安全でおいしい水を廉価で飲める日本のすばらしさを考える!

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     今日は、「安全でおいしい水を廉価で飲める日本のすばらしさを考える!」と題し、2018/07/05に衆院本会議で可決された「水道法改正」について意見したいと思います。

     

    1.水道法改正法案可決の報道について

    2.「コンセッション方式の導入」によって、安全でおいしい水を廉価で供給できなくなる可能性について

    3.水道事業民営化の海外の事例について(再公営化がグローバルのトレンド)

     

     上記の項目の順で、論説します。

     

     

     

    1.水道法改正法案可決の報道について

     

     下記はヤフーニュースからです。

     

    『週プレニュース 2018/07/14 06:30配信

     7月5日、「水道法」の一部改正案が衆議院本会議で可決された。この法案の柱のひとつは水道事業の民営化だ。

     

     日本の水道普及率は97.9%。水道事業は、浄水場や水道管の新設から給水、メンテナンス、水道料金の設定に至るまで、ほぼすべて市町村自治体が担っている。水道法改正について、特に水道事業の民間への開放について反対している立憲民主党の武内則男衆議院議員はこう話す。

     「改正案では水道施設の所有権は公に残したまま、運営権を民間に委ねる"公設民営"(コンセッション)を拡大していこう、という内容が盛り込まれました。しかし、水道料金が電気代やガス代などほかの公共料金と比べて安価なのは公営だからこそ。これが民間企業に売り渡されたら自社の利益を優先され、水道料金がどんどん値上げされる恐れがあります

     では、水道法が改正されたら日本の水はどうなるのか?

     専門家や現場の職員に話を聞くと、法改正の背景に"公営水道"の危機的な状況が浮かび上がってきた。『日本の地下水が危ない』(幻冬新書)の著者で、水ジャーナリストの橋本淳司(じゅんじ)氏が解説する。

     「各自治体の水道事業は、給水から下水処理、施設のメンテナンスに至るまで、すべて市民から徴収する水道料金によって賄われています。ただ、厚労省によると地方公共団体(1273団体)のうち、実に424団体(約33%)が原価割れの"赤字状態"なんです」

     なぜか?

     「人口減によって料金収入が減り、節水型社会が進んでひとり当たりの使用水量も減っているから。例えば、昨今の節水型トイレは10年前の製品と比べて一回当たりの使用水量が半分。これがあらゆる建物に急速に普及し、特にビルやマンションの建設ラッシュが進む都市部の自治体にとっては大問題になっています」

     さらに、今、問題になっているのが水道管の老朽化だ。

     厚労省によると、全国に埋設された水道管の総延長は67万kmで、そのうち法定耐用年数(40年)を超えた水道管は約14%(約9万4000km)。漏水や破裂事故が起きる前に、これだけの長さの老朽管を更新しなければならない時期が来ているのだが......。

     「耐用年数を超えた老朽管のうち、一年間に更新される水道管の割合は13年が0.79%、14年が0.76%、15年が0.74%と超スローペース。このままでは、すべての老朽管を更新するのに『130年以上かかる』と厚労省は推計しており、国も自治体もかなり切羽詰まった状態です」(橋本氏)

     更新の遅れの主な原因はやはり財源不足だ。ただ、それ以外にも大きな原因がある。埼玉県内の水道局職員が打ち明ける。

     

     「水道管の台帳管理がずさんで、いつ、どこに、どんな材質の管が敷設され、その後、どんな修繕が施されたのか? という確実な情報がなく、管の劣化は地面を掘らないとわからないんです。この状況が更新作業をいっそう遅らせる原因になっています。しかも、近年は職員の定数を削減する本庁の方針もあって、小規模なところでは職員ひとりの"ワンオペ"になっている水道局も珍しくありません」』

     

     

     上述の通り、先週の2018/07/05に水道法改正法案が衆院本会議で可決成立しました。延長国会の焦点として取り上げられたこの問題ですが、老朽化する水道施設の更新を急ぐため、事業を複数の自治体で手掛ける広域連携と民間企業参入を促す内容となっています。

     

     大阪北部地震で古い水道管の破損で断水が生じ、西日本豪雨でも水道管が破損して1週間近く経過しているにもかかわらず未だに断水が続いているという状況です。被害地域以外にお住まいの方々は、断水がどれだけ不便か?想像もつかないと思います。

     

     私は3.11のとき、福島県いわき市に住んでいまして、いわき市内が何度も断水したのを記憶しています。断水のためにファミリーレストランの営業時間が22:00閉店となったり、サービスの提供ができないということになったり、家に帰ってもお風呂にも入れず、トイレの水も流せず、大変不便な経験をしたことがあります。

     

     とはいえ、水道局の方々の懸命な復旧作業で、何度も断水してもすぐに復旧したという記憶がありまして、西日本集中豪雨で広島県が1週間も断水が続くというのは、事態が深刻であると想像できます。

     

     大阪北部地震では古い水道管の破損で断水が生じたものの修復は早かったといわれています。これは公であるがゆえに、利益追求組織が運営しているわけではないがゆえに成せることであると私は思います。

     

     政府与党は水道法改正の必要性を訴える中で、今回の法案について水道事業を複数の市町村で経営する広域連携の必要性を主張し、国が基本方針を定めるとしているほか、都道府県は計画を作って関係市町村などによる協議会を設置できるとしています。 

     

     水道事業はインフラ産業の一つであり、基本的には自治体が事業遂行しているもので、国は基本方針を定めているものの、必ずしも法的効力が大きくありませんでした。今回の法案は、国が基本方針を定めるということで介入の度合いを強くするということであり、ポジティブにとらえてもいい部分もあると思っていますが、もう1つの柱である市町村が水道施設の運営権を民間事業者に売却するコンセッション方式の導入を推進するということについては、国益を損ねるものと考えます。

     

     災害復旧の際の責任を明確にして、市町村と民間事業者が共同責任を負うこととして、民間経営のノウハウを取り入れて事業を長く続けることができるようにする狙いがあるとされていますが、この考えには全く賛同できません。

     

     

     

    2.「コンセッション方式」の導入によって、安全でおいしい水を廉価で供給できなくなる可能性について

     

     民間経営のノウハウを取り入れるとする「コンセッション方式」の導入は、真の解決策といえるのでしょうか?

     

     そもそも統計によれば、自治体が運営する水道事業のうち、3分の1が赤字、3分の2が黒字という状況です。

     

     コンセッション方式の導入というのは、民間事業者が参入するという話ですが、赤字の3分の1の水道事業は、民間事業は絶対に参入しません。老朽化が進まないのは3分の1の赤字の水道事業で進まないのです。

     

     民間事業者が参入するとすれば、黒字の儲かる水道事業の3分の2のところに参入することになるでしょう。

     

     自治体が運営して黒字ということは何を意味するか?儲かったお金は誰に還元されているのか?

     

     答えは簡単で、その儲かる黒字を出した水道事業を運営する地方自治体に属する市民に還元されているということになります。

     

     ところが民間事業者がその黒字の地方自治体の水道事業に参入するとなれば、その黒字を民間事業者が吸い上げていくということになります。百歩譲って、その地方自治体に本拠地を構える民間事業者であれば、まだ地方自治体内のその民間事業者に還元されるということになるわけですが、他の地方自治体に本拠地を構える事業者であれば、その黒字は他の地方自治体に流出することになるのです。

     

     老朽化対策を進めるためとはいうものの、普通の一般市民に還元されている黒字の儲けが無くなるという観点と、地方創生・地方の活力維持という観点から、地方自治体同士で利益追求のために黒字を奪い合うということは、負けた地方自治体がなお困窮することになり、過疎化が進んだり、人口の分散化に逆行して首都圏への一極集中を加速する可能性もあると思っておりまして、私はネガティブな立場です。

     

     技術ノウハウの蓄積には時間がかかるため、今からでも遅くありませんので、政府支出増で国交省・総務省が連携して公務員を増やすなどの対応が必要と考えます。公務員が増えれば、消費も増えますし、デフレ脱却の一矢となり得ると思うのです。

     

     

     

    3.水道事業民営化の海外の事例について(再公営化がグローバルのトレンド)

     

     もともと水道事業の民営化は、1980年後半からグローバルに推進されてきました。フランスのスエズグループ、ヴェオリア社、イギリスのテムズ・ウォーター社の3社が水道民営化を開拓し、2000年当時、世界における水道事業の約7割を担っていたとされ、スエズ、ヴェオリア社の売上高は1兆円をはるかに超えていました。

     

     一見すると、世界的にグローバルでみれば、水道事業の民営化が推進されていると思いきや、再公営化の動きも増えています。今回の改正法案で、立憲民主党の尾辻かな子議員が質問をしています

     

    <立憲民主党の尾辻かな子議員が指摘した37か国236水道事業が再公営化されたことについての質問内容>

    (出典:衆議院厚生労働委員会ニュース 第196回国会第32号から抜粋)

     

     

     

     なぜ、37か国235もの水道事業が、民営化された後に、再公営化されたのでしょうか?

     

     再公営化する理由は簡単で安全でおいしい水を廉価に人々に供給するためです。例えば、パリ(フランス)、ベルリン(ドイツ)、アトランタ、インディアナポリス(アメリカ)といった先進国や、ブエノスアイレス(アルゼンチン)、ヨハネスブルク(ミナミアフリカ)、クアラルンプール(マレーシア)、ジャカルタ(インドネシア)といった発展途上国で、再公営化されています。

     

     こうした再公営化する事例に共通する理由は、「事業コストと料金値上げの問題」「水道料金の高騰」「人員削減と劣悪なサービス体制」「財政の透明性の欠如」などがあり、利益追求の株式会社では、安全でおいしい水を廉価に提供することと利益追求というベクトルが一致しないということを再認識したというものです。

     

     だいたい民営化すれば、水道事業のサービス基盤が強化されて老朽化対策が進むというのは、本当なのでしょうか?

     

     フランスのパリの場合は、1984年に民営化後、水道料金が2倍以上となり、2010年に再公営化されていますし、ドイツのベルリンも株主資本利益率(ROE)8%を保証するという利益率を定めた契約によって設備投資が十分にできず、2013年に再公営化しています。

     

     アメリカのアトランタでも1998年に民営化した後、排水阻害、泥水の地上噴出、水への異物混入といった問題が続出した上に、料金が毎年値上がりしたため、アトランタ市民の怒りを呼んで、2003年に再公営化されているのです。 

     

     水道の維持管理をするためには、普通に政府が支出を増やしたり、公務員増員をすればいいだけの話です。確かに老朽化した水道管の更新投資には、莫大なコストがかかるでしょう。しかもそのコストを支出した結果、住民の生活は改善されますが、「利益」は生みません。私には、利益追求の株式会社が、安全でおいしい水を廉価で供給できるとは、とても思えません。

     

     結局、今回の水道法改正法案におけるコンセッション方式導入推進の真因は、プライマリーバランス黒字化目標があるために、「水道管老朽化対策で民営化することで民間のノウハウを取り入れる」という発想であると思うのです。

     

     プライマリーバランス黒字化はデフレ促進させるだけ。デフレ下の日本はプライマリーバランス赤字が正しいということがわかれば、普通に政府支出増と公務員増員で中長期的に解決に向かうということは、誰でも理解ができるのではないでしょうか?

