東京が便利になっていく一方で地方は放置されている日本の現状

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     今日は東京都の一極集中が止まらない現状について意見したく、「東京が便利になっていく一方で地方は放置されている日本の現状」と題して論説します。

     

     2019年12月、政府は第二期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」というものをまとめました。地方創生は、2015年度から始まり、地方自治体がそれぞれの個性を生かした総合戦略を立案して、働き場所があって暮らし続けられる地域社会を作る必要があるとしました。

     

     地方圏で創意工夫によって地域産業が活性化され、魅力ある仕事が創出されることで、出生率の低い東京圏から出生率の高い地方圏への人の流れが生まれ、その結果、地方の人口減少と日本全体の人口減少の両方が緩和されるという地方創生における国の基本的な狙いを示すものだったのですが、東京都の一極集中がずっと続いているのが現実です。

     

     もともと安倍内閣は地方創生担当大臣を作り、国土強靭化と関連する政策として、地方創生政策を打ち出し、東京一極集中の緩和を7年前にうたい上げました。

     

     当時、東京への人口流入量から人口流出量を差し引いた相対的人口流入量は10万人だったのですが、現在は13万人の流入となっています。安倍内閣は、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」で、東京への流入量をゼロにすることを目指していたのですが、結果は3万人もの人口流入増加というのが今の現状です。

     

     安倍内閣が目指した東京一極集中緩和は、結局、焼け石にスポイトの水、2階から目薬どころか、焼け石にライターで火を付けたり、油をかけて火をつけているような政策を続けているということを改めて認識するべきです。

     

     東京一極集中というのは、経済が停滞すると進みます。デフレになればなるほど、首都圏への人口流入は増加しますが、これは当たり前の話であるといえます。

     

     地方に新幹線を作らず、東京にだけ新幹線を作り、地方に鉄道を作らず、東京にだけ鉄道網を整備し、地方に道路を作らず、東京にだけ道路を作っていれば、首都圏だけに人が集まることは当然の帰結であるといえるでしょう。

     

     結局、安倍政権は、相対的に地方よりも東京へのインフラ整備、インフラ投資をすすめ、東京を便利にしていく一方で、地方は放置してきたのです。

     

     例えば、地震が発生して津波が来て、鉄道がなくなったらそのまま放置したり、台風で土砂崩れが発生して鉄道が無くなればそれも放置するといった具合です。

     

     そうやって東京への交通インフラ投資を続けていたら、いくら「ひと・まち・しごと」とかやっても、東京への人口集中は進まざるを得ません。

     

     そのうえ、2度にわたって消費増税をやって、今や令和恐慌に突入しようとしています。なので、不況になればなるほど一極集中は進むので、今後もますます東京への人口集中は止まらないでしょう。

     

     景気について、どれだけ悪い指標が出ても、台風などの天候のせいにしたり、米中貿易戦争のせいにしたり、2019年10月の消費増税後の商業動態統計での各種のマイナス指標になっても、絶対に消費増税が原因であることを政府は認めないですし、プライマリーバランスを黒字化したいために、地方へのインフラ投資、高速道路・高速鉄道を作るといった政府支出拡大、内需拡大への政策転換を期待することはできないでしょう。

     

     東京への人口一極集中化を是正するためには、デフレ脱却を果たすことが必要十分条件であり、地方にインフラ投資を拡大することが人口の分散化につながります。

     

     ところが「ひと・まち・しごと」創生本部の人が、プライマリーバランス黒字化を是としている限り、地方創生と口では言ってみたとしても、結局地方創生をしたくないということに他なりません。

     

     政府が赤字になるのは”イヤだ!”と考えている以上、地方創生よりも政府にお金を貯め込むのが大事であって、地方にインフラ投資を拡大することなど、如何ほども考えていないということです。

     

     オリンピックは東京だけ。万博も大阪だけ。建設国債を増刷して日本全体の公共事業への支出拡大が見られればまだしも、チョロっとしか支出せず、しかも大都会と比べて相対的に地方への投資は少ないままですし、リニア新幹線も東京と名古屋だけです。

     

     経済を立て直すにはインフラ投資が最も有効で、鉄道を敷いて便利にしなければならないのですが、東京だけ便利になるのは不公平です。

     

     例えば東京では、地下鉄も私鉄も相互乗り入れが進んで便利になっています。新幹線にしても、北陸新幹線が開業したことで、東京は東北上越北陸新幹線と東海道山陽新幹線の発着ターミナル駅となっている一方、大阪は新幹線の通過駅にしか過ぎません。

     

     また20路線以上、東京を中心とした首都圏では、計画されていた私鉄・地下鉄などの路線のほとんどが着工・完成しているにもかかわらず、大阪は「なにわ筋線」が2031年に開業、「北大阪急行」の中央千里駅〜箕面萱野駅の延伸が2023年度開通、西梅田十三連絡線は開業見通しが不明という状況で、大阪と東京ですら格差が開いています。

     

    <大阪都市圏の交通インフラ>

    (出典:大阪市のホームページ)

     

     

     というわけで今日は「東京が便利になっていく一方で地方は放置されている日本の現状」と題して論説しました。

     大阪と東京でもこれだけの鉄道インフラの格差があるとなれば、九州や北海道や中国地方、四国、北陸など、何も進んでいないので東京との格差は、さらに広がるのは必然です。

     東京だけが便利になるとなれば、一極集中は止められず、首都直下型地震のリスクが高まるだけで、防災安全保障の面からも是正されなければなりません。

     一極集中を是正するためにはインフラ投資の偏在を緩和するしかないのですが、プライマリーバランス黒字化というものが毒矢のように日本に刺さり、それができず、こうした言説も極めて少ない日本の現状は残念であると私は思います。


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