「日本の農業・農家は世界で最も保護されている!」は本当か?

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    JUGEMテーマ:農協

     

    今日は掲題をテーマに意見いたします。

     

    ブログ読者の方の中には、次のような認識をお持ちの方がきっと居られると思います。

    「日本の農業、農家は、世界で最も保護されている。農協の政治権力が強いためだ。だから、農協は解体する必要がある。」

    「全農は、独占的に農家や農協に高く農薬や肥料を売りつけている。だから、農協改革が必要である。」

    「全中は、農協のビジネスを妨害し、政治運動で司令塔の役割を果たしている。」

     

     

    これらは、完璧なウソです。

     日本の農家の所得に占める「直接財政支出(要は税金からの支出)」の割合は、主要国の中で最低です。欧州は言うまでもなく、米国よりも少ない。さらに日本の農業では、米国が採用している輸出補助金制度はありません。日本ほど農業を「保護していない」主要国は無い、というのが真実です。

     そして、農家や農協は、別に全農から農薬や肥料を買い付けなければならない義務はありません。全農の製品価格が高いというのならば、普通に他の業者から買えばいいだけの話です。実際にそうしている農家や農協が多いのも事実です。

     さらに全中は、農協が支払う「賦課金」で成り立っています。全中にとって、各地の単位農協はお客様であり、「支配下」にあるわけでも何でもありません。どこの世界にお客様のビジネスを妨害する組織があるというのでしょうか?

     全中は各地域の農協の要望を取りまとめ、政府に「建議」する役割を果たしているに過ぎず、別にJAグループの政治運動の「頭脳」でも何でもありません。各地の農協にしても、もちろん全中の号令に従う義務があるわけではありません。

     

     

    農協にしろ全中にしろ、どういう役割か?農業事業の一体経営で成り立っており、そのイメージは下記の図の通りです。

     

    【農業事業の一体経営】

     

     

    先ほどのウソとは別に、読者の皆様の中に、次の事実をご存知の方は居られるでしょうか?

    ●アメリカの金融業界が、農林中金やJA共済という巨大マーケットを喉から手が出るほど欲しがっていて、2015年の農協改革において、将来的に農協の金融事業の市場にアメリカの金融業界が参入するための布石が打たれた。

    ●世界最大の穀物メジャーのカーギル社にとって、世界で最も買収したい『競合相手』は、株式買収が不可能な協同組合である全国農業協同組合連合会(全農)である。2015年農協改革で、全農の株式会社化への道筋がつけられた。

    ●2015年の農協改革において、農地法及び農業委員会等に関する法律も改正され、農業に従事しない外国資本であっても、農地を所有する株式会社(農業生産法人)に49.9%まで出資可能となった。

    ●2015年の農協改革において、農地を商業地などに転用することを認可する農業委員会の委員が、地元の農業従事者からの公選制から、地方自治体の首長による『任命制』への変わった。

     

     

     マスコミ(TV新聞)どもは、農協改革について、「全中の社団法人化」という本質とは言えない部分ばかりをクローズアップさせ、より問題が深刻な上述の部分については、一切報道されていません。

    結果、地域消滅や食料安全保障の崩壊をもたらす農協改革について、多くの日本国民が拍手喝さいしている有様であり、まさに愚民と言えます。

     かくいう私もまた、農協改革に興味を持ち、農業協同組合新聞の記事などを読んで調べるようになるまでは、日本国民の大多数と同じ「愚民」の一人でした。

     調べれば調べるほど、多くの国民が「真実」を知る必要があると思ったわけです。

     

     というわけで、今日は「日本の農業・農家は世界で最も保護されている」といフレーズについて、真実と異なるということをお伝えしました。種子法廃止法案にしろ、農業競争力強化支援法にしろ、「農家・農業に競争原理を導入すべき!」という安全保障を理解していない連中らが多いことは、大変問題です。私たちの口にする食べ物が安心して食べられるのは何故なのか?農協が大きな役割を果たしているということについて、改めて皆さんに知っていただきたいと思うのであります。


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