介護業界が人手不足になる理由

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    JUGEMテーマ:人手不足

     

     私は、安倍政権の緊縮財政運営に批判を続けています。その一つが、存在しない財政問題を言い訳に、2015年度の介護報酬を2.27%引き下げました。これも緊縮財政の一環です。

     結果的に、ただでさえ人手不足だった介護業界から、ますます生産者が離散していく事態となったのです。

     

     2015年2月23日に、社会保障審議会福祉部会の福祉人材確保専門委員会が公表した「介護人材の確保について」によれば、「きまって支給する現金給与額」の産業平均が月額32万4000円であるのに対し、介護事業は月額23万8400円にすぎません。

     ホームヘルパーは月額21万8200円、福祉施設介護員は月額21万8900円です。

     

     男女別に見ますと、以下の通り。

     

    男性の産業平均:月額35万9800円

    介護事業   :月額27万600円

    ホームヘルパー:月額23万5000円

    福祉施設介護員:月額23万5400円

     

    女性の産業平均:月額24万9400円

    介護事業   :月額22万6300円

    ホームヘルパー:月額21万3000円

    福祉施設介護員:月額21万600円

     

     産業平均と比較し、男性の介護事業従事者であっても、月額10万円近い給料の差があるのでは、人材が居着かなくて当たり前です。男性のホームヘルパーや福祉施設介護員は、産業平均との給与の差が10万円を上回ります。

     ここまで給与に差があるのでは、介護事業に生産者が集まらないのも無理はありません。

     介護産業は、現在の日本にしては珍しく潜在的な需要が拡大していくことが確実な分野です。

     

     にもかかわらず、安倍政権は介護報酬を拡大するどころか、むしろ縮小しました。政府が「出すべきお金」を十分に出さないのでは、介護事業の賃金水準の上昇するなど、あり得ません。

     

     なぜ、政府は明らかに需要が拡大している介護事業においてまで、緊縮財政を強行するのか?介護事業の賃金水準の上昇を抑制することが目的です。

     

     直近のデータを見ますと、日本の介護福祉士の登録者数は120万人規模であるのに対し、介護福祉従事率は、60%に満たない状況となっています。(下記グラフを参照) 

    (出典:厚生労働省)

     

     グラフを見てご理解できると思いますが、介護福祉士に登録していても、従事していない人が50万人規模で存在するということなのです。

     もし、政府が適切な規模に介護報酬を拡大し、介護職員の給料が労働に見合う水準にまで引き上げられたとすれば、何が起きるでしょうか?

     もちろん、介護職を志しながら給料が安すぎるために業界を去った介護福祉士たちが戻ってくることになるでしょう。結果的に介護業界の人手不足は解消に向かうでしょう。

     この場合、介護業界以外の業界に人手不足が伝播して、全体的に国民の実質賃金が上昇する状況にもなります。何しろ介護業界は規模が大きいため、介護報酬の引き上げは、日本国全体に人手不足を拡散し、国民の実質賃金を上昇させる切り札になり得るのです。

     

     この時、困るのはだれか?それは、グローバル投資家や、グローバル市場を意識し、自社の人件費上昇を望まない経営者、あるいは人々がバックアップする政治家や官僚、学者にとっての話です。

     多数派の日本国民にとっては、国内の人手不足が加速して、実質賃金が上がらざるを得ない状況ほど、ありがたい環境はありません。

     

     さらに言えば、政府が財政問題を理由に介護報酬の削減を続けると、当たり前ですが介護業界の人手不足は終わりません。だから「外国人労働者の受入ですよ!」という話になってしまいます。結果、グローバリズムの「人の移動の自由」が推進され、介護業界の人手不足を理由に、外国移民が続々と入ってくることになります。

     

     当然ながら、外国人労働者を送り込むビジネスで利益を上げる企業(例えば、竹中平蔵が取締役になっているパソナグループなど)、投資家たちが存在します。私たち日本国民は、将来中国人に介護されて人生を終えることになるのでしょうか?

     

     日本国内で、日本国民と外国人が賃金引き下げ競争を展開すれば、自動的に企業の人件費は圧縮され、配当金や自社株買いの原資となる純利益も増えます。自己利益のみを追求するグローバル投資家らも、大いに喜ぶことでしょう。

     

     反対側で、日本国民は不幸になっていきます。こうしたことに気付いたのが、NAFTA(北米貿易自由協定)でメキシコから安い労働者が入ってきて、賃金が伸び悩むこととなったアメリカであり、それを正そうと大統領選挙候補に名乗りを上げたトランプであり、バーニーサンダースといった政治家です。

     

     トランプやバーニーサンダースは、過激だのナショナリズムだの、マスコミによるネガティブ報道満載でしたが、実は米国経済の問題の本質を見事に捉えていたと思うのです。トランプが「CNNはニセニュースだ!」という主張も私には理解できます。

     

     

     というわけで、今日は介護業界における人手不足について意見しました。プライマリーバランス黒字化が間違っていることに気付かないと、介護報酬を引き上げるという発想すら浮かばないでしょう。こうした人々が、日本の中枢にいて政策や財政運営をしているというのが日本の現状です。

     これを正すためには、私たち国民が正しい知識を持って知見を高めていく必要があると思うのであります。なぜならば、政治家は国民の鏡だともいえるからです。私たちが知見を高めれば、正しい政策が打たれ、結果日本は米国や中国の国力を遥かに超越して世界のリーダーに輝くことができると思うのであります。


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