フランス・韓国の大統領選挙結果と反グローバリズム

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    5/7にフランス大統領選挙で、マクロンがルペン候補を抑えて、マクロン大統領が誕生いたしました。

    今日は、改めて主にフランス大統領選挙を振り返り、反グローバリズムについて意見いたします。

     

    フランス大統領、韓国の大統領選挙、双方の国に共通することは、グローバリズムによって国民生活が破壊されているということです。

    物・人・カネの国境を越えた移動を自由化して、規制緩和して財政は緊縮財政・均衡財政(=赤字にしないようにすること)とし、社会保障削減、公務員削減なんてことばかりやっていくと、若い世代から職が無くなって不満が貯まります。

    フランスと韓国は、その点が共通している国家です。

     

    文在寅を支持したのは若者で、グローバリズムの悪影響を受けた世代です。

     

    <2015年度 主要国の若年層失業率> 

                                      (単位:「%」)

     

    2015年度の主要国における若年層失業率を見ますと、

    フランス:24.7%

    韓国  :10.4%

    日本  : 5.3%

     

     スペイン・ギリシャの49%という数字もひどいですね。若者が人材として育たない。どれだけ優秀な大学を卒業していようと、就労経験がなければ人材になり得ません。そういう意味でフランスの24.7%という数字もまた4人に1人は、人材に育たない環境と言えます。日本は世界で一番恵まれているということが、上記のグラフでお分かりいただけると思います。

     

     ところで、韓国の10%は、数字のマジックがありまして、実は、韓国政府は若い世代の失業率について、国際標準の15−24歳「若年失業率」ではなく、オリジナルな15−29歳の「青年失業率」で公表しています。当たり前ですが、25歳から29歳までの若者は、15歳から24歳と比べると、仕事を得ている可能性が高い。すなわち、韓国の青年失業率は、若年層失業率よりも低くなる傾向があるのです。

     

     さてフランス大統領選挙では、マクロン大統領が誕生しましたが、メランション氏の左翼党、ルペン氏の国民戦線と同様に、反EUを掲げ、20%もの票を得ています。

     反EUの人々が、第1回投票で40%、メランションとルペンに投票をしているのです。

     

     メランション氏は、もともとはヨーロッパ連合を支持していたのですが、実際にEUに加盟してみたら、経済自由主義(=グローバリズム)で、欧州連合が汚染されて民主主義が実現できず、欧州連合に反対するようになった人物です。

     

    グローバリズムが問題なのは、「グローバリズムをやればうまくいく!」という、これを国際法・国際協定で固定化することに問題があります。

     

    フランスには移民が入ってきて、既存の労働者が困って、苦境に陥っています。

    でも移民は制限できません。少なくてもEU加盟国は移民の制限ができません。

    シェンゲン協定とダブリン協定で制限ができません。シェンゲン協定を締結していなくても、EUに加盟していれば、マーストリヒト条約という国際協定により、労働者の受入を拒否することができないのです。

    シェンゲン協定を締結しているか否かで違うのは、イミグレーションで入出国審査をしないかするか?の違いだけです。

     

    緊縮財政についても、オランド大統領は緊縮財政をやっていました。

    マクロン大統領も緊縮路線を取ると言っています。公務員12万人を削減すると言っています。

    この点は韓国の文在寅大統領が公務員を81万人増やすと宣言したのと異なります。

     

    これをフランス国民が主権に基づいて緊縮財政を反対して、積極的な財政運営にしたり、韓国の文在寅大統領のように公務員を増やすということは、EUに加盟している限りできません。

     

    マーストリヒト条約によって、財政赤字はいくらまで?とか決まっているからです。

    いわば、主権が無くなってしまうというのが、EUに加盟することの真実です。

     

    かつてフランスのオランド大統領は、「グローバル金融は敵だ!」と言っていました。

    しかしながら、EUに組み込まれているために、どうにもならなかったのです。

     

    イギリスのメイ首相は、それを知っているから、だからEU離脱という道を選びました。

     

    フランスは、イギリスのようにEU離脱まではいかなかったですが、これからのヨーロッパは、「グローバリズムですか?」「反グローバリズムですか?」という方向にならざるを得ないのが、歴史の流れになるでしょう。

