刑務所の民営化は、正しいのか?

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     皆さんは、刑務所がPFI(プライベート・フィナンシャル・イニシアチブ)を活用して既に民営化されているという事実をご存知でしょうか?三井物産などの商社などが刑務所の運営権を持って運営しているという事実をご存知でしょうか?

     実は刑務所は既に民営化されています。今日は「刑務所の民営化は正しいのか?」と題し、日本国内における犯罪検挙率が低下しているという事実と合わせ、私見を述べさせていただきたいと思います。

     

     

     下記は警察庁のホームページに記載の平成28年度警察白書の統計資料のエクセルファイルを、私が編集したもので、日本国内における平成23年〜平成27年までの間の、犯罪認知件数・検挙件数・検挙率をグラフ化したものです。

     

    (出典:警察庁のホームページ「平成28年警察白書」より)

     

     

     この資料を見て、皆さんいかがでしょうか?棒グラフを見れば一目瞭然ですが、日本は犯罪認知件数が毎年減少していまして、治安は改善されているのです。これは社会的にみて大変すばらしいこと。なぜならば犯罪が減少し、犯罪者も減っているということだからです。

     

     一方で言論の世界では、こうした事件がありますと、ワイドショーテレビ番組などで、「いや日本では、凶悪化が進んでいる!」「少年犯罪が増えている!」などと論じる識者と呼ばれる人々がテレビに登場します。こうした人たちは、何を根拠に主張されているのでしょうか?

     下表は、平成19年〜平成28年までの少年犯罪の検挙人員数の推移です。

    (出典:警察庁ホームページ「犯罪情勢」より)

     

     この表を見れば、これまた一目瞭然で、14〜19歳にしても、20歳以上にしても、検挙人数は減少し、人口当たりの割合も減少しています。

     こうした統計数値を見る限りにおいて、日本は犯罪が減少している国といえます。ワイドショーで出てくる識者と呼ばれる人々は、データも見ないでウソ・デタラメを並べ立てる評論家です。

     

     ところで、こうした統計数値をみた読者のみなさんは、犯罪が減って、犯罪者が減るとなると、刑務所の刑務官(公務員)が暇になるということが理解できるでしょうか?なぜならば、収監者が少なくなって仕事が減るからです。公務員が暇になるとなったとき、読者のみなさんはどう思われるでしょうか?

     

     おそらく「刑務所で働く刑務官が暇になっているなんて、なんて素晴らしい国なんだ!」と思う人と、「刑務所で働く刑務官が暇になっているなんて許せない。給料泥棒だ!」と憤る人と、二つに分かれるような気がします。

     

     そして、前者は公共サービスを理解している人であり、後者は公共サービスを理解していない人です。公共サービスを理解しない人は、刑務所を「PFIにすべきだ!」「株式会社にすべきだ!」と主張されるでしょう。またその主張は「善意」に基づいて、「それこそが日本のためだ!」と思われていると考えます。

     

     この場合、刑務所を民営化することで、利益を得る誰かが必ず存在します。そして民営化をすることでビジネスとなって儲かるがゆえに、参入障壁を低くすべく規制緩和を働きかけるという動き、これをレントシーキングといいます。レントシーキングが問題なのは、安全保障上利益追求してはいけないものまでもが、利益追求することになってしまうことで、安全保障の弱体化につながるということです。

     

     例えば、刑務所を株式会社化した場合、株式会社は利益追求します。

     刑務所株式会社は、当然ですが、

    ●売上を拡大するために刑務所の稼働率を高めたい

    ●刑務所の収監者を、超低賃金で派遣労働に出したい

    となります。この場合、予算の源である税金を払う国民が損をします。逆に国民が損しないようにするためには犯罪者が減ることなのですが、その場合は刑務所の稼働率が低くなって刑務所株式会社が損します。また、他の民間派遣会社と刑務所株式会社とで派遣会社の料金競争が発生し、他の派遣会社が損をします。

     

     本来、犯罪が減って刑務官が暇になるということは、社会的に素晴らしいことなのです。ところが刑務所株式会社となれば、雇用が安定した公務員ではなく、刑務所株式会社の従業員となり、賃金も公務員より減少する可能性があるわけです。もし、売上が増えて従業員の賃金が増加するということは、犯罪者が増加することとなります。

     

     もし、刑務所株式会社が儲けるために稼働率を引き上げるインセンティブ(移民が入ってきた方が犯罪者が増えて稼働率が上がるのでよいなどのインセンティブ)が働くとしたら、国家としては極めて異常と言わざるを得ません。

     

     

     というわけで、今日は規制緩和に関連して、刑務所の民営化をテーマに意見しました。既に日本では刑務所が民営化されてしまっています。刑務所の刑務官が公務員である方がいいですし、その公務員が暇なことは、大変すばらしいことだと思います。逆に刑務所組織までもが民営化して利益追求となると、変なインセンティブが働く危険性もあるわけです。例えば、移民受入して、言葉が受け入れられず、犯罪を犯して収監者が増える方が望ましいなんて考え方もあるわけです。もちろん私は賛同できませんが。

     また、警察庁の数字やデータをみますと、(自称)評論家と呼ばれる人々が言うほど、日本の治安が悪くなっているわけでなく、むしろ犯罪は減少しているという事実も理解できるかと思います。日本の警察は極めて優秀だといえるのではないでしょうか。

     そして「日本は輸出立国である!」「中国とうまくやらないと経済が立ち行かない」「韓国とは経済的につながりが深い!」といったウゾ・デタラメ論を吐く人は、数値やデータを見ていないのです。こうした論説に騙されないよう、今後も様々なテーマを取り上げ、皆さんに数値やデータをご紹介したいと思います。


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