米国の4〜6月GDPの予想値は最大▲40%という衝撃的な数字と日本の経済対策について

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     今日は米国商務省が発表した米国の1〜3月のGDPが▲4.8%だったことを取り上げ、「米国の4〜6月GDPの予想値は最大▲40%という衝撃的な数字と日本の経済対策について」と題して論説します。

     

     下記はロイター通信の記事です。

    『ロイター通信 2020/04/29 23:39 米GDP、第1四半期速報値は4.8%減 4─6月期は最大40%減も

    [ワシントン 29日 ロイター] - 米商務省が29日発表した第1・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値(季節調整済み)は年率換算で前期比4.8%減と、2008年第4・四半期以来の大幅な落ち込みとなった。

    新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた一連のロックダウン(都市封鎖)措置によって、3月後半の2週間に経済活動が急停止したことが影響した。

     市場予想の中央値は4%減。予想レンジの下限は15%減だった。

     2019年第4・四半期は2.1%増だった。

     エコノミストは第2・四半期が最大40%のマイナス成長になると予想している。

     MUFGのチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「米国が再開するまで経済は落ち込み続ける」と指摘。多くの州で実施された新型コロナの感染拡大を抑制するロックダウン措置が第1・四半期中は1カ月に満たなかったにもかかわらず、GDPが大幅に減少したことを考慮すると、第2・四半期の落ち込みは予想がつかないとの見方を示した。

     商務省の経済分析局(BEA)は、新型コロナのパンデミック(世界的流行)による影響を完全に定量化することはできないが、第1・四半期GDPを一部押し下げたと指摘。3月の外出制限措置が「企業や学校による在宅業務への切り替えや業務停止、消費活動の抑制などにつながり、需要が急速に変化した」とした。

     米経済の3分の2以上を占める個人消費は第1・四半期に7.6%減少。減少率は1980年第4・四半期以来の大きさだった。財・サービス両方の需要が急減した。19年第4・四半期は1.8%増だった。

     家計の可処分所得は0.5%増と、19年第4・四半期の1.6%増から鈍化。貯蓄率は7.6%から9.6%に上昇した。

     輸入は15.3%減少し、減少率は09年第2・四半期以来の大きさ。これが貿易赤字の縮小に寄与し、第1・四半期GDPを1.30%ポイント押し上げた。一方、在庫は163億ドル減少。19年第4・四半期は131億ドル増加していた。

     設備投資は8.6%減で、09年第2・四半期以来の減少率を記録。鉱業向けの非住居用建造物や設備に対する投資減少が響き、4四半期連続の減少となった。

     住宅市場は第1・四半期に加速したが、勢いは3月に弱まったもよう。政府支出は緩やかに増加した。』

     

     上記ロイター通信の記事の通りですが、米国の1月〜3月のGDPが米国商務省から発表されました。悪化は予想されていたとはいえ、▲4.8%となりました。

     

     4月〜6月は、最大で▲40%というとんでもない予想値が出ております。

     

     GDP▲40%というのは、所得が40%減ることを意味します。日本でイメージした場合、年収で1000万円の所得を得ている人は600万円となり、500万円の所得を得ている人は300万円になります。

     

     日本の1月〜3月のGDP速報値は、今月2020/05/16に発表の予定ですが、そもそも直近の2019年第4四半期のGDP(10月〜12月)は、▲7.1%でした。

     

     この▲7.1%という数字は、新型コロナウイルス感染拡大の影響は全く受けていません。

     

    <米国と日本の四半期GDPの推移>

    (出典:米国商務省のホームページと日本の内閣府のホームページから引用)

     

     上記グラフは米国のGDPと日本のGDPについて推移を比較したものです。

     

     新型コロナウイルス騒動前の米国経済は順調そのものでした。先進国であっても、2%〜3%のプラスで推移していまして、どこかの大学教授らがそれっぽく「先進国は経済成長しない」などと言説を振り撒いてきたのは一体何なのか?と思えるほど、米国の経済は絶好調でした。

     

     その米国経済が、新型コロナウイルス感染拡大によって急激に変調し、1月〜3月のGDPは▲4.8%にまで落ち込みました。ここからさらに下落して最大で▲40%という予想値が出ているわけなので、これはもう世界恐慌といってよい状況でしょう。

     

     日本はどうか?といえば、10月〜12月の▲7.1%は、言うまでもなく消費増税10%による悪影響です。新型コロナウイルス感染拡大は一切影響していません。

     

     米国経済におけるコロナの悪影響の1.5倍以上のダメージを、消費増税10%で既に受けているというのが日本経済です。

     

     ▲4.8%が大変だ!とマスコミが報じるのであれば、日本の消費増税▲7.1%は、もっと大変ない状況であって、ここに新型コロナウイルスの影響がくるとなれば、1月〜3月期、4月〜6月期の日本のGDPは一体どうなるのか?と危機感を募らせます。

     

     ゴールドマンサックスは2020/04/08、日本の1月〜3月期のGDPは▲25%程度と予想しており、日本のGDPを約500兆円とすれば実に実額ベースで125兆円のマイナスということになります。

     

     この予想値は、安倍政権は2020/04/06に発表した総額108兆円規模の緊急経済対策を織り込んでいるとのこと。

     

     安倍首相は4/6の緊急経済対策発表時に、「緊急経済対策の規模は108兆円で過去最大であり、諸外国と比較して相当思い切ったものだ!」と誇らしげに述べましたが、108兆円はあくまでも事業規模であって、新規国債発行額は16.8兆円であるため、財政赤字は16.8兆円、即ち民間の黒字拡大は16.8兆円ということになります。

     

     ゴールドマンサックスは、事業規模ではなく財政赤字の真水部分は14兆円と見積もっています。14兆円や16.8兆円という財政赤字額では、民間の黒字も14兆円や16.8兆円となり、日本のGDPを約500兆円した場合でわずか3%前後しか、ダメージを防ぐことができないということになります。

     

     108兆円の中には、以前から予算を決定している台風19号の復旧事業19.8兆円や、税金・社会保障費の猶予26兆円など、新たなGDP成長につながらない施策が盛り込まれているのです。

     

     さらに新型コロナウイルス感染拡大収束後の消費喚起キャンペーンということで、観光・運輸、飲食・イベントに対する支援で1兆6,794億円、地域経済活性化でキャッシュレス導入推進などが1.7兆円も含まれています。

     

     4/6時点でコロナウイルスの感染拡大の収束が全く見通せていない中、収束後のことを考えて予算を付けるとか、全く危機感がありません。

     

     それどころか事業規模で108兆円などと誇ることすら、国民を欺いているわけで、1人当たり10万円程度を給付したところで、大恐慌に突入することは間違いないと本当に危機感を覚えます。

     

     そのことを報じない、日本のマスコミの報じ方もまた極めて問題であるといえるでしょう。

     

     米国経済がここまで悪化するとなれば、米中貿易戦争によるスロートレードは、さらに深刻なものとなり、内需の大打撃はもちろん外需ですら大打撃を受けることは必須の情勢といえます。

     

     

     というわけで今日は「米国の4〜6月GDPの予想値は最大▲40%という衝撃的な数字と日本の経済対策について」と題して論説しました。

     ゴールドマンサックスの予想値で日本のGDPが▲25%となるとするならば、今、日本政府がやるべきことは、GDPの25%に該当する100兆円以上の財政赤字額を増やすこと、即ち真水で100兆円の経済対策が必要です。

     現金給付もいいですが、粗利益補償が一番効果があると思っていまして、理由は連鎖倒産を防ぎ、結果的に国民の賃金と雇用を守ることにつながるからです。

     また2019年10月の消費増税10%によって▲7.1%のダメージがあったことを考えれば、消費税をゼロにすることもGDPを押し上げ効果につながるでしょう。

     今の状況で財政規律とかプライマリーバランス黒字化という考えは、国民にとって有害な政策でしかあり得ませんので、すぐに撤廃していただき、真水で財政赤字額を増やして追加の経済対策を実施していただきたいものと私は思います。


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