     

     海外の失敗事例がこれだけあっても、水道事業の民営化を推進するというのは、日本ならでは「自国通貨の借金で国家が破綻する」といった間違いや、国家財政を家計簿と同様に考える”プライマリーバランス黒字化”が原因であると、私は考えます。

     

     

     というわけで、今日は「水道法改正」について論説しました。

     

    〜水道法に関連する記事(水道法と食品衛生法の違い)〜

    豊洲の移転延期の判断誤りを認めようとしない小池都知事


    大阪北部地震で浮き彫りになった水道管の老朽化について

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       今日は「大阪北部地震で浮き彫りになった水道管の老朽化について」と題して論説します。

       

       水道管が老朽化しているということは、今に始まったことではありません。インフラの老朽化問題といえば、橋が渡れなさそうになって落ちかかっているとか、中央自動車道の笹子トンネルの痛ましいトンネル事故など、橋やトンネルが危ないとされてきました。

       

       実は専門家の間では、水道管の老朽化についても、「地震が発生したら、とんでもないことが起きるだろう!」と明確に知れ渡っていた問題です。

       

       どのくらいひどい状況かといえば、老朽化して耐震性が低いものが非常に多く、大阪で7000舛らいで、これは全国で最悪の数字といわれており、全水道管に占める30%程度に該当するとのことです。

       

       大阪では、かなりの部分が老朽化が進行していたため、耐震性を高めなければならない状況だったのですが、耐震化しているのは数割程度で、まだたくさん残っており、年間で1%〜2%ずつくらいしか耐震性強化の改善がなされていないのが実態です。

       

       なぜ、老朽化した水道管の耐震性強化が進まないのか?といえば、プライマリーバランス黒字化目標を定める財務省が原因です。国債増刷=悪、政府支出拡大=悪、というわけで支出削減を是と考え、国家財政に最も権限を持つ財務省がお金を出さないからというのが原因です。

       

       人口が密集して水道管が張り巡らされている都市部では、影響を受ける人が多いにもかかわらず、プライマリーバランス黒字化目標があるために財政支出を増やすことをしないのです。

       

       今回の大阪北部地震で、改めてこの課題が浮き彫りになっているといえるでしょう。地方自治体の水道事業は、財政難が理由で耐震性に備えた水道管に置き換える更新工事が進んでいないという課題です。

       

       気象庁は、大阪北部地震が南海トラフ地震への影響について、現時点では考えにくいとしていますが、近い将来発生すると予想される南海トラフ地震、首都直下型地震についてはどうか?といえば、気象庁が主張したいのは、今回の地震がきっかけになって南海トラフ地震が発生することはないということです。

       

       南海トラフ地震は、前兆の地震が起きるといわれています。即ち、南海トラフ地震という非常に大きな地震が発生する場合は、その前兆として内陸部の地震がたくさん発生し、そのうちの一つが大阪北部地震といえる可能性は高いかもしれません。

       

       また科学的には、どの断層がずれたのか?ということも重要で、大阪府では上町断層、生駒断層、有馬−高槻断層の3つのうちのどれか?と言われていますが、ずれていない残りの2つにおいて、確実にその断層を起点とする地震が起きる確率が着実に上昇したといえるでしょう。

       

       特に上町断層は、大阪都心部の中心の真下にある断層であるため、上町断層を起点とした地震が発生した場合は、とんでもない被害が発生すると予想され、被害の悲惨さは今回の大阪北部地震の比ではないでしょう。

       

       そういう意味で気象庁が南海トラフ地震を誘発するわけではないとしても、油断はできず、南海トラフ地震以外の地震が起きる可能性もあるということを感じ取らなければなりません。

       

       では、安全保障の観点から、私たちはどうすればいいのでしょうか?

       

       例えば、南海トラフ地震であれば、津波対策が必要です。試算によれば大津波で1200兆円の国民所得が失われるとされています。これに対応するためには、防波堤・防潮堤を作る必要があります。

       

       インフラといった公共的なものについて耐震性の強化を図り、命の道といわれる高速道路、被災地における高速道路整備を速やかに行う。これらを粛々と速やかに行えば、1200兆円のうち30%は防げるといわれています。さらに民間企業の防災対策を合わせれば、被害想定額の半分くらいにまで、被害を抑えることができるのではないか?といわれているのです。

       

       

       というわけで、今日は大阪北部地震をきっかけに浮き彫りになった水道管の老朽化問題について取り上げました。安全保障をおろそかにして政府がお金を貯めこむということは、本当に愚かしいこと。江戸時代で享保の改革では、徳川吉宗が緊縮する一方、第7代尾張藩主の徳川宗治は、積極的に財政出動し、結果的に尾張藩の経済は活性化したという歴史があります。

       マクロ経済的にいえば、「需要>供給」というインフレギャップが生じている状態であれば、緊縮財政、政府支出削減は1つの選択肢です。財務省職員がインフレギャップが生じていようとデフレギャップが生じていようと関係なく、家計簿の発想でお金を貯めこむことが正しい、支出を増やすのは悪という発想であるため、いつまで経っても景気が良くならず、安全保障のための支出も増やせず、結果的に災害が発生しても国民を守れないという状況になっているのです。

       事実、大阪北部地震に限らず、九州・西日本での豪雨災害でも、多くの人々が命を落としています。これらはすべて、緊縮財政で「政府の負債が1000兆円超えるから財政破綻する!」とか、「公共事業は無駄だ!」などと主張してきた有識者らの責任であると、私は思うのです。


      的外れな朝日新聞の公共事業評価批判

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         今日は4/23付の朝日新聞の公共事業を批判する記事について意見したいと思います。

         

        『朝日新聞 2018/04/23 公共事業評価、4分の1に問題 効果水増し、費用過小に

        公共事業を実施するか否かの妥当性が、多くの事業で不適切に評価されていることがわかった。将来の人口減少を考慮せずに事業効果を水増ししたり、維持管理費を無視して費用を過小評価したり。総務省がサンプル調査した各省庁の532事業の評価のうち、約4分の1に問題があった。
        公共事業は国の政策評価法令上、(1)10億円以上の新規(2)政策決定後5年経っても未着工(3)決定から10年経っても継続中――の場合、所管する各省庁は着工や継続の妥当性を評価しなければならない。妥当性判断のポイントは、事業で得られる効果「便益」を金額にして算出し、投じる費用で割った「費用対効果」の推計結果が「1・0以上」になるかどうかだ。
        総務省は毎年、国土交通省や農林水産省、厚生労働省などが自らの公共事業や補助事業の妥当性を評価した結果について、抽出してチェックしている。朝日新聞が2010〜17年度の結果を入手して集計したところ、抽出された532事業のうち、総務省が各省庁の評価に疑義を呈していた事例が127件あった。
        多いのは便益を過大に見込む手法だ。
        例えば長崎県の有喜漁港(諫早市)から国道への連絡道路を追加する事業では、実際は遠回りになるのに距離短縮の効果を見込んだり、運転手・同乗者の移動時間が減る効果を二重計上したりしていた。
        分母となる費用を小さく見込む例もある。国有林の治山、地滑り防止、工業用水道などの整備事業では、長期間必要になる維持管理費が考慮されていない例が相次いで見つかった。
        各省庁が作成する評価マニュアル自体が不適切なものもあった。税金を投じる意義を判断する根拠がゆがむとして、総務省は改善を求めている。(赤井陽介)』

         

         

         朝日新聞という新聞は、とにかく公共事業を否定する論調が多いです。この記事について2点指摘したいと思います。

         

         1つ目は、「将来の人口減少を考慮せず・・・」のくだりです。よくある公共事業の否定論説として、「人口が減少するから高速道路、高速鉄道を作っても、利用する人が少なくなるわけだから、作るのが無駄だ!」という論説です。

         

         これは日本の人口減少問題の認識を間違えています。毎年20万人減少して市町村が消滅するなどと報じられることもありますが、そもそも日本の人口は1億3000万人です。毎年20万人が亡くなったとしても、人口減少率は0.15%と1%にも満たないです。

         

         日本の人口問題を語るとき、人口減少が問題なのではありません。生産年齢人口の減少が喫緊の課題です。なぜならば、日本は医療水準が高いために、高齢者は長生きします。長生きする以上、衣食住にまつわる需要に加え、医療介護の需要もうなぎ上りです。

         

         要はインフレギャップが生じやすいのです。

        この少ない供給力で需要をどうカバーするか?即ち「供給<需要」というインフレギャップをどうやってカバーするか?生産性向上か外国人労働者で穴埋めしかありません。

         

         

         仮に外国人労働者でインフレギャップ解消となると、生産性向上の投資が抑制され、日本人の一人当たりの賃金UPが抑制されて、消費が伸び悩むことになるでしょう。逆に生産性向上によってインフレギャップ解消となれば、日本人の一人当たりの賃金UPにつながります。

         

         外国人労働者を受け入れて、みんなで低賃金の状況でいる状態の場合は、一人当たりの購買力が高まらず、消費が増えにくい。一人当たりの賃金の伸びが抑制されれば、どうしても物・サービスは値下げしないと売れにくくなります。

         

         外国人労働者の受入をやめて、生産性向上でインフレギャップを解消すれば、一人当たりの賃金UPにつながることで、購買力が高まって消費が増えます。

         

         生産=分配=消費ですから、消費が増えれば、またまた需要が増えてインフレギャップが発生します。このインフレギャップをどうやって解消するべきでしょうか?

         

         やはり生産性向上に尽きます。こうして好循環になる環境を、日本は迎えようとしているのです。いわば高度経済成長の到来のチャンスが今訪れようとしているのです。その高度経済成長のチャンスをぶち壊すのは、外国人労働者の受入です。

         

         ところで生産性向上というのは、何をすればいいのでしょうか?民間企業でいえば、能力開発費を増やして人材育成したり、最新鋭の機械を導入するということになります。政府は民間企業が生産性向上しやすいように、インフラの整備をする必要があります。

         

         渋滞解消のための高速道路は、まだまだ必要です。インフラが整備されていない道府県においては、高速鉄道や港湾の整備も必要です。物流のロジスティクス、営業マンの人員輸送、これらを効率よくするためには、高速道路・高速鉄道のみならず、コンテナヤードなどの港湾整備のインフラ整備が必要です。食糧であれば穀物エレベーターも必要でしょう。

         

         インフラ整備というのは利益追求で行うべきものではありません。利益が出なくても、都道府県のインフラ格差解消のためにインフラ整備しても構いません。利益追求となると、太平洋側に比べて日本海側は、人口が少ないからやらなくていいということになります。

         

         日本は災害大国ですので、複数の物流網を持つ必要があります。小学校の社会科で習う太平洋ベルト地帯を、人口が少なくて儲かりにくい日本海側でも、インフラ格差解消のために日本海ベルト地帯を作るためには、政府が率先してインフラ整備をする必要があるのです。

         

         2つ目に妥当性の判断で、費用対効果の推計数値「1.0以上」とは、B/C(Benefit per Cost)を指すと理解しています。欧米や豪州においても、B/Cは使われていますが、1.0未満でも公共事業は実施します。あくまでもプライオリティの判断に過ぎないという位置づけです。

         

         日本は「1.0未満の場合は、コストに比較して利益がないから作らない!」となっています。そもそもBenefitの分子に該当する項目も他国に比べて少なく、公共事業を過小評価されやすい仕組みになっているのです。

         

         朝日新聞はこうした実情を知っていて報道しているのでしょうか?知らないで報道しているのでしょうか?それとも朝日新聞特有の政府がやることはすべて反対という理念の下、公共事業を否定しているのでしょうか?

         

         いずれにしても知見のない記者が書いた読むに値しない記事であると思うのです。

         

         

         というわけで、今日は朝日新聞の公共事業の評価批判について、逆反論させていただきました。

         

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           今日は「栃木県の宇都宮市に新設するLRT(ライトレールトランジット)について」と題して、中型都市における交通機関として世界的にLRTが増えているという実態をお伝えすべく、日本でも富山県富山市以来の施工認可が下りた宇都宮市におけるLRTについて触れたいと思います。

           

           栃木県は、私が社会人になって6年3か月ほどいました。私には4つ下の弟もいるのですが、弟も別の会社で宇都宮支店の配属となり、兄弟で3年間ほど宇都宮に住んでいました。

           

           その宇都宮市と芳賀町とで、次世代型路面電車が軌道敷設で施工を認可したということで、宇都宮市のホームページにも、その計画が掲載されています。

           

          <宇都宮市内を走るLRT路線の計画図>

          (出典:宇都宮市のホームページ「LRTの運行ルート」より引用)

           

           

           宇都宮市のホームページをみますと、LRT導入の経緯について、実にまともな理由が記載されています。なぜLRTが必要なのかという理由については、宇都宮市の交通渋滞の緩和に加え、少子高齢化の人口減少に備えて、人が動きやすくするための公共交通ネットワークの重要な装置として導入をするとしています。

           

           宇都宮市の人口は50万人程度なのですが、5人に1人の高齢化率が、3人に1人にまで上昇するとしており、人口減少を放置した場合に、

          ●買い物などでお金を使う人が減る

          ●宇都宮市内の店舗や企業の売上が減る

          ●業績悪化で市内の企業が減る

          ●暮らしにくくなってさらに人口減少が加速する

          として、これらを解決するために、人が移動しやすい交通環境を作るとしています。

           

           このLRTは、日本では富山県の1例だけですが、世界的には20年前〜30年前から作られ続けてきました。ヨーロッパで37都市、米国で北米でも十数都市、日本を除くアジアでも7都市ということで、導入されています。

           

           LRTは高性能な車両を使った路面電車なのですが、世界の潮流は、このLRTの導入を推進しているにもかかわらず、日本はデフレ化で投資が全くできない国に落ちぶれてしまいました。

           

           皆さんは都市内の交通というと、普通は地下鉄が思い浮かぶかと思います。地下鉄が導入されているところといえば、東京、大阪、名古屋、仙台、札幌、福岡など、人口が100万人以上いる都市です。

           

           宇都宮市のような50万人規模の都市の場合、地下鉄は建設費が高く、費用面などすべてが少し重いイメージです。かといってバスの場合、15万人〜20万人規模の都市ならばいいのですが、40万人〜60万人規模となりますと、地下鉄とバスの間の公共交通として、LRTが輸送量や速度など総合的に考えて一番適切だといわれています。

           

           宇都宮市内は、JR東日本の東北新幹線、東北本線、東武線が南北に走っていますが、こうした鉄道は都市間を結ぶ交通機関です。今回のLRT新設は、これを補足する形で東西にLRTを走らせ、交通の利便性を高めていくというコンセプトです。

           

