消費税10%で日本は発展途上国化がさらに加速する!
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今日は「消費税10%で日本は発展途上国化が加速する!」と題して論説します。
私は従来からデフレ状況での消費増税には反対の立場です。逆にインフレ状態であれば消費増税も政策の一つとして有効と考えます。例えば、消費者物価指数がコアコアCPI(生鮮食品とエネルギーの価格変動を除く消費者物価指数)でプラス7%程度、GDPデフレーターでプラス7%程度という状況であれば、むしろ消費増税したほうがいいです。諸外国をみても、負債を増やしながら経済成長し、例えば北欧のスウェーデン、デンマーク、ノルウェーが消費税率25%を筆頭に、イタリアが22%、ベルギー、オランダが21%と続きます。
欧州の主要国で消費税が20%台なので、日本も消費増税は10%どころかもっと引き上げるべきという意見は、日本がデフレであるという点を見落としています。デフレで消費税率を引き上げた場合、間違いなく経済縮小で経済成長はおろか、日本の発展途上国化が加速します。
2019年10月に予定されている10%への消費増税については、下記の3つを主な理由として私は反対の立場です。
●引き続き日本がデフレであること
●需要縮減策(働き方改革による残業規制、オリンピック特需の減少)の目白押しでタイミングが悪いこと
●内閣官房参与の藤井聡先生の指摘による10%という数値がもたらす心理的インパクト
今に限らないかもしれませんが、日本には勢いがありません。中国にGDPで抜かれ、所得もどんどん減少しています。何しろ、中国のファーウェイは、昨年夏の日本国内事業における新卒募集で、初任給40万円で募集していることが話題になりました。
私は1996年4月に社会人になったのですが、平均して初任給は20万円。銀行が174000円だったことを記憶しています。私が大卒で入社した損害保険会社も20万円台でしたが、家電製品の日立や東芝や富士通やNECなども20万円前後だったと思います。
1997年に橋本政権による構造改革基本法制定以来、日本はデフレに突入するのですが、20年以上たった今、初任給は20万円ちょっとでほとんど変わらない水準です。これはこの20年間経済成長していなかったことそのものだといえるでしょう。
今の若い人だけでなく、バブルを経験した世代にしても、「バブル時代はよかったな!」「高度経済成長時代はよかったな!」と思う人がいる一方、「でも2度と私たちは、あのような高度経済成長はできないだろうな!」と自虐的に考える人々は多いと思われます。
こうした風潮は全て消費増税が原因と私は断定します。
1997年の消費増税5%がまずかったのは、バブル崩壊後であったことと、消費増税以外に公共事業削減、医療費削減という需要削減をしたことが原因です。公共事業・医療介護費の削減は、いずれも需要削減のデフレ促進策でインフレ対策です。
日本がバブル絶頂で経済成長率が高いときであれば、消費増税に加え、そうした需要削減策もありです。とはいえ、日本は災害大国であるため、地震対策による耐震化、津波高潮対策による防波堤防潮堤整備、火山噴火予知やゲリラ豪雨予測などの応用技術分野が広いスパコン事業、イージス艦建造や戦車製造などの防衛事業など、生産年齢人口の減少や総人口の減少があっても需要が減ることはありません。こうした事業に対しては、たとえ高インフレという環境を受け入れてでも、継続していく必要があるものと考えることもできます。
日本は他国と比較して高貯蓄率と言われることがありますが、このルーツについてもいろんな説がありますが、とりわけ戦時中の経済を要因とするルーツについては、戦時中に貯蓄が奨励され、国民の購買力を抑えることを国家として推奨しました。
戦争するとなれば、購買力の多くを軍事産業の製造業者に与え、限られた人・モノ・カネを集中する必要が出てきます。このとき個人が消費する商品もサービスも減少させなければなりません。
もし、消費者が賃金が伸びていて、実質消費が増えていて、かつ平時の状態を続けていれば、軍事産業と競うこととなって物価がさらに上昇します。その結果、物資を調達するための戦費の高騰を招き、最悪は高インフレ率という形で国民の不満が高まる恐れがありました。その時の解決策とは何か?といえば、貯蓄奨励でした。
1938年4月、貯蓄率をGDPの30%まで引き上げることを目的として、「全国貯蓄奨励運動」というものが始まりました。貯蓄奨励委員会や貯蓄組合が、全国の役所や民間企業、一般労働者や隣組などに続々と生まれたのです。国民貯蓄奨励員会は日本銀行内に作られ、貯蓄のほとんどは国債や郵便貯金や銀行預金となりました。こうして貯蓄が奨励されることで消費を抑制し、物価の上昇を抑えました。
