2016年12月から改定されたGDPの算定方法

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    JUGEMテーマ:日本のGDP

     

     今日は、2017/5/3付の日本経済新聞の記事「GDP5期連続プラス成長へ 1〜3月1.9%増 11社予測 アジア輸出けん引」という記事について述べます。

     

    記事の概要は下記の通りです。

    『2017年5月3日付 日本経済新聞朝刊 GDP5期連続プラス成長へ 1〜3月1.9%増 11社予測 アジア輸出けん引

    日本経済が息の長い成長を続けている。民間シンクタンク11社が予測した1〜3月期の国内総生産(GDP)の平均は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.5%増、年率換算で1.9%増となった。4月半ば時点の見通しより成長率は高まり、実現すれば約11年ぶりに5四半期連続のプラス成長となる。アジア向けなど輸出が伸びたほか、生鮮食品の価格高騰が落ち着き、個人消費が持ち直したためだ。(後略)』

     

     民間シンクタンク11社が予想した今年2017年1月〜2017年3月のGDPの平均値について、前期比(2016年10月〜2016年12月)で0.5%増え、年率換算で1.9%増になったという記事です。

     記事では、

    ・アジア向けなどの輸出が伸びた

    ・生鮮食品の価格高騰が落ち着いた

    ・個人消費が持ち直した

    ためということになっています。

    そして内閣府は今月の5月18日に、2017年1月〜2017年3月の速報値を公表の予定です。

     

     一方で家計に食料品などの値上げへの警戒感がこれまで以上に強まっています。

     記事のよれば、消費者庁の調査において、消費者が予想する今後1年間の物価上昇率4月時点で1.46%(前月比0.27%UP)で2016年4月以来、1年ぶりの高水準であるとしています。

     カップ麺やポテトチップスの身近な食品の値上げ、さらなる価格上昇を予想する声があるとのこと。

     

     この記事についてですが、5期連続プラスというのはいかがでしょうか?意外に思いませんでしょうか?

     2016年11月末まで、2四半期、3四半期マイナス成長でしたが、いつの間にか4期連続プラスになっていまして、実は2016年12月にGDPの算出基準が改定いたしました。

     

    <2016年11月30日付 内閣府のホームページ GDP基準改定についてのPDFファイルの表紙>

     

     改定の内容は、端的に言いますと、技術投資がプラス項目になりました。結果的に30兆円GDPがかさ上げされることになりました。今までカウントしていなかったものを、2016年12月から30兆円プラスするようにしたのです。

     

     この2016年12月以降の改定、方向性としては正しいと思います。技術投資について、お金とサービスの対価の交換であれば、GDPにカウントされるべきです。今までカウントされていなかったことの方がおかしい。とはいえ、アベノミクス第二の矢で、安倍政権が、GDP500兆円を600兆円にすると宣言していまして、この目標値について、算出方法が変わったのであれば、630兆円とすべきだと思うわけであります。

     しかしながら、安倍政権は630兆円を目標に修正していません。算出方法を変えて30兆円増えたにもかかわらず、目標値は600兆円に据え置き、目標値に近付いたとしているのです。

     

     営業数字において、計算方法が変われば、目標値も変わるべきであると思うのですが、それをしていないのです。目標値を変えて、GDPが6%(30兆円÷500兆円)増えたとしても、単に算出方法を変えただけで、経済成長をしたわけではないのです。

     

     また、個人消費が持ち直したと言っていますが、3月の実質消費は激減しています。2015年9月から2017年1月までの間で、2016年2月のうるう年効果を除くと2017年1月17か月連続で対前年比でマイナスです。

     

     

    以上の通り、日本経済新聞社は、あたかも景気が回復しているという論調で記事を書いているようですが、そもそも

    ・GDPの算出方法について技術投資を加算するという改定があった

    ・実質消費は17か月連続でマイナス

    こうした事実を知らないのでは?と思うのであります。

     

     因みにGDPで言えば、うるう年の効果で、1〜3月期の個人消費が押し上げられます。日本の場合、GDPの60%が個人消費ですので、この押上げ幅は無視できないくらい大きく、デフレの日本においては、実力を過大評価してしまうのです。

     

     もちろん日数が多いからといって、経済活動すべてに影響が出るわけではありません。例えば設備投資・技術投資などでいえば、1日多いからと言って、その分設備投資が増えるわけではありません。逆に個人消費は日数の影響を少なからず受けます。なぜならば、人は毎日食べたり飲んだりするので、日数が増えればその分だけ食費は増えます。

     

     では、うるう年による1日の増加分がどのくらいのインパクトを持つか?単純に計算すると以下の通りです。

     

     年間:1日/365日≒0.3%

     四半期(1〜3月期):1日/90日≒1.1%

     月間:1日/28日≒3.6%

     

     上記の通り、1年間平均では0.3%程度で薄まりますが、月間や四半期で見ますと、3.6%、1.1%と決して無視できる大きさではありません。

     

     

     というわけで、今日はGDP改定について説明しました。うるう年は、その名の通り、1年の日数で1日多い年ですので、GDPにしても実質消費にしても数字上はUPしやすい年です。即ち前年比(前年2月)でも前期比(当年1月)で見ても、数字が押し上げらます。統計を見る場合、こうしたことも考慮しながら、数字を見ていく必要があるわけです。皆さんも、マスコミが報道するGDP速報の分析や統括の内容については、こうしたことが考慮されないで報道されていることを、よくご理解いただければと思います。

     


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