教育費用の財源は、どうあるべきなのか?(IMFよ!お前が言うな!)

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     今日は、教育財源はどうすべきか?について意見します。

     

     米国のワシントンにあるIMF国際通貨基金が公表した報告書の財政モニターで、世界各国の国内の所得格差が問題になっているとし、政府が税制や所得移転を通じた富の再分配を真剣に検討すべきとの見解を発表いたしました。

     

    <米国ワシントンのIMFの写真>

    (2014年12月31日に杉っ子がワシントンで撮影)

     

     私は2014年12月31日に米国のワシントンに行き、IMF、世界銀行、ホワイトハウスを視察しています。日本は外貨建て債務もありませんし、ドル建ての資金は不要ですので、IMFのお世話になる可能性が、一番低い国家といえます。そしてIMFは今まで所得格差を拡大するワシントンコンセンサスの新自由主義を各国に押し付ける張本人でした。

     それが手のひらを返したように、IMFが変わってしまいました。なぜならば、国内の格差拡大が現実となり、IMFは所得格差を問題視するようになったのです。

     

     

    1.安定税収という一利があっても百害を与える消費増税

     

     自民党の安倍政権は教育にお金をつぎ込むといっていますが、その財源は消費税です。消費税の税収は何があっても横ばいで下がりもしませんが、上がりもしません。ある意味、どれだけ不景気になろうが安定した税収であるというのは間違いありません。とはいえ、不景気になれば法人税と所得税は減収し、国家全体として税収は減収するのです。

     

     日本の場合は少子高齢化によって、医療・介護費用が増大しており、この部分の消費(健康保険や介護保険の自己負担分の個人消費と保険適用の政府消費支出分の合計)によって、法人税と所得税の減収分を賄っているという状況です。

     

     2009年のリーマンショックのとき、消費税は横ばいでしたが、法人税と所得税は落ち込みました。リーマンショックのとき、赤字企業や失業者が激増しましたが、「それでも消費税は取りますよ!」という弱者には極めて厳しい逆累進課税の税金です。

     にもかかわらず、自民党は消費税で教育財源を賄うといっており、あきれるしかありません。

     

     国家は言うまでもなく、企業にとっても、教育=投資 です。今この時点で教育支出しても生産性向上効果は人材が育つ将来です。企業ならば銀行借入という資金調達手段があります。政府にとっても、教育が普通に投資と考えれば、国債で何ら問題ありません。どうしても日本政府が発行する円建国債や教育国債が嫌ならば、IMFが提唱する累進課税強化をやればいい。所得の多い人からは不満が出るかもしれませんが、国家の将来を考えれば仕方がないでしょ?という話だと私は思うのです。

     

     ついでにいえば、安倍政権は教育無償化といっていますが、教育を供給する学校側にお金を全然使っていない状況ですと、却って教育の荒廃化がすすむだけです。プライマリーバランス黒字化目標のため、政府支出削減で教育支出も削減されています。結果、学校の先生も非正規雇用が増え、大学教授でも山中教授のIPS細胞の研究する職員が非正規雇用という悲惨な状態になっています。

     

     学校の先生や大学教授のみならず、学校の施設・設備にも手厚い予算配分をしなければ、質の高い教育ができません。例えば設備を増やすとか先生・教授を増やすとか、政府支出増が求められるのですが、例によりプライマリーバランス黒字化目標が残って、家計簿発想の財政運営の政治家や官僚ばかりのこの状況では、そうした発想に至らないと思うのです。

     

     大体、山中教授のIPS細胞の研究員スタッフのほとんどが非正規雇用とか、あり得るでしょうか?(参照ブログ記事:プライマリーバランス黒字化を続けるとノーベル賞受賞者は出なくなります! )

     

     こうした現状を理解したとしても、なお国家の財政運営を家計簿と同じように捉え、借金を残すことは将来世代にツケを残すとして、プライマリーバランス黒字化が正しく、支出削減に邁進すべきとする人々は、私から言わせればアホとしか言いようがありません。

     

     

     

    2.ジョセフ・スティグリッツ教授の提言

     

     政府の負債の約1000兆円のうち、円建国債の40%が既に日銀が保有しています。日銀が保有する国債について無期限無利子国債にしてしまえば、現金と同じ扱いになります。2017年3月に来日した米国コロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授(2001年にノーベル経済学賞受賞)が提言しております。このジョセフ・スティグリッツ教授は、IMFの経済政策を批判し続けてきた人物であり、世界的な経済学の権威者です。

