欺瞞満載の大阪都構想

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    JUGEMテーマ:大阪維新の会

     

     今日は、2015/5/17に実施された大阪都構想の住民投票に関連し、大阪都構想について意見します。

     

    本題の前に、政令指定都市について簡単にご説明します。

    日本では国家を構成する自治体として、基礎自治体というのがあり、下記の 銑イ吠類されます。

     

    \令指定都市=人口50万人以上の都市で、財政的に自立している

            全国で20か所 関西では4か所(大阪市・京都市・神戸市・堺市)

    中核市=財政的に自立している 東大阪市・枚方市など

    0貳婿圈畉眄的に自立している その他

    つ村=財政的に自立している

    テ段牟茵畉眄的に自立していない=東京都からお金をもらっているという点で自立していない 東京に財政的に従属している 東京都の23区が該当する

     

    権限の強さ: 筬◆筬>ぁ筬

     

    よくある誤解なのですが、特別区の方が政令指定都市よりも権限が強くて上位に位置すると思われる方が居られるかもしれません。

    政令指定都市は、地方自治法第252条の19項以下に定められた日本国の都市制度の一つで大都市に該当し、権限は東京の23区より上に位置します。この権限というのは、市町村で集めた税金を自分たちで使える、地方交付税交付金をもらってそれも自分たちで使えるという点で自立しているということからです。例えば、町村でさえ、町村で集めたお金と地方交付税交付金を財源とし、自分たちでお金を使うことができます。東京都23区は自分たちが徴収した税金を自分たちで使えないのです。

     

    <参考>我が国の政令指定都市

     

     

     政令都市自らが、「特別区になりたい」なんて話は、通常あり得ません。例えば、京都市民が京都市解体するなんて話は出ていません。もし、京都市を解体するなんてなれば、京都市民は激怒することでしょう。神戸市も同じだと思います。

     多くの政令指定都市は平成の大合併で、ようやく人口50万人以上として勝ち取ったということであり、その政令指定都市が、権限が一番弱い特別区になるなんてのは、あり得ないのです。

     だから、京都市民から見たら、なんで住民投票で大阪市を解体すべきという人が半分近くもいて、接戦になったのか?理解できなかったでしょう。

     

     また、既存の東京都23区で言えば、特別区の区長会の要望は、早く市になりたいという区長がほとんどです。特別区で、特別区のままでありたいなんて特別区はありません。

     

     大阪市民が大阪都構想に賛成するということは、政令指定都市で権限が最も強い大阪市を、権限が最も小さい市を解体して区になろうとしていることに賛成することなのです。

     

     その発端は二重行政の解消です。維新の会の言い分では、大阪市と大阪府の二つの行政があって、無駄だという論調です。

     

    ●大阪市は都道府県並みの権限がある

    ●大阪府も権限がある

    ●その権限がある自治体が二つが存在しているから二重行政で無駄だ

    ●東京の場合は東京に財源が集中していて、思い切った経済政策がとれ、そのため東京はうまくいっている

    ということで、二重行政の批判が続きます。

     

     大阪の場合は、大阪府と大阪市に権限と財源が分散しており、そのため思い切った経済政策がとれないから大阪は経済的に低迷していると主張しています。

     

    ●二重にやっている部分が無駄

    ●二重行政を解消すれば、二重だから重なっている一重部分を取り除いても市民に弊害がない
    ●なんで無駄なことをやっているのか?言えば、公務員の仕事を確保するために無駄をやっている

    ●二重行政を解消すれば、無駄が省けて市民の暮らしも向上する

     

    そして、二重行政を解消することで4000億円がねん出できると松井知事は述べています。

    ●市民にとっては痛くもかゆくもない、二重行政だから

    ●困るのは公務員と地方議員だけだから、大阪市民のためにどんどん進めるべき

     