いざ戦争になれば、日本語をしゃべられる人は、「おいおい!フリーターとかニートとかやっている場合じゃないよ!戦おうよ!」ということになり、お金をもらって国のために働くことになります。徴兵とはそういうことです。若者はお金を貯めることができるのですが、それを旺盛に消費しようとなると、物価上昇に拍車がかかるため、貯蓄奨励をすすめられたのです。それはそれで、お金が貯められて、いい時代だったのかもしれません。
少し話を戻しますが、今の日本ではGDP530兆円の6割が個人消費を占めます。この消費そのものを削減するというのが消費増税です。そのため消費増税すればするほど、GDPの半分以上である6割をも占める消費を、過去にわたって削減してきたということになります。
逆に消費増税さえしなければ、現在の日本は、中国と対等どころか、中国に負けない経済大国になっていた可能性が高いといえます。ひょっとすれば米国と対等くらいの経済力を持っていた可能性ですら、あり得ます。
米国製品のグーグルとかアップルなど、米国の舶来品をすごいと思っている人々は多いと思うのですが、仮に経済大国となって米国と対等の経済力があれば、グーグルやアップルに変わって日本のシャープやソニーが世界を支配していた可能性もあるのでは?と思っています。
今はトヨタ自動車だけが世界を支配してシェアを取っている状況ですが、トヨタのみならずあらゆる分野で日本企業が世界を席巻していた可能性は十分にあり、20代〜30代の非正規社員や貧困女子などというものは、全く発生しなかった可能性も十分にあります。
昨今、インバウンドでお金を稼ごう!という風潮があります。どちらかといえば私はインバウンドは嫌いです。もし、消費増税していなければ、経済成長を続けて物価が高い状況になるため、いろんなものが高くて立派な国となって、外国人は日本に来日できないでしょう。
昔のバブルの頃、物価が高いために外国人は来日できませんでした。今、来日している外国人は、かつての日本人がフィリピンやタイに行ったら物価が安いということで東南アジアに行くのと同じような気持ちで来日しているだけです。
消費増税さえしなければ、今の日本の状況は全然違っていたでしょうし、日本人がみんなお金をたくさん持っていたことになるでしょうから、子どもも一人だけではなく、二人目、三人目と産む人もたくさんいたことでしょう。となれば、少子化だって起きなかったに違いません。
日本の消費増税によって、日本は、とてつもなくダメな国になり、発展途上国化してきました。今度の消費増税10%は、日本をさらにもう1ランク下の国に格下げしていく可能性があります。このまま消費増税した場合、2040年頃にはメキシコやインドネシア程度の貧困国に日本は落ちぶれていくことでしょう。
というわけで今日は「消費税10%で日本は発展途上国化がさらに加速する!」と題して論説しました。
日本国民は消費増税が日本を根本からダメにしているということを知らなすぎであると私は思います。読者の皆様にはぜひとも「消費増税は”ヤバイ”」ことを認識していただき、消費増税すべきという国会議員は落選させなければならないということを知っていただきたい。
消費税を社会保障に充当するというのは、すべてデマであり、社会保障費は経済成長することでおつりが十分に出ます。なぜならば日本は税収弾性値が3〜4であり、名目GDPの伸びに対して税収は3倍〜4倍にもなるから。事実として、第二次安倍政権発足時、2013年度は国土強靭化で公共事業費を増やしたため、名目GDPで△1.9%となり、税収は△6.9%も増えました。ところが、その後、消費増税をはじめとする緊縮財政を始めたため、景気は失速しました。
社会保障制度の維持という目的もまた、デフレ脱却で経済成長こそが解決策であるということなのです。だから消費増税をしなければ、昔のままの社会保障制度を、高齢化社会が進行していたとしても完全に維持することができたといえます。
家計簿発想による緊縮財政・増税思考をもつ愚かな財務省職員らが、マスコミを使って巧みなプロパガンダで日本国民を陥れているともいえます。経済成長すれば税収弾性値によって経済成長率以上に税収は増えます。
マスコミどもは財務省のプロパガンダにやられていますが、本当は消費増税は何も決まっていないということを今一度皆様にはご理解いただきたいと思うのです。
- 2018.11.05 Monday
- 日本経済(デフレインフレ)
- 00:35
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- by 杉っ子