消費増税延期の可能性について
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今日は「消費増税延期の可能性について」と題して論説します。
厚労省の毎月勤労統計の不正調査問題が出てきたにもかかわらず、安倍総理は消費増税に理解を求めるという意味不明な発言をしています。私は、どう考えても消費増税は論外中の論外であり、正気の沙汰とは思えません。
消費増税10%に関していえば、2019年10月に予定していますが、過去2回延期しました。私は2018年度の段階では増税実施か延期が5分5分くらいに思っておりましたが、今年は不正統計の問題も明るみになったため、5分5分以上の確率で延期・凍結という可能性があると思っております。
2018年の骨太方針でプライマリーバランス黒字化目標が削減されなかったため、消費増税延期の可能性は極めて少なかったのですが、2018年10月15日に安倍首相が増税を表明した際に、「リーマンショック級のことがない限り」というフレーズを付け加えていました。わざわざそのフレーズを加えたということは、増税を延期するロジックが正式に認められたとみることもできます。
リーマンショック級のことが発生もしくはリーマンショック級のことが予期できれば、増税延期という道筋がつけられたといえるのです。
正直なところ、私が思うに2019年度の経済状況は、消費増税10%を延期しても、最悪の状況になると予想しています。
クリスマスにアップルショックがあり、アップルの業績が下方修正されたこともあり、2018年12月に株価が暴落しましたし、その前の2018年2月は仮想通貨を起点に株価が暴落、2018年10月も大きく下げた日がありました。今年に入って直近では値を戻しつつある株価も、年明けは大きく株価が下落しました。
株価の状況が危なくなってきているといえ、安倍政権は株価下落を非常に恐れ、株式市場を非常に警戒しているでしょう。何しろアベノミクスの成果といえば、株価が民主党政権期よりも上がったなどと発言するくらいですから、株価が下がるのだけは、何とかしたいのは本音ではないかと推察できます。
リーマンショック級のようなことが起きることは、当然あり得る話であり、今年中に発生することも十分に考えられます。そのため、そろそろ増税延期というカードがあり得るということを、公表する必要があると考えたとしても不思議ではないでしょう。
だからこそ「リーマンショック級のことがない限り」というフレーズが付け加わったと私は思っております。
菅官房長官は増税できるような状況にあるくらい景気がいいということも仰っておられるわけですが、不正統計によって実質賃金はマイナス、実質消費は落ち込み、GDPデフレーターはマイナス、コアコアCPIもゼロ近辺をウロウロという状況では、景気の状況判断を修正せざるを得ないのではないでしょうか?
政府の立場としては、アベノミクスで経済が好調である、いざなぎ景気越えである、ということを一貫して発信したいため、景気はよいと発言してきたわけですが、不正統計事件も考えますと、増税延期・増税凍結どころか、消費減税5%を議論する段階であるようにも思えるのです。
というわけで今日は「消費増税延期の可能性について」と題して論説しました。
戦後では過去5回、大きな経済ショックがありました。そのうち2回は消費増税2回(1998年の5%増税、2014年の8%増税)と、オイルショック、リーマンショック、東日本大震災です。
リーマンショック級が予期されるならば増税延期というならば、消費増税そのものがリーマンショック級の被害をもたらすものであり、普通に考えて消費増税はできません。
よほど好景気でインフレ率が極めて高い状態、例えばコアコアCPIで10%というのが2〜3年間続いているというのであれば、消費需要を抑制するために消費増税という選択肢はあり得ます。
しかしながら日本は未だデフレ脱却できておらず、つい最近も単価の高いファーストフード店のサブウェイのフランチャイズ店の倒産ニュースがあったほど、消費は極めて弱い状況です。
どう考えても消費増税どころか、消費減税を議論し始める状況にあるというのが、私の認識です。
- 2019.02.04 Monday
- 日本経済(税制問題)
- 01:34
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- by 杉っ子