           LRTの優れているのは、街の魅力が圧倒的に上がるという点です。私は地方でLRTではない路面電車に乗ることがあります。例えば、東京都内を走る路面電車(三ノ輪〜早稲田間)、広島市内を走る路面電車(広島〜宮島口間)、熊本市内を走る路面電車などに乗車した経験があります。LRTは普通の路面電車よりも、より高性能で快適な車両であるとともに、街中の移動の利便性が数段に高まるでしょう。

           

           地下鉄の場合は、階段を下りたり登ったりして、しかも景色が見えず、駅と駅の間は路面電車と比べて長いです。LRTは、気軽に乗車できて駅間が短く、いろんなところに小まめに回ることが可能です。結果、LRTを導入すると街中の魅力が圧倒的に上がります。

           

           鉄道は乗る時間が長いですし、バスは乗る時間は短いですが揺れるので快適性は低いです。バスはバスのいいところがあり、鉄道は都市間を結ぶ意味で必須ですが、その中間としてLRTがあると、圧倒的に街中の利便性が高まって、宇都宮市でも活力が着実に上がることになるはずです。本来ならばLRTはもっと早く導入すべきだったのですが、やっと宇都宮市で導入となり、2022年3月に開業ということになりました。

           

           その宇都宮市のLRTでは、反対運動もものすごいあったとされています。建設費450億円なのですが、国が50%を負担し、県と市が25%ずつを負担します。なので、いつもの通りですが「そんなお金使ってどうする?」「次世代に借金のツケを残すのか?」というお決まりの財政破綻を懸念した反対論に加え、「LRTやったら道路が渋滞するだろう!」という反対の声があったそうです。

           

           宇都宮市のLRT導入のケースで渋滞がどうなるか?はっきり断定はできませんが、一ついえることとして、LRTができることでLRT利用エリアの人々は車を使わなくなるのではないでしょうか?そうなれば交通量が減って環境にも良いわけですし、しかも町が活性化すれば税収も増えるわけで、450億の半分の225億円の投資なんて、すぐに返済完了するのでは?と思うのです。

           

           

           というわけで、今日は宇都宮市で導入が決まったLRTについてご紹介しました。交通インフラが経済成長の基盤であることは言うまでもないのですが、「公共工事は無駄!」「お金を借りてインフラを作るなど、将来世代にツケを残すだけで言語道断!」などという考えを持っている人々は、少なくても経済のことは語って欲しくないです。根拠もないウソ・デタラメです。日本には財政問題は存在しません。インフラはそれ自体が経済成長すると同時に、民間企業の投資を誘発して乗数効果が大きいのです。

           宇都宮市に限らず今後も人口で40万人〜60万人の規模の中堅都市で、こうしたLRT導入のような投資が積極的に行われるよう、安倍総理には今年の財政の骨太方針でプライマリーバランス黒字化目標を破棄していただきたい、そう願っております。


          JR北海道は再国有化してもよいのでは?(進行している日本の発展途上国化の縮図か?)

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            JUGEMテーマ:道路・交通のフリートーク

            JUGEMテーマ:北海道

             

             今日は、JR根室線の羽帯駅(北海道清水町)が、JR北海道のダイヤ改正に伴い、廃止されたというニュースについて触れたいと思います。

             

             下記は読売新聞の記事です。

            『2018/03/17 10:21配信 「朝寝坊すると待ってくれた」JR無人駅が廃止

             JR根室線の羽帯(はおび)駅(北海道清水町)が16日、JR北海道のダイヤ改正に伴い廃止された。
             運行の最終日は、町民や鉄道ファンが訪れて記念撮影したり、列車を見送ったりして、60年で歴史を閉じる無人駅を惜しんだ。
             羽帯駅は1958年9月、沿線住民の要望で開業した。しかし、最近は1日の平均乗車人数が1人に満たず、維持費などの削減で廃止が決まった。JR北によると、87年のJR北発足後、35の駅が廃止されている。
             高校2年の時に羽帯駅が開業し、通学で2年間乗車したという清水町の主婦(76)は「朝寝坊すると、列車の車掌さんが手を振って待っていてくれたのが思い出。ありがたかったし、寂しい気持ちです」と話し、孫と一緒に最終日の列車へ手を振っていた。』

             

            <JR北海道の羽帯駅>

            (出典:北海道新聞の記事から)

             

             

             上記の通り、JR無人駅廃止のニュースです。こうしたニュースは、特段珍しいニュースではありません。とはいえ、こうしたニュースをみるたびに、思うことが発展途上国化です。

             

             鉄道ライターで杉山淳一という方が居られます。杉山氏は”「鉄道廃線後」が地域観光の目玉となる”という旨を論説しています。2006年に神岡鉄道という鉄道路線が廃線になりました。この鉄道は富山県の神岡市と富山市猪谷の19.9舛魴襪崚監擦如鉱山資源の輸送がメインでしたが、旅客営業も行っていました。

             

             2007年に、その廃線跡の一部を使って「レールマウンテンバイク」をNPO法人が体験サービスの運営をし始め、それが順調に利用者数が増えて、2015年には年間利用者数が4万人を越えたとのこと。その5%が外国人観光客であり、2016年の日本観光振興協会が主催する2016年度の「産業観光まちづくり大賞」で金賞を受賞したとのことです。あたかも鉄道を廃止しても、アイデアを出せば、観光客誘致で成功できるという論説です。

             

             その証拠に、神岡鉄道は富山県なのですが、北陸新幹線というインフラ整備があってこそ、東京からのアクセスが容易になったという点の指摘はありませんでした。インフラ整備による効果という指摘がないのです。

             

             この論説の延長線上で考えますと、北海道清水町のJR根室線の羽帯駅が廃止されたとしても、人口減少でやむを得ず、清水町が観光客を誘致できるよう努力すればよいみたいなことにならないでしょうか?

             

             観光の収入というのは極めて不安定です。よくよく皆さん考えていただきたい。観光客というのは毎日来る、毎月来る、毎年来るということが約束されているものではありません。もちろんインフラが整備されていてアクセスが容易であれば、観光客誘致など能動的にやらなくても、一定程度の人が訪れます。

             

             とはいえ、その地に住み着き、生きていこうとするのであれば、観光収入よりも安定した収入を望むのは、誰もが希望するのではないでしょうか?

             

             例えば、北海道であれば、稲作を含む小麦などの穀物を、政府支出によって政府が高く買い上げるということを未来永劫続ける。これ、普通に欧州や米国では農家による所得補償や輸出補助金による支援をやっています。

             

            <農業政策の国際比較>

            (出典:三橋貴明のブログ)

             

             

             沖縄県の基地問題も同じです。沖縄県というのは、地政学的に周りが海に囲まれており、地場産業がありません。仮に地場産業ができるようになったとしても、ロジスティクスの問題があります。沖縄県には鉄道がありません。周りが海に囲われているので港湾を整備すれば、内航や外航で作ったものを本土に運ぶことができるという地形メリットはありますが、それには港湾の整備も必要ですし、港湾を結ぶための一般道、高速道路も必要ですが、高速道路は那覇(那覇市)⇔許田(名護市)間の一路線しかありません。

             

             もちろん観光客は多いでしょうが、観光客に頼った収入というのは、極めて不安定。だから着実に毎年収入になるために、米国に基地があるということは、沖縄県の経済を着実に支えているということに繋がっていて、それが沖縄県の確かな生活を支えているといえるのです。

             

             北海道の羽帯駅が廃止になれば、清水町のさらなる人口減少に拍車をかけることになるでしょう。北海道には北海道新幹線ですら、函館北斗駅までしかできておらず、インフラ整備がまだまだ遅れています。

             

             北海道新幹線でいえば、函館北斗から札幌まではもちろんですが、その先の根室や稚内までフル規格の北海道新幹線を早急に作るべきだというのが私の立場です。インフラを整備すること自体が経済成長し、ホテル・旅館業民間投資を誘発します。高速鉄道、高速道路、港湾の整備ができれば工場誘致もしやすい。結果、そのエリアに住み着く住民は着実に増えます。何しろ仕事があれば、食べていける、生きていけるのですから。

             

             とはいえ民営化されたJR北海道に財源はありません。JR北海道はJR東海、JR東日本と比べて、ドル箱路線を持っていません。JR北海道では線路の整備が不十分であることが原因による事故も発生していました。この事象をJR北海道の努力不足といえるでしょうか?私には到底そう思えず、JR東海、JR東日本と競争比較した論説自体、アンフェアだと思うのです。

             

             インフラ整備が遅れている地域のJRは、JR北海道に限りません。JR四国も同様です。こうしたJRについては、私は再国有化してもよいのでは?と思います。国有化すれば、JR北海道の社員は、全員国家公務員となり、雇用と収入が安定します。その上、経営は株式会社で利益追求を目的としなくなるため、政府支出によって予算を付ければ、普通に高速鉄道の整備をすることが可能です。

             

             

             というわけで、JR北海道は再国有化してもよいのでは?との論説をしました。東京都内に住む人から見ますと、地方路線の廃止といってもピンとこないでしょう。私は「また、発展途上国化がすすんでしまった!」と胸を痛めるばかりです。そういう意味で、羽帯駅の廃止は、デフレ放置によって進行している日本の発展途上国化の縮図では?と思うのです。

             かつて田中角栄内閣が列島改造論ということで、高速道路、高速鉄道網を作ってきました。デフレに苦しむ日本にとって、田中角栄が第一次列島改造論だとすれば、私は第二次列島改造論として、再度インフラ整備を推進することを主張したいです。さらに安全保障確保のために首都一極集中の改善策として、地方への高速鉄道網整備と港湾の整備を行う。これこそが、真の地方創生につながり、ひいては日本国家に住むすべての国民の利益になるものと考えております。

             

            〜関連記事〜

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            地方創生にはインフラ整備が必要です!(JR四国・JR北海道の再国有化)

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            四国新幹線の署名活動について

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              JUGEMテーマ:新幹線

               

               今日も日本の交通インフラについて意見します。

               

               全国各地で新幹線を誘致するための署名活動が展開されていることをご存知でしょうか?四国新幹線でいえば、12万人分の署名が集まったとされています。

               

              <2018/01/13時点で営業中の新幹線と建設中の新幹線>

              (出典:鉄道・運輸機構のホームページから)

               

               

                新幹線整備は、1970年に制定された全国新幹線鉄道整備法という法律に基づき、1973年に整備計画が決定されました。そこでは、上記の図にはない、四国新幹線や羽越新幹線・山陰新幹線・東九州新幹線など、多くの新幹線の整備が計画されています。

               

               四国新幹線でいえば、4県新幹線委員会というのが立ち上げられ、署名活動を展開していました。その署名活動で、123,408人もの署名が集まったのです。

               

              <四国4県新幹線委員会のフェイスブックで掲載されている署名活動に関する記述の抜粋>

               

               上記抜粋に記載された論説は、私が常々ここで申し上げてきたことと、ほぼ一致します。世界では公共投資を増やし続けており、結果、GDPは右肩上がりで伸びています。もちろん右肩上がりの傾き加減は、各国でばらつきはあるものの、GDP500兆円(2016年12月に研究開発費を上乗せするとしたルール改定後は530兆円)で、20年近くも横並びになっている国は、日本だけです。

               

               1997年の橋本政権の構造改革基本法で、伸びる社会保障費を抑制し、公共事業削減が始まりました。安倍政権といえども2013年度を除いて、緊縮財政を継続しています。

               緊縮財政とは、政府支出を抑制し、増税するという政策です。実質賃金の下落、将来の生産性年齢人口減少の課題についても指摘されています。

               そして未来の生産性向上のために新幹線が必要とも述べています。

               

               地方経済が衰退していく中で、新幹線が開通している地域は全て繁栄しているという検証結果は、言うまでもありません。政令指定都市は日本海側では新潟市と博多市の2つだけ。

               

              新幹線の路線がある都道府県内の政令指定都市といえば、次の通り18あります。

              仙台市(宮城県)

              新潟市(新潟県)

              さいたま市(埼玉県)

              川崎市(神奈川県)

              横浜市(神奈川県)

              相模原市(神奈川県)

              静岡市(静岡県)

              浜松市(静岡県)

              名古屋市(愛知県)

              京都市(京都府)

              大阪市(大阪府)

              堺市(大阪府)

              神戸市(兵庫県)

              岡山市(岡山県)

              広島市(広島県)

              福岡市(福岡県)

              北九州市(福岡県)

              熊本市(熊本県)

               

              新幹線の路線がない政令指定都市は、次の通り2です。

              札幌市(北海道)

              千葉市(千葉県)

               

              <参考>我が国の政令指定都市

               

               このうち、千葉市はメガロポリスの東京と隣接しています。東京はほとんどの新幹線のターミナル駅です。何しろ、九州新幹線以外の東北北海道新幹線、上越新幹線、長野北陸新幹線、東海道山陽新幹線の発着・終着駅です。

               第二の都市の大阪といえども、東海道山陽新幹線は通り道であり、九州新幹線のみ発着終着駅です。結果、インフラが東京よりは充実度に欠けるため、東京一極集中が止まらないわけです。

