年金2000万円問題を提起して株式投資が必要と”積立NISA・Ideco”を日本国民に買わせた顛末

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     昨日は、公的年金のGPIFについて、日経平均が18,000円〜19,000円を割り込むと元本割れすることをご説明しましたが、今日も日本の株式市場の大暴落について触れ、「年金2000万円問題を提起して株式投資が必要と”積立NISA・Ideco”を日本国民に買わせた顛末」と題して論説します。

     

     日本を含めた世界的な株価の大暴落について、なかなか下げ止まらない状況となっていまして、週明けは少し反発する場面があるかもしれないものの、日経平均の戻りは極めて限定的であると私は考えております。

     

     それは今回の株式暴落のきっかけとなった新型コロナウイルス騒動は、日本の経済指標が悪いことを改めて認識するに至ったきかっけであって、米国は経済が好調ですが、日本は経済は消費増税でどん底の状態にあるからです。

     

     そんな中、日本の中央銀行の日銀が日本株を買い続けていて、その株が損をしているのでは?ということが問題になっています。

     

     日本銀行はJASDAQに上場している株式会社ですが、55%の株を日本政府が保有しているため、仮にも株式大暴落で債務超過になったとしても、日本政府が増資を引き受けるなどして上場を維持するか?もしくは債務超過の状態で日本政府が株式を買い取って国有化すればいいだけの話です。

     

     その日銀が日本株を買うというのは、具体的に何を買っていたか?といえば、ETF(上場株式投資信託)と呼ばれるものを買っていました。

     

     ここでNHKNEWSWEBと日本経済新聞の記事をご紹介したく、まずはNHKNEWSWEBの記事です。

    『NHKNEWSWEB 2020/03/09 19:54 日銀 ETF過去最大規模で買い入れも株価は記録的値下がり

     日銀は、新型コロナウイルスの感染拡大による金融市場の動揺を抑えるため、9日、数多くの株式をまとめてつくるETF=上場投資信託を過去最大の規模にならぶ1000億円余り買い入れたと発表しました。一方、9日の東京株式市場で株価は記録的な値下がりとなり、日銀などが今後、どのような政策対応をとるか注目されます。

     日銀は、新型コロナウイルスの感染拡大による金融市場の動揺を抑えるため今月2日に市場に潤沢な資金を供給することを打ち出しています。

     日銀は、この方針に基づいて9日、ETFを1014億円買い入れたと発表しました。これは今月2日と6日にそれぞれ日銀がETFを買い入れた額と同じで過去最大の規模となります。

     しかし、9日の東京株式市場では日経平均株価が1000円以上の急落となり、大規模な買い入れの効果は限定的なものとなりました。

     日銀の黒田総裁は9日の参議院予算委員会の集中審議のなかで「潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めているが、内外の金融市場の動向を注視して、引き続き適切にちゅうちょなく対応していきたい」と述べていて、金融市場が大荒れとなる中、日銀などが今後、どのような政策対応をとるか注目されます。』

     

     このようにETFを通して日本株を買い続けてきた日銀は、36兆円も買い続け、日経平均が19,500円を下回ると含み損が出る状態になっていました。

     

     そして3/12(木)の株式市場で、1000円を超える下げ、3/13(金)は一時17,000円を割り込み、2兆円以上もの含み損が発生しているという状況に陥っているのです。

     

     下記は、ダウト日経平均の株価のチャートの比較と、名目GDPの上昇率の比較のグラフです。

     

    <ダウ・日経平均の株価の比較(月足)と米日の名目GDP上昇率の比較>

    (出典:ヤフーファイナンスと世界経済のネタ帳から引用)

     

     もともと米国の名目GDPは上昇を続けていましたが、2016年にトランプが大統領になると、その上昇率のカーブの傾きが今までの傾きよりも大きくなりました。即ち、トランプ政権になってから米国の経済成長率は加速したのです。

     

     中国の経済成長率の加速も、2006年〜2008年あたりからものすごい上昇になっていますが、日本は低成長で米国の名目GDPの傾きと比較して一目でわかる通り、低成長になってます。

     

     ところが株価の方は、なぜか日経平均は米国ダウの上昇とほぼ同じ上昇を続けていました。もちろんアベノミクスによる金融緩和で通貨が円安となって外需産業に利益をもたらす恩恵という意味で、アベノミクスの効果はあったかもしれません。

     

     しかしながら米国の名目GDPの上昇ほど、経済成長していないにもかかわらず、株価がこれだけ上昇する理由はないでしょう。

     

     では、これだけ株価が上昇していたのはなぜでしょうか?といえば、日銀がETFを買っていたからということが大きな理由の一つに挙げられると考えられます。

     

     何が起きているか?といえば、米国は実体経済に合った株価の上昇をしていて、日本は実体経済に合わない株価の上昇だったということを意味すると私は思います。

     

     この株価暴落で、私の生活は長期的にどうなるか?といえば、昨年2019年5月、金融庁が年金2000万円問題を提起し、「老後資金が不足するので自助努力で増やしてください!株式投資が必要です!」といって、積立NISA、Idecoを日本国民に買わせました。

     

     2000万円問題が炎上し、これをきっかけに積立NISA、Idecoを通して株式投資や投資信託の購入を始めた人が相当数いるものと私は思います。

     

     日銀が引き続きETFを買い続けて実体経済に合わない株価に吊り上げ、日本政府はNISA、Idecoを推奨して日本国民に株式投資をさせたといえます。

     

     その結果、今回の株価暴落で個人株主は大損となりました。

     

     今の安倍政権がやっていること、それは株価だけはアベノミクスの成果であるとして、政府主導で人工的に株価を吊り上げ、それを日本国民に見せて、株価は上昇するから年金のためにNISA、Idecoを通じて日本株を買わせるという構図ができ、そこに株価の大暴落がきました。

     

     政府のいうことを聞いていると危ないということの典型例であるといえるでしょう。

     

     国策といっても、今の日本政府の国策は長期的に見て日本の国益にならない国策ばかりであり、長期的な成果を期待するのが本来の株式投資だとするならば、国策に乗って株式投資をするということ自体が危険であると私は思います。

     

     

     というわけで今日は「年金2000万円問題を提起して株式投資が必要と”積立NISA・Ideco”を日本国民に買わせた顛末」と題して論説しました。

     

    〜関連記事〜

    年金への根強い不信を露呈した老後2000万円不足問題

    金融庁の”一人当たり老後資金2000万円必要”との報告書について

    ◆◆いよいよ円高を傍観するしかなくなる日本銀行

    バフェット指数について(「トランプ相場に乗り切れぬ日本の“なぜ”」を考える)


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