     

     そのジョセフ・スティグリッツ教授とポール・クルーグマン教授は、2017年3月に来日し、安倍首相が対談しました。その中で、両氏が消費増税に消極的な見解を示したとされています。

     

     実際に提言した内容の概要は下記の通りです。

    ●格差問題によって経済の潜在成長力が鈍化した

    ●所得格差が拡大したために構造的に消費が増えない状態になったことが長期低迷の根本原因である

    ●富の偏在化が行き過ぎると、所得が高い人はそれ以上の消費をせず、所得が減少した人は生活が苦しくなって、物が欲しくても消費することができない

    ●結果、全体として消費がますます減るという悪循環が発生している

     

     また、Airbnbなどのネットインフラについても触れ、面白い指摘もしています。

    ●ネットインフラを使って既存のリソースを最適にシェアした場合、ビジネスに必要となる投資総額は減少する

    ●何もしなければその分だけ需要が減少してGDPが減少する可能性がある

    ●上記可能性が本当だとすれば、余ったリソースを新しいサービスの創造に転換する仕組みが必要である

     

     こうした状態にうまく対応するためには、産業構造を時代に合わせて変化させ、財政支出を維持する必要があるというのが、ジョセフ・スティグリッツの主張です。そして、消費増税に消極的な見解を安倍首相に示した理由は、消費税は総需要を喚起するものではないからと述べたとされています。

     

     

     

    3.アベノミクスの根底にある根本的な間違い

     

     アベノミクスの根底にある根本的な間違いは、需要不足ではなく供給能力の低下という見方です。十分なニーズがあっても、企業側が合致する製品やサービスを開発しきれていないという考え方です。日本の電機メーカーが弱体化したのは、価値観が多様化する消費者の動向をうまくつかめていなかったことが原因だという指摘で、工夫次第では消費は伸びるとする考え方です。

     

     この発想、政府の支出削減=需要削減であり、事実として政府が率先して需要を削減してきたために、デフレに陥ったという根本を理解していないことの証左です。政府が支出削減しても、民間に活力を与えれば、民間需要が旺盛だったら、政府支出削減して構わないということ。もちろん、インフレ状態でインフレ率が適正な水準を上回っている状況であれば、政府支出削減した方がいい場合があります。インフレ状態は、インフレギャップ状態、即ち「需要>供給」という状態ですので、供給力強化もしくは需要削減が正しい政策になります。

     

     今はデフレギャップ状態、即ち「需要<供給」で、率先して政府が需要削減している状態です。この状態で供給力を強化すれば、デフレギャップが大きくなり、さらに深刻なデフレ不況に陥るのです。

     

     そして需要とは、個人消費ではなく、政府支出や政府の投資、企業の投資も含まれます。教育=投資と考えれば、教育の需要を政府自らが率先して需要を創出する方向性は正しいと思います。そしてその財源は、円建国債で何ら問題ありません。外貨建てで借りる意味はありません。何しろマイナス金利の状態で、円建国債はめちゃくちゃ低利です。IMFのお世話になる必要もなく、日本政府が円建国債を増刷すればいいだけの話。国民一人当たりの貸付金という資産が増えるだけではなく、国債を財源に投資することでGDPが成長して経済のパイが大きくなり、税収増にも貢献するのです。

     

     国債を増刷したら、国債の格付けが下がるのでは?と思われる方、心配無用です。無視しましょう。

     そもそも世界的にみれば、、日本は先進国で国力が強い部類に入りますので、ドル建てなどの外貨の資金調達需要は不要です。民間の場合は、例えばトヨタ自動車が米国に工場を出すとすれば、外貨建ての資金調達需要が発生しますが、日本という国家としてみた場合は、マイナス金利で円の資金需要がなく、円が余って預金されている状況です。その預金で銀行が国債を買っているわけですから、外貨建ての資金は、はるかに需要が乏しい。だから米国の格付け会社のムーディーズやスタンダードプアーズらが日本の国債の格付けを引き下げたとして、「だから何?」という状況。あの格付けはドル建て資金を調達するときには、調達金利に影響する可能性がありますが、日本としてドル建て資金調達の需要に乏しいので、日本経済に全く影響しません。

     

     

     というわけで、今日は教育費用の財源について、どうあるべきか?について、IMFの提言、2001年ノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ教授の提言をご紹介し、私見を述べさせていただきました。


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