               

               四国新幹線が作られれば、四国に投資する企業も出てきます。結果的に雇用も生まれます。四国が繁栄します。四国が繁栄することは、日本国民の国益につながります。例えば東京都で首都直下型地震が発生した場合に、四国の経済が繁栄していれば、四国の日本国民の方々が、助けてくれるでしょう。

               四国新幹線が開通していれば、人の移動が可能です。新幹線が開通して結果、四国に工場が誘致されて、港湾が整備されれば、大量物資の支援が船で行うことが可能です。

               

               この四国新幹線を含め、全国の新幹線整備計画は1973年に整備されました。ところが40年以上、何もやっていませんでした。理由は?といえば、財源問題です。

               読者の皆様は信じられないと思いますが、日本政府は国家の基幹インフラである整備新幹線に、毎年わずか700億円台しか支出していません。

               

               しかも構造改革基本法が1997年に制定されて緊縮財政が始まり、その上、小泉政権時に竹中平蔵らがプライマリーバランス黒字化を導入した結果、政府支出を増やすということができなくなってしまったのです。

               

               なぜ政府支出が増やせないかといえばプライマリーバランス黒字化目標があるため、社会保障の伸びが予想される以上、他の予算は削減することが正しいという考え方になってしまっているのです。

               

               公益財団法人の日本青年会議所の四国地区協議会メンバーらが、100年後、私たちの出会うことのない子供たちの未来のために賛同を求めていますが、財務省には、そういう発想の職員が皆無といってよい。なぜならば、財務省の人事評価制度が増税や緊縮財政を成し遂げた人が出世することになっているからです。当然、四国新幹線を作るべきだ!政府支出を増やすべきだ!とする発想を持つ財務省職員は、左遷されます。こうした財務省の人事評価制度も変えなければ、地方の新幹線は、いつまで経っても作られないか、作る代わりに大幅に増税みたいな政策になるでしょう。

               

               

               というわけで、今日は四国新幹線の署名活動について述べました。まず、プライマリーバランス黒字化を破棄すること。これは閣議決定でできます。法律の制定は不要です。安倍政権がその気になればできます。

               プライマリーバランス黒字化が存在する限り、22世紀になっても全国の新幹線整備計画は終わらず、四国新幹線も作られないでしょう。百歩譲って四国新幹線が作られるとすれば、その政府支出分、他を削減するとか言い出すのが財務省です。何しろプライマリーバランス黒字化が正しいと思っている以上、必ずそうなります。例えば医療・介護を削減するとか、あるいは消費税をもっと引き上げるとか。こうした発想がGDPを抑制することになっていることに気付いていないのです。

               次に財務省の人事評価について、増税した人が出世するのではなく、GDPを増やした人が出世する仕組みに変えるべきです。そうすることで、勝手に税収は増えます。これも閣議決定でできます。

               上述の2つがポイントですが、まずは今年の6月の財政骨太方針で、プライマリーバランス黒字化が破棄されるか?私は大変に注目しています。と同時に、四国新幹線の署名活動についても応援したいと思います。


              JR西日本の山陽新幹線の台車亀裂事故と、米国のアムトラックの脱線事故

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                JUGEMテーマ:新幹線

                 

                 今日は、昨年末に報道されたJR西日本の新幹線のぞみの台車亀裂事故と、米国のワシントン郊外で発生した新幹線アムトラックの脱線事故について取り上げます。

                 

                 まずは毎日新聞の記事をご紹介します。

                『毎日新聞のぞみ台車、破断寸前 脱線ありえた重大事態

                 東海道・山陽新幹線「のぞみ」に亀裂が見つかった問題で、JR西日本は19日、亀裂は台車枠の両側面と底部に生じ、長さが計約44センチに達していたと発表した。枠は破断寸前で脱線もありえた重大事態で、同社は点検方法を見直し、複数の異音や異臭があれば直ちに運転を見合わせるよう社員教育を徹底するという。

                 同社によると、台車枠は板厚8ミリのコの字型鋼材を溶接したもので断面の大きさは縦17センチ、横16センチ。鋼材の底面は全て裂け、側面の亀裂はそれぞれ下から約14センチ進み、両側面はあと3センチを残すだけだった。(後略)』

                 

                 

                 上記の通り、新幹線「のぞみ」の亀裂問題は、破断寸前にあった重大なインシデント事故ということで報じられました。破断まであと3センチに迫っていたとのこと。3センチというと、1円玉の直径が2センチです。3センチは、その1.5倍。まさにぎりぎりだったといえます。

                 

                 日本国内では新幹線は、未だかつて鉄道会社側の責任で事故を起こしたことが過去50年間で1回もありません。それが今回、初めて鉄道会社側の責任で事故が起きる可能性があったという点で、大変危なかったのです。

                 

                 運輸安全委員会は、重大インシデントとして今回の亀裂事故を調査していますが、JR西日本の今後の安全対策としては、台車が異常発生したことをセンサーなどで感知する方法を検討しているようです。

                 かつて私は、建設機械のタイヤの摩耗をセンサーで感知する商材についての保険の相談を受けたことがあります。まさに、それと同じで新幹線の台車の摩耗をセンサーで遠隔感知するシステムを導入しようとしているのでしょう。

                 

                 新幹線といえば、継ぎ目という金属と金属の溶接部分が一番弱いといわれています。そこは弱いのでもともと機械で把握しており、異常がある場合は色で分かるようにするなどしています。運行当日に目視というのもあるのですが、残念ながら目視では亀裂を見つけることはできなかったようです。そのため、台車にも機械を使った検査方法の導入を検討するとしています。

                 

                 現時点で亀裂が入った原因は不明です。けど、遠因として、コストカットや技術の伝承ができていないなど、そうしたことが原因になっていないでしょうか?そうでなければいいと思いますが、だんだん安全というのが危なくなっているというのが、リアルに感じるニュースが多い。鉄道ではありませんが、博多の地盤崩落事故や、少し昔ですが120人以上亡くなったJR西日本の福知山線の脱線事故などもありました。

                 

                 米国でも昨年12月に新幹線のアムトラックで脱線事故が発生しています。下記はブルームバーグの記事です。

                『ブルームバーグ 2017年12月19日 6:38 米シアトル近郊でアムトラック脱線、車両が道路に落下し死傷者

                米ワシントン州シアトル近郊のデュポンで18日朝、全米鉄道旅客公社(アムトラック)の列車が脱線し、車両が朝のラッシュアワーで混雑する州間幹線道路に転落した。州警察当局によると、少なくとも3人が死亡した。

                 ワシントン州の警察当局者によると、脱線したのは「複数の車両」で、一部は陸橋の下を横切る幹線道路に落ちた。10ニュースのフェイスブックのページに掲載されたライブビデオによれば、州警察当局のブルック・ボバ氏は約100人が病院に搬送されたと説明した。

                 アムトラックのツイートによれば、シアトルからオレゴン州ポートランドに向かっていた列車はシアトルの南約50マイル(約80キロメートル)のワシントン州デュポン付近で午前7時半(日本時間19日午前0時半)ごろに事故を起こした。国家運輸安全委員会(NTSB)が事故について情報収集に当たっていると同委の報道官は説明した。(後略)』

                 

                 

                <ブルームバーグが伝える記事の写真>

                (出典:ブルームバーグ)

                 

                 私は2014/12/31にニューヨークからワシントンに行き、帰りにこのアムトラックでニューヨークまで帰りました。快適な乗り物でよく覚えているのですが、これがワシントン州シアトル近郊で脱線事故とは、本当に驚きです。

                 

                 14両編成のうち13両が脱線したとのこと。米国の運輸当局によれば、走行時間を短くするために従来の線路とその内側に新しく線路を作って、ちょうどその日2017/12/19から運用が始まって、その1本目の列車が脱線したようで、時速40疎罎覗行すべきカーブを120疎罎覗行して脱線してしまったのです。この事故で3名の方が命を落としています。

                 

                 

                 というわけで、今日はJR西日本の東海道山陽新幹線「のぞみ」の台車亀裂事故と、米国のアムトラックの脱線事故について取り上げました。

                 アムトラックの脱線事故でいえば、これがJR西日本の「のぞみ」で発生したらと思うと、正直ぞっとします。お金お金とやりすぎて、安全性を軽視し過ぎているのです。

                 JR東海の談合問題でいえば、大林組をメインとする談合によって、JR東海はお金的に損するかもしれません。とはいえ、安全でないリニア中央新幹線が作られるより、絶対にいいと思いませんでしょうか?

                 そういうバランス感覚を持つ人が、圧倒的に少ない。みんなお金お金とコストカットを優先して目先の利益を追求する。お金を貯めるのは個人でやってください。国力とは、品質の優れたものをどれだけ自前でできるか?に尽きます。それが世界との競争に打ち勝つ原動力です。

                 巻末には私が乗車したアムトラックの写真を掲載します。

                 

                <杉っ子が撮影したアムトラックの写真>

                (出典:杉っ子が2014/12/31にワシントン駅で撮影)

                 

                (出典:杉っ子が2014/12/31にニューヨーク市内のペンシルベニア駅で撮影)

                 

                (出典:杉っ子が2014/12/31にニューヨーク市内のペンシルベニア駅で撮影)


                リニア中央新幹線について、JR東海はお金よりも安全性と工期を気にしている?

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                   今日もリニア中央新幹線の大林を中心とした不正受注について意見します。

                   

                   私がこの問題で、非常に違和感を持つのが、リニア中央新幹線は、公共事業ではありません。JR東海が自費で作るものです。かつて、JRは国鉄でしたが、国鉄なら公共事業です。民間企業がやるとはいえ、鉄道事業は公共性の高い事業ですが、リニア中央新幹線はJR東海という民間会社が発注したものです。

                   

                   そのため、JR東海は、銀行からお金を借りるか、社債を発行するか?もしくは財政投融資でお金が入るか?ということで、財政投融資でお金が入っています。とはいえ、財政投融資は政府からみれば貸付金で、JR東海から見れば借金であって、返済義務があります。

                   

                   通常、民間のプロジェクトは、大林組とか大手ゼネコンが談合して受注調整して、工事が始まる何年も前から準備します。敢えて、リニア中央新幹線で分かりやすく言えば、「当社は〇〇をやりますから、それまで技術投資、設備投資、人材育成投資して準備します。」と2011年頃からやって、工事が始まったのが2017年です。

                   

                   リニア中央新幹線の場合は、世界最大のトンネル工事もあります。当然こうしたものを品質を高く、安全度高く完成させるためには、技術投資、設備投資、人材投資をやる必要があります。それで実際に準備した後、一般競争入札にして安い業者が受注してください!としたら、落札できない可能性が出てきて、準備してきたこれまでの投資が無駄になってしまいます。

                   

                   準備にお金がかかります。だから事前に調整して、各社が競争ではなく切磋琢磨して技術・ノウハウを蓄積して、最高品質で立派な新幹線を作ろうよ!って発想の何が問題なのでしょう?

                   

                   それは談合だから問題というかもしれません。その談合の何が問題なのでしょうか?逆に一般競争入札にして、品質が悪いものを作れば、それは安く済むかもしれません。だいたいJR東海は本件で文句を言っていません。むしろJR東海は、工期が心配といっており、当然の話です。

                   

                   3.11の東北地方における復旧道路についても、前田道路、世紀東急、NIPPOが談合したとして、東京地検特捜部から家宅捜索を受けました。道路を早急に復旧させなければ、ロジスティクスが機能せず、食料や医療などの物資が届かない、もしくは時間がかかりすぎるなどして病人が死ぬといったこともあり得ます。災害時は復旧のスピードこそ重要であり、業者が調整しない場合は、「当社は〇〇だけやります。」「わが社は▲▲だけやります。」「弊社は■■だけやります。」なんてなったら、ちゃんとした道路ができません。それを事前に調整して素早く復旧活動するということに、何が問題なのでしょう?このような非常事態でも、呑気に談合排除の一般競争入札という完全競争入札で、ゼネコンを競わせるべきだ!という人は、頭がおかしい。いったい何やってんだ!というのが、今の日本国家であり、日本政府であり、公正取引委員会です。

                   

                   仮に随意契約でやれば、「なんで随意契約なんだ?」という批判を受ける可能性もあります。もし、パワーショベルやフォークリフトや乗用車など汎用性の高い車両を購入するというならば、まだ一般競争入札すべきという考え方について理解できなくありません。汎用性の高いものは、品質がほぼ同程度だからです。

                   

                   とはいえ、リニア中央新幹線は、世界最大のトンネル工事、しかも水脈が走っているアルプス山脈を掘り抜く難工事です。工事中も安全に、工事後も安全にと、安全を考えた場合、品質や技術は相当なものであり、明らかに建機や資材や車両の調達とは異なります。それらと一緒にしている時点で、今の日本は国家としてオカシイと私は思うのです。

                   

                   

                   というわけで、今日もリニア中央新幹線問題を取り上げました。「杉っ子さんは談合を認めるのでしょうか?」と聞かれれば、私はOKと言いたい。談合を合法的に認める制度改革が必要なのではとも思っています。

                   談合は、もし業者の中で1社でも手抜きとかすれば次回から仲間に入れてもらえなくなるでしょう。調整して一緒に工事するとはいえ、互いに切磋琢磨することで、各社が品質を高めて工事を完成させることができるのです。日本は災害大国だったからこそ、供給力を保持するという意味で、競争して負けたら自己責任排除というのではなく、談合が必要なのです。まさに先人の知恵。

                   それを、グローバリストらが、自由に取引できるべきとして、談合を悪としたわけです。グローバリストが談合を認めることはないでしょう。緊縮財政を好み、小さな政府を好む彼らから見れば、払うもの=支出は少ない方が自分の利益になるという考えしかありません。

                   少なくても本件は、JR東海は文句を言っておらず、品質と工期を重視していると思われます。というよりJR東海も困惑しているとも報じされています。運営するのはJR東海なわけですから、当たり前ですね。民間企業は契約自由の原則ですので、受注調整についてとやかく言われは無いのです。


                  リニア中央新幹線問題、ゼネコン4社が受注調整して何が悪いのか?(談合を合法化する制度改革をすべき!)

