デフレ放置とデフレ促進策をまい進するところへ、新型コロナウイルス騒動で令和不況へ突入か?

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     既にご承知と思いますが、新型コロナウイルスによって、経済にダメージをもたらすことは確実です。

     例えばクルーズ船の需要が縮小するから問題だ!というのは誰でも理解できます。春節で中国人が大勢来日してくれると期待していたが、来なくなったということで経済的なダメージを受けるというのも理解できるでしょう。

     直接中国人が落とすお金が縮小するという日本国内の需要縮小の現象ということに目が行きがちですが、実は経済的なダメージはそれだけではありません。

     

     そこで今日は、拡大が続く新型コロナウイルス騒動について、日本経済への影響を述べたく「デフレ放置とデフレ促進策をまい進するところへ、新型コロナウイルス騒動で令和不況へ突入か?」と題して論説します。

     

     新型コロナウイルスの日本国内への感染拡大も心配ですが、経済に対する影響は?といえば、もっと心配であるといえます。

     

     特に中国の国内経済は、これから低迷していくことになるでしょうし、生産活動が止まっている状況なので、中国の国内需要も落ち込みます。

     

     今、東アジアは中国の経済力が経済成長をけん引していたこともあり、これが中国への輸出が低迷していくことになるとなれば、国内需要が減少して海外でも需要が減ります。内需も外需も低迷するので、経済的被害は不可避であるといえるでしょう。

     

     中国は新型コロナウイルス肺炎の流行で経済活動が停滞しているため、石油需要が激減しています。

     

     下記はブルームバーグの記事です。

    『ブルームバーグ 2020/02/03 07:58 中国の石油需要が20%減、新型コロナウイルスで

     新型コロナウイルス感染拡大による影響で中国の石油需要は消費全体の20%に相当する日量300万バレル程度減少した。同国のエネルギー業界に詳しい複数の関係者が明らかにした。

     この規模の落ち込みは恐らく2008年から09年の世界金融危機以降で原油市場が見舞われた最も大きな需要ショックとなる。減産を巡り緊急会合を検討している石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成するOPECプラスは対応を迫られる可能性がある。

     中国は16年に米国を抜いて世界最大の原油輸入国になっており、中国国内の消費に変化があれば世界のエネルギー市場への影響は大きくなる。中国は日量約1400万バレルを消費しており、日本とフランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国、韓国の合計に匹敵する。

     公に話す権限がないとして匿名を条件に語った中国と欧米の石油幹部は、落ち込みはこの時期の通常水準に照らして測ったものだと説明。現在の需要減を評価したもので、危機が始まってからの平均ではない。平均で見れば減少幅はより小さいとみられる。

     中国当局は多くの人々の移動を制限し、春節(旧正月)連休も延長した。航空便の欠航が相次ぎ、世界各国の当局も新型ウイルスの拡散を抑え込もうとしている。』

     

     

     上記のブルームバーグの記事の通り、1日あたりで300万バレル減少し、2割減少と報じられています。

     

     世界最大の原油輸入国の変調で原油価格が下落し、OPEC石油輸出機構は減産を検討せざるを得ない状況となってしまいました。

     

     また居酒屋チェーンのワタミは、中国本土の直営店全店を撤退することを発表。感染拡大による影響で店舗休業の長期化を余儀なくされることに加え、客数の減少を受けて撤退することを決めました。

     

     ワタミは新型ウイルスの影響の長期化が見込まれるとして、早期の判断に至ったとしているが、中国経済の先行きも不透明であるとの指摘もありますが、もはや中国経済の先行きは低迷が必須であるといえるでしょう。

     

     物流が止まって生産が大きく落ち込むとなれば、GDP3面等価の原則で、生産の大幅減少=消費の大幅減少=所得の大幅減少 となります。

     

     まだ2月中旬ですが、新型コロナウイルスのピークは4月〜5月頃という予測もあり、これからますます低迷していくことになると思われますが、どこまでいつまで低迷するのか?不明です。

     

     日本にとっても経済的なダメージがあるのは必須でしょう。

     

     世界経済が折しも長期低迷に陥りつつある状況で、新型コロナウイルス騒動が発生したため、世界的な不況圧力に拍車がかかることは間違いないでしょう。

     

     中国国内では休業に追い込まれている工場がたくさんあるといわれ、日本の電機メーカーでは、稼働再開がさらに伸びるとなれば、サプライチェーンへの影響は避けられないと懸念されています。

