小学校の学校給食のメニュー

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     今日は「小学校の学校給食のメニュー」と題し、食料安全保障問題について論説します。

     

    2018/01/28に掲載された朝日新聞の記事を紹介します。

    『朝日新聞1/28(日) 8:29配信 アジの開き→ちくわ メロン→半分 給食に食材高騰の波

     アジの開きが姿を消し、ちくわの磯辺揚げにかわった。デザートのメロンも年々小さくなった。ここ数年続く食材の値上がりを受け、横浜市などで小学校給食が徐々に寂しくなっている。給食費を上げる動きも目立ってきた。

     横浜市では、2011年度にみそ汁とともに「アジの開き」が出されていた。それが14年度には「ししゃもの素揚げ」にかわり、17年度にはみそ汁を豚汁にかえて、主菜は「ちくわの磯辺揚げ」に。11年度に6分の1カットだったデザートのメロンは17年度、半分の12分の1カットになった。
     横須賀市では、人気のカレーライスの豚肉は1人あたり50グラムだったが、40グラムに減らす日が出てきた。付け合わせの福神漬けも、13年度は年8回出していたが16年度は1回だけ。13年度に24回だったデザートの提供回数は、16年度は8回にまで減った。
     学校給食は、人件費などは公費負担で、食材費相当分を保護者が負担する。政府の基準や計画で必要な栄養量が決められ、食材の80%以上を国産とする目標も示されている。
     神奈川県の16年5月のまとめでは、県内市町村の小学校給食費は月額平均4062円。1食あたり243円だった。だが、この額では使える食材が限られ、定められた栄養量を確保することが難しくなっているという。』

     

     

     なんともやり切れない子供たちがかわいそうと思えるニュースです。私が小学生だったときは、給食は楽しみの一つでした。みなさんはいかがでしたでしょうか?パン食が多かったですが、カレーライスなどのご飯ものがメニューのときは、うれしさもありました。個人的には朝鮮風雑煮というやつで、白玉が入った餅が入っているスープなんかも好きでした。

     

     横浜市の場合は、

     アジの開き→ししゃもの素揚げ

     味噌汁→豚汁

     メロン1/6カット→メロン1/12カット

     

     横須賀市の場合は、

     カレーライスの豚肉一人当たり50グラム→40グラム

     福神漬けが年8回→年1回

     提供回数が年間24回のデザート→8回のデザート

     

     これ、貧困化以外の何物でもありません。人件費は公費負担で、食材費相当分を保護者が負担するということですが、食材費相当分は、地方自治体が負担するで問題ないと思うのです。もし地方自治体に十分な財源がなければ、政府が負担する。インフラ整備が進んで大企業の本社が集まりやすい東京都を除けば、他の道府県は、地方交付税交付金があります。その交付金が足りなければ、交付金の配分をより多く配分するよう働きかけるべきであり、その働きかけをするのは、そうした道府県から選出された国会議員の仕事なのでは?と思うわけです。

     

     この問題についてポイントは2つあります。

     

     一つ目はお金の問題。プライマリーバランス黒字化が正しいと考える人にとっては、公費負担を増やすという発想が出てくるはずがありません。何しろ、節約が大切、無駄削減が大事。借金を増やすなんてとんでもないとなるわけです。

     

     もちろん地方自治体が借金を増やすことは難しい。夕張市のように財政破綻することはあり得ます。日本政府には通貨発行権がありますが、地方自治体には通貨発行権がありません。神奈川県の県庁の建物の地下で、財源がないからといって、日本円を増刷して県内の市町村に配るなんてすれば、偽造通貨発行で普通に逮捕されます。

     

     ところが総務省や文科省が予算を要求し、普通に予算案の中に入れられて、財源は日銀に通貨発行させたとします。政府日銀は通貨発行権があるため、給食の材料高騰費や人件費高騰による国民の負担軽減、給食メニューの拡充・改善のための財源の手当てとして、通貨発行することは何ら問題ありません。

     

     二つ目は食料安全保障の問題。そもそも食材費高騰とならないよう、食材費を安定供給させるために、農家の人々に余ってもイイから農作物を作ってもらうという発想の欠如です。農家は保護されているというウソ・デタラメを言って、農家にもっと努力しろとかやっており、他国と比べれば日本政府は農家を保護していると、言い難いです。

