政府はお金を使わず、経済対策は企業に丸投げの安倍政権

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    JUGEMテーマ:経済全般

     

     今日は、「政府はお金を使わず、経済対策は企業に丸投げの安倍政権」と題し、2017年の補正予算案編成について意見します。

     

     下記はブルームバーグの記事です。

    『ブルームバーグ 2017年11月1日 第4次安倍内閣が発足、今年度補正予算案の編成を表明−全閣僚再任

     安倍晋三首相(自民党総裁)は1日召集の特別国会で開かれた衆参両院の本会議で第98代首相に指名され、第4次内閣を発足させた。衆院選での与党大勝で政権が継続することになり、全閣僚を再任したが、デフレ脱却に向けた経済再生に加え、北朝鮮への対応、憲法改正など課題は山積している。

      首相は1日夜の記者会見で、今後の政権運営に当たって「今、求められていることは一心不乱に政策を前に進め、そして結果を出すことだ」との決意を表明。「仕事人内閣の新しいチャレンジ」への理解と支援を求めた。その上で、2017年度補正予算案を年末に向けて編成し、子育て支援策の前倒し、災害対応、農林水産業強化策などを盛り込む考えを明らかにした。

     また、「生産性を大きく押し上げることで、4年連続の賃上げの勢いをさらに力強いものとし、デフレからの脱却を目指す」と強調。20年までの3年間を生産性革命集中投資期間と位置付け、税制、予算、規制改革などの施策を総動員するとの方針を示した。その上で、「生産性革命」と「人づくり革命」に関連した政策パッケージを来月上旬に取りまとめ、可能なものから速やかに実行すると表明した。

     政府・日銀が掲げている2%物価目標については「引き続き、日銀が目標達成に向けて取り組むことを期待している」と言明。来年4月に任期満了となる日本銀行の黒田東彦総裁の手腕を信頼しており、金融政策を任せていると述べたが、後任人事については「全くの白紙」と述べるにとどめた。(後略)』

     

     

     上記記事の通り、衆議院議員選挙で掲げた目玉政策「人づくり改革」に向けて実現のため、待機児童対策の前倒しなど、少子高齢化対策に全力を尽くすとしています。補正予算の財源は、国債の利回りが想定より低いため、国債費の余った分を充てて、追加で国債発行はしない方針で調整するとも述べられています。

     

     少子高齢化対策は、今の日本でいえば待機児童問題が深刻で、保育園に子供を入れられないから子供を作らないと思われている方、それは贅沢な悩みの人です。今の日本は若者の賃金が安くなり、婚姻率が下がって少子化になっているのです。

     

     待機児童問題については、国会議員に限らず、地方議員など、いろんな政治家が意見をしますが、根本はデフレで若者の雇用が不安定になり、低賃金であるために婚姻率が下がっているという点を見逃しています。

     

     一方安倍政権は、もともとグローバリズムの発想の政権。そのため、待機児童問題をきっかけに、幼児教育をビジネスにするという魂胆が見据えます。具体的にいえば、規制緩和して新規参入を促して無償化するという流れです。

     

     少子高齢化対策以外では、中小企業の設備投資を促して、生産性を高める施策を盛り込むとしています。その他、EUとの経済連携協定に備えた農業対策、豪雨などの災害対策も柱になるとし、緊迫する北朝鮮情勢を踏まえてミサイル防衛対策の強化も急ぐとしています。

     

     確かに生産性革命という生産性向上の取り組みは必要です。経済成長そのものだからです。でもまず政府がお金を使わなければなりません。インフラの整備や技術投資をもっともっとやる必要があるのに、それをせずもしくは抑制し、企業に丸投げするというのが安倍政権の基本的なスタンスです。

     

     北朝鮮のミサイル防衛でいえば、米国の兵器を買うことになるわけですが、これも本来日本で作られれば、雇用が生まれて経済対策になります。

     

     また安倍政権は経団連に賃金3%以上のUPを促し、経済を活性化させるとしていますが、財政拡大は絶対にやらず、企業に口先だけで依頼をしています。さらに企業に「設備投資をしてください!」と依頼する。政府がお金を使わず、需要の長期的拡大が見込まれない状況で、設備投資をするわけがありません。デフレを放置しておき、賃金3%UPを依頼したり、設備投資を促すというのであれば、まず政府がお金を使うことが必要。なのにそれをやりません。

     

     国債についていえば、利回りが低くて余っているから発行できるというだけで、政府の負債残高が増えるプラス発行はしません。プライマリーバランス黒字化目標が足かせとなり、国債増刷も政府支出の拡大もできないのです。それに加えて、財務省が医療・介護報酬引き下げなど、緊縮財政をやって需要削減策をやっている状況で、どうして経営者がベースアップや積極的な設備投資ができるでしょうか?

     

     

     というわけで、今日は2017年度の補正予算についての記事を取り上げました。安倍政権の特徴といえば特徴なのですが、プライマリーバランス黒字化目標にとらわれ、積極財政は絶対にやらず、企業に賃金UPを依頼、設備投資を依頼というのが、基本スタンスです。このやり方では、日本がデフレ脱却するはずがありません。

     安倍政権はプライマリーバランス黒字化目標は延期する方針を表明していますが、延期では緊縮財政発想は継続されますので、そもそも廃棄する以外に、日本がデフレ脱却することはあり得ないのです。

     デフレ脱却を放置すれば、国内の供給力が毀損し、私たちはいろんなサービスが受けられなくなる可能性があります。これは発展途上国化です。そうならないためにも、私たちが知見を高め、政治家を動かし、国債増刷・財政支出拡大への政策転換が急がれると私は思っております。


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