ハイパーインフレの定義について

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     今日は「ハイパーインフレ」について述べます。

     

     よく、私はデフレが続く日本においては、「政府支出増」と「国債増刷」を早く実行しろ!という主旨の論説をここで述べることが多いです。2つのうち、「国債増刷」を主張しますと、中には「そんなことしたら、ハイパーインフレになる!」という人が、一般人はもちろんですが、大学教授やエコノミスト、アナリスト、国会議員らでさえ、こうした意見を述べられる方、多数います。

     

     下記はハイパーインフレについて、ウィキペディアが説明しております。

    『最低でも国際会計基準の定める3年間で累積100%(年率約26%)の物価上昇[1]フィリップ・ケーガン(英語版)による定義では月率50%[2](年率13,000%[2][3])を超える物価上昇を『ハイパーインフレーション』と呼んでいる[4]。但し具体的なインフレーション率の値によるのではなく、単に「猛烈な勢いで進行するインフレーション」のイメージを強調する際に用いるマスメディアも多い。

    ハイパーインフレの発生は、通貨を媒介とした交換経済を麻痺させることや、不確実性の高まり[5]によって、生産活動や投資への意欲を喪失させることで、国民経済に重大な影響をもたらす。

    ハイパーインフレは主に、経済の提供可能な水準を超えて政府がシニョリッジの獲得を図る時に発生する。この時、貨幣供給量が中央銀行にとって外生的に決まってしまい、もはや中央銀行は物価を抑えこむことが出来なくなる。シニョリッジ獲得のために貨幣を刷って名目貨幣残高を増やした場合、インフレーションを伴うのでシニョリッジは実質で見ると目減りすることになる。

    貨幣を刷るほどに、インフレによるこの目減りが加速度的に増加するため、政府が獲得可能な実質のシニョリッジには上限が存在する。この上限に達した状況から、政府がさらなるシニョリッジを求めて貨幣を刷った場合、インフレが一層昂進して政府は目的としたシニョリッジを確保することができない。それで、ますます貨幣を刷ってシニョリッジを獲得しようとすると、その結果インフレがさらに昂進して…、という悪循環に陥ることになる。これがハイパーインフレである。この種類のハイパーインフレは、政府の政策が変更されるという予測が、人々に形成されるまで継続する可能性がある[6]

    実際に、ハイパーインフレが起こるのは、敗戦や革命といった時期であることが多く、フランス革命の時に起こった、アッシニア紙幣の増刷によるインフレーションを、歴史上最初のハイパーインフレとする説もある[7][8]

    金塊や銀塊の地金に、通貨価値を固定する本位制では基本的にハイパーインフレは発生しないのであるが、開戦などにより本位制は停止されることが多く、この際に、管理通貨制度に移行し戦時財政が野放図になってしまったり、敗戦により多額の賠償が発生する(惧れがある)場合、通貨信用は喪失され急激で一時的なハイパーインフレが発生する。

    敗戦や革命以外においても、ある国の経済市場が信認を失うことでハイパーインフレが発生することがある。これは中南米などラテン諸国やロシア東欧諸国で発生した性質のもので、領域経済の成長を期待した域外諸国市場による投資が長年にわたり行われたものの、その成果が十分でなく投資に対する不信感・不安感が醸成された結果として、当該国通貨が暴落し購買力を急速に失うという現象である。(後略)』

     

     

     上述の説明において、言葉の定義としてフィリップ・ケーガンにより、年率13000%のインフレと定義されています。 また、国際会計基準審議会(IASB)によれば、「3年間のインフレ率が100%以上」と定義したりもしています。

     このように言葉の定義が不明で、結果「猛烈な物価上昇」というイメージが、人々の頭の中に植え付けられることになるわけです。

     

     ウィキペディアでいう年率13000%のインフレとは、どんなイメージでしょうか?

     これは、下記の数式で算出されます。

    1.50の12乗=1.50( 法1.50(◆法1.50()・・・・・・×1.50()=12974.63379≒13000

     (上記をぜひ、電卓でやってみてください。)

     

     この「1.50の12乗」をどう考えるか?

