社会保障費が膨らんで何が悪いのでしょうか?

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     今日は、2017/8/30に掲載された記事『2018年度概算要求101兆円規模 社会保障など膨らむ』について、意見します。

     

     記事の概要は下記の通りです。

    『2017/8/30 0:43 日本経済新聞 電子版 2018年度概算要求101兆円規模 社会保障など膨らむ

    2018年度予算編成に向けた各省庁の予算要求が出そろった。要求総額は101兆円前後に膨らみ4年連続で100兆円を超えた。財務省は98兆円程度まで絞り込む考えで、年末にかけて3兆円程度を圧縮する必要がある。社会保障費や公共事業などの多くの分野で膨張圧力が強い。年末の決着に向けて予算獲得を巡る攻防が激しくなりそうだ。

     財務省は31日に要求を締め切り、9月から絞り込みに向けた査定作業が本格化する。(後略)』

     

     2018年度予算編成に向けて、各省庁の予算要求が出そろったとの記事です。要求総額が101兆円前後に膨らみ、4年連続100兆円を超えているとのこと。最大焦点が過去最大の要求額31兆4298億円とした厚生労働省の予算だとし、高齢化・医療高度化によって社会保障が膨らむ自然増を6300億円→5000億円に圧縮する方針と報じられています。

     また、2018年度に、医療と介護の公的価格、診療報酬・介護報酬を同時改定するとして、医師に払う報酬を抑えて国民負担を減らせるか?が焦点とし、財務省は98兆円程度にまで、予算を絞り込むとのこと。2017年12月末にかけ、3兆円程度圧縮する必要があると報じています。

     

     

     

    1.財務省の考え方の根本は家計簿の発想

     

     そもそも、財務省の考え方が家計簿の発想です。医療費が膨らんで何が悪いのでしょうか?デフレの日本において、医療費が膨らむ=需要が膨らむですので、デフレ脱却ができる環境が訪れるというのにも関わらず、膨らむ費用を圧縮するというこの考え方、これこそがガンです。

     

     国家の財政運営を、企業経営や家計簿と同じ発想で考えるこの考え方こそ、間違っています。費用は支出ともいえると思うのですが、GDP3面等価の原則で考えれば、「支出(=消費)」=「生産」=「分配(=報酬)」で、必ず誰かの所得が発生します。もし費用を抑制すれば、名目GDPが抑制されることになります。高齢者が増えて医療機関で受診する人が増える、あるいは介護にかかる人が増えるとなれば、医薬品の販売数量が増大し、医療・介護サービスの稼働回数が増えることは、目に見えているわけです。

     

     生産年齢人口減少により、供給<需要 となるインフレギャップが発生する状況において、何が悲しくて医療関係者、介護関係者の報酬を引き下げなければならないのでしょうか?医療・介護関係者らが所得が増え、将来も安定して月給が増えるとなれば、必ず消費を増やします。

     

     「医療・介護関係者だけが政府支出増の恩恵を被るのはズルい!」と考えることも正しくありません。

     

     

     

    2.国家(国民生活・経済活動)を支える5階層

     

     下記は国民生活や企業の経済活動を支える土台について重要度が高い順に下から上へ産業を書き並べたものです。

     このうち、医療は3階層のソフトウェア的インフラに該当し、国民生活や経済活動を支える重要な産業ということになります。

     

    <国家(国民生活・経済活動)を支える5階層>

     

     4階層だけが、重要ではない産業です。例えば、インターネット産業を考えてみましょう。仮にヤフーが経営破たんしたところで競合相手の楽天があります。ネット小売業は、すべからく経営破たんしたとしても、同じような業種がたくさんありますので、人が困ることはないでしょう。

     

     もちろん、雇用に大きく影響するという意味でいえば、従業員が多い企業の経営破たんは、経済に悪影響が出ます。とはいえ、ここでいうのは、医療・介護というのは、インフラを支える業種であって、政府支出増をしたとして何ら問題がない業種であるということを申し上げたく、事例をご説明しております。

     

     つまり、医療・介護の関係者が政府支出増の恩恵を受けるのは、ズルくなく、大いに結構なのです。少なくても医療サービスが向上し、介護サービスが向上すれば、すべての日本国民にメリットがありますし、彼らが消費者となって、たくさんの物・サービスを購入してもらえれば、他の業種においても売り上げ増となり、他業種で働く人々にも必ず恩恵が生じます。

     

     

     

    3.家計簿発想が間違っている理由

     

     そもそも国家の財政運営の考え方が家計簿発想になっている点が間違いで、ポイントは2つあります。

     

     一つ目は、高齢化で社会保障費が膨らんで6300億円となったとのことですが、これって何か悪いことなのでしょうか?むしろ、日本が需要不足でデフレが継続中なのですから、政府が予算を付ければいいだけの話です。財源は赤字国債発行で何ら問題ありません。