     

    今のフランスは大変な状況です。

    さっきも触れましたが、2015年のフランスの若年層失業率は24.7%で25%近い4人に1人が失業という状況。

    若年層失業率は、労働市場に参加していない人、例えば主婦や学生は入っていません。

    実際に働きたい意思がある若者での失業率が4人に1人の24.7%なのです。

     

    表にはありませんが、若年層失業率ではなく、全体の失業率でもフランスは10%超です。

    よくある誤解で「ヨーロッパは社会保障が充実しているから失業率が高くなるんだよ!」と言われます。

    そんなこと言ったら、今のドイツはどうなるでしょうか?

    21世紀初頭はITバブル崩壊を受けて、ドイツ経済が一気に失速し、2005年にはドイツは失業率が10%を越えました。

    そのときフランスの失業率は7%〜8%程度です。

     

    その後、ドイツにユーロのシステムをうまく利用されて、金利を下げる必要がなかったのに、ドイツのためにユーロ加盟国全部の国が金利を引き下げました。ユーロ加盟国間同士では、当たり前ですが、為替レートの変動がありません。何しろ通貨がユーロに統一化されているのですから。

     

    ドイツ製品が欧州諸国、具体的にはフランス、イタリア、スペイン、ギリシャに輸出されていく形で、またユーロ危機が深刻化すると思いきや、ユーロの価値が下がってユーロ圏外に向けた輸出を拡大するという形で、ドイツが追いつきました。

    結果、フランスの失業率は上昇して10%になってしまったのです。ドイツは日本の失業率の次に良くて4%台。

     

    でもフランス国民はどうにもなりません。EUに加盟している限り、ユーロに加盟している限り、マーストリヒト条約でがっちり決まっています。

     

    マクロン大統領は、グローバリズムの3つ、

    「自由貿易」

    「規制緩和」

    「緊縮財政」

    この3つをやっていくことになるでしょう。

     

    ドイツを中心としたグローバリズム国家に、フランス国民の所得がチューチュー吸い上げられていくことになります。

    グローバリズムによる疲弊でより悪化していくことになるでしょう。

     

    雇用対策で公務員12万人削減すると言っていますが、本来なら、失業率10%超の国で何やっているんだという話です。

    公務員削減したら、失業率が増えるのに何でこんなことをするのでしょうか?

    グローバリズムは、「自由貿易」「規制緩和」「緊縮財政」の3点セット、これがパッケージであり、この3つは絶対に一つも欠けることはありえないのです。

     

    なんでそんなことするのでしょうか?欧州連合のルールで、緊縮しなければならないからです。
    今のフランス(=フランス国民)は、今後大変な苦労をすることでしょう。

     

    グローバルに嫌気がさしたというムードはフランスでも間違いなくありました。

    そうした人々はメランション氏を支持したかったけど、ルペンが残りました。

    メランション支持の人は、マクロンには投票したくないわけです。かと言ってルペンにも投票できない。

    結果、25%が白票と無効票になったと言われているのです。

     

    マクロンが大統領になっても、フランス経済は絶対いい方向にはいきません。

    難しいのは、マクロン氏がグローバリズムを推進することで、グローバル疲れが深刻化します。

    その場合、次の大統領選挙では、ルペンとかメランションが大統領になって、EU離脱で国民投票になる可能性があります。

     

    それはそれで過激な改革であり、どっちみち大変なこと。壮大な実験とはいえ、大きなツケを国民が払わさせれることになるのです。

     

     

     そんなわけで、今日はフランスの大統領選挙の結果を踏まえ、マクロン大統領がグローバリズムをさらに推進していくことで、フランス経済がさらに悪化するということを述べました。フランスと韓国は、失業率が高く、グローバリズムに疲れた国民が多い国家という点で共通しますが、韓国の文在寅大統領は公務員81万人増加し、4大財閥を改革すると言っています。とはいえ北朝鮮問題もあり、韓国もまた先行き不透明感が漂います。日本は、外需依存すればするほど、こうした世界情勢のリスクへの感応度が高くなってしまうわけですので、内需拡大へと足腰の強い経済とするよう、政策転換が必要だと思います。

     

    (左がマクロン大統領、右はマリーヌルペン候補)


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