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                     今日は昨年12月に報道されたリニア中央新幹線のゼネコン4社談合について触れます。私は、談合を合法すべきという立場です。

                     談合の何が悪いのでしょう?受注側が儲けて何が悪いのでしょう?受注側が儲けるとしても、その余裕の分でメンテナンスで何かあった際に無理が効いたり、安全面で万全な体制を構築することができます。利益がカツカツもしくは利益が出ませんなんて状況では、そのような余裕はないでしょう。

                     利益を十分に出せばこそ、下請けにも余裕をもって発注ができます。一般競争入札でとにかく値段が安いのが正しいという考えでは、利益がカツカツとなり、下請けにも余裕がなく、安全面で将来、大規模なトラブルになる可能性があります。

                     今日は、談合を悪とする考え方についての問題点を指摘したいと思います。

                     

                     下記は時事通信の記事です。

                    『時事通信 2017/12/18 11:40 大手ゼネコン4社談合か=リニア入札、鹿島、清水も捜索−独禁法違反容疑・東京地検

                     リニア中央新幹線の関連工事の入札をめぐり大手ゼネコンが談合をしていた疑いが強まったとして、東京地検特捜部と公正取引委員会は18日、独禁法違反(不当な取引制限)容疑で鹿島と清水建設の本社(いずれも東京)を家宅捜索した。大成建設と大林組(同)も近く捜索し、不正の全容解明を進める。
                    巨大プロジェクトを舞台とした入札不正は、「スーパーゼネコン」と呼ばれる国内有数の企業による大型談合事件に発展した。
                    特捜部は既に、他社に入札から降りるよう働き掛けたとして大林組を偽計業務妨害容疑で家宅捜索。押収した資料の分析や各社担当者らの事情聴取の結果、他の大手3社も関与した談合が行われたと判断したもようだ。
                    関係者によると、4社の担当者らはJR東海が事業主体となっているリニア中央新幹線の関連工事の入札について事前に話し合うなどし、正当な競争をしなかった疑いが持たれている。
                    JR東海は2015年8月以降、駅やトンネル、非常口の建設など計22件の工事をゼネコン各社と契約。スーパーゼネコンと呼ばれる大手4社は、それぞれ共同企業体(JV)を組み、大林組が4件、鹿島が3件、大成建設が4件、清水建設が4件を受注し、全体の7割を占めている。』

                     

                     

                     記事の通り、大林組など、大手ゼネコン4社の担当者がリニア中央新幹線のルートが正式決定された2011年頃から、既に将来発注される工事について4社で受注調整することで合意していた疑いがあるとのこと。

                     

                     私はあえて言いたい!これの何が問題なんでしょうか?9兆円のプロジェクトで、しかも10年以上にわたる長期工事です。ゼネコン各社は、当然それに備えた供給能力の拡大を迫られます。そうしないと工事ができません。だから、事前にゼネコンが相談しあい、「当社は、ここをやります。貴社は、そこをやってください。」とし、「それに備えて設備投資や人材投資をやってください!」と調整することに、何が問題があるのでしょうか?

                     

                     談合は、私は先人の知恵だと思います。法律的に悪だからというのであれば、合法化すべきです。法律があっても運営が緩い法律なんていくらでもあります。公共事業の談合については、かつてがそうだったとは言いませんが、運営を厳しくする背景は、緊縮財政で無駄を削減すべきで、「イイものを安く提供するべき!」みたいな考えが蔓延ってるからです。

                     

                     「イイものを安く!」とは、家電製品のCMでよく使われます。ビックカメラ、ヤマダ電機、ヨドバシカメラなど、こうした家電量販店は、大量販売というバイイングパワーで、街の電気屋さんの仕入れコストより低く仕入れ、結果的に街の電気屋さんが次々廃業していき、シャッター商店街の原因の一つになったと考えられます。

                     

                     私の小学校の同級生では、商店街でお父さんが電気屋さんで、その息子という同級生がいましたが、今は電気屋は廃業しています。30年位前の話です。

                     

                     で、結果どうなったか?といえば、家電量販店って安売りを競っており、まさにデフレ促進の一躍を担ったともいえるのです。家電製品の価格の下落は、すさまじい。テレビにしてもPCにしても最新のスペックの物でも、2~3年経過すると、半分くらいの値段で買えるなんてことが普通なわけです。

                     

                     さて、家電製品は、まだデフレで賃金が伸び悩む消費者にとってはありがたいことですが、公共性の高い鉄道、しかも高速鉄道で値段を安くすべきというのは、皆さんはどう思うでしょうか?

                     

                     リニア中央新幹線について、談合が法律的に悪だとして、競争は必要だとして価格競争し、一般競争入札をやって入札させる。確かに安く受発注できるかもしれませんが、安全面で不安を抱えるリニア中央新幹線ができるでいいのでしょうか?私はリニア中央新幹線が「イイものを安く!」という発想で、貧相に建造することには反対です。技術・ノウハウを十分に蓄積できるよう高い値段で、そしてより安全にお金をかけていただき、建造していただきたいと思うのです。

                     

                     そもそも、リニア中央新幹線は、JR東海という民間会社が発注した工事です。もちろん財政投融資という国のお金が投入されますが、財政投融資は、国から見れば貸付金で、JR東海にとっては単なる借金で、JR東海は国に返済しなければなりません。別に国の公共事業でやっているわけではないのに、なぜこのような話になるのか?私には疑問です。

                     

                     公共事業の場合は、政府のお金となるため、談合が悪とする考え方が理解できなくもありません。それでも、供給能力を保持するために、談合を認めるという考え方があってもいい。とはいえ、本件はJR東海という民間会社の案件です。何が悪いのか?不明です。

                     

                     4社で受注調整された金額は「不正な値段」と言いたいのかもしれませんが、それでは安ければいいのでしょうか?適正な金額と聞こえ良くいいますが、そもそもこれだけの工事をすぐにできるものではありません。

                     

                     一般競争入札となれば、ゼネコン側からみれば、取れるか取れないかわからないということになります。それで、このような巨大プロジェクトを一般競争入札で行い、受注してしまったとしても、受注後から準備しても間に合いません。受注できなかった場合は、せっかく準備したものが無駄になります。だから一般競争入札となれば普通は準備しません。だから事前に調整する必要があるわけです。

                     

                     今回の工事では22件が発注されて、4社の共同体が7割近くにあたる15件を、4社の共同企業体が3〜4件ずつほぼ均等に受注していたとされていますが、多分事前に話し合って決めていたと考えられます。

                     

                     もし、これを事前に4社で受注調整したとして、例えばA社が「当社(=A社)は〇〇のエリアを担当しますので、それに向けて設備投資や人材投資をして準備しておきます!」と数年前から準備し、その後、一般競争入札で、安値で落札したA社以外のゼネコンが〇〇のエリアを受注するとなれば、事前に準備して落札できなかったA社は、はっきり言ってつぶれます。

                     

                     談合のメリットは、このように供給力を保持しつつ、調整4社で技術やノウハウを切磋琢磨して、高品質の技術サービスの開発ができる点です。これは供給力の強化で、国力強化につながるのです。

                     

                     本来、ゼネコンの大手の会社が集まって話をすることは、全く問題ありません。独占禁止法という問題があっても、そのくらいの巨大プロジェクトで、絶対に失敗できない事業かつ品質が低下するのも問題であり、高品質で安全が保たれることこそ重要ではないですか?という話が完全に抜けています。リニア中央新幹線といえば、まず安全が第一です。

                     

                     

                     というわけで、今日はリニア中央新幹線の談合問題について触れました。TVなんかの取り上げ方でいえば、例えば日本テレビのニュースZEROのニュースキャスター村尾伸尚氏がリニア談合報道について、「私たちの税金が無駄遣いされる!」と言っていました。税金が無駄遣いというのは、極めてオカシイ。民間会社で財政投融資は貸付金であるということを理解しているのか?疑わざるを得ません。マスコミというのは、所詮この程度の連中です。発注主のJR東海は、2027年開業まで時間がないと言っており、混迷を極めることになるでしょう。だいたいJR東海は、本件4社調整について、ゼネコンに対して不満を言っているわけではありません。むしろJR東海側は費用よりも工期を気にしています。

                     そもそも、私たちの先祖は、最初の東京オリンピックで、世界銀行(IMF)からドルでお金を借り、東海道新幹線を作りました。わずか5〜6年で作っています。本来ならば、東京オリンピック招致が決定した2013年9月7日以降、速やかにリニア中央新幹線を作るよう準備すべきでした。6年以上の時間があったのです。

                     南海トラフ地震で東海道新幹線が不通になった場合のバックアップにもなりますし、名古屋⇔東京圏が30分で結ばれるとなれば、巨大な経済圏が誕生して商圏が広がるというメリットと、生産性向上のメリットと、メリット尽くしなのです。かつては国鉄だったから予算を付ければOKでした。

                     JR東海だったとしても、政府支出で建設国債を発行して、政治家に口出しさせないからお金は出すので2020年までに開通させて欲しいと迫る方法もあったと考えます。ところが、プライマリーバランス黒字化目標が正しいとなれば、こうした発想も出てこないでしょう。家計簿発想で国家を考えることで思考停止し、政府支出増で建設国債を発行するなんて発想が出てこなくなってしまうのです。

                     これだけの巨大プロジェクトであるリニア中央新幹線についていえば、独占禁止法適用外とする制度のもと、政府が関与して高品質の安全性の高いものを早急に建造させるべきでは?と思うのです。デフレ脱却にもつながりますし、将来世代への素晴らしい贈り物になるはずです。

                     

                    〜独占禁止法に関連するブログ記事〜

                    震災時の談合は犯罪になるのか?

                    非常時における建設業者の談合を認めよ!

                    年末配送業務のバイトの時給が高騰する運送業界


                    インフラファンドとレントシーキング問題

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                      JUGEMテーマ:レントシーキング

                       

                       今日は、「インフラファンドとレントシーキング問題」と題し、三菱商事とみずほ銀行らが、空港、道路といったインフラに投資するファンドを月内に立ち上げるとの記事を取り上げます。

                       

                       下記は日本経済新聞の記事です。

                      『2017/11/21 18:00 日本経済新聞 国内最大インフラファンド 三菱商事など1000億円規模

                      三菱商事やみずほ銀行などが空港、道路といったインフラに投資するファンドを月内にも立ち上げる。運用額は最大1000億円で、国内のインフラファンドとしては最大だ。安定した料金収入が見込める資産に投資して利回りを確保する。財政負担を軽くしたい国や自治体が公共施設の運営権を民間に売却する例が増えている。流入する投資マネーが公共インフラを支える。(後略)』

                       

                       

                       上述の記事の通り、11月中に三菱商事とみずほ銀行が、空港や道路に投資するファンドを立ち上げるとの記事です。運用額1000億円規模とインフラファンドとしては最大とのことです。

                       

                       財政負担を軽くしたい国・地方自治体が公共施設の運営権を民間に売却する例が増えている中で、流入する投資マネーが公共インフラを支える形です。

                       

                       国内のシンクタンクによれば、国内のインフラファンドの市場規模は推計で2000億円弱とされ、既に太陽光発電を中心としたインフラファンドはREITで上場されたりしています。公共施設の運営権を主体としたインフラファンドは初めてということで取り上げられたニュース記事です。

                       

                       とはいえ、このインフラに投資マネーを呼び込むという発想は、典型的なレントシーキングであり、私はネガティブに受け止めます。なぜならば、財政悪化だの財政問題とかいって、政府がインフラに対して政府支出をしなくなることを懸念しているからです。

                       

                       空港にしろ水道事業にしろ道路にしろ、インフラは維持されなければならず、維持投資が必要です。その維持投資の支出を惜しいからとか、プライマリーバランス黒字化で支出削減しなければならないからという理由で、民営化するという発想。この発想こそ、レントシーキングの典型。既存のインフラ事業に民間企業が何の付加価値を付けることなく参入できて儲かるということです。

