デジタル人民元について

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     私はかつて中国武術の南拳を習い、今から18年以上前に香港株を楽天証券を通じて購入し、2010年に上海万博に行って以来、中国に3回訪れ、中国語のカラオケの持ち歌もあるほど親中派でした。ところが尖閣諸島問題を契機に、私の考えは変わってきまして、今では皆様もご承知の通り、反中国の急先鋒ともいえる立場で論説を展開しています。

     皆さんはどう思うか?最近の米中対立は、英国などのドイツを除く欧米のみならず、インドなどのアジア諸国を巻き込み、世界から嫌われ米国から制裁を受けるような香港の国家安全法の導入、即ち香港を中国の支配下に置く道を選んだ理由はどこにあるのでしょうか?

     

     そこで今日は 「デジタル人民元」と題して、下記の順で人民元の国際化について論説します。

     

    1.米中貿易戦争は金融戦争へ進展

    2.人民元の国際化

    3.人民元がSDRに入れた背景

     

     

     

    1.米中貿易戦争は金融戦争へ進展

     

     香港といえば資本が流入される場所であり、最大級の株式市場であり、中国本土の株式・債券に流入する国際投資の最大の入り口です。

     

     それをみすみす捨てるようなことをなぜ中国はやるのか?疑問に思えることがたくさんあります。

     

     中国共産党は、賄賂や人権弾圧や違法な臓器売買など、汚れたお金を稼ぎ、ビジネスではウソで騙してお金を掠め取り、そうやって得た人民元をドルに交換して、米国の金融機関に預けるという方法で錬金してきました。

     

     そうした発想で中国人が考えている重要なことの一つに、人民元の国際化という形で、まず香港でお金を集めてマネーロンダリングするのではなく、デジタル人民元を広めて、アジア、アフリカ、中南米といった発展途上国で覇権を取ろうと考えているものと思われます。

     

     デジタル通貨については、中国に限らず他国でも導入が検討されており、コインデスクジャパンというサイトではフランスの中央銀行のフランス銀行がデジタル通貨の実験に向けて8社を選定し、近日中に作業を開始すると発表しました。フランスの場合はユーロ加盟国なので、フランス銀行に通貨発行権がないものの、デジタル通貨に関する作業を開始するとしています。

     

     しかしながら中国はデジタル通貨の分野で、一歩リードしていると言えます。下記はブルームバーグの記事です。

    『ブルームバーグ 2020/8/16 08:19 中国のデジタル人民元、北京や香港での試験開始も視野

     中国がデジタル人民元の運用試験を広げる計画の概要を示した。北京や香港など一部の大都市圏での試験開始も目指している。

     14日の商務省発表には実施に向けた日程は盛り込まれていないが、北京市と天津市、河北省から成る「京津冀」、上海を含む長江デルタ地域、広東省深圳や香港、マカオを含む珠江デルタ地域の「粤港澳大湾区」のほか、中部と西部の都市でも条件を満たせば、試験が実施される可能性があるとしている。具体的な都市名は挙げていない。

     発表によれば、深圳と四川省成都、江蘇省蘇州、河北省雄安新区のほか、2022年の冬季五輪の競技会場で試験が行われ、それから他の地域に拡大される。

     デジタル人民元の運用試験は、中国政府がイノベーション(技術革新)と一層のサービスセクター開放を促すため同日打ち出した包括策の一環。

     中国はここ数カ月、中国人民銀行(中央銀行)のデジタル通貨に関する計画・試験を強化しており、こうした取り組みをビットコインなどの仮想通貨を脅かし、基軸通貨としてのドルに対し将来的な脅威になると見なす向きもある。』

     

     上記記事の通り、既に中国の中央銀行の中国人民銀行では、5地域で試験的な作業を開始しています。

     

     広東省深圳市、四川省成都市、江蘇省蘇州市、河北省雄安新区、北京市内の冬季五輪会場で行われ、それから他の地域に拡大していくと報じられています。

     

     フランス、中国以外では、スウェーデンが「e-krona」というデジタル通貨を2020年2月から始めています。

     

     こうした各国の動きを見ていると、香港を取り巻く米国と中国との戦いの中で、貿易戦争→5G覇権戦争→金融覇権戦争へと発展しています。

     

     特に金融覇権戦争は、今後本格化していくことになると思われます。

     

     中国の場合、冷静に考えて中国企業を香港や米国の株式市場に上場させようとしても、今後はできなくなることでしょう。

     

     そう考えた場合、中国共産党政府は、中国ブランドの人民元をたくさん流通させて、中国ブランドを向上させようと考える可能性があります。それが思惑通りうまく行くかどうか?は別にして、その方向に舵を切っているとみるべきです。

     

     なぜならば、米国の株式市場に上場している中国企業は、全てイカサマ企業で、財務諸表を見せず、売上高も本当にそれだけあるのか?不明で、米国の監査法人に監査せず、中国が独自に監査しているもので上場を許してきましたが、そうした中国企業を上場廃止にする動きが米国国内で始まっています。

     

     その例の一つとして、中国版スタバと呼ばれている”ラッキンコーヒー”という会社があります。

     

     ”ラッキンコーヒー”は北京に1号店を出して以来、2年余りで中国全域に4,000超の店舗網を作り、2019年5月には米国の株式市場のNASDAQに上場しました。

     

     ところがその後2020/05/23、上場廃止しました。

     

     一時はスタバに対抗するコーヒーチェーン店ということで、2019年5月に上場以降も、公開価格の約3倍の51ドル台まで上昇しましたが、不正会計や重要情報の開示義務違反に加え、年次報告書の提出義務を果たしていないことなどが理由で、金融市場運営会社の米国ナスダックから上場廃止の通達を受けたようです。株式の上場というのは、お金を集める手段でもありますが、今後はそうしたことができなくなっていくことでしょう。

     

     

     

    2.人民元の国際化

     

     また人民元の国際化についても注意して見ておく必要があります。

     

     香港の国家安全維持法で、中国が世界中にを向けようとした中国の狙いを考えた場合、人民元が国際化されたとき、人民元を持っている人がどんな牙をむけるかわからず、もし人民元が国際化されると大変恐ろしいことが想定できます。

     

     というのも、人民元がデジタル化された場合、スマホさえ持っていれば、決済することができます。

     

     例えば銀行口座を持っていない人、アマゾンやアフリカに住む貧困層も、スマホさえ持っていれば、いろんな決済をすることが可能となります。

     

     日本人からみれば、デジタル人民元など信用できないという話ですが、世界でみれば、自国通貨よりも人民元の方が価値が高い、信用できる通貨だと思う国家、あるいはその国に住む民族がたくさんいるというのが事実です。

     

     ハードカレンシーで純資産が300兆円以上保有する日本国家が発行する日本円は変動為替相場の中で極めて強い通貨ですし、ドルはドルで基軸通貨であって、日本円や米ドルに慣れていると、その感覚は理解しにくいでしょう。

     

     私は昨年の年末〜今年の年始にかけてレバノンを往訪していますが、レバノンはレバノンポンドという通貨が流通しているものの、弱い通貨なので固定為替相場制でドルペッグとなっており、1ドル=1500レバノンポンドで固定されていましたが、デフォルトしてからは、普通に1ドル=8000レバノンポンドまで暴落しています。

     

     あるいは初めて行った海外旅行が2006年のベトナムのホーチミンですが、ベトナムドンが当時、1円=0.70ドン程度だったのが、14年以上を経て、1円=0.45ベトナムドンという水準にまで、ベトナムドンは対円で下落しています。

     

     行ったことがあるという国ではないものの、他にもブラジルのレアルなど、すぐに自国通貨が値下がりする国家の場合、人民元がスマホで決済できるということが安心だと思うことは普通にあり得る話です。

     

     もし日本がそうした発展途上国と資源を輸入する取引をする際、決済通貨で人民元を指定される可能性も、完全に否定することはできないでしょう。

     

     

     

    3.人民元がSDRに入れた背景

     

     最後に人民元がSDR入りした背景についても触れておきます。

     

     2016年10月に、IMFと世界銀行のSDR(特別引出権)として人民元が認められましたが、それ以前は、米ドル、欧州ユーロ、英国ポンド、日本円の4通貨だけがSDRとして認められていました。

     

     ところが2016年10月に、人民元がSDRの通貨として認められ、世界的通貨の一つとなる足掛かりを作りました。

     

     当時日本の保守系の言論人の中には、人民元は偽札に等しく、地下銀行からお金を出したり、偽紙幣を刷って流通させている偽札のお金に近い人民元がSDR入りするのはあり得ないと主張していました。

     

     一方でSDR入りするという言説もありました。それは決して中国親派だけに限らず、中国は世界の覇権が狙える位置に入ろうとしている事実を知る人は、SDR入りを想定していましたが、どちらかと言えば少数派でした。

     

     そもそもなぜ中国がSDR入りできたか?といえば、中国人民銀行の副総裁を歴任し、世界銀行に6年間も勤務した経験を持っている朱民(シュ・ミン)という中国の経済学者がカギです。

     

     この朱民は、2011年7月に、世界銀行で史上初の中国籍の副専務理事に就任しました。

     

     当時専務理事は、フランス人のラガルド専務理事で、「女性が活躍している象徴!」みたいな感じで、ラガルドはもともとフランスの財務大臣になった女性なのですが、そのラガルドがIMFのトップに据えたのは、中国の政治力があったとされます。

     

     欧州連合もラガルドを推し、中国もラガルドを推しました。

     

     その見返りとして人民元がSDR入りするという予測をすることもできました。

     

     実際、当時EUとオバマ政権の米国は仲が悪かったこともあり、中国はそのスキを突いて欧州連合とIMFにすり寄って、人民元のSDR入りに成功したのです。

     

     このSDR入りこそ、デジタル人民元の布石といえます。なぜならばSDR入りがなければ、さすがにデジタル人民元といっても、発展途上国に流通させるのは難しいからです。

     

     米国側はデジタル人民元はヤバイと認識していて、2020/06/17付で、FRBのパウエル議長が、下院の金融サービス委員会で、中央銀行が発行するデジタル通貨に関して、真剣に取り組むと述べています。日本でも日銀が検討するとも言いだしていますし、香港が世界の金融センターという役割を終えるのと同時に、世界はデジタル通貨が進む可能性が出てくるかもしれません。

     

     

     

     というわけで今日は「デジタル人民元」と題して論説しました。

     中国という国は、日本人が考えるモラルでは想定できないことを、少なくても中国共産党は自分たちの思惑通り前進しているつもりで、香港の国家安全維持法を作ったのではないかとも考えられます。

     したがって米国からHuawei排除、TiKTok排除などの攻勢を受けているものの、中国人スパイを世界のあらゆるところに配置し、米中金融戦争においても、人民元で発展途上国における影響力を増そうとしているならば、これは絶対に大変なことです。

      また5G時代になれば、サイバー攻撃で、軍拡に必要な技術、個人情報など欲しいものは奪え、5G時代に盗めると考えている可能性もあり得ます。

     日本は中国に対して甘い態度を継続し、米国のポンペオ国務長官からも、どっちの味方なのか?と言われています。一刻も早く西側諸国の一員として、米英側につくことを意思表示し、それに則った対中国政策をやるべきであると私は思います。

     

     

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