     

     現地の工場の操業停止、ロジスティクスの停滞によって、日本の自動車メーカーや、電気部品の調達、供給網への影響も心配されます。

     

     特に自動車はたくさんの部品から成り立っているため、一つの部品でも欠ければ動きません。他から部品を調達することもできなくはないですが、時間がかかります。そういう意味でも大きな被害が出ることは必須といえるでしょう。

     

     日本経済についていえば、1月末に経済産業省が、小売、卸売りの商業実態調査(12月単月確報)を発表。これが衝撃的なデータでした。

     

    <商業動態統計(前年同月比増減率 2019年8月〜2019年12月>

    (出典:経済産業省のホームページ)

     

     上表を見ていただきたいのですが、2019年9月こそ駆け込み需要でプラスになったものの、それ以降の落ち込みはひどい状況です。2019年12月に限っていえば、医薬品と化粧品の卸売業を除き、すべてマイナスです。

     

     具体的には小売業の前年同月比が下記の通りとなっています。

     

     2019年10月 ▲7.0%

     2019年11月 ▲2.1%

     2019年12月 ▲2.6%

     

     これで第4四半期でみると、前年同月比は▲3.8%ということで、全国の小売りが4%売れなくなったということになります。これは明らかに消費増税の影響といえるでしょう。

     

     1997年、2014年の消費増税の時は、マイナスで前年同月比▲2.0%でしたが、今回の2019年増税は、その時のマイナスのおよそ2倍のマイナスの影響を受けているといえます。

     

     特に1997年の消費増税5%では、それによってデフレに叩き落されたきっかけを作った年であり、それ以降は失われた20年のスタートとなりました。

     

     その2倍の影響を受けているという時点で、ハイパーデフレになる予兆を示しているといえるところに、この状況で新型コロナウイルス騒動の発生。途轍もない経済的被害が出ることは必須でしょう。

     

     私は、内需縮小、外需縮小となれば、緊急大型経済対策を打つ以外に日本経済を救う道はないと思います。

     

     それこそ国債を増刷してしっかりと発行し、10兆円〜15兆円程度を調達して徹底的に政府支出拡大を図っていかなければ、日本経済の凋落に拍車をかけることでしょう。

     

     これは緊急でやらなければならないことであり、3年で10兆とか15兆とかいうのではなく、毎年10兆円〜15兆円程度の政府支出拡大をやる必要があって、特に今、緊急で手を打たなければ、日本経済は確実に令和恐慌に突入するでしょう。

     

     かつて昭和時代に、濱口雄幸内閣、井上準之助蔵相が、緊縮財政をやって日本経済は昭和恐慌に陥りました。それを救ったのは高橋是清で、財政出動のボトルネックだった金本位制を捨て、積極財政を行って不況から脱出できました。

     

     今の日本も消費税を5%に戻し、臨時特別措置で経済が立て直るまでは恒久減税をしていく必要があります。

     

     減税と政府支出で乗り切るということをやらなければ、日本は大恐慌に陥ることになるでしょう。

     

     

     

     というわけで今日は「デフレ放置とデフレ促進策をまい進するところへ、新型コロナウイルス騒動で令和不況へ突入か?」と題して論説しました。

     

     

    〜関連記事〜

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    福島県産のお米の全量全袋検査について

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       今日は「福島県産のお米の全量全袋検査について」と題して論説します。

       

       下記は福島民友新聞の記事です。

      『福島民友新聞 2020/02/06 08:40 福島県、20年産米「抽出検査」移行 70年前の市町村単位で実施

       全ての県産米の放射性物質を測定する全量全袋検査について、県は2020年産米からサンプルだけを調べる抽出検査に移行する。一部市町村は全袋検査を継続するが、検査規模が縮小するため、県が予算案に計上した事業費は8億円(前年度比44億円減)となった。

       県産米は15年産以降、食品に含まれる放射性物質の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を全て下回っている。県は基準値を超えるコメが通算5年間出ないことを条件に、抽出検査に移行する方針を示していた。

       原発事故に伴う避難指示が出るなどした12市町村は11市町村で全袋検査を継続し、川俣町は旧避難指示区域の山木屋地区を除く地域で抽出検査に移行する。南相馬市は避難指示が出た小高区とほかの地域で作付けされたコメを区分することが難しいことから、市内全域で全袋検査を続ける。