                       

                       インフラは既存のビジネスであって新規ビジネスではありません。政府がやっていたものを民間企業がやる。代わりに民間企業は使用料金を取りますよということで、それは税金から払われるので、絶対に儲かるビジネスです。

                       

                       民間企業は儲かるし、公務員に税金を払って支出するよりも税金を納める側に回るからよいのでは?と思われる方がいるかもしれません。とはいえ、この発想は、政府支出削減ということでデフレ化を促進します。公務員は雇用が安定して給料も安定している。民間企業が代わりに運営するとなれば、雇用や給料も公務員よりは安定で無くなります。もし、公務員だった人が、民間人となって、雇用が不安定になったり、あるいは雇用が不安定な人を採用するとなれば、その人たちは間違いなく消費を削減もしくは消費する額は少なくなるでしょう。

                       

                       さらにいえば、事業体で利益追求するため、採算が取れないエリアは撤退することも考えられます。採算を無理に取ろうとすれば、おのずとコスト削減せざるを得ません。

                       

                       本来、インフラの運営は利益追求を目的としない国や地方自治体がやるべきです。ファンドでやる場合は利益が出なければ撤退します。利益が出ないから辞めようとするのは困るため、政府は利用料を支払います。

                       

                       こうした例として、韓国のソウルの地下鉄があります。ソウル地下鉄9号線を紹介します。下記は運輸政策研究という資料からの抜粋です。

                       

                      <ソウル地下鉄9号線のPFI運営スキーム>

                       

                       

                      <運営権受託者として、ソウル9に出資しているフランス企業のヴェオリア公社傘下のヴェオリア・トランスポート>

                       

                       

                       上記にVTKというのがあります。VTKは運営権を受託して地下鉄を運営する会社であるSPC(特別目的会社)「ソウル9」に80%も出資しています。VTKはヴェオリア・トランスポートという会社で、フランスの会社です。80%出資するフランス企業のヴェオリア・トランスポートは、配当を得ています。つまり韓国のソウル地下鉄9号線で儲けが出れば出るほど、フランスの企業が儲かるということになります。

                       

                       またPFI事業によっては、受託した企業に撤退されては困るとして、収入保証する場合もあります。その保証される収入は税金で支払われることになります。

                       

                       ソウル地下鉄9号線が、収入保証されているか?不明なのですが、仮に収入保証がされる場合、地下鉄に乗客がいなくても、莫大な利用料金がフランス企業に支払われるという仕組みになるのです。

                       

                       この補填は、政府の税金即ち国民の税金ですので、国民負担ということになります。仮にSPCへの出資が韓国企業のみとする外資規制があれば、まだそうした事態を回避できますが、ソウル地下鉄9号線の場合は、残念ながら外資系であるフランス企業が80%もSPCに出資しているのです。

                       

                       

                       というわけで、今日はインフラファンドとレントシーキングの問題点を指摘させていただき、ソウル地下鉄9号線を例として具体的な事象をご説明させていただきました。


                      宮崎県における東九州自動車道の重要性

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                        JUGEMテーマ:経済全般

                        JUGEMテーマ:公共工事の経済効果

                         

                         今日は公共事業の中でも、宮崎県の東九州自動車道について取り上げ、インフラ系の公共工事の経済効果について意見します。

                         

                         日本では、「公共事業は悪」「交通インフラは不要」という考え方が社会通念化して蔓延しています。最低限必要な交通インフラでさえ、反対を押し切る政治力が不可欠であり、建設に何十年もかかってしまうというのが実情です。

                         

                         設備投資にしろ、公共投資にしろ、生産性向上の効果を事前に測定することは難しく、設備投資を例にすれば、企業は事前に需要を予測し、慎重に生産性向上のための投資を判断するわけですが、需要を見誤った場合、投資の償却費用(減価償却費用)が経営の重しとしてのしかかります。

                         

                         公共投資にしても、交通インフラを整備し、どれだけの生産性向上効果があるのか?予測を付けるのは難しいです。だからといって、交通インフラが整備されていない地域において、生産性向上が起きないのは必然です。

                         

                         そもそも、高速道路、新幹線、港湾などの交通インフラが整備されていない地域に、工場を建設する経営者はいません。なぜならば、工場を建てたところで、従業員の通退勤すら困難で、人口密集地に営業するにしても、市場へ出荷するにしても、困難だからです。原材料を運び込むこともできず、製品を製造しても市場に出荷することすら難しいのです。このような地域に、生産拠点を設ける経営者は、土地が安いから程度の理由のみで判断することはないと思います。もし、土地が安いからというだけの理由で判断するとすれば、経営者は首にした方がいいでしょう。投資しても儲からないからです。

                         

                         交通インフラの整備は、工業製品だけでなく、農業やサービス業の生産性にも決定的な影響を与えます。2016年4月24日(日)に、東九州自動車道の椎田南IC⇔豊前IC間が開通しまして、北九州市と宮崎市が結ばれることになりました。それまでは、高速道路が途切れていて、いわゆるミッシングリンクという状態だったのですが、ようやく宮崎市から北九州市へのアクセスの生産性が向上したわけです。

                         

                        <北九州から宮崎までの高速道路の区間図>

                        (出典:NEXCO西日本のホームページ)

                         

                         北九州や福岡から熊本を経由する西回りの九州縦貫道は、1995年7月に開通しており、九州西回りと比較して、東回りは20年以上遅れたことになります。

                         結果、熊本産のスイカが東京市場を席巻したのに比べ、宮崎産のスイカは「見かけることすらない」という状況だったのです。スイカで、東京卸売市場(築地、大田、北足立、葛西、豊島、淀橋、板橋、世田谷、多摩NTの全9市場)の入荷の数値を見てみますと、下記の通りです。

                         

                        <スイカの東京市場への出荷状況>

                        平成28年4月〜平成29年3月(東九州自動車道全面開通2016年4月24日(日)以降)

                        熊本産スイカ:数量9,881,979個 金額2,637,697,273円

                        宮崎産スイカ:数量4,950個 金額1,527,552円

                         

                        平成27年4月〜平成28年3月(東九州自動車道全面開通2016年4月24日(日)以前)

                        熊本産スイカ:数量9,664,806個 金額2,437,036,210円

                        宮崎産スイカ:数量 金額 データなし

                         

                        平成26年4月〜平成27年3月

                        熊本産スイカ:数量9,927,089個 金額2,321,232,567円

                        宮崎産スイカ:数量 金額 データなし

                         

                         

                         もともと宮崎県は年間快晴日数が全国1位〜3位と気候的に恵まれています。一方で北から延岡市、宮崎市、都城市・日向市という3大都市圏を有するものの、森林面積比が全国第9位と高く、山間部が多いという自然条件の厳しさがあります。さらにインフラが整備されていないために、人々の生活圏はより細かく分断されてしまっているのです。

                         

                         本来であれば、散在するそうした地域を結ぶインフラが整備されてしかるべきです。にもかかわらず、鉄道はJR九州所管の日豊本線のみで、私鉄網は存在しません。ついでにいえば、日豊本線は単線となっていまして、九州新幹線全線開通により勢いづく西側の他県と比べて、格差が格段についているのです。

                         

                         航空については、宮崎空港があるものの、県西部の住民は熊本空港、県南部の住民は鹿児島空港が近いという状況で、宮崎空港の利用者は限定されています。

                         

                         港湾については、油津港などがありますが、宮崎県としてグローバルな国際港は、存在しません。

                         

                         高速道路でいえば、熊本は九州縦貫自動車道が早期に開通したため、東京市場と高速道路で早くから結ばれていました。そのため、生鮮食材を東京という巨大市場のセリの時間に間に合うように届けることが可能です。

                         

                         一方で宮崎は信号が多い一般道を通る必要があり、東京市場に農産物を届けられず、セリの時間に間に合いません。

                         

                         結果、宮崎の農家一戸当たりの農産物を増やし、生産性向上により農家が豊かになるためには、交通インフラの整備が必須だったのです。ようやく東九州道路が開通して、宮崎産の農産物が東京市場に大量輸送されることになったのです。 

                         

                         メガ市場の東京市場に農産物を売るという意味でいえば、高速道路の開通は宮崎県の農家の生産性向上に大いに役立つに違いありません。何しろ今までどれだけ宮崎の農家が素晴らしいスイカを育てたとしても、高速道路なしでは東京に出荷することができなかったのです。

                         

                         

                         というわけで、今日は交通インフラをテーマとして、東九州自動車道を含め、宮崎県内のインフラについて述べました。新幹線整備計画で、九州では長崎新幹線が話題になっていますが、東九州新幹線もまた、早く整備へと実行に移していただきたい。そうすれば、宮崎県内の企業の営業マンの商談時間や、九州の他県からの商談アクセスの短縮につながり、熊本県との東西格差が是正されます。これこそが、真の地方創生であり、インフラ整備を語らずして地方創生なんてあり得ないと私は思うのであります。                                                       

                         


                        地方創生にはインフラ整備が必要です!(JR四国・JR北海道の再国有化)

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                          JUGEMテーマ:新幹線

                          JUGEMテーマ:公共工事の経済効果

                           

                           

                           今日は、産経新聞の記事「JR四国、路線ごと収支を初公表へ 廃線論議の判断材料に」について取り上げ、地方へのインフラ整備について意見します。

                           

                           以下は、産経新聞の記事です。

                          2017.3.27 12:32 産経新聞 JR四国、路線ごと収支を初公表へ 廃線論議の判断材料に

                          JR四国の半井真司社長は27日の定例記者会見で、これまで明らかにしてこなかった路線ごとの収支状況を初めて公表する考えを示した。将来的に一部路線を廃止する可能性を含め、路線維持について地域で議論する必要性を訴えており、その判断材料にする。

                           半井社長は「できれば今年夏ごろまでに自治体などによる懇談会を立ち上げ、その場で示したい」と話した。

                           JR四国の鉄道事業の営業損失は2016年3月期で109億円。路線によっては相当厳しい数字が予想される。

                           路線ごとの収支を巡っては、JR北海道が昨年1月、全路線の収支状況を初めて公表。全ての路線が営業赤字だったことが明らかとなった。(後略)』

                           

                           

                           なんともネガティブな暗いニュースだと思います。一部路線を廃止するというこのニュースを見て、皆さんはどう思いますでしょうか?

                           

                           都会に住んでいる人は、地下鉄網があり、私鉄を含めた鉄道網があり、加えて新幹線の発着駅もあります。このように都会に住む人々は、快適なインフラによる恩恵を受けています。

                           特にフル規格新幹線(ミニ新幹線の山形・秋田新幹線除く)の沿線、とりわけ太平洋側は、ずっと恩恵を受けていました。私たちは小学校のころ、社会科で太平洋ベルト地帯などと教わります。一方で日本海側は新幹線という高速鉄道がなく、新潟だけが新潟新幹線の駅があり、政令指定都市も福岡市と新潟市の2つだけです。

                           それでも、ようやく最近2015年3月27日に北陸新幹線が開通して、ようやく富山・金沢も高速インフラである新幹線が通るようになりました。

                           

                           

                           

                          1.北陸新幹線効果で「兼六園」の入園者数は200万人を突破

                           

                           北陸新幹線が開通してからの富山・金沢は空前の好景気になっています。以前にも本ブログで取り上げましたが、新幹線は強制的にインフレを引き起こして好景気にし、更に人の移動のスピードが早くなることで生産性の向上につながることで、地域経済の生産性向上にも資するわけです。

                           

                           もちろん、インフラ格差は、地方の税収にも格差と直結します。にもかかわらず、「地方は努力不足だ!」といって、「地方にもっと努力せよ!」と言っているのが、自民党の政治家です。(民進党、維新の会、都民ファーストら他の政党の政治家は論外。)

                          インフラがないところに企業が進出する積極的な動機はありません。また、インフラ整備が遅れた地方で操業開始した会社でさえ、やがてはインフラ整備が整った地域に本社を移そうとします。結果、仕事がないとなって若者がどんどん流出します。

                           その場合、地方の若手経営者にはメリットがあります。若年層のライバルがいなくなる一方、高齢者という需要は簡単に減らないからです。だから利益が出やすい。

                           とはいえ、経営者でなく就職しようとする若者にとってみれば、都会の方がインフラの整備が進み、企業数も多いので行きたがるでしょう。

                           

                           その結果、都市に集中、とりわけ東京、名古屋、大阪に人が集中するということになるわけです。災害大国の日本は、国民が分散して住むことこそ、安全保障強化につながります。アメリカでいえば、ニューヨーク、ワシントンだけでなく、ボストンやシカゴ、ダラス、サンフランシスコ、デトロイト、ロサンゼルスというように、都市が分散しています。

                           日本はアメリカよりも災害が多い国なので、なおのこと地方都市が活性化し、地方に人が住みやすくする環境を整える必要があるのです。

                           

