韓国へのビールの輸出額が▲99.9%と激減したことについて
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今日は10/30に財務省が発表した9月の品目別貿易統計で韓国向けビールの輸出が激減したことを取り上げ、「韓国へのビールの輸出額が▲99.9%と激減したことについて」と題して論説します。
下記は産経新聞の記事です。
『産経新聞 2019/10/30 13:35 韓国向けビール輸出 99・9%減 不買運動が影響 品目別貿易統計
財務省が30日発表した9月の品目別の貿易統計によると、韓国向けのビール輸出額は前年同月比99・9%減の58万8千円だった。日本政府が7月から始めた韓国向け輸出管理の厳格化に反発した日本製品の不買運動の影響が色濃く現れたとみられる。
半導体の洗浄に使う「フッ化水素」の韓国への輸出額も99・4%減の372万3千円だった。8月の韓国向け輸出は数量、金額ともにゼロだった。9月に入って政府の許可手続きが進んだと考えられる。
フッ化水素などの輸出をめぐっては、日本政府が軍事転用可能な物品や技術の韓国向け輸出の管理を厳格化し、7月4日以降、それまで企業に3年間有効な許可を与えていたのを輸出ごとの許可に切り替えた。ただ、軍事転用の恐れなどがないと判断した場合には輸出を許可するとしている。』
上記記事の通り、9月の韓国向けビールの輸出額が2018年9月比▲99.9%の58万8000円と激減したと報じられています。半導体材料のフッ化水素、フッ化ポリイミド、レジストの3品目の輸出管理の厳格化対応をしている日本政府に対する反発として、日本製品の不買運動が反映された形になっています。
下記グラフは、総務省のe-slatから引用した統計品目番号2203(ビール)について、2019年1月からの数字を拾ってみたものです。
<韓国向けビールの輸出金額、輸出数量の推移>
(出典:総務省のe-slat)
上記の通り、7月639,430千円→8月50,091千円→9月588千円と、株価でいうところの落ちるナイフのごとく激減しています。
このグラフから考えると、ほぼ完ぺきに日本からビールを買うのを辞めたということでしょう。
とはいえ、好きにすればいいのでは?と、私は思います。
なぜならば、日本経済は韓国と異なり、内需国です。輸出がGDPの50%以上を占める韓国に比べ、日本は内需が60%を占める内需国です。内需で経済成長するというのが基本です。
韓国の人がビールを買うか買わないか?以前に、日本人がビールをたくさん飲んでいます。日本国内での日本人のビールの消費量が毎年1%〜3%ずつ伸びていけば、輸出金額の7億程度など、簡単に取り戻せるでしょう。
仮にビールを飲む量が増えていなかったとしても、より高級のビールを日本人が飲むようにすれば、輸出額などいくらでも取り返せます。
ビール輸出額激減のニュースは、産経新聞に限らず、読売新聞なども各紙が報じていますが、こんなことで一喜一憂することがおかしい話であり、本来ならば内需拡大すべき!とか、緊縮財政を辞めて政府支出を増やしなさい!とか、消費税を減額しなさい!などと政府に働きかける論調であるべきです。
一方で、日本から韓国への半導体の洗浄に利用するフッ化水素の9月の輸出額は、▲99.4%減少の372万3,000円でした。記事で報じられている通り、8月は数量と金額がともにゼロだったため、9月に入って政府の許可手続きが進んだと考えられます。
サムスン電子などの大財閥がGDPの大半以上を占める韓国経済にとっては痛手ですが、日本にとっては日本国民ファーストで安全保障上の問題であり、韓国政府に輸出管理をちゃんとやれ!としかいいようがありません。
反対に韓国の人々がビールを買ってくれるか否か?は、他国の内政の問題であり、日本でとやかく言う話ではありません。輸出が伸び悩むから経済成長を抑制するという言い分も理解できなくはありませんが、それ以前として内需だけで経済成長ができるような環境にしておくことこそ、通商政策や安全保障上も重要であるといえるでしょう。
というわけで今日は「韓国へのビールの輸出額が▲99.9%と激減したことについて」と題して論説しました。
- 2019.11.20 Wednesday
- 世界経済(中国・韓国など東アジア)
- 08:31
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- by 杉っ子