生産年齢人口減少のスピードが早い我が国こそ、インフラ投資が必要である!

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    JUGEMテーマ:公共工事の経済効果

     

     

    今日は、20161231日に読売新聞にて報じられた次のニュースについてをメインにインフラ効果について述べさせていただきます。

     

     

     

    1.老朽化する我が国の深刻なインフラ事情

     

    “老朽化「通れない橋」続々、住民「何とかして」(読売新聞:20161231 1405分)”

    『国や自治体などが2年前に始めた道路橋の一斉点検で、深刻な老朽化の実態が次々と明らかになっている。

     2016年3月までに点検を終えた20万4,533基のうち、早急な補修などが必要と判定された橋は12%の2万4,351基に上る。高度成長期に造られた多くの橋が、補修や架け替えの時期を迎えており、「通れない橋」が住民生活に影響を及ぼしている。

     京都府京丹後市丹後町の竹野川に架かる府道の大門橋(長さ81メートル、幅4.5メートル)。両端は閉鎖され、「通行止」の表示板がある。近所の女性(79)は「通院するのも不便。早く何とかしてほしい」とため息をついた。

     大門橋は昭和初期に造られ、1969年、鋼鉄製に架け替えられた。2011年、路面の段差が確認され、2t超の大型車は通行禁止に。2016年10月に仮橋の建設を始め、完成後に新設工事に入る計画だった。(後略)』

     

     大晦日に国や自治体が2年前から始めた一斉点検で、深刻な老朽化が明らかになりました。

     20163月末までに終えた20万4,533基のうち、早急な補修が必要とされるレベル3とレベル4の認定の合計が全体の12%2万4,351基にもなりました。

     

     例えば、皆さんがマンションを買う場合、修繕積立金を積み立てて修繕計画を立てます。橋とかトンネルとか当然やっているのでは?と思われると思いますが、全くしていなかったのです。特に自治体の市町村が予算カット、人件費カットを推進してきたため、「やろうにもできなかった!」「やろうとする気すらなかった」ということだろうと思われます。

     

     個人でマンションを買った人は理解できると思いますが、分譲マンションは「修繕積立金」を積み立てて、計画的に補修をしていきます。個人が所有するマンションについて「修繕積立金など無駄だ!」と主張する人は皆無でしょう。積立金が高い安いという議論はあっても、「修繕積立金なんて不要だ!」という人は皆無であると思います。

     

     国家の公的インフラについても同じです。道路に限らずあらゆるインフラは継続的なメンテナンスなしでは使用不能となります。ローマ帝国がすごいのは、街道や水道といったインフラを整備した以上にメンテナンスを続けたことです。街道や水道といったインフラを整備しただけでなく、メンテナンスを続けたことがローマ帝国のすごさです。

     

     

     

    2.インフラ投資拡大を明言するトランプ大統領

     

    次のニュースも見てみましょう。

    “トランプ大統領下で期待されるインフラ投資の拡大(ZUU Online201717 2013分)”

    『トランプ氏は選挙公約として、今後10年間で1兆ドルのインフラ投資拡大を主張してきた。具体的な投資先などは明らかにされていないが、老朽化した交通インフラをはじめ投資拡大への期待が高まっている。

      米国の交通・水道インフラに対する公的支出額(2014年)は、4,160億ドル(GDP2.4%)となっており、物価を調整した実質ベースでみると2003年をピークに減少基調となっている。インフラ投資の予算が削減された結果、必要な補修費用も捻出できていない状況となっており、公共インフラの「質」の低下が問題視されている。

      実際、世界経済フォーラムが発表する国際競争力ランキングのうち、インフラに関するランキングで米国は11位と、主要先進国の中で低い順位に留まっている。このため、国際競争力を維持する観点からも、産業界を中心にインフラ投資の拡大を求める声が根強い。(後略)』

     

     因みに世界経済フォーラムの「国際競争ランキング」の「公共インフラの質」の順位を見ますと、アメリカは11位で日本は5位でした。(首位は香港、二位はシンガポール)「この有様の」日本の5位が事実だとすれば、世界中のインフラが相当に傷んでいるのでは?と思われます。

     インフラの質とは、過去の投資の結果であり、現在の日本国民が誇れるような状態ではありません。過去に十分に公共投資を実施したからこそ、現在の日本のインフラが存在します。

     

     今年も12日から13日にかけて、箱根駅伝が行われましたが、青山学院大学の3連覇を皆さんもご覧いただいたのでは?と思います。

     20121021日に、京急の京急蒲田駅付近の上下線を全て高架化しました。結果的に箱根駅伝の名物であった国道15号を横切る踏切が撤去されました。

     京急の高架化により、踏切遮断時間が1時間あたり最大53分あった踏切を含め、蒲田付近の全28の踏切がなくなった結果、交通渋滞が緩和され、地域の行きかう人々の便益は着実に高まったのです。

     

     この蒲田付近の高架化事業について、京急は10%程度のお金しか拠出していません。東京都の「都市計画事業」として実施されたため、資金の多くは日本政府(東京都ではありません。)が支出しました。即ち蒲田駅の高架化事業は、道路整備目的の公共投資だったのです。

