デフレの正体とは?(デフレギャップとインフレギャップ)

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    JUGEMテーマ:経済全般

     

     今日は、デフレギャップとインフレギャップについて取り上げます。

     

     そもそもデフレは貨幣現象ではありません。バブル崩壊後、国民が借金返済や銀行預金を増やし、企業も借金返済と内部留保積上げを推進しました。この借金返済や銀行預金や内部留保積上げはGDPにカウントされません。端的に言えば、借金返済と銀行預金と内部留保を増やす行為自体、物・サービスとお金との対価に該当しません。家計や企業は、バブル崩壊後にそれらをやるのは大いに結構なのですが、ここに利益追求する必要がないNPO法人である政府までもが、緊縮財政(増税、政府支出削減)を強行すると、「需要不足」というデフレに陥ります。

     

     また、家計や企業など、デフレ環境下において、借金返済と銀行預金と内部留保を増やすことは合理的なのですが、合理的と思ってもみんなが同じことをすると不都合なことが起きる現象のことを「合成の誤謬(ごびゅう)」と言います。

     

    <デフレギャップのイメージ>

     

    <インフレギャップのイメージ>

     

     上記のイメージの通り、借金返済や内部留保積上げや個人が預金を増やすことは、GDPに貢献せず、需要拡大=経済成長に貢献しないのです。また人口減少も関係ありません。人口減少していたとしても、政府支出や設備投資や純輸出が増えれば、もしくは個人の賃金がUPして購買力が上がって、一人当たりの消費額が増えれば、人口が減少したとしても、インフレギャップは生じ得るのです。

     

     イメージ図でみれば一目で理解できると思いますが、需要不足であり、供給能力の過剰とも言えます。

    この過剰供給能力と、不足する総需要(名目GDP)とのかい離、つまりデフレギャップこそ、デフレの正体です。

     

     ではデフレから脱却するためには、どうしたらよいか?答えは簡単、誰かが「消費や投資という需要」を追加的に拡大しなければなりません。ところが、デフレの国では、民間の家計は消費しないことが合理的です。

     

     デフレで雇用が不安定化し、実質賃金が下がり続ける国で、消費を増やす国民は、まずいません。

     

     さらにデフレの国では、企業経営者が設備投資という需要拡大に二の足を踏むことになります。何しろ、物・サービスが値下げしないと売れない、買ってもらっても個数・回数が少なく買われるという状況では、儲かりにくく投資しても損する可能性があるからです。要はデフレで需要が不足して儲からないということです。

     

     需要の不足は、「仕事が足りない」とイコールであり、仕事がなければ儲からないということでもあります。そしてこの世に、儲からない環境で設備投資を拡大する経営者はいません。もしいたとすれば、経営者失格です。

     

     というわけで、今日は「デフレの正体とは?」ということで、デフレギャップとインフレギャップについてイメージ図を提供しながらご説明しました。この「デフレギャップ」というデフレの真因を解決できる存在は、政府しかありません。政府は非合理的に支出を拡大することが可能な存在です。デフレ対策は、デフレギャップが解消するまで政府が財政支出を拡大し、需要を創出していくことの他には存在しないのです。以前「合成の誤謬」を打破するのは政府しかいないというテーマで記事を書きましたが、まさに政府しか、デフレ脱却を解決できる存在はあり得ないのです。

     

     


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