     増税して増税分を社会保障費という発想自体、増税すれば消費や設備投資が減少して、名目GDP、実質GDPも落ち込み、もくろみ通り税収が増えることはありません。少なくても、消費増税3%→5%の1998年、5%→8%の2014年の2回、日本は消費増税をした結果、間接税は増収したものの、名目GDPの減少により、法人税、所得税の直接税が減少し、税収は思ったほど増えていないのです。

     第2次安倍政権でいえば、2013年度において国土強靭化を名目に政府支出増を行いました。その結果、名目GDPで1.9%増収し、税収は6.9%も増収できました。ところが、2014年度以降、消費増税をはじめとする緊縮財政に転じたことで、税収が伸び悩んでいるという状況があります。

     税収が減らないのは、膨らむ社会保障費という需要があり、赤字国債を財源に政府支出が増加しているためです。

     この政府支出増加を抑制すれば、もっと日本の景気は悪くなっているということになります。

     

     二つ目は、プライマリーバランス黒字化の目標を掲げたままであるため、社会保障費の増加は回避できず、他の予算を削りなさいとする発想。これが問題です。

     日本は、予算が膨らむ(=需要が増大する)という前提に立って考えなければならないのですが、そうならない。予算が膨らむから予算を削減する(需要を削減する)、増税する(増税して需要が減少する)ということで、需要削減・需要減少によって結果デフレから脱却できないという状況です。

     

     このままでは、おそらく科学技術予算や公共事業を絶対に削るでしょう。そもそも公共事業関係費が膨らんでいるという指摘もあります。

     例えば国交省が要求する公共事業は、2017年度の当初予算と比べて、16%多い6兆238億円で9年ぶりの高い水準です。内訳は下記の通りです。

     

     水害対策:14%増 4774億円

     土砂・火山対策:22%増 960億円

     地震対策:11%増 1772億円

     

     今年は大雨や台風によって、水害も全国のあちこちで発生しています。土砂についても対策は必要ですし、地震にしてもいつ発生するかは誰にも予測できません。こうした公共事業の増加は仕方ないですし、マクロ経済的には、政府支出増となってデフレ脱却につながります。

     むしろ、なぜ16%しか増やせないの?とさえ思います。なぜならば、水害対策、土砂・火山対策、地震対策だけでなく、防波堤防潮堤といった津波対策や、大雪対策だって必要です。日本は災害大国なので、災害対策の需要は無尽蔵なのです。

     

     ところが、家計簿発想で国家の財政運営を考える人々は、そうした発想に立てません。何しろ家計簿と同じ発想なのですから。「持っているお金でしかできません」「社会保障を充実させたくても増税するなどして税収を増やさなければ、できません」「財源は後世にツケを残す国債発行ではなく、増税で対応しなければ、いけません」という発想でしか考えることができないのです。

     

     こうした考え方こそ、日本が20年間デフレ脱却ができず、経済成長できずGDPは500兆円で横ばいのまま。軍事費は中国と差を開けられ、このままデフレ脱却を放置すれば、中国の属国とならざるを得ない日が来るかもしれないのです。

     中国といえば、中国共産党政府の政権であり、言論の自由もなければ臓器売買が行われる国でもあります。

     

     このように「国家のためになる」という発想で、間違った政策が打たれ続けることほど、愚かなことはありません。さっさとデフレ脱却を果たし、日本が中国の属国とならず、日本国の主権を維持できるよう国力を強化していくことこそが、私たち先祖から与えられた使命であると思うのです。

     

     

     というわけで、今日は社会保障費が増えても、何ら問題がないことをご説明しました。国家の階層でいえば、国土が最も大事。その国土を守るための防衛は重要。防衛するための人材や兵器などの機材を作れるだけの技術力も重要。人々が安心して暮らせるためには、医療・介護サービスは重要。そうした需要に応えるためには、物流網が整備されなければ、達成されず。例えば医薬品が地方の隅々まで届く、医療・介護サービスが地方の隅々まで届く、そのためには道路や橋梁やトンネルというインフラ産業は最も重要となるわけです。

     インターネットでいえば、光ファイバーなどの通信網を整備、運営する業種は、インフラ産業として重要ですが、ネット販売という業種は、経営破たんしても、国民にとってさほど重要ではありません。

     今日取り上げた日経新聞の社会保障費でいえば、医療・介護を中心に政府支出増をすることは、すべての国民に恩恵があります。だから社会保障費が膨らんでも、全く問題はなく、むしろデフレ脱却して、高度経済成長できるほどの需要増大の経済環境が訪れるということでもあります。

     その増大する需要を削減することは、デフレ脱却から遠のくことにつながるということを、私たちが知見を高めて理解しなければならないと思うのであります。


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