     農協がなくて、農家が単独で卸売業者と交渉すれば値段は買い叩かれます。そうすると農家の収入が減って農業を続けようとしなくなります。小規模農家は消えていき、セリングパワーを持つ大規模農家だけが残ります。そうした資金力がある農家ばかりがいるわけではありませんし、セリングパワーを持つ大規模農家だって、価格調整のために生産量を調整します。

     

     何が言いたいかと言えば、農業を自由競争にして市場に完全に委ねると、農作物の安定供給は不可能ということです。

     

     農家に無駄でもいいから農作物を作っていただく。農作物供給者としてとにかく作ってもらう。余った農作物は政府が買い上げる。こうしたことは、欧米政府は普通にやっていることです。日本政府は農家が保護されすぎているとして、やっていません。

     

     米国でいえば農家の収入の6割、欧州諸国でいえば農家の収入の9割、政府支出で補てんしています。欧州の農家は公務員に近いです。日本の補てん額は2割も満たない。この状況で、欧米諸国の農家と戦えって、どうやって戦うのでしょうか?

     日本の農家は、生活するためだけに農作物の生産量を調整します。結果、不足することは十分にあり得ます。もちろん天候に左右される部分もありますが、それだけでなく農家の人々が自分たちの生活が困らないようにするために、価格下落しないよう、豊作のときは捨てるなどして供給量を調整するのです。

     

     本来、食料安全保障の強化を考えるのであれば、政府が余剰農作物を高く買い上げる、畜産農家が困らないように、海外からの輸入畜産物に高い関税をかける。もしくはミニマムアクセス畜産物ということで、定量を政府が輸入し、それとは別に日本の畜産農家から高く畜産物を買い上げる。

     こうして政府が高く買い上げる。余ったものは東南アジアにダンピング輸出する。中国や韓国にダンピング輸出することで、中国人と韓国人の胃袋を日本の農作物に依存させれば、防衛安全保障の強化に繋がります。もし、日本国内が天候不順となって農作物が不作になった場合は、日本人の胃袋を満たす分以外のダンピング輸出分の農作物を減らせばいいわけです。

     

     「無駄でも農作物を作っていただく!」とか「余剰農作物を政府が高く買いとる」という発想は、カネカネカネとやってプライマリバランス黒字化が正しいという発想の人々には、想像すらできないでしょう。欧米では普通にやっています。輸出補助金なんてのは、まさにそう。輸出補助金をイメージしやすいように言いますと、米国の農家が100円で生産したものを極端な話、50円とかで売る。生産価格100円と輸出価格50円との差額の50円は、米国政府が補てんするという具合です。

     

    <農業政策の国際比較>

    (出典:三橋貴明のブログ)

     

     日本の農業政策は、どうなっているか?現状をいえば、農業の6次産業化などといって、農作物生産とロジスティクスと販売までを、1次産業+2次産業+3次産業=6次産業などとして、農家に努力しなさい!というのが現実の農業政策です。輸出補助金のような金銭支援や、高く買いとるといった支援は、欧米諸国と比べものにならないくらい何もやっていません。日本の農業は保護されすぎているという意見をお持ちの方が居られれば、具体的に事例を挙げていただきたいです。

     

     さて、給食費高騰の話に戻しますが、人手不足による人件費高騰に加え、食材費が高騰しているからといって、保護者に給食費を値上げするのでしょうか?それとも値上げせず、数量を減らしたり、クオリティを下げるという対応を続けるのでしょうか?実質消費が増えず、毎月もらえる月給が増えにくい環境で給食費の値上げをすれば、他の消費を削減するというのがほとんどですし、家計分野はそうせざるを得ません。値上げが嫌だからといって給食のクオリティが下がるのは、貧困化以外の何物でもありません。子どもたちがかわいそうだと思うのは私だけでしょうか?

     

     

     というわけで、今日は学校給食メニューが貧相になっているという朝日新聞の記事を紹介しました。結局、この問題もプライマリーバランス黒字化という毒矢が刺さっている限り、ひたすら貧相になっていくことに拍車がかかっていくことでしょう。プライマリーバランス黒字化を破棄するのはもちろんですが、食料安全保障強化という観点で、農家への支援をもっと手厚くするとか、日本の国力強化を真に考えることができる日本人がいないことに、絶望感を感じるのです。

     この状況を打開するためには、何よりもまず第一に、今年6月のプライマリーバランス黒字化目標が、財政の骨太方針から削除されること、ここに私は注目をしています。

     

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