                           そのためには、高速鉄道をはじめとするインフラ整備が必要。にもかかわらず、人口減少する日本において新幹線は不要とする識者も多い。北陸新幹線についても効果は限定的だとか、ストロー現象で地方が衰退するといわれました。

                           

                           実際は、どうなんでしょうか?下記は、金沢で有名な観光名所、兼六園の入場者数の推移です。

                          (出典:金沢市役所のホームページ)

                           

                           「兼六園」でいえば、200万人を超えることはなかったのですが、2015年3月に北陸新幹線開業以降は、200万人を突破しました。2016年度は前年比で減少していますが、それでも290万人強と、従来の入園者数をはるかに上回っています。同様に「金沢21世紀美術館」も入館者数は増勢で推移しています。

                           

                           

                          2.「空気を運ぶ新幹線」という乗車率に対しての誤解

                           

                           新聞記事を3つ紹介します。

                           

                           北陸新幹線開業後、2か月近く経ち、日本経済新聞社が2015年5月21日付の記事で下記を報道しています。

                          『日本経済新聞 2015年5月21日 北陸新幹線の乗車率47%、「平日対策が課題」

                          西日本旅客鉄道(JR西日本)の真鍋精志社長は20日、開業から約2カ月間の北陸新幹線の乗車率が47%だったと明らかにした。「当初は4割程度と想定しており、かなりの利用があった」と評価した。一方、平日の乗車人数が平均2万2700人と土・日曜日より8700人少ないことを指摘し、「平日の乗車人数をいかに増やすかが今後の課題」と話した。

                          同日、大阪市で開いた記者会見で、北陸新幹線が開業した3月14日から今月18日までの営業状況を公表した。乗車率は上越妙高(新潟県)―糸魚川(同)間で測定した。列車別では「かがやき」が53%、「はくたか」が41%だった。最上級車両のグランクラスは66%に達した。

                           1日平均の乗車人数は2万6000人。土・日曜日は2万7000〜3万人まで増えるが、月・火曜日は「2万人前後まで落ち込んでいる」(真鍋社長)という。ビジネス客をはじめとする平日の需要開拓に力を入れる方針を示した。

                           北陸新幹線の利用者数は4月が68万6千人、5月(18日まで)が53万1千人だった。北陸と上越新幹線の駅を結んだ在来線特急の前年実績に比べて、それぞれ3.2倍、3.3倍に増えた。(後略)

                           

                           また、2015年8月11日には次のような記事を報道しています。

                          『日本経済新聞 2015年8月11日 北陸新幹線、東海道などと乗車率に差 新幹線と地域

                          北陸新幹線の実力を測る上で参考になる指標が乗車率だ。西日本旅客鉄道(JR西日本)によると、開業した3月14日から6月末までの乗車率は47%だった。首都圏・長野県と北陸の境にある、新潟県の上越妙高―糸魚川間で測定した。JR西の真鍋精志社長は「当初は4割程度と想像していた」とし、想定以上の利用者に手応えを感じている。(後略)

                           

                           中日新聞が富山−金沢間を結ぶ、北陸新幹線「つるぎ号」について、開業からの3か月間の乗車率が二割だったと報じています。

                          『中日新聞 2015年6月25日 「つるぎ」乗車率2割 開業3カ月間 JR西「想定内」

                          北陸新幹線の富山−金沢間を結ぶシャトル便「つるぎ」の開業から三カ月間の乗車率が二割だったことが、JR西日本金沢支社への取材で分かった。同支社は「想定内の乗車率」とした上で、「自治体から提案があれば、利用促進策を検討したい」としている。

                           二十四日の予算特別委員会では、矢後肇委員(自民)がJR西日本に確認した数字として「つるぎ」の乗車率を報告し、校外学習や修学旅行などの教育現場で利用を促進するよう提案した。(後略)』

                           

                           こうした記事をご覧になった人の中で、インフラ整備に否定的な人からすれば、「それ、見たことか!乗車率50%も満たない。まさに空気を運ぶ新幹線!東海道新幹線の乗車率に遠く及ばない。無駄な高速鉄道は不要だ!」という人、いませんでしょうか?

                           この意見に対しては、厳しく反論します。

                           

                          (1)在来線特急の利用者数の前年比で、妙高高原(新潟県)−糸魚川(新潟県)間で、3倍以上増加

                           まず、新幹線開業前に金沢に行く方法は、上越新幹線で東京→越後湯沢まで行き、そこから特急「はくたか号」で越後湯沢→金沢へ行くのが最短ルートでした。所要時間は3時間50分かかっていたのですが、北陸新幹線の最も早い「かがやき号」で2時間30分にまで、80分時間短縮となりました。その結果もあると推定できると思いますが、在来線特急の前年実績に比べて利用者数は3倍以上増えているのです。

                           

                          (2)地方の特急乗車率の特徴を考えれば、富山−金沢間の「つるぎ号」の乗車率20%は高い乗車率

                           私は2008年から2013年までの間、福島県のいわき市に住んでいました。東京への帰省、成田空港発の海外旅行、東京への出張をする際、常磐線の特急の「スーパーひたち」号に必ず乗っていました。

                           「スーパーひたち」号は、主な駅として、上野→土浦→水戸→勝田→日立→泉→湯本→いわき の順に停車します。

                           例えば、泉→湯本→いわき間は、車両1両に対して、私一人ってことなんてよくありました。

                           

                          <ひたち23号の座席配置図>

                           

                           例えば上記で言えば、18席×4列で、72席あります。この車両で私が一人しか乗っていない場合、1/72≒1.3%の乗車率ということになります。すべての車両で1車両につき一人しか乗車しないということはないかもしれませんが、地方を走る特急とは、終着駅になればなるほど、乗車率は低くなります。

                           JRいわき駅から、上野に行く際、絶対に自由席で余裕で乗れます。ですが、少しずつ席が埋まり、勝田や水戸や土浦となれば、時間帯によりますが満席になることは普通です。

                           

                           こうしてみますと、金沢−富山間の「つるぎ号」の乗車率20%というのは、高い数値であるといえます。政令指定都市を結び、国際港が多く沿岸沿いに存在する東海道新幹線と乗車率を比較すること自体が、ナンセンスです。

                           結局、「高速鉄道を含め、インフラは無駄だから不要!」という答えがあって認知的不協和になっている人が、そうした論説を支持するものと考えます。

                           

                           

                           

                          3.新幹線整備は「経済効果」ばかりを強調してはいけない

                           

                           これまでの論説の通り、新幹線には経済効果があります。新幹線を作ること自体が、GDPを増やします。さらに商圏拡大により追加的需要効果を生み出します。例えば民間企業がホテルを作る、ショッピングモールを作る、駅前を再開発するといった動きです。さらに、人の移動を短時間化することで、生産性向上に貢献する結果、日本において深刻化する「少子高齢化による生産年齢人口の低下」の問題の解決策にもなるのです。

                           

                           にもかかわらず、日本国内では、乗車率という数字が示す事実の意味をはき違え、新幹線整備を否定しようとする国民は多い。新幹線は、国家の基盤インフラであり、本来は国家の安全保障や地域の発展を意識して計画・建設されるべきで、「経済効果」ばかりを強調することは間違っています。とはいえ、経済効果も出ているわけですが・・・・。

                           

                           私はJR四国やJR北海道は、コストが高くついても、国有化という方法はあり得ると思うのです。赤字路線を抱えるJR四国、JR北海道を、民間で経営を維持しようとすれば、絶対に赤字路線廃止とならざるを得ず、安全運航のための費用への支出もままならなくなるでしょう。

                           

                           かつてJR北海道で、そうした整備不良による事故が発生したこともありました。新幹線というドル箱路線を抱えるJR東日本やJR東海やJR西日本と比べれば、JR四国・JR北海道の経営が苦しくなるのは、誰でも理解ができるはず。

                           それを「経営の努力不足だ!」として、人件費カットや部品やメンテナンスを供給する業者にコストカットを強いる、これはまさに名目需要削減で、GDP減少、税収減につながる話です。

                           

                           むしろ、JR四国とJR北海道は、再国有化して、社員を全員国家公務員にすれば、政府最終支出増でGDPも増えます。また、部品供給やメンテナンスを供給する業者選定も、コストカットで一般競争入札ではなく、地域企業への指名入札を通じて選定すれば、その地方経済が活性化します。売上高が増加し、賃金UPできやすくなるからです。これこそが、まさに地方創生であると私は考えます。

                           

                           

                           というわけで、今日は地方創生にインフラが必要であり、そのためには新幹線整備が必要であること、新幹線開通前前では経営が苦しいJR四国・JR北海道は、国有化して全員国家公務員にするというアイデアを述べました。こうした発想は、借金=悪 という資本主義否定の発想しか持たない人からは、出てこない発想です。

                           ところが、自民党の政治家でさえ、「借金=悪だから、支出削減すべき!」「地方はもっと努力せよ!」という発想を持つ人が多く、そういう人が地方創生大臣をやっているのです。これでは、いつまで経っても地方は疲弊し、地方創生という言葉だけが空しく独り歩きするでしょう。

                           一刻も早く、高速鉄道整備を中心とするインフラ整備のために、政府支出増へ政策を転換していただきたいと、改めて私は思うのであります。

                           


                          「国土面積の狭い日本は道路が多すぎる!」のウソ

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                            JUGEMテーマ:公共工事の経済効果

                             

                             今日は、公共事業について、とりわけ道路関連を中心に論説したいと思います。

                             

                             よく、皆様はこのような論説を見かけないでしょうか?

                            「日本は公共工事をやりすぎて、借金が増えてしまった。人口が減少する日本において、これ以上道路を整備する必要はない。」

                             この論説について、多方面から反論したくなりますが、今日は特に、先進国各国との道路事情を中心にご説明し、日本に道路は必要であるという趣旨で、公共工事を拡大すべきである旨を論じたいと思います。

                             

                             まず、下記をご参照ください。日本・イギリス・イタリア・フランス・ドイツの各国における道路の状況です。

                             

                            <日本・イギリス・イタリア・フランス・ドイツの各国における時速100キロ以上の道路網の比較>

                            (出典:社団法人 東北経済連合会 講演資料)

                             

                            <日本・イギリス・イタリア・フランス・ドイツの各国における時速60キロ以上の道路網の比較>

                            (出典:社団法人 東北経済連合会 講演資料)

                             

                             こうしてみますと、ドイツの道路整備状況が際立っているのがよくわかります。制限速度60前幣紊瞭始が、網の目のように張り巡らされています。また、制限速度60前幣紊瞭始網であれば、イタリアも負けていません。イギリスは首都のロンドンを中心に整備されています。

                             それらに比べて日本の道路整備は?といえば、皆さんはどう思われるでしょうか?

                             

                             道路の”量”は、どの程度なのでしょうか?本来であれば、「利用者数(車両台数)あたりの道路延長」を比較すべきです。また、道路の”質”はどうでしょうか?イギリスでいえば、6車線以上の道路が全体の70%超を占めます。日本は、3車線以下が27.1%、4〜5車線では64.9%と、5車線以下の道路の割合が90%強を占めるのです。

                             

                             上述の各国の道路網の比較をご覧いただいてもご理解できると思いますが、日本の道路の整備水準は、”量(道路の距離)”、”質(車線数や速度)”の点から、先進国の中では、劣っているといえます。

                             

                             ところが、実際にマスコミに紹介される論説では、「可住面積あたり高速道路」や「可住面積あたり全道路」という指標が出され、「日本は狭い面積に道路が多すぎる、もう道路は要らない!」という論説が報道され、紹介されています。

                             

                             日本は他国と比較して山が多く、可住地の面積は少ない。とはいえ、道路の意味は、可住地同士をつなぐことで、商圏の拡大や生産性向上につなげるというのが、道路の意味です。

                             もし、道路がなければ、各地は孤立しますし、「物を運ぶのに何時間もかかる!」「営業マンが営業するのに何時間もかかる!」ということでは、生産性が低いということになります。

                             日本は災害大国ですので、各地が孤立しているのは望ましくありません。道路と道路をつないで、いざという時に助け合える環境を整備することこそ、政府の仕事です。

                             

                             また、一度作った道路しかり、道路に限らず橋や橋脚やトンネルなど、維持・更新するための整備という仕事もあります。ところが、公共事業費削減のため、維持・更新するための保守・管理費用は年々減少しています。

                             以前、「生産年齢人口減少のスピードが早い我が国こそ、インフラ投資が必要である!」でも取り上げましたが、老朽化のために「通行止め・通行規制」をしている橋梁が年々増えているのです。

                             

                             全国の地方自治体が保守・管理費を削減している今日の日本において、どこで「橋が落ちる事件」が起きても不思議ではありません。

                             既にアメリカで、全国の橋が一気に劣化し、1980年頃の米国で、都市のあちこちで大きな橋が落ち、多くの人命が失われるだけでなく、大きな経済損失が発生しました。

                             橋が落ちれば、都市と都市が寸断され、物流は崩壊します。橋が落ちることによる人命が失われるということも大変なことですが、生産性が落ちる、経済成長ができなくなるということもまた重要なことであります。

