感染者の拡大確率を求める計算式に関する考察

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     今日は「感染者の拡大確率を求める計算式に関する考察」と題して論説します。

     

     前内閣官房参与の藤井聡先生が、新型コロナウイルスが感染拡大確率というものを算出されました。

     

     その計算式は下記の通りです。

     

     P=1−(1−r)^N

     P:そのイベント集団で、感染が拡大してしなうかもしれない確率

     r:一人あたりの感染確率

     N:そのイベントの参加人数

     ^は「乗数」を意味する記号

     

     例えばある感染症の感染率が10%だったとします。この場合、3人家族が集まっているとしたら、次の式で感染拡大確率が算出されます。

     

     P=1−(1−10%)^3

      =1−(1−1/10)^3

      =1−9/10^3

      =1−729/1000

      =271/1000

      =2.71%

     

     上記式の通り、感染率10%で3人の人が集まる場合、感染拡大確率は2.71%となります。

     

     

     仮にその感染率は10%のままで、10人が集まったらどうなるでしょうか?

     

     P=1−(1−10%)^10

      =1−(1−1/10)^10

      =1−9/10^10

      =1−3486784401/10000000000

      =6513215599/10000000000

      =65.1%

     

     上記式の通り、感染率10%で10人の人が集まる場合、感染拡大確率は65.1%となります。

     

     では、今回の新型コロナウイルスの感染で考えてみたいと思います。

     2020年3月3日時点で、感染者数は260名です。しかしながら、ちょっと安全に考えて1000名感染者数がいるとして、人口を1億人とした場合、感染率は次の通りです。

     

     感染率=感染者数1000人÷人口100,000,000人=1,000/100,000,000=1/100,000=0.00001=0.001%

     

     この場合、感染率は0.001%ですが、実際は人口は1億3000万人いますし、感染者数も260名ですから、感染者数1000名、人口1億人というシミュレーションの方が、より危険な状態ですが、この状態で5000人が集まる会合を実施した場合の感染拡大確率は次の通りです。

     

       P=1−(1−0.001%)^5000

        =1−(1−1/100,000)^5000

        =1−99,999/100,000^5000

        ≒0.049=4.9%

     

     このようにして感染拡大確率を求めることができます。

     

     国内感染者数を250人、500人、1000人、10000人の4パターンとし、会合人数を5人、10人、50人、100人、500人、1000人、5000人、10000人、15000人の9パターンとして、感染拡大確率のマトリックス表を作成しますと下表の通りとなります。

     

    <表1:小数点第4位を四捨五入で表記>

     

    <表2:100分率(=%)で表記>

     

     

     上表の前提条件は、誰もマスクをせず、”咳”と”くしゃみ”をし放題という極端な状況が前提条件となっています。

     しかしながらマトリックスを見てご理解いただけると思いますが、2020/03/03時点の国内感染者数は262人ですので、100人以下であれば感染拡大確率は0.0%です。

     

     国内感染者数が1000人になって初めて、100人集まる会合における感染拡大確率が0.001、%表示で0.1%となります。

     

     0.1%でもイヤだ!というならばともかく、今の感染者数の状況であれば、50人の会合とか中止する必要はなく、ましてや居酒屋で30人とか20人とか10人程度の飲み会を行ったとしても何ら問題がないと思いますが、皆さんはどう思われるでしょうか?

     

     日本政府はガイドラインを出していませんが、東京都は500人以上の催事を延期・中止という方針を出していまして、下記の時事通信の記事をご紹介します。

    『時事通信 2020/02/21 18:33 500人以上の催し延期・中止 都主催、3月中旬まで―新型肺炎

     東京都は21日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、22日から3月15日までの3週間、都が主催する500人以上の大規模な屋内イベントは、原則延期か中止にする方針を発表した。食事を提供する催しは屋外でも延期か中止にする。入学試験など日程変更が困難なものは実施する。

     延期や中止の期間は、ウイルスの潜伏期間が14日間とされていることを踏まえ設定。感染拡大の収束が見通せないことから、3月15日以降も状況をみて期間の延長を検討する。
     大規模な屋内イベントのうち、入学試験や資格試験、卒業式などは、アルコール消毒液の設置や定期的な換気など必要な感染対策をした上で、予定通り開催する。屋外で行われる催しについても、参加人数などを考慮し、十分な対策を取ることができないと判断した場合は延期または中止にする。』

     

     500人以上を延期・中止という方針について、10000人感染者が出ている状態の場合ですと、マトリックスでは4.9%と高い数字が出ます。仮にも感染者が1000人いたとして、その場合ですと0.5%程度の確率です。

     

     自動車で事故を起こす確率は、0.8%(事故件数65万人÷免許取得者8,100万人)ですので、車を運転して事故を起こす確率よりは0.5%という数字は低いです。

     

     東京都の500人以上を延期・中止という判断は、いい判断かもしれないと私は思う一方、安倍首相の思い付きの政策によって、イベントのサイズを明示しないやり方によって、事業の中断を余儀なくされ、資金繰り倒産やら廃業になってしまって、自殺者が増えていくことになれば・・・と思うと、私はやるせない思いでいっぱいです。

     

     

     というわけで今日は「感染者の拡大確率を求める計算式に関する考察」と題して論説しました。


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