2017年第3四半期のGDP1次速報について

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     今日は11/15に内閣府のホームページに掲載された2017年第3四半期速報について取り上げます。

     

     内閣府のホームページに掲載のGDP速報によれば、2017年7月〜9月の実質GDP成長率、名目GDP成長率は下記の通りとなりました。

     

     実質GDP △0.3%(年率換算△1.4%)

     名目GDP △0.6%(年率換算△2.5%)

     

     この数値を見ると、経済成長しているというように見えますが、残念ながら中身を見て私は唖然としました。以下、内閣府のホームページにあるPDFファイルから、中身が掲載されているものを抜粋します。

     

    (出典:内閣府ホームページ)

     

     

     要は国内需要はマイナスし、純輸出で貢献したという状況です。純輸出=輸出−輸入ですので、輸出が増えるもしくは輸入が減ることで、純輸出は増えます。純輸出の中身と合わせ、内需についても内訳を見てみましょう。

     

    <民間最終消費支出>

    家計最終消費支出や住宅投資など、個人消費の合計の消費支出です。

     

     

    <家計最終消費支出>

    家計の消費支出です。家計分野が物・サービスを買うときの、値段、数量でプラス、マイナスになります。

     

     

    <民間住宅投資>

    住宅投資そのものであり、一戸建て住宅、マンション新築が増えますとプラスになります。

     

     

    <民間企業設備投資>

    民間企業の設備投資です。機械を最新のものにしたり、生産性向上のためにシステム投資するなどが盛んになりますとプラスになります。

     

     

    <民間在庫変動>

    在庫を積み上げますと、民間在庫変動ということで、プラスになります。

     

    <政府最終消費支出>

    社会保険で医療費や介護費について、サービスを受ける回数が増えていれば実質値は上昇し、値段が高く買われていれば名目値が上昇します。

     

     

    <公的固定資本形成>

    道路整備や高速鉄道などのインフラ事業ですが、大きくマイナスとなっています。

     

    <財貨・サービスの輸出>

    純輸出のうち、輸出です。円安もあってか輸出は増えています。

     

    <財貨・サービスの輸入>

    円安で輸入が減っているということもあるかもしれませんが、実質値もマイナスですので、要は日本は景気が悪いということです。

    景気がいい場合は、輸入も増えます。

     

     

     以上は、すべて出典は内閣府のホームページに掲載されているGDP速報の解説書から抜粋したものです。この資料から7〜9月の数値を実質値と名目値で注目すべき数値を整理すると以下の通りです。

     

    <実質GDP>

    ●民間最終消費支出 ▲0.5%

    ●家計最終消費費出 ▲0.5%

    ●民間住宅 ▲0.9%

    ●民間設備投資 △0.2%

    ●政府最終消費支出 ▲0.1%

    ●公的固定資本形成 ▲2.5%

    ●輸出 △1.5%

    ●輸入 ▲1.6%

     

     

    <名目GDP>

    ●民間最終消費支出 ▲0.4%

    ●家計最終消費支出 ▲0.5%

    ●民間住宅 ▲0.2%

    ●民間設備投資 △0.6%

    ●政府最終消費支出 △0.2%

    ●公的固定資本形成 ▲1.8%

    ●輸出 △3.0%

    ●輸入 ▲0.4%

     

     

     統括しますと下記の通りです。

    ◎実質値も名目値も、いずれも民間消費、政府支出がマイナスになっている

    ◎国内需要では、民間設備投資だけが名目値、実質値いずれも辛うじてプラスになっている

    ◎公的固定資本形成は大きくマイナスし、公共事業は4月〜6月の反動もあると思われるが、大幅に減少している

    ◎輸出は増えているが、輸入も減っている

     

     上記の通り、国内需要は設備投資以外すべて̠マイナスで、輸出増加と輸入減少によって純輸出の上昇幅が大きくなって、GDPがプラスになったという状況です。

     

     GDPデフレーターについては、輸入が大きく減少していることから、前期比では2期ぶりにプラスに転じ、前年同期比でも4期ぶりにプラスになったという状況です。(下記を参照)

     

    (出典:内閣府ホームページ)

     

     

     本来であれば、名目GDP、実質GDPが2%以上となり、かつGDPデフレーターが安定的に2.0%以上を継続するまでは、デフレ脱却したとはいえません。0.0%近辺を横ばいの状態ですので、デフレ脱却とはいえないのです。

     しかも、7月〜9月は、輸入が大幅に減少した結果、GDPデフレーターがプラスになったという状況ですので、本ブログでも取り上げたGDPデフレーターがプラスになる例外に該当します。(「GDPと税収の関係」と「GDPデフレーターの特徴」2.名目GDPと実質GDPとGDPデフレーターの指標の見方」 を参照)

     

     今回は輸入の減少と内需の縮小で、GDPデフレーターがプラスとなり、国内需要の指標がボロボロなのに、経済成長しているように見えてしまうのです。

     

     マスコミの報道では、7四半期連続のプラス成長と報道されていますが、実質GDPも名目GDPもそれほど拡大していません。その証拠にGDPデフレーターがマイナスになったりプラスになったりという状況で一進一退を繰り返しているのです。

     しかも今回は輸入減少によるGDPデフレーターの例外的なプラス。中身を見れば、国内需要は設備投資以外全部マイナスです。

     

     本来は国内需要を中心に実質GDPがプラスし、GDPデフレーターがプラスとなり、名目GDPがそれ以上にプラスになっているという状態が正しい。さらにいえば、GDPデフレーターがプラスを継続している状態で、数値も2.0%程度が続いて初めて景気がイイといえます。この状態は、給料も上がって物価も上がってという状況だからです。

     

     安倍政権は、実質GDPが7四半期プラス成長を続けていることを成果と語り、アナリストらがそう分析して、マスコミもそのように報道します。とはいえ、GDPデフレーターがマイナス圏に沈み、今回は輸入減少という状況でGDPデフレーターがプラスになったという状況では、景気が回復しているとはいえないわけです。

     

     景気が回復しているとは、名目GDP、実質GDPがともにプラス成長で、GDPデフレーターがプラスの状況が継続している状況です。それも国内需要がプラスで大きく寄与する場合の方が、足腰の強い経済といえます。

     

     

     というわけで、今日は2017年7月〜9月の第3四半期のGDP速報を取り上げました。


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