消費支出減少の苦しい言い訳(天気のせい?エアコン販売減少のせい?)

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     今日は総務省が発表した9月の家計調査について触れ、消費支出が減少している状況をお伝えします。

     

     下記はロイター通信の記事です。

    『ロイター通信 12/1(金) 8:59配信 9月全世帯の実質消費支出は前年比-0.3%、2カ月ぶり減少=総務省

    [東京 31日 ロイター] - 総務省が31日発表した9月の家計調査によると、全世帯(単身世帯除く2人以上の世帯)の実質消費支出は前年比0.3%減となった。減少は2カ月ぶり。実額は26万8802円だった。
    ロイターが民間調査機関に行った聞き取り調査では、前年比0.7%増が予測中央値だった。
    季節調整済み全世帯消費支出は前月比0.4%増、勤労者世帯の実収入は実質で前年比2.1%増だった。』

     

     上記の通り、9月の実質消費支出は前年比で▲0.3%と前年同月でマイナスとなり、2か月ぶりの減少です。実質消費とは、物が買われる個数、サービスが買われる回数で、コメやパンを買う量が減り、美容院や床屋やネイルサロンに行く回数が減ったということで、物・サービスが買われる個数や回数が減少したということです。

     名目消費ではなく、実質消費のため、金額ではなく数量が減ったことになります。つまり貧困化したといえます。

     

    <2017年9月の消費支出>

    (出典:総務省のホームページ)

     

     上記資料には、2016年9月からの推移となっています。2016年2月はうるう年で、消費額が1日分大きい分、前年比でプラスになりやすいのですが、うるう年効果を除き、今年2017年5月まで21か月間連続で前年比割れが続いていました。6月〜8月で横ばいになってきたと思いきや、9月にまた下落しているのです。

     

     これほどまでに日本国民の実質消費を減らした総理大臣は、文句なしで安倍総理だけです。普通はこのような状況に陥る前に、内閣支持率が下がって退陣することが多いのですが、他の野党も、グローバリズム推進や緊縮財政を是としていまして、投票に入れる先がないという、フランス大統領選挙のような状態にあるのが、今の日本といってよいでしょう。

     

     とはいえ、総務省のこうしたデータから読み取れることは、どんどん日本国民が物・サービスを買う数量が買えなくなっているという話です。パンを買う個数を減らし、コメを買う量を減らし、床屋などのサービスを受ける回数を減らす。

     

     安倍総理も消費が伸び悩むどころか数値が悪いという認識があってなのか、株価上昇をやたらとアピールするのは、その辺が理由かもしれません。本ブログで何度も触れていますが、株価の上昇なんてのは、単に円安が進んだからに過ぎません。

     名目GDP、実質GDPがちゃんと成長して、消費が増え、結果企業の売上高が増えて利益も確保でき、その結果の株価上昇であれば称賛しますが、現実は円安が進み、外国人投資家が割安になった日本株を買ったに過ぎず、株価の上昇自体、日本国民の中でも日本株投資をやっている人しか恩恵を受けません。

     

     

     実質消費が減る前の2013年9月と、2017年9月で比較してみましょう。

    <2013年9月の消費支出>

    (出典:総務省ホームページ)

     

     実質消費(住居費含む)の実額で見た場合、

    2013年9月:280,692円(実質△3.7% 名目△5.2%)

    2017年9月:268,802円(実質▲0.3% 名目△0.4%)

    となり、金額でみて▲4%強のマイナスになっています。

     

     2013年9月の資料でみますと、2012年10月以降、安倍政権が誕生して以来、2013年9月までプラスで推移していました。これは安倍政権が、アベノミクス第一の矢の金融緩和と合わせ、第二の矢の国土強靭化計画で政府支出増を実行したからです。2013年度は名目GDPが1.9%も増加し、税収は6.9%増加しました。

     

     ところが、2017年9月との数値比較で、▲4%以上のマイナスということは、4年間で国民が買う物・サービスの数量が、100個から95個しか買えなくなってしまったということになります。

     

     

     同じくロイター通信で、下記は10月の家計調査についての記事です。

    『ロイター通信 2017年12月1日 / 08:42 10月全世帯の実質消費支出、前年比横ばい=総務省

    [東京 1日 ロイター] - 総務省が1日発表した10月の家計調査によると、全世帯(単身世帯除く2人以上の世帯)の実質消費支出は前年比横ばいとなった。実額は28万2872円だった。

