「GDP3面等価の原則」を完全攻略しよう!

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    GDPというものについて、統計方法を含め、改めて言葉の定義の整理をします。

     

    1.言葉の定義のいろいろ(実質GDPと名目GDPの違いなど)

     

    (1)言葉の定義の整理

     \納=名目GDP×税率×税収弾性値

     ■韮P=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出
     純輸出=輸出−輸入

     

      GDPには実質GDPと名目GDPが存在します。

      実質GDP=物の個数が多く売れる・少なく売れる、サービスの稼働率が上がる・下がる⇒雇用に影響

      ぬ礁棕韮庁弌畸傭覆高く売れる・安く売れる⇒給料の額面に影響

     

     実質GDP、名目GDPどちらも大事な指標ですが、あえて言えば、デフレの場合は名目GDPに着目し、インフレの場合は実質GDPに着目するべきと考えております。理由は、例えば名目GDPがマイナス20%となった場合、同じ仕事をしていても給料が20%減るということになり、消費を冷え込ませる一因となってデフレ脱却の目的が達成できません。そして名目GDPが減れば、税収も減るのです。デフレの場合は、税収を増加させるためにも名目GDPを増やす政策の優先度を高くする必要があるのです。

     

     

    (2)実質GDPのイメージ(事例 ∋例△裡欧弔了例でのイメージ)

    〜事例 嵎・サービスが従来よりも個数が多く(サービス回数が多く)買われ続けた場合、物・サービスを十分に供給するための手段と、その手段を講じた後の可能性」〜

     

    ●雇用を増やす(人を採用する)⇒雇用に好影響

    ●工場を新設する・設備投資を新たに購入する⇒雇用に好影響

    ●既存社員を能力開発し一人当たりの生産性向上させる⇒一人当たり賃金が増える⇒給料額面に好影響

    ●機械設備を更新投資して一人当たりの生産性向上させる⇒一人当たり賃金が増える⇒給料額面に好影響

     

    〜事例◆嵎・サービスが従来よりも個数が少なく(サービス回数が少なく)買われ続けた場合、物・サービスの供給を調整するための手段と、その手段を講じた後の可能性」〜

    ●雇用を減らす(人を解雇する)、設備を廃棄する、工場を閉鎖する⇒給料額面、雇用に悪影響

     

     

    (3)名目GDPのイメージ(事例、事例い裡欧弔了例でのイメージ)

    〜事例「物・サービスを従来よりも高い値段で買われ続ける場合」〜

    ●従来と同じ仕事をして給料が増える可能性がある⇒給料額面に好影響

     

    〜事例ぁ嵎・サービスが従来よりも安い値段で買われ続ける場合」〜

    ●従来と同じ仕事をしても給料が下がる可能性がある⇒給料額面に悪影響

     

     

     

    2.「GDP3面等価の原則」の完全攻略

     

    GDPは、物・サービスがお金と対価で交換された場合にカウントします。

     

    ●●事例設定A:4人コミュニティ●●

    一郎:みかんを作る

    二郎:リンゴを作る

    三郎:講演をする

    四郎;牛丼を作る

    みずほ銀行が一郎に1000円貸し付ける

     

    <ケーススタディ В韮庁弌瓧亜 岼貎妖たりGDP0円×4人=0円」>

    上記4人コミュニティで、4人は一文無し。物々交換をした場合、

    ・一郎が作ったみかんを二郎に無料であげる

    ・二郎が作ったリンゴを三郎に無料であげる

    ・三郎の講演サービスを四郎に無料で聞かせてあげる

    ・四郎の牛丼を一郎に無料であげる

    GDPは物・サービスがお金を対価として買われた場合にカウントされます。

    そのため、お金が対価とされていない物々交換のケーススタディ,任蓮■韮庁弌瓧阿任后

     

