藤井聡内閣官房参与の提言「PB目標取り下げ」について

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     今日は2017/5/26付の産経新聞の記事「藤井聡内閣官房参与インタビュー 「PB目標取り下げを」 経済底上げに特別枠5兆7千億円規模提言」について取り上げます。

     

    記事の概要は以下の通りです。

    「内閣官房参与の藤井聡・京大大学院教授が26日までに産経新聞のインタビューに応じ、達成が難しくなっている平成32年度の国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)黒字化目標を「取り下げるべきだ」と語った。財政支出を拡大してデフレ脱却を速めるためで、30年度当初予算では、経済を底上げする政策に重点配分する「特別枠」を5兆7千億円規模で設けるべきだとも提言した。一問一答は次の通り。

    −−来年の経済財政運営の指針「骨太方針」ではPB目標の扱いを議論する

    「PB目標は、達成時期を後ろ倒しにするのでなく堂々と取り下げるべきだ。PB目標があれば(国債発行が制限され)本格的な手を打てない。民間がお金を使わない現状では、政府が使わなければ経済が駄目になる。(積極的な財政支出を背景とする)PB赤字は経済を進める『ジェットエンジン』だ」

    −−PB目標が撤回されれば、日本の財政の信認が揺らぐとの意見がある

    「『デマ』だ。国際的な要請は、債務残高の対国内総生産(GDP)比率の引き下げで、PB黒字化はその手段にすぎない。英国やフランスは(財政)規律目標を撤回したが、国債市場に混乱は起きなかった。日本は低金利で債務拡大が抑制されている。GDPが成長すれば、債務残高の対GDP比率は下がる」(後略)」

     

     

     皆さんの中には、

    「プライマリーバランス目標の黒字化は国際公約だ!」

    「消費税増税を延期すれば、財政の信認が揺らいで、国債が暴落して、金利が暴騰する!」

    こうした新聞記事やコメンテーターの発言を目にしたり耳にしたりしませんでしょうか?

     

     これらの論説は、デマ・ウソです。国際公約とか、自国の税制や財政政策について他国にとやかく言われる筋合いはありません。内政干渉です。小島よしお的に言えば、「そんなの関係ねー!」ってことです。

     また「消費税増税を延期すれば、財政の信認が揺らいで、国債が暴落して、金利が暴騰する!」で言えば、この人たちに

    「財政の信認って何ですか?定義を教えてもらえませんか?」

    「国債の信認って何ですか?定義を教えてもらえませんか?」

    と聞いてみてください。定義を明確に言うことができないはずです。

     

     そして定義を明確に言うことさえできないこうした論説により、国民が騙され、政治家が正しい政策が打たれないというのが今の日本の姿です。

     

     100歩譲って国際公約についていえば、「政府の負債対GDP比率を持続可能にすること」であり、プライマリーバランス黒字化は国際公約ではありません。あくまでも政府の負債対GDP比率を黒字化させるための手段として出てきた話です。

     ただし、実際にプライマリーバランス黒字化に固執すれば、政府支出を削減、緊縮財政せざるを得なくなり、結果、投資と消費が減ってGDPは減り、税収も落ち込みます。今の日本の姿です。

     

     また「金利が暴騰する!」「国債価格が暴落する!」という人々に対しては、まず「消費税増税が延期されて、実際に金利が暴騰したか?国債価格が暴落したか?長期金利のグラフや国債価格のグラフを見てください!」と言いたい。

     

     「金利が暴騰する!」「国債価格が暴落する!」ということであれば、「日銀か買えばいいのでは?」と反論してみましょう。きっと答えられないはずです。

     

     こうした「金利の急騰」「国債の暴落」を夢見る財政破綻論者が頭が悪いと思うのは、「金利の急騰」「国債の暴落」したら日銀が国債を買えばいい話なのに、なぜか日銀か国債を買わないことになっている点です。日銀が買えばそれで終わりです。

     

     さらに言えば、プライマリーバランス黒字化を推し進めれば、緊縮財政を推進することになって税収が落ち込むわけで、財政健全化になるどころか、アイスランド・アイルランドの事例を見れば、むしろ財政破綻の方向に突き進みます。

    (参照ブログ「日本をギリシャ化して財政破綻させる方法とは?」「憲法改正で財政規律条項を入れる動きに反対!」)

     

     私は藤井聡氏の論説に賛成であり、プライマリーバランス黒字化目標は、さっさと辞めるべきだと考えています。

     

     

     というわけで、今日は内閣府参与の藤井聡氏のプライマリーバランス目標黒字化は破棄すべきとする論説について取り上げました。実は私は、藤井聡氏の講演を直接聞きに行ったことがあります。2017/4/25(火)に東京都トラック協会ロジスティクス研究会オープンセミナー物流フォーラムに出席し、「物流業界を取り巻く環境変化への対応」ということで、藤井聡氏の講演を生で聞きました。藤井聡氏は私が応援したい言論人の一人でもあり、今後も活躍を期待しております。ぜひ、皆さんも藤井聡氏の記事を見かけましたら、興味深く記事をお読みいただければと思います。

     

    <写真:内閣官房参与の藤井聡氏>


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