       県産米は、国が毎年度末に示すガイドラインで1950(昭和25)年当時に約400あった旧市町村単位で3点を目安に検査することが求められている。このため、県は当時の行政区割りに基づき、抽出検査の密度や点数、対象となる農家などについて関係機関と協議し、4〜5月の作付けまでに検査方法を決める考え。

       全袋検査は県産米の安全性を客観的に証明できる利点があるが、農家や集荷業者らが検査場に運び入れる手間や自治体職員が検査業務を担うケースなどの負担が課題だった。検査の緩和によって風評の再燃を懸念する声もあり、県は国や市町村、JAなどと連携し、正確な情報発信に取り組む。

       牛肉検査は全戸年1頭以上

       県は新年度、県産牛肉の放射性物質検査を、現行の全頭検査から全戸年1頭以上の検査(老齢牛は全頭検査)に緩和する。
       老齢の繁殖牛や乳牛が肉用として出荷される場合は全頭検査を継続する。老齢牛は飼養期間が長く、放射性物質を摂取するリスクがあることを考慮した。

       県産牛肉は原発事故後に検査された約17万4千頭が食品に含まれる放射性物質の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を全て下回り、2016年4月以降は50ベクレルを超える検体も出ていない。』

       

       上記の記事は、東京電力福島第一原発事故以降の福島県産のお米のニュースです。

       

       放射性物質の濃度を調べるために福島県が実施している全量全袋検査を、福島県は新年度から大部分の地域で抽出検査に切り替えると発表しました。

       

       福島県内59の市町村のうち、原発事故による避難指示が出た12市町村で生産されるコメは、全量全袋検査を継続するようなのですが、それ以外の地域については抽出検査(サンプリング検査)となります。

       

       コメなど食品中の放射性セシウム濃度に関する国の基準値は、1キロ当たり100ベクレルとなっていますが、福島県内では原発事故後に収穫された2011年産米で、当時の暫定基準値の500ベクレルを超えるコメが相次いで見つかったため、2012年からすべての米袋をチェックする全量全袋検査というものをやっていました。

       

       福島県ではこれまでに約81,600千件を実施したところ、基準値超となるコメは101件ありましたが、2015年度以降はゼロが続いていました。

       

       そこで福島県は2018年、5年連続で基準値超がゼロとなるのであれば、抽出検査に移行する考えを表明し、その結果、抽出検査への移行によって検査対象件数は年間件数10,000千件から1,000件程度にまで減る見通しであるとしています。

       

       とはいえ、この対応は遅すぎると私は思います。

       

       「5年連続でゼロだったら、そりゃゼロでしょ!」という話であって、福島県としては安全を宣言するためには、5年間必要だったということもあるかもしれませんが、その5年間、ずっと福島県産の農作物は風評被害に晒されてきたわけで、特に政府が高く買い上げることもしませんでした。

       

       そのため、福島県の農家は風評被害で、農産物を他地域よりも安い値段で売らざるを得ず、苦しんできたのです。

       

       また、福島民友新聞の記事の最後の方では、福島県産の牛肉についても触れられていますが、福島県産の牛肉の放射性物質検査について全頭検査をしているのを、大幅に緩和することを決めたとしています。

       

       牛肉についても2011年8月以降の検査開始以降、国の基準値を超える100ベクレル以上のセシウムが検出された牛肉は出ていないということで、消費者の理解は得られると判断したとみられます。

       

       いずれにしても、風評被害が早くなくなることを祈念したいと私は思います。

       

       

       というわけで今日は「福島県産のお米の全量全袋検査について」と題して論説しました。

       私は3.11のとき、福島県いわき市に住んでいまして、東京電力から賠償金ももらいました。当時は放射線、放射能の区別もつかず、知識を持っていなかったので大変怖い思いをした記憶があります。

       今となれば、LNT仮説は仮説にすぎないや放射線ホルミシス効果といった人体に好影響があることなども知り、当時の事故はチェルノブイリ原発事故などとは比べ物にならないくらい問題がなかったと認識しています。

       にもかかわらず、放射線と放射能の区別も知らない人々やそうした子供から、福島県出身の子どもがいじめを受けていたという悲しいニュースもあり、胸を痛めていました。

       福島県の農家は今でも風評被害で他地域よりも高く売れることはなく、苦しんでいると思われます。少しでも被災した農家が風評被害から免れるよう、政府や地方自治体も政府支出で農業インフラ整備を整えるなどの支援、補助金を出して農産物を高く買い上げるなどの支援をしていただきたいと私は思います。

       

       

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