    <ケーススタディ◆В韮庁弌瓧苅娃娃葦漾 岼貎妖たりGDP1000円×4人=4000円」>

    上記4人コミュニティの中で、

    ・一郎がみずほ銀行から借りた1000円で、四郎の牛丼を買い =GDP1000円

    ・四郎が牛丼を売って得た1000円で、  三郎の講演を聞き =GDP1000円

    ・三郎が講演サービスして得た1000円で、二郎のリンゴを買い=GDP1000円

    ・二郎がリンゴを売って得た1000円で、一郎からみかんを買い=GDP1000円

    ・一郎はみかんを売って得た1000円を、みずほ銀行に返済する=GDP   0円

     

    この場合、四郎の牛丼を作る仕事に対して、

     四郎の生産面のGDP=1000円の付加価値

     一郎の支出面のGDP=1000円の消費

     四郎の分配面のGDP=1000円の報酬

    となります。

     

    生産面のGDP=支出面のGDP=分配面のGDPとなることをGDP3面等価の原則といい、このケースではGDP1000円とカウントされます。

     

    同様に、一郎のみかんを作る、二郎のリンゴを作る、三郎の講演サービスを提供する、もすべてGDP1000円となります。最後、一郎は1000円をみずほ銀行に返済していますが、「GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出」ですので借金返済(一郎→みずほ銀行への1000円の返済)はGDPが増えません。

     

    生産面のGDP合計4000円=支出面のGDP合計4000円=分配面のGDP合計4000円となり、GDP=4000円となります。

     

     

    ●●事例設定B:3人コミュニティ●●

    一郎:死亡

    二郎:リンゴを作る

    三郎:講演をする

    四郎;牛丼を作る

    みずほ銀行が二郎に1000円貸し付ける

     

    <ケーススタディ:GDP=3000円 「一人当たりGDP1000円×3人=3000円」>

    ・二郎がみずほ銀行から借りた1000円で、四郎の牛丼を買い=GDP1000円

    ・四郎が牛丼を売って得た1000円で、三郎の講演を聞き=GDP1000円

    ・三郎が講演サービスして得た1000円で、二郎のリンゴを買い=GDP1000円

    ・二郎はリンゴを売って得た1000円を、みずほ銀行に返済する=GDP0円

    ケーススタディ△汎瑛佑法∋溶困竜輟Г鮑遒觧纏に対して、

    四郎の生産面のGDP=1000円の付加価値

     二郎の支出面のGDP=1000円の消費

     四郎の分配面のGDP=1000円の報酬

    となり、生産面のGDP=支出面のGDP=分配面のGDPとなって、GDP1000円がカウントされます。

    以下、二郎のリンゴを作る、三郎の講演サービスを提供する、もすべてGDP1000円となります。

    生産面のGDP合計3000円=支出面のGDP合計3000円=分配面のGDP3000円となって、GDP3000円となります。

     

    ●●事例設定C:3人コミュニティ●●

    一郎:死亡

    二郎:AKBのサインが入ったリンゴを作る

    三郎:コーヒーを提供しながら講演をする

    四郎;牛丼の品質を向上し、A5ランクの牛を素材にした牛丼を作る

    みずほ銀行が二郎に2000円貸し付ける

     

    <ケーススタディぁВ韮庁弌瓧僑娃娃葦漾 岼貎妖たりGDP2000円×3人=3000円」>

    ・二郎がみずほ銀行から借りた2000円で、四郎のA5ランク牛丼を買い=GDP2000円

    ・四郎が牛丼を売って得た2000円で、三郎のコーヒー付き講演を聞き=GDP2000円

    ・三郎が講演サービスして得た1000円で、二郎のAKBサイン入りのリンゴを買い=GDP2000円

    ・二郎はAKBサイン入りリンゴを売って得た2000円を、みずほ銀行に返済する=GDP0円

    四郎のA5ランクの牛丼を作る仕事に対して、

    四郎の生産面のGDP=2000円の付加価値

     二郎の支出面のGDP=2000円の消費

     四郎の分配面のGDP=2000円の報酬

    となり、生産面のGDP=支出面のGDP=分配面のGDPとなって、GDP2000円がカウントされます。

    以下、二郎のAKBサイン入りリンゴを作る、三郎のコーヒー付き講演サービスを提供する、もすべてGDP2000円となります。

    生産面のGDP合計6000円=支出面のGDP合計6000円=分配面のGDP6000円となって、GDP6000円となります。

     

