「日銀が国債を買い取るとハイパーインフレになる!」のウソ

0

    JUGEMテーマ:年金/財政

     

     今日は「日銀が国債を買い取るとハイパーインフレになる!」というフレーズについて意見します。

     

     読者の皆さんの中に、ハイパーインフレという言葉を聞いたことがある人、居られるかと思います。ハイパーインフレとは何でしょうか?

     

     Wikipediaによれば、次の定義とされています。

    『最低でも国際会計基準の定める3年間で累積100%(年率約26%)の物価上昇、フィリップ・ケーガン(英語版)による定義では月率50%(年率13,000%)を超える物価上昇を『ハイパーインフレーション』と呼んでいる。但し具体的なインフレーション率の値によるのではなく、単に「猛烈な勢いで進行するインフレーション」のイメージを強調する際に用いるマスメディアも多い。(後略)』

     

     日本政府の負債は100%日本円建てです。

     また、日本銀行は日本政府の子会社です。ご存知の方も居られると思いますが、日本銀行は証券コード8301で上場しています。そして日本政府は、日本銀行の株式の55%を保有しています。即ち日本銀行は日本政府の連結子会社なのです。

     

     

     上記は、日本銀行のヤフーファイナンスのチャートです。東京証券取引所で売買されています。

     

     このことが意味することは何か?安倍政権・黒田日銀総裁が、2013年に安倍政権が誕生してアベノミクスで金融緩和をやっています。この金融緩和は、日本政府が連結子会社である日本銀行に日本円を発行させて国債を買い取らせています。

     

     日銀が買い取った国債はどうなるか?

     親会社の借用証書を子会社が買い取ったことになり、買い取った国債について、親会社と子会社の間では、連結決算上では相殺されます。つまり国債の元金について、親会社の政府が子会社の日銀に返済してもしなくてもいいのです。また、利払いについても、政府が日銀に払ってもいいし払わなくてもいい。実際は、政府が日銀に利息を支払い、日銀が決算を迎えると、国庫支出金として日本政府に戻しているというオペレーションをしています。

     

     というわけで、金融緩和で日銀が国債を買取するということは、実質的に返済しなければならない借金(政府の負債)が減っていることを意味するのです。

     「消費増税をしなければマーケットから信認を失って国債が暴落する!」という言われ方もされます。マーケットの信認という言葉が何を意味するのか?定義不明ですが、信認を失おうがどうしようが、国債が暴落したら、日銀が国債を買い取ればいいだけの話。「はい!終了!」ってわけです。

     だから、円建て国債について、日本政府が返済ができなくなる・利払いができなくなるという可能性は、”限りなく低い”ではなく”可能性ゼロ”なのです。

     

     ところが、こんな話をすると、「もし、そんなことをすればハイパーインフレーションになる!」という反論する人もいるでしょう。現実の日本において、2013年3月以降、300兆円超の日本円(主に日銀当座預金)を発行し、国債を買い取り続けています。ところが、2016年のインフレ率は▲0.2%です。ハイパーどころか、インフレにならないで困っているのです。

     

     日本のインフレ率が上昇しない理由は何でしょうか?

     物価とは、私たちが働き、生産した「モノやサービス」という付加価値が購入されることで初めて上昇します。日本銀行がどれだけ莫大な国債を買い取ったところで、反対側で政府の緊縮財政という「モノやサービス」を買わない、民間に購入させない政策を推進している以上、インフレ率が上がるはずがないのです。

     

     「モノやサービス」を買わない → 政府が支出を減らして値段を安く買う・個数を少なく買う を意味します。公共工事を削減するというのも該当します。

     

     「モノやサービス」を民間に購入させない → 例えば 医療・介護報酬引き下げにより、日本国民の自己負担額が増えることで医療サービスを使う回数を減らす というイメージです。少々風邪をひいても病院に行くのを我慢するとか、医療報酬引き下げや健康保険の自己負担増によって、医療サービスを受ける回数が減る そんなイメージです。

     

     米国では骨折しても病院に行かない人がいると言います。国民皆保険が存在しないから、治療費が高くて払えないから。だから、オバマは日本の国民皆保険を見習い、医療保険を導入しようとしたのですが、制度上の欠陥が多く失敗してしまいました。(オバマケアの失敗と日本が誇れる国民皆保険

     

     政府がこのように緊縮財政を推進している以上、何兆円もの日銀当座預金を増やし、国債買取を続けたとして、インフレになりようがなく、インフレ率は上昇しません。国債は「モノやサービス」ではないからです。

     

     「モノやサービス」でない国債をどれだけたくさん買ったとして、日銀当座預金を増やす形で通貨発行をしたとしても、ハイパーインフレになることはないということがご理解いただけるのではないでしょうか?