                             

                             1983年 コネチカット洲マイアナス橋崩落

                             1973年 マンハッタン・ウエストサイドハイウェイ部分崩落

                             1981年 マンハッタン・ブルックリン橋ケーブル破断(日本人が死亡)

                             

                            <マンハッタンのブルックリン橋>

                             

                            (2014年12月31日に杉っ子がニューヨークを訪問した際、ハドソン川クルージングに参加したときに撮影したもの)

                             

                             

                             このように、新規インフラは言うまでもなく、既存インフラの整備・更新も、安全保障上も経済成長を考えるうえでも重要です。2014年に安倍政権は国土強靭化計画を打ち出し、公共事業を増やしました。その結果、名目GDPで1.9%の成長を果たし、税収も

                            6.9%増収しました。そのまま公共事業を増やし続けていれば、日本はとっくにデフレ脱却できていたことでしょう。

                             

                             ところが、2014年10月19日に、元テレビアナウンサーの長谷川豊氏が、コラムとして小渕優子氏について論じた内容の中で、道路にお金を使うことを批判しています。内容は下記の通りです。

                             

                            『長谷川豊公式コラム 本気論本音論 2014年10月19日 小渕優子さんの一件の裏にあったこと

                            (前略)

                            「利益供与」なんてものは永田町ではそもそも横行している。マスメディアだってみんな知ってる。上記した例で言えば、サクラをタクシーで動員するのだって、そのタクシー代は言うまでもなく利益供与にあたる。ただでタクシー出してもらって政治家の講演を聞けるんだから。細かいことを言えば日本の政治活動なんて、実際はアウトだらけなのだ。でも、んなもん、僕らマスメディアも黙認してる。キリないし。利益供与が全部ダメって言いはじめたら、日本の政治の歴史は根本から崩れちまう。
                            皆さんの周りにも無駄な道路、あるでしょ?工事、やってるでしょ?
                            あれ、要は「自民党の権力者に投票しなさいね」って。「投票すれば仕事を与えるぞ」ってやってる訳だ。そうやって、国民の予算を使って、利益をバラまいて、選挙で有利にし続けた。
                            こうやって、世界でも例を見ない「一党独裁政権」の国が育ってきたわけだ(その結果、道路だらけで借金だらけになったけど)。
                            やってる事は完全な「利益供与」なのだが、政治家の大センセイたちは声を荒げてこう言ってきたのだ。
                            「ニッポンの発展のために、高速道路が必要なのであります!」
                            裏を返せば、単に、その工事を発注しなければ、その工事関係者からの票が集まらなくなり、その工事業者からの政治献金(←聞こえはいいけど、合法な感じのワイロ)を集められないってだけの話だ。
                            でも、日本の政治はそうやって動いてきた。それを選択してきたのは他でもない国民だ。そんな裏側の話くらい、みんなだってとっくの昔に知ってるはずだ。(後略)』

                             

                             

                             というわけで、元アナウンサーと呼ばれる著名人であっても、道路を含め、インフラ整備に否定的な人は多い。結果、公共事業が削減されていく。しかもありもしない借金問題を振りかざすわけです。

                             こうした論説に騙されないようにするためには、私たち国民が知見を高めていくしかないものと思うのであります。改めて道路整備は必要であるという立場で、意見させていただきました。


                            祝!JR九州、JR西日本の反対により、フリーゲージトレイン計画が崩壊!

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                               今日は以前「日本の運命を決定する長崎新幹線車両(「フル規格」に賛成!「FGT」は反対!)」でも取り上げたフリーゲージトレインの問題点について取り上げます。

                               

                               

                               

                              1.新幹線整備に絶対に使ってはならないフリーゲージトレイン

                               

                               九州新幹線の西九州ルート(通称:長崎新幹線)で、フリーゲージトレインに注目が集まっています。

                              フリーゲージトレインというのは、車両の車輪の幅を変えることができる車両で、例えば新幹線の1,435ミリ、在来線の1,067ミリと、在来線の線路幅が新幹線よりも狭いのですが、両方の線路幅を走行することが可能になるという車両です。

                               

                               便利と言えば便利なのですが、私は、このフリーゲージトレインという技術は、絶対に頓挫させなければならない技術だと思っております。新幹線整備計画において、絶対に使ってはいけません。

                               

                               なぜならば、フリーゲージトレインが成功してしまうと、フル規格の新幹線、時速360舛覗る新幹線の線路と、一般の在来線の線路を一つの車両で使えるということになってしまうからです。

                               

                               緊縮財政を主導する財務省連中は、フリーゲージトレインに対して、継続的に予算を投じてきました。

                               なぜでしょうか?それは、もしフリーゲージトレインの技術が成功すると、財務省というか日本政府は、今後二度とフル規格新幹線に予算を投じなくてよくなるのです。

                               

                               フリーゲージトレイン技術が成功した後、もし、新幹線を走らせたいという声が出れば、「じゃぁー!フリーゲージトレインでやりましょう!」ということになるでしょう。その場合、今整備計画になっている新幹線以外は、2度と新幹線が作られません。

                               1973年に計画され、整備計画になっている新幹線は、下記の図の通り。

                               

                               例えば、四国新幹線とか山陰新幹線とか、「フル規格じゃなくてフリーゲージトレインでいいじゃん!」となり、新幹線の車両がフリーゲージトレインになってしまいます。

                               でも、フリーゲージトレインが頓挫する見込みということであれば、これはイイニュースです。

                               

                               

                               

                              2.フリーゲージトレインの真の問題点

                               

                               まず、車輪の問題とか安全性の問題とか、安全性については見極められず、安全かどうかがわかりません。コストも高いし、車両も重い。なぜならば、新幹線規格と在来線規格の2系統に適応しなければならないため、重装備となって重くなります。

                               そうすると、既存の橋とか大丈夫なの?という問題もあり、しかも検証ができていません。

                               

                               そうした安全性の問題よりも、もっと重要な問題があります。

                               それは、長崎新幹線の九州新幹線西九州ルート(新鳥栖⇔武雄温泉⇔長崎)がどうなるか?です。

                               

                               現在、九州新幹線が新鳥栖を通っています。そして新鳥栖⇔武雄温泉⇔長崎の新幹線について、このフリーゲージトレインの話が出ています。武雄温泉⇔長崎はフル規格新幹線を作っていますが、問題は武雄温泉⇔新鳥栖で、ここがフリーゲージトレインでやろうという話が出ていました。

                               

                               フル規格新幹線で長崎⇔武雄温泉を走らせ、武雄温泉⇔新鳥栖はフリーゲージトレインで在来線を走り、新鳥栖から九州新幹線に乗り入れて博多まで行き、JR西日本の山陽新幹線まで入るという構想があったのです。

                               

                               しかしながら、フリーゲージトレインの最高速度は時速270繊∋獲杰郡汗はフル規格新幹線で最高速度は時速300舛任后もし、フリーゲージトレインが山陽新幹線に入ってきた場合、速度の速い車両と遅い車両が混在することとなり、ダイヤが複雑になります。そのためJR西日本が難色を示しました。これは当然です。

                               

                               フリーゲージトレインは、一見便利に見えますが、時間短縮という生産性向上のためのインフラ整備という観点では、フル規格新幹線での生産性向上と比較した場合、当然落ちます。

                               

                               もし、フリーゲージトレインを使わず、長崎と博多をフル規格新幹線で結べば、長崎⇔博多は現在120分くらいかかっていますが、55分で結ばれます。これがフリーゲージトレインだと90分。全然世界が違います。

                               

                               「別にそんな時間短縮せずとも、もっと時間に余裕を持つくらいで問題ないのでは?」と思われる読者の方、居られるかもしれません。例えば、東京都民の方で、長崎に一回程度旅行に行くくらいのイメージであれば、それでもいいかもしれません。ですが、長崎市の地方創生や地方経済の活性化を考えれば、フリーゲージトレインで作ったら、長崎市民にとっては、ずっとそのままなのです。本来フル規格であれば成し得る生産性向上の効果が、長崎市民にとっては、ずっと低いままの状態となるわけです。未来永劫そうなります。さらに、他のフル規格新幹線まで作られなくなってしまいます。その結果、フル規格新幹線が走る本州太平洋側と、博多⇔熊本の九州西側は、本州日本海側(特に山陰地方、羽越地方)、九州東側、四国全エリアと比較して、相対的に生産性が高くなり、工場や営業所が集まりやすくなって雇用を生むでしょう。そうでないエリアとの貧富の差は、ますます拡大していくことが予想されます。

                               

                               災害大国の日本は、人々が分散して住むことで、助け合えます。だから、地域や住んでいるエリアによってインフラの差が原因として発生する貧富の差を放置していいはずがありません。

                               

                               だから、長崎新幹線の長崎⇔新鳥栖は、フル規格新幹線で作られなければならないと思うのです。

                               

                               

                               

                              3.追加的財政支出に難色を示す佐賀県に、政府が財政補助すべき!

                               

                               実は、佐賀県はフル規格新幹線による新幹線整備に難色を示しています。佐賀市から見れば、それほど時短効果がないと感じているから。それでも、フル規格新幹線が通れば、博多⇔佐賀は、35分が20分で結ばれます。

                               

                               ですが、佐賀県は、追加的な財政負担に難色を示しているのです。

                               

                               では、その財政負担はいくらなの?といいますと、フル規格新幹線で作る場合で、佐賀県は800億円です。もちろん地方自治体から見れば800億円は重いかもしれませんが、日本政府にしたら800億円なんて、たかだか800億円です。そんなに大きい金額でしょうか?

                               

                               フル規格新幹線の場合、博多⇔長崎が55分で、長崎空港がある大村市に、新大村駅という駅ができる予定です。博多⇔新大村で45分。佐賀⇔新大村で20分。これはもう全然世界が変わってきます。商圏が拡大して地方経済が活性化します。だから、政府が佐賀県に対して財政的な補助をするのは当たり前だと思うのですが、皆さんはどのように思われるでしょうか?

                               

                               そこで出てくるのが、基礎的財政収支(プライマリーバランス)という愚かな考え。仮に佐賀県に対して800億円政府が支出したとしたら、他の予算は800億円削るとか、長崎新幹線増税とか、そういう発想になります。

                               家計と同じように、800億円使ったから、他を削らなければ・・・・・なんで、国家の財政で、家計簿と同じようなことをしなければならないのか?本当に愚かな発想だと思うのです。

                               

                               800億円程度であれば、私は政府が国交省主導で予算を付けてあげて問題ないと思うのです。他の予算を削減せずに800億円予算を投ずれば、最低800億円、GDP成長(経済成長)して、税収増になります。もちろん他を削ってしまえば、その分GDPが縮小して、税収減になります。だから、普通に建設国債を発行して、800億円の予算を付けてあげれば、佐賀県も安心してOKするでしょう。何しろ、佐賀県は通貨発行権がありません。佐賀県の県庁の建物の地下でお金を発行することはできませんが、政府・日銀ならそれが可能です。

                               

                               

                               というわけで、今日は「祝!JR九州、JR西日本の反対により、フリーゲージトレイン計画が崩壊!」と題し、改めてフリーゲージトレインの問題点を指摘し、プライマリーバランス黒字化という発想が如何に問題があるか?についても論説させていただきました。


                              日本国民が災害でどんなに悲惨な目に遭っても公共工事は削減される

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                                JUGEMテーマ:プライマリーバランス

                                 

                                 今日は「日本国民が災害でどんなに悲惨な目に遭っても公共工事は削減される」と題し、悲しいお話をいたします。

                                 

                                 日本では財務省の愚かしい考え、プライマリーバランス黒字化目標があるため、表題の通り、どんなに日本国民が自然災害で悲惨な目に遭ったとしても、公共工事は削減されてしまうのです。私は本当に財務省の人って頭が悪いと思います。

                                 

                                 まず、彼ら、マクロ経済を理解していないといわざるを得ません。

                                 GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出

                                 税収=名目GDP×税率

                                 です。

                                 

                                 政府支出を削減すればするほど、GDPを削減することとなり、税収も落ち込むのです。

                                 例えば消費税増税は、個人消費を減らします。実質賃金、特に「毎月もらえる月給」が実質的に増えない限り、個人消費を増やす人はいません。こんな当たり前のことを理解せず、消費増税すべきと財務省の人々は考えます。

                                 

                                 消費増税を実施すれば、個人消費が落ち込むと申しましたが、この個人消費の落ち込み方、これも様々です。

                                 

                                ●今まで美容院に行く回数を月1回だったのを90日に1回にする(年間12回行ってたのを年間8回にする)

                                ●床屋でシャンプーをしないでカットだけにする(1500円のサービスを1000円で買う)

                                ●今まで少し風邪ひいただけで病院に行っていたのを市販の薬で治ることに賭けて、その方が安上がりと思って病院に行くの我慢する(病院で処方箋をもらって薬を買わず、ドラッグストアで市販薬を買う)

                                