     事業規模は約1892億円。事業費に占める用紙買収費用が少なく、1892億円のほとんどが政府支出の公的固定資本形成として、GDPに計上されたことになります。この1892億円は乗数効果を無視しても「短期的な需要増」で1892億円計上されたことを意味します。とはいえ、「公共投資」としての高架事業の効果は1892億円GDPを増加させたことに留まりません。

     

     自動車交通量が、1日に約15,000台あったとされる梅屋敷第4踏切、約23,000あったとされる京急蒲田第1踏切が撤去されたことで交通渋滞が解消され、第一京浜や環状8号線などの近隣道路を走る車がスムーズになり、生産性が向上いたします。しかも、上述の効果は今後何十年も継続することになるでしょう。公共投資には短期的需要増だけでなく、長期的な生産性向上効果もあります。そのことによって民間投資を誘発すれば、公共投資は一石二鳥三鳥にもなるのです。今後、我が国は生産年齢人口比率の低下により、人手不足が深刻化いたします。公共投資は人手不足解消の正しいソリューションであり、生産性向上に資するのです。「日本は人口が減るから、公共投資は不要だ!」は間違っていると言わざるを得ません。

     

     トランプ大統領が本気で公的インフラへの投資を拡大し始めるのであれば、それこそ我が国もアメリカに見習い、インフラへの投資を大々的にするべきです。2017年は、インフラ元年になればよいと思います。

     

     

     

    3.生産年齢人口減少のスピードが早い我が国こそ、インフラ整備メンテナンスにお金をかけるべき!

     

     日本のインフラ事情に話を戻しますが、読売新聞の記事にあった「早急な補修などが必要と判定された橋は12%の2万4351基」の内訳は次の通りです。(※全体は約203,000件)

     

    (1)レベル3の認定を受けた24,101件の内訳

     々顱1,310

     都道府県・政令指定都市:14,449

     9眤道路会社:695

     

    (2)レベル4の認定を受けた250件の内訳

     々顱3

     都道府県:231

     9眤道路会社;0

     

     

     

     レベル3は「早期に措置を講じない場合は早く措置を講じた方がいいですよ。」です。

     レベル4は「即座に補修もしくは架け替え → 予算がない人材がない場合は通行止め」です。

     24,101件あるレベル3も、このまま放置すれば、レベル4に移行して全部通行止めになります。

     

     こうして見てみますと、ほとんどは市町村が管轄する橋です。その市町村が管轄する橋を含め、過去点検すらしていなかった我が国のインフラについて、やっと点検し始めたというのが実態です。下記の写真は京都の丹後市の橋は通行止めになっている写真です。

     

     2tトラック以上は通行止めという道路は、全国で200以上あります。これは国土の分断化であり、災害が発生した場合に孤立する可能性が高い。昨年度熊本阿蘇地震で、南阿蘇村の大きな橋が崩落しましたが、ほぼ半分分断状態になりました。

     

     本来はインフラのメンテナンスにお金をかけていれば、南阿蘇村の大きな橋が崩落しなかった可能性があります。またインフラのメンテナスにお金をかけること自体が雇用を生み、支出=生産=分配で経済成長、即ちGDP成長に貢献していたわけです。

     

     安倍政権はデフレ脱却ができない状況下において、2016年度の後半に第3次補正予算を組むべきでしたが、やっていません。今から気付いて遅くありません。インフラへの投資は急がれるべきなのに、安倍政権の年頭所感は、「1億総活躍社会」「積極的平和主義」という眠い話です。インフラを放置しておいて「1億総活躍社会」とか、そんなスローガンは全く役に立ちません。

     

     ぜひ知っていただきたいのは、このままインフラにお金を投じなくなるとどんな日本になってしまうのか?です。

    ●あちこちが通行止めになるとなれば流通が悪くなる

    ●裏道を通るでもよいが、どんどんそうやっていくと、物流に時間がかかるからどんどん生産性が下がる

    ●人々の生活が困難になる

    ●万一災害が発生した際、直接的被害は言うまでもなく、間接的被害、例えば地震が発生してもインフラが崩壊して物流が機能しなくなり物資が届けられず餓死・病死する

     

     このような日本にしてしまうことこそ、我が国の子孫にツケを残すことにならないでしょうか?

     

     今デフレです。需要不足です。橋の整備、トンネルの建て替え 全部需要です。普通に予算を付ければよい。でもやらない。

     なぜやらないかと言えば、「いわゆる国の借金問題」に騙された国民が「それはわかっているけど、インフラの整備・メンテナンスは理解できるけど、政府は無駄な金使うな!」という国民が多いからです。そのため、政治家は逆に国民の批判を恐れてインフラ整備メンテナンスができないのです。政治家が一刻も早く気付くべきであることは言うまでもないですが、我々日本国民も「人口が減少するからインフラは無駄だ!」という考えから、頭を切り替える必要があると思うのです。

     

     今日はインフラの早急なメンテナンスの必要性ということで、改めて公共投資の有効性について述べさせていただきました。

     

     

     


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