     

     しつこく繰り返しますが、100%日本円の円建て国債が、デフォルト(財政破綻)する可能性は”ゼロ”です。それにも関わらず、日本では多くの識者と称する連中が、「国債暴落」「財政破綻」といったデタラメ・ウソの破綻論をまき散らし、デフレ脱却のための財政出動が妨害されてきました。

     

     本ブログの読者の方でさえ、私の解説を受けたとしても、「いや!それでも日本政府が財政破綻する可能性は”ゼロ”ではないのでは?」と懸命に財政破綻のロジックを考えようとする認知的不協和に陥る人も居られるでしょう。

     

     認知的不協和とは、認識が間違っているという「真実」を突きつけられた際に、懸命に「いや、自分は間違っていないはずだ!」と自分を正当化させる理屈を探し求める心理的行動のことを言います。人間は、誰しも自分が間違っていたということを簡単に認めることができないのです。

     

     いわゆる「国の借金」の問題で言えば、日本が財政破綻することはないという事実を教えられても、簡単に認めることができない人は多い。何しろ過去何十年と「日本は国の借金で破たんする」と信じ込んでいたわけです。いろんなデータや論理によって日本の財政破綻を否定された際に、多くの財政破綻論信仰者たちは、必死に知恵を絞り、「いや、自分は間違っていない。日本が財政破綻するロジックはあるはずだ!」と不毛な思考を始めるのです。

     

     大変残念な話ですが、日本政府が財政破綻する可能性は”ゼロ”です。そして国債買取を続けてもハイパーインフレになりようがないのです。理由は、しつこいですが、日本政府の子会社の日本銀行が、日本国債を「日本円を発行して」買い取ることが可能であるためです。日銀が国債を買い取ると、政府の負債の債権者が、市中銀行(三菱東京UFJ、SMBC、みずほなど)から、日本銀行に移ります。日銀が保有する国債については、日本政府は返済も利払いも必要ないのです。(もちろん返済しても利払いしても構いません。)何しろ、親会社子会社の関係である以上、連結決算で相殺されるからです。

     

     

     というわけで、今日は「ハイパーインフレ」をメインにご説明し、物価上昇についてご説明しました。と同時に、日本銀行が上場していることをご説明し、55%を日本政府が株式を保有していることも説明しました。こうした事実がわかりますと、「財政破綻する!」「家庭の借金●●●万円!」「消費増税を延期するとハイパーインフレになる!」といったフレーズが、ウソ・デタラメであるか?ご理解いただけるのでは?と思います。

     これは精神論でもなく、価値観の問題でもありません。統計上・法律上・企業会計上そうなるのです。皆さんの周りで、もし「日本は借金で破たんする!」と心配している人いたら、ぜひそうした人にこの事実を教えてあげてください。

     

     


    コメント
    コメントする








       

    calendar

    S M T W T F S
        123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    252627282930 
    << November 2018 >>

    スポンサーリンク

    ブログ村

    ブログランキング・にほんブログ村へ
    にほんブログ村

    recent comment

    • ハロウィーンは日本のお祭りとは違います!
      ユーロン (11/12)
    • オプジーボが医療財政の大きな負担であるため保険の適用外にしたいと思っている財務省
      SSST. (10/13)
    • サムスン電子について
      故人凍死家 (09/26)
    • 財務省の役人は、なぜ緊縮財政なのか?
      吉住公洋 (09/26)
    • 生乳流通改革という欺瞞と、イギリスのミルク・マーケティング・ボード
      富山の大学生 (06/05)
    • オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス
      師子乃 (10/02)
    • オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス
      mikky (12/01)

    profile

    search this site.

    mobile

    qrcode

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM