緊急経済対策第2弾は2階から目薬を垂らすのと同じくらいショボすぎです!
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今日は「緊急経済対策第2弾は2階から目薬を垂らすのと同じくらいショボすぎです!」と題して論説します。
下記はブルームバーグの記事です。
『ブルームバーグ 2020/03/10 16:46 新型肺炎緊急対策に財政措置4308億円、資金繰り支援1.6兆円-政府
政府は10日夕、新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、雇用維持や企業の資金繰り対策などを柱とする緊急対策の第2弾を決定した。学校の臨時休校で休暇を取得せざるを得ない保護者への支援や医療提供体制の整備などに充てる計4308億円の財政措置に加え、中小・小規模事業者を支援するための特別貸付制度創設など1兆6000億円規模の金融措置を盛り込んだ。
安倍晋三首相は対策本部で、感染拡大による経済の影響について「雇用の維持と事業者の事業継続を当面、最優先に全力を挙げて取り組まないといけない」との認識を示した。大規模イベントの自粛要請については、「今後おおむね10日程度」は継続するよう協力を求めた。
緊急対策では、日本政策金融公庫などに特別貸付制度を創設し、売り上げが急減した個人事業主を含む中小企業を対象に無利子・無担保の融資を行う。臨時休校で休職した保護者は正規・非正規を問わず、国費で給与を手当てする助成制度を設ける。感染拡大防止や医療提供体制整備のための予算も盛り込んだ。2019年度予算の着実な執行と予備費2715億円を活用する。
今後については対策の本文で「感染の状況とともに、地域経済および世界経済の動向を十分に注視し、必要な対策を躊躇(ちゅうちょ)なく講じていく」との方針も示した。』
上記記事の通り、政府は新型コロナウイルス感染拡大による景気減速に対応し、4月に緊急経済対策をまとめる検討に入りました。臨時休校など休業で余儀なくされる子育て世代の支援が中心で現金給付案なども浮上している模様です。
大型の経済対策を検討している米国のトランプ政権と協調して、世界経済の下支えを狙おうとしていると思われます。しかしながら大変残念なことに、4,600億円の財政出動と1兆6000億円の金融支援で合計2兆円超の緊急経済対策とのことでですが、みすぼらしく、せこくてショボすぎというのが私の評価です。
消費増税の需給ギャップが15兆円〜20兆円といわれ、そこに新型コロナウイルスの景気悪化が圧し掛かるわけで、財政出動4,600億円なんていうのは、「2階から目薬」もしくは「焼け石に水」レベルで、やらないよりやった方がましですが、ほとんど効果はないといえます。
しかも2019年度の予算の着実な執行と予備費2,715億円を活用するなどとしていますが、2019年度予算に加えて財政出動が必要なわけで、2019年度の予算の着実な執行と予備費2,715億円など、やるのが当たり前レベルの話です。
マスコミのこうした報道も私は問題であると思っていまして、理由は安倍政権は緊縮財政なのに、あたかも積極的に財政政策をやっているかの如く、誤解する日本国民が出る可能性が高いと思うからです。
需給ギャップは20兆円で、消費増税対策6.6兆円では全く歯が立たず、10月〜12月の実質GDPは▲7.1%となりました。
20兆円規模の財政出動と消費減税の合わせ技ぐらいでなければ、この国難を乗り切ることができないのに、なぜか安倍首相は政府にお金を貯め込むことが大事で、政府のお金を使うことを忌み嫌う緊縮志向で物事を考えているとしか言いようがありません。
例えば、第2弾の子どもがいる世代の保護者の支援というのは、まず学校を休み子どもがいて、その親が休まざるを得なかった場合の補償であり、関係ない人がほとんどです。
現実的には、そうでなくても困っている人は山ほどいます。
子どもがいる世代の保護者支援など、やらないよりやった方がましですが、序の口の序の口であって、今やるべきことは消費減税5%もしくは思い切って消費税をゼロにすることです。
トランプ大統領も特定の税金に関して減税しようとしていますが、チョロっとお金を配るとか、「何セコイこと言っているの?」という話です。
JRですら乗客が半分になっていて、大企業ですらそのような状況です。
普通の小売店では客が9割減少したり、イベント業界などは所得ゼロ、甲子園も何百億ものお金が動くのに所得ゼロ。そんな人は山ほどいます。
中国に遠慮して忖度して、感染拡大に失敗してしまった以上、日本国民がコロナウイルスに罹患する感染ダメージと、自粛による社会的なダメージとの総和を最小化すべきであって、今やるべきことは消費減税5%に戻すかもしくは消費税をゼロにすることであると私は思います。
また資金繰り対策についても当面な重要課題となっていて、公的機関窓口への相談件数が3万件に達し、観光業や飲食業だけでなく製造業を含む幅広い業種で相談が相次いでいます。
中小企業の手元資金は約1ヶ月分程度といわれており、優良企業でも事業継続が難しくなる恐れがなお残る状況といえます。
既に新型コロナウイルス関連の倒産は8件発生していますが、資金繰り対策もまたみすぼらしく、せこくてショボすぎます。
お金を貸すのではなく、自民党の安藤裕衆議院議員が提言しているように、粗利益を補填してあげるべきです。仮にもお金を貸すならば、「将来的に儲かるようになったら返してね!」くらいに、お金をあげてしまうくらいの態度であるべきです。
今後、たくさんの企業が倒産が発生することが予想されます。
もし企業が倒産すると、その企業に属する人が経済活動できなくなるため、ドミノ倒しの連鎖倒産が発生します。
ドミノ倒しの比喩がわかりやすいのは、ドミノ倒しというものは、最初のドミノを倒さなければ全く倒れません。
だからこそいま全力でドミノが倒れるのを阻止しなければなりません。1回倒れてしまって全部倒れてから直すのはものすごい大変です。
そう考えれば、本来日本政府は湯水のように国債を増刷して、増刷した国債を財源に粗利益を補償してあげればよく、消費税をゼロにしてかつ20兆円〜30兆円を財政出動すれば、最初のドミノは倒れないものと思います。
ここで「プライマリーバランス黒字化があるから・・・」などとケチって4,600億円とかケチると、経済を立ち直らせるのに100兆くらいかかるなんてことも普通にあり得ます。
今こそ、プライマリーバランス黒字化目標を破棄し、大盤振る舞いをするべきであると私は思うのです。
というわけで今日は「緊急経済対策第2弾は2階から目薬を垂らすのと同じくらいショボすぎです!」と題して論説しました。
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- 2020.03.17 Tuesday
- 日本経済(経済政策)
- 00:11
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- by 杉っ子