英国がEUを離脱した理由

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     2020/01/31は、英国がついにEUから離脱した記念とすべき日となりました。そこで今日は「英国がEUを離脱した理由」について考えたいと思います。

     

     下記は時事通信の記事です。

    『時事通信 2020/02/04 07:34 「ブレグジット」封印? 英首相、迷走に決別か

     【ロンドン時事】欧州連合(EU)を1月31日に離脱した英国のジョンソン首相が3日、ロンドン市内で行った演説で、これまで連呼するように使っていた「ブレグジット(英EU離脱)」という言葉を一度も口にせず、話題になっている。

     約30分間に及んだ離脱後初の演説後、記者との質疑応答で「(ブレグジットという単語は)禁止になったのか」と問われたジョンソン氏は、「禁止ではない。もう終わったから。歴史になるのだ」などと述べた。
    英メディアによると、首相の「ブレグジット封印」には、離脱の迷走に明け暮れた過去に別れを告げ、国を前に進める思いが込められているらしい。ただ、英国は経過措置の「移行期間」入りし、実質的にEUに残留した状態が年末まで続く。』

     

     上記記事にあるジョンソン首相の言葉にある通り、英国のブレグジットは終わりました。そもそも英国がブレグジットするに至った理由として、以前理由の一つにNHSサービスについて記事を書きました。( ブレグジットのきっかけとなった英国の医療保険制度NHSについて )

     

     NHSも理由の一つですが、根本の理由は、EUから国家の主権を取り戻すというのが一番の理由です。

     

     英国はEUに加盟したことで、2つの政府の下に入りました。英国政府はその一つになるのですが、英国政府の上に、もう一つEU政府の支配下に入ってしまったことに英国人は気付いたのです。

     

     EUに加盟した国は、ドイツであれフランスであれギリシャであれ、同じ構図になっています。

     

     そもそもEUとは何か?といえば、EUとはEU官僚がいる組織で、そのEU官僚らが、自分たちが住んでいない国の法律を作ることができる点が特徴であり、EUの正体といえます。そしてEUの官僚らが、いろんな国の法律を勝手に作れる、それがEU官僚です。

     

     例えば英国の漁業では、英国の領域で漁業がおこなわれていますが、EU官僚は共通漁業政策ということで、EU海域で漁獲制限がされています。漁獲枠で漁獲量を抑えられたことで、英国の漁業の雇用が失われただけではなく、具体的には英国の漁民はEUに割り当てられた漁獲枠(クオータ)に制限される一方、他国漁船が自国の領海で漁船が操業するのを指をくわえて見ているしかありませんでした。

     

    <英国の排他的経済水域(網掛け部分)と周辺国の排他的経済水域>

    (出典:ジェトロ)

     

     英国は1964年に、欧州12か国とロンドン漁業条約を締結。自国の領海沿岸6〜12カイリ内の水域での外国漁船の操業を認めました。その後、英国自身が欧州共同体に1973年に加盟。共通漁業政策に自国の漁業管理を委ねることになりました。その後、欧州経済共同体水域に関する加盟国間のオープンで平等なアクセスを保証し、同水域における資源保護措置を決定する権限をEECに与えたことで、英国国民は自国領海での主権を喪失したのです。

     

     移民問題でいえば、例えば英国は年間○○人の移民を受け入れなければならないとEU官僚が決めます。するとそれによって英国に入ってきた移民たちは、英国人の雇用をどんどん奪っていきました。揚げ句の果てに移民らは、英国に住むことでNHSサービスを、税金を払わずして享受することができるようになりました。これに対して英国人は怒ったのです。

     

     EU官僚とは欧州の真の支配者である一方、選挙で選ばれたわけではありません。

     

     EU官僚は学歴が高く見識が高いと思われますが、そんな彼らがすべてを支配している結果、英国国民は主権を失っていることに気付いたのです。

     

     

     というわけで今日は「英国がEUを離脱した理由」と題して論説しました。

     主権とはその国の国民が幸せになるために極めて重要なものであって、これを政府の上にくる組織や法律によって侵害されてしまっては経世済民を果たすことができません。

     主権を守るということがいかに大事か?EUに加盟するということは、その主権を失ってしまうことであるということを、私たち日本人も知る必要があると私は思います。

     

     

    〜関連記事〜

    EU加盟のデメリット(主権を失うこと)に気付いたイギリス人

    ブレグジットのきっかけとなった英国の医療保険制度NHSについて

    英国が抱えることになるEUとの貿易協定と英米FTA

    EU離脱後、英国は香港支援でマグニツキー法の適用を検討か?

    EU離脱案が2度も否決された理由の一つである北アイルランドとアイルランドの国境のバックストップ問題

    租税貨幣論を参考にユーロ加盟国がユーロから離脱する方法を考える


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