参議院選挙の争点に”改憲議論を進めることの是非”
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今日は「参議院選挙の争点に”改憲議論を進めることの是非”」と題して論説します。
7/4公示、7/21投開票の参議院選挙の争点に、”改憲議論を進めることの是非”が挙げられています。しかしながら、私の目から見れば、多くの国民が消費増税を本当にやるの?ということで、”消費増税の是非”も、本来ならば争点になるべきです。何しろ与党は増税する方針で今回の参議院選挙を戦います。しかしながら野党も多くが消費増税反対ではないため、正直なところ、投票したい党がないというのが私の感想です。
表題の”改憲議論を進めることの是非”でいえば、自民党は「緊急事態」「参院選”合区”解消」「教育の充実」「自衛隊の根拠規定の明記」という4つの論点を掲げています。
憲法第9条3項の追記については、加憲する(憲法を加える)方針としていまして、これに対しては私は大反対です。
その憲法第9条第1項、第2項は下記のとおりです。
第九条【戦争放棄、軍備及び交戦権の否認】
1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、 国権の発動たる戦争と、
武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない。
憲法9条第2項には、「陸海空軍その他の戦力を保持しない」とあるため、憲法9条第3項で「自衛隊を持つ」と明記された場合、自衛隊は戦力ではないとなってしまいます。となれば、「彼ら自衛隊は一体何なの?」と混迷を深めるだけではないでしょうか?
英語では明らかに「Force」と訳され、軍隊と呼ばれていますし、護衛艦「いずも」「かが」にしても英語でも「aircraft carrier」で空母と呼ばれています。
結局、最も大事な国防の問題に対して、ダブルスタンダードの2枚舌を使い続けることを確定させるという意味で、この加憲には大反対というのが私の立場です。
同じような2枚舌は、移民も同じです。国連の人口部による「移民の定義」は、「出生あるいは市民権のある国の外に12か月以上いる人」です。「高度な能力や資質を有する外国人を受け入れる」などとして、外国人技能実習生を受け入れるのは、国連の人口部の定義に照らせば、移民以外の何者でもありません。
経済についても同様です。2019年1月〜3月の実質GDP△2.1%(名目GDP△3.3%)だからとか、ヒストリカルDI9つの指標のうち7つがマイナスなのに8つがマイナスになっていないからという理由で”いざなぎ越え”で好景気とか、本当はデフレなのに経済についても2枚舌を使っています。
移民やデフレでの2枚舌は、とんでもない話ですが、自衛隊に対してそのようなダブルスタンダードにすることは言語道断といえます。
例えば、憲法9条第2項を削除するとか、憲法9条第2項の文言を調整するとか、やり方はあるはずですし、自民党は第1項の外交を解決するための軍隊は持たないが、自衛のための軍隊は保持するという趣旨になるように憲法9条第2項を変えるべきであることを、言い続けてきました。にもかかわらず自民党の国会議員が黙って口を噤むのは、まことに許せない話であると私は思うのです。
というわけで今日は「参議院選挙の争点に”改憲議論を進めることの是非”」と題して論説しました。
今、イランとの緊張があって、ホルムズ海峡の問題があります。日本にとってシーレーンの8割、9割の原油がここを通過します。自衛隊はシーレーンの防衛も国土の防衛と同じくらいに重要な任務です。
憲法9条第2項の問題は、憲法9条の加憲ではなく、自民党が主張を続けてきた第2項を調整する方向でやっていただきたいと改めて思います。
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- 2019.07.06 Saturday
- 日本経済(防衛安全保障)
- 12:27
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- by 杉っ子