    ロイターが民間調査機関に行った聞き取り調査では、前年比0.4%減が予測中央値だった。

    季節調整済み全世帯消費支出は前月比2.0%減、勤労者世帯の実収入は実質で前年比2.9%増だった。』

     

    (出典:総務省ホームページ)

     

     上記の通り、総務省のホームページでも12/1に10月のデータが公表されていますが、実質消費は住居含むで0.0%、除く住居で▲0.3%のマイナスです。

     なぜ実質消費が増加せず、減少トレンドになっているのか?といえば、4年連続での減少は、間違いなく実質賃金低下の影響です。毎月給料が増えるという状況がなければ、必ず国民は消費を減らします。消費が減ると、他の誰かの所得が減り、需要が減る結果、企業の設備投資も減少する、そういう循環になります。

     

     本来であれば、消費の落ち込み、実質賃金の落ち込みという結果を受けて、原因を正しく統括して、正しいデフレ対策の経済政策が打たれなければならないわけです。ところが「台風のせい!」とか「エアコンの消費が伸びなかったから!」と、正しいデフレ対策をするわけでもなく、デフレ脱却を放置して、天気を言い訳にすることが多い。

     

    <台風の上陸数>

    (出典:気象庁の台風上陸回数)

     

     上記の気象庁の資料の通り、今年の9月の台風の上陸回数は1回です。昨年の9月の台風の上陸回数は2回です。

     なんで台風の上陸回数が少ないのに、台風のせいで実質消費が減るんでしょうか?上陸する台風の破壊力が違うからでしょうか?というより、台風と実質消費と相関関係はありません。まともに言い訳をすると失政が原因だから、もしくは言い訳ができないデータ解析ができないから適当な言い訳として”天気のせい”にしているとしか思えません。

     

     要は財政を拡大してデフレ脱却すれば、実質賃金も実質消費も必ず拡大するにもかかわらず、プライマリーバランス黒字化が足を引っ張り、財政拡大に転じることができないでいて、そのために「台風のせいです!」と適当な言い訳をしつつ、「株価は上昇しています!」と報道する。これが今の安倍政権です。

     

     すべてはプライマリーバランス黒字化が原因で、政策が打てないという状況。確かに、プライマリーバランス黒字化目標の達成期限を延期するという公約はありました。とはいえ、デフレだったらプライマリーバランスは赤字にしなければならない。というよりも赤字が悪で、黒字が善という家計簿発想の考え方自体、プライマリーバランスにおいてはあり得ません。だから本来はプライマリーバランスの黒字化の達成延期ではなく、破棄すべきです。

     

     毎年6月の財政の骨太方針において、政府の負債額の絶対額の減少ではなく、GDP対政府の負債比率の引き下げに、目標が変わりました。結果、GDPが拡大すれば、負債比率は低下します。ところがプライマリーバランス黒字化目標が残ると、GDP拡大の政策ができません。しかしながら、本来プライマリーバランス黒字化なんてのは、閣議決定すればいいだけのこと。財務省がどれだけ緊縮財政をやろうとしても、人事権は内閣府にあります。

     正しい政策を理解してさえいれば、プライマリーバランス黒字化は破棄するでしょうし、破棄できないまでも閣議決定するなどの行動に出ることができるでしょう。

     

     総務省の言い訳も苦しい。台風の上陸回数が昨年よりも少ないのに、「台風のせいです!」と言い訳をする。であるならば、内閣や霞が関の官僚は、テルテル坊主でも作り、「台風が、どうか日本列島に来ませんように!」と祈祷でもすればいい。もし、理由が他に見つからない場合は、天候が悪いから外出を控えるようになったとか、インバウンドが減少したとか、実質消費と関係のない適当な言い訳をするのでしょうか?

     

     

     というわけで、今日は実質消費の数値が弱い状況が続いている現状をお伝えしました。また、総務省や内閣の人たちが、実質賃金や実質消費の減少を”天気のせい”にするという適当な言い訳をして、それがマスコミでも報じられている現状をお伝えしました。

     こうしたことに私たち国民が騙されないようにするためにも、経済の指標についてリテラシーを高め、知見を深めていくしかないと思うのであります。


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