEUなどで追徴課税の動きが出るようになりました。

     

     

     

     というわけで、今日はアマゾン・ドットコムを取り上げ、トランプ大統領が批判している旨の報道を紹介しました。私もかつてAmazonを使っていましたが、今は使っていません。日本国内の産業にダメージを与え、供給力を毀損することに手を貸すことになり、国益を損ねると考えるからです。

     トランプ大統領は、米国屈指の不動産王であり、商業用不動産オーナーに支持者が多いとされています。アマゾンが事業拡大すればするほど、店舗型小売店が廃業を強いられ、商業用不動産のテナントが激減したとのこと。また玩具店の大手、トイザラスが2017年10月1日に米国連邦破産法第11条を申請して、経営破たんしています。それは、アマゾンをはじめとするネット産業が原因と言われています。

     こうしてみますと、一見アマゾンは日本でも雇用を作っているように思えますが、他方で地方のリアル店舗を経営している小売店は苦境に立たされてしまいます。トランプ大統領は、この事象を「アマゾンが生み出す雇用よりも、アマゾンによって失った雇用数の方が多い!」と問題視していますが、これが真実だとすれば、国益を損ねるデフレ促進企業であり、米国の経済をデフレ化させるという点で問題があると言わざるを得ないと思うのです。


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