規制改革推進会議から出てくるデフレ推進の法律
JUGEMテーマ:経済全般
今日は、規制改革推進会議についての話題を取り上げます。
まずは日本経済新聞の次の記事です。
『2017/5/23 21:03 読売新聞 客室数の下限規制撤廃を答申…規制改革推進会議
政府の「規制改革推進会議」(議長・大田弘子政策研究大学院大教授)は23日、観光や長時間労働是正などに関する規制緩和策141項目をまとめた答申を安倍首相に提出した。
観光分野では、2020年東京五輪・パラリンピックに向けた訪日観光客の増加に対応するため、旅館業法施行令で旅館は5室以上、ホテルは10室以上とする客室数の下限規制の撤廃を盛り込んだ。
答申は旅館業法について「過剰な規制は事業者の創意工夫を阻む」と指摘。和室は布団、洋室はベッドと定める寝具規制や、「受付台は1・8メートル以上」などとする玄関帳場の数値規制なども撤廃を促した。
後略)』
上記の通り、規制改革推進会議で、5/23に141項目をまとめた答申を安倍総理に提出しました。
その中で社会保障改革、働き方改革などが取り上げられていますが、大玉が少なく、成長の底上げには力不足であることは否めないと報じされています。
例えば、介護保険と保険外サービスを組み合わせるとか、限定正社員制度を導入するなど、経済成長のための底上げには不十分というわけです。当たり前ですね。デフレ脱却に、そして経済成長に一番つながるのは、政府支出を増やすことなわけですから。
こんな基本も知らず、むしろデフレ下で供給力を増やす方向の規制改革をすれば、更にデフレが進んでいくことになる。
需要が不足しているのに、供給力を増やす規制緩和をしてどうするのでしょうか?
この程度のことも知らないで、太田弘子だか何だか知りませんが、政策研究大学大学院教授が務まるのですから、ダメなのだと思うわけであります。
観光分野で、2020年の東京オリンピックに外国人観光客の宿泊需要に対応するため、旅館は5室以上、ホテルは10室以上という客室数の下限規制の撤廃を盛り込んでいます。
デフレだから値段を下げないと稼働率が減ってしまうという状況で、需要が増えることはイイこと。
客室数の下限規制の撤廃という旅館業法の修正は、新規参入したいけど「5室以上なんて規制は嫌だ!」という人のための法律改正です。既存の旅館ホテル業者が儲かる規制改革ならともかく、既存の業者のライバルを増やせば、必ず価格競争することとなり、デフレ圧力が高まるわけです。
せっかくデフレギャップが埋まろうとしているのに、あえて供給能力を増やす規制緩和をしてデフレギャップを作りに行くというのは、アホか?と言いたくなります。
だいたい規制改革推進会議から出てくる法律は、ほとんどが胡散臭いです。どうせ誰かのビジネスになるための法律だからです。
民泊の問題が典型ですが、トラブルが発生したとき、だれが責任を取るのでしょうか?民泊のあっせん会社は絶対に責任取りません。
マンションにお住いの人、それも分譲マンションに住んでいる方、いつ何時空き家だったのに知らない人がいっぱい入ってきてという状態が発生するかもしれません。そしてトラブルが起きた時、責任問題は不明瞭なままの状態なのです。
というわけで、今日は規制改革推進会議が安倍総理に答申を提出したニュースを取り上げました。特に民泊は問題があり、日本の街並みを壊していく可能性があって、民泊の解禁には慎重になるべきであると思います。(参照ブログ:典型的なレントシーキング “マスコミが報じない「民泊の不都合な真実」”)
しかもオリンピック開催による需要増でインフレギャップが発生しようとするところに、なぜデフレの今の状態で、デフレギャップを作りに行くのか?という問題点を指摘いたしました。
既存のホテル・旅館業者の投資を促すために交通インフラを整備するとかやれば、デフレ脱却しますが、新規参入で供給力を増やす形での規制緩和を推進するのでは、デフレ脱却が遠のくということも改めて申し添えます。
- 2017.06.01 Thursday
- 日本経済(規制緩和)
- 01:07
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- by 杉っ子