     毎月50%の物価上昇が12か月続くとすれば、上記数式となり、めでたくハイパーインフレ13000%達成となります。毎月50%の物価上昇とは、今日100円の缶コーヒーが、1か月後150円、2か月後225円、3か月後337.5円・・・12か月後12,974円 と説明すれば、皆さんもイメージできるでしょうか?今日100円の缶コーヒーが、1年後に約13,000円になるというのがハイパーインフレのイメージであり、言葉の定義としては、年率13000%の物価上昇となります。

     

     私が思いますに、ハイパーインフレという言葉を口にする人は、こうした言葉の定義をわかって言っているのでしょうか?それともわからないで言っているのでしょうか?

     

     それだけではありません。おそらくインフレという言葉の意味が、インフレギャップが発生している状態、逆にデフレーションは、デフレギャップが発生している状態、即ちインフレ・デフレは、需要の過不足現象なのですが、そのように理解した上で、ハイパーインフレーションという言葉を使っているでしょうか?

     

     私には到底、そう思いません。つまり大学教授にせよ、エコノミスト、アナリスト、新聞記者、国会議員、いずれもなんとなくお金を刷るとインフレになると思い込み、紙幣をたくさん刷れば刷るほど高インフレ、ハイパーインフレになると思い込んでいる人がほとんどではないでしょうか?

     

     

     実際は、安倍政権は猛烈な勢いで通貨発行をしています。具体的には日銀が国債を銀行から買い取り、日銀当座預金を増やす形で通貨発行をしております。ところが、どうでしょうか?物価上昇は果たせるどころか、GDPデフレータはマイナスを続けており、ハイパーどころか、インフレにすらなっておりません。

     

     ウィキペディアの文章の中に「実際に、ハイパーインフレが起こるのは、敗戦や革命といった時期であることが多く、フランス革命の時に起こった、アッシニア紙幣の増刷によるインフレーションを、歴史上最初のハイパーインフレとする説もある[。」とあります。敗戦や革命後は、フィリップ・ケーガンの定義の13000%だったかどうかはともかく、ハイパーインフレが発生する可能性はあります。

     

     なぜならば、インフレは需要の過不足説であると私は申し上げました。戦争状態では、国内の供給力が破壊されたり、安心して設備投資や人材育成への投資をすることができず、結果的に需要に対して、供給が不足し、需要>供給 となることから、物価上昇するということは普通にあり得ます。

     ところが、ウィキペディアの説明では、「紙幣の増刷が歴史上最初のハイパーインフレとする説もある」と述べていまして、これは間違っており、こうした論説が人々に誤解を生むものと思うわけです。

     

     紙幣をどれだけたくさん増刷しても、物価が上昇しないことは、日本を見ればわかるはず。金融緩和をどれだけ継続したとしても、それだけで物価上昇するわけがありません。何しろ物価とは、物・サービスが値段を高く多く買われれば価格上昇し、値段を安く少なく買われれば価格下落するという事象のことをいいます。

     

     わかりやすく例えれば、日銀が1000兆円追加で借金をしたとして、私が焼き芋を食べるために1000兆円の紙幣を燃やしてしまったとして、物価には影響が全くないわけです。金融緩和だけをやっても、需要創出をしない限り、ハイパーどころか、インフレになりようがないのです。

     

     

     というわけで、今日はハイパーインフレについて述べました。通貨発行すれば・・・お金をたくさん刷れば・・・、インフレになるというのは、まったくの大うそ・デタラメだということを、皆さんにご理解いただきたく思います。それには、インフレ・デフレが、貨幣量の増減ではなく、需要の過不足現象であるということの理解も必要です。

     ぜひ、私たちが知見を高め、識者(エコノミスト、アナリスト、経済学者など)と呼ばれる人が間違った情報発信をしていることを、知っていただきたいと思います。

     

     

     


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