     これ、片方(ここで言えば、公務員と地方議員)を悪者にして叩くというプロパガンダですね。こうした言い回しに、ルサンチマンを抱いている人々は、ほとんどが上述の方向性を正しいと思うでしょう。また家計簿的な財政の発想を持つ人も、無駄削減というワードについて正しいと思うことでしょう。

     

     ところで、この二重行政で4000億円ねん出できるといっていたわけですが、実際のリストを見ますと、960億円程度しかねん出できないことが、後日判明しています。

     

     この段階で、既に4分の1にねん出額は減少。しかも、リストの中身がデタラメです。例えば彼らが言う二重行政のリストのトップに挙げられたのは、地下鉄です。

     

     大阪市民からすれば、当たり前ですが、大阪を見回しても、大阪市営地下鉄は存在しますが、大阪府営地下鉄は存在しません。

    地下鉄を民営化するといっているだけ。別に二重行政ではありません。

     

     地下鉄の次に挙げられたのは、市バスです。これまた、大阪市バスは存在しますが、大阪府バスというのは存在しません。

     

     もし、大阪市営地下鉄御堂筋線の下に、大阪府衛地下鉄が走っていて、どっちも乗客が半分以下である。または市バスとほぼ同じ路線を府バスが走っていて、どっちも乗客が半分以下である。これが実態なら、どちらかを失くしても市民にとって困ることはないかも知れません。

     ですが、実際は府営地下鉄も府バスも存在しません。どちらも、民営化してお金をねん出するといっているだけで、二重行政とは関係ないのです。

     

     ごみの収集(清掃事業)についても、大阪市がごみを収集していますが、大阪府は収集していません。これも民営化するだけで、二重行政とは関係ありません。

     

     他にもリストの中には大学があります。例えば、大阪府立大学と大阪市立大学が両方存在して、大阪市民は困っているのでしょうか?

     百歩譲って、競争倍率が両方とも0.5倍で、定員が半分しか埋まっていないということであれば、府立大と市立大をくっつけようとなるかもしれません。府立大も市立大も競争率1倍以上あります。市民にとって二重で困っているということはないのではないでしょうか?

     

     他にも、「府立図書館、市立図書館」「府立病院、私立病院」「府立の体育館、私立の体育館」がリストにありました。それで大阪市民が二重で困っているか?と言えば、困っていないのではないでしょうか?

     例えば、両方とも稼働率が半分以下で、使われていないというのであればくっつけようとなるかもしれません。実際は、体育館は稼働率両方とも90%を超えており、需要は十分にあるのです。

     

     

     というわけで、大体ねん出できるのは1億円、甘く算出しても3億円。「1億円〜3億円をねん出するために大阪市を解体する」というバカバカしい話が大阪都構想の真実です。マスコミは、こうしたことを取り上げません。また、日本維新の会は、大阪都構想に反対する藤井聡氏を、テレビに出させないようにするといった報道規制を掛けようと働きかけました。

     いずれにしても、真実を知った上で賛成する、反対する、これが大事です。さもなければ取り返しがつかなくなるのです。ダメだったら戻せばいいと思われる方、一旦解体すると市に戻すためには法律を作ることから始めます。かなりの時間と労力をかけることとなり、その間は生産性が落ちて、より一層大阪の衰退に拍車がかかることでしょう。

     かつての民主党政権誕生の時のように、「ダメだったら戻せばいい!」というファミコンでゲームを一旦リセットするということができないのが、この大阪都構想の問題でした。

     「大阪府→大阪都で、 東京都のようになるので、いいのでは?」という考えを持たれている方もおられるかと思います。大阪都構想とは、そういう話ではなく、政令指定都市という最も権限が強い自治体を自ら解散して、権限の弱い特別区になるということ。そして、それは大阪市民にとっては、大阪市民のための予算が削られ、大阪府に吸い上げられてしまうので、大阪市民にとってはマイナスでしかないのです。賛成の論説をする人も、こうしたことを理解した上で賛成するのであれば、それはそれで一つの考え方ではあります。

     とはいえ、事実を理解した上で賛成・反対の論説をしていただきたいと思うのであります。


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