     

     

    3.「GDP3面等価の原則」からわかる人口問題の誤解

     

     ケーススタディ△肇院璽好好織妊い傍載の通り、人口が4人→3人に減った場合でも、1人が別の作業もできるようになった場合は一人当たりGDPが増えて、6000円となり、4人のときよりもGDPが増えます。(経済成長します。)

     また、別の作業をしなくても、各々が稼働率を2倍に引き上げる(リンゴ2個、講演別テーマ2回、牛丼2杯)の場合でも、一人当たりGDPが増えて6000円となり、やはり4人のときよりもGDPが増えます。(経済成長します。)

     言葉の定義「経済成長」=「GDPの成長」です。人口が減少しても一人当たり生産性向上により別の作業ができるようになる、2倍の仕事ができるようになる、が実現できれば、経済成長(GDPの成長)ができるのです。

     

     

     

    4.10兆円公共事業をするか?個人に配布すべきか?

     

     「GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出」の項目のうち、単年度・長期の期間を問わず、着実にコントロールできるのは政府支出のみです。乗数効果以前に、いつ?(予算が付けば1年以内)いくら?(額が決まればその額)が着実で、具体的には、今年10兆円政府支出すれば、GDPは10兆円増えます。

     

     単年度でいえば、「10兆円公共事業を増やす」「10兆円個人に現金配布」で、どちらの経済効果が勝るか?明確ではないでしょうか?いうまでもなく前者です。個人に10兆円現金配布したところで、配布した10兆円は、いつまでに?(1年後、2年後・・・10年後?)いくら?(半分5兆円?1兆円?10兆円全部?)誰も予測できません。

     

     いつ?いくら?の予測がつけば、政府支出の恩恵を受ける企業は投資がしやすくなります。特に長期間にわたるプロジェクト(新幹線整備や高速道路整備や日本海側の港湾整備)であれば、ゼネコン・マリコンは人材採用や設備投資にも前向きになることでしょう。

     

     例えば、小売業に恩恵をうけさせるために個人に商品券10万円を配布したところで、毎月の給料から10万円追加で貯金されてしまっては、現金10万で払うところを商品券10万で払ったということで、個人消費が増えることにはならないです。個人が商品券10万の他に毎月の給料からまったくお金を使うことがないと断定はできませんが、いつ?いくら?商品券以外に現金を使ってくれて消費額を増やしてくれるか?誰も予測でません。

     すべての業種で均等に政府支出の恩恵を受けるべきで、ゼネコンマリコン医療介護だけがなぜ優遇されるのか?不平等ではないのでは?という意見もあるかもしれません。とはいえ、「10兆円公共事業を増やす」「10兆円個人に現金配布」でいえば、デフレで苦しんでいる場合は、GDPが単年度で着実に10兆円増加できる前者の方が、はるかに効果が大きい政策であり、優先されるべきなのです。

     

     

     

    5.政府が「道路を掘って埋める」を発注した場合どうなるか?

     

     「道路を掘って埋める」がボランティアでなされれば、GDPはカウント不可

     「道路を掘って埋める」がお金と対価で行われれば、GDPはカウントされる

     

     例えば、政府支出で「道路を掘って埋める」を企業Aに発注し、100支出すれば、道路を掘って埋める仕事に対して、

    企業Aの生産面のGDP=100付加価値

    政府 の支出面のGDP=100消費

    企業Aの分配面のGDP=100報酬

    で生産面のGDP100=支出面のGDP100=分配面のGDP100となってGDP100になります。

     

     また、企業Bの支出で「企業Bの敷地内の駐車場を掘って埋める」で企業Bが企業Aへ100支出すれば、

    企業Aの生産面のGDP=100付加価値

    企業Bの支出面のGDP=100消費

    企業Aの分配面のGDP=100報酬

    で生産面のGDP100=支出面のGDP100=分配面のGDP100となってこれまたGDP100です。

     

     さらに、個人Cの支出で「個人Cの私道を掘って埋める」で個人Cが企業Aへ100支出した場合は、

    企業Aの生産面のGDP=100付加価値

    個人Cの支出面のGDP=100消費

    企業Aの分配面のGDP=100報酬

    で生産面のGDP100=支出面のGDP100=分配面のGDP100となってこれまたGDP100です。

     

     「道路を掘って埋める」に付加価値などあるのか?というご指摘もあるかもしれませんが、GDPとは物・サービスとお金の対価がなされればカウントされるものですので、上記の考え方になります。

     インフラ的には、道路は一回作れば終わりではなく、メンテナンスが必要。そのメンテナンス費用自体が、雇用を生み、GDPの維持=道路をメンテナンスする生産面のGDPの維持=支出面のGDPの維持=分配面のGDPの維持につながっているのです。

     

     

     

    6.政府支出についての考察(1997年比での18年間の考察)

     

     政府支出といった場合、内閣府が公表しているGDP速報(1次速報、2次速報)、GDP確報について、

    ●政府最終消費支出

    ●公的固定資本形成

    という2つの項目があります。端的に言えば以下の通り。

     

    (1)政府最終消費支出の例

    ・医療報酬、介護費用報酬

    ・公務員給料(国会議員の給料も含む)

    ・年金への支出

     

    (2)公的固定資本形成の例

    ・インフラストラクチャー

     

    (3)2016/8/15発表の内閣府のホームページ掲載の4月〜6月GDP速報のデータから見た統括

    1997年と2015年で比較した場合は、以下の通り。

    (四半期季節調整後ではなく、各四半期実質原系列の合計数字)

     

    政府最終消費支出:1997年75兆円→2015年102兆(△27兆円)

    公的固定資本形成:1997年39兆円→2015年20兆(▲19兆円)

     

     上記の統括は以下の通り。

    ・政府最終消費支出は1997年から2015年で、右肩上がりに上昇し続け、直近では我が国のGDP500兆円とした場合、2015年数値比で約5%(27兆円)増加し、500兆円のうち20%を占めるようになった

    ・公的固定資本形成は1997年から2015円で、右肩下がりに下落し続け、直近では我が国のGDP500兆円とした場合、2015年数値比で約4%(19兆円)減少し、500兆円のうち4%まで占有率が下がった

     

    (4)統括の補足

     医療報酬介護費用報酬年金への支出が増えて、政府最終消費支出が増えている傾向にあるが、GDP算出の上では政府支出と物・サービスの交換でGDPとしてカウントされる。端的に言えば医療法人、社会福祉法人、医薬品メーカー、医療器械製造メーカーを中心にGDPが増えた(経済成長できた)と言えます。

     一方で公的資本形成は減少をし続けており、「インフラは作っても無駄」として緊縮財政をしてきた結果、19兆円GDPが減った。端的に言えばゼネコン・マリコンを中心とした公的固定資本に関わる業種の企業を中心にGDPを減らした(経済成長できず、経済が縮小してしまった)と言えます。

     即ち、公共工事を削減してGDPが減少した分を、医療費・介護費の政府支出増加で補ってGDP500兆円を維持してきたというのが1998年以降のGDP推移の統括であり、今も続いているトレンドなのです。

     

     

    以上GDPとは何ぞや!ということについて、言葉の定義をはじめ、GDP3面等価の原則について解説いたしました。ご理解は深まったでしょうか?ご質問があれば、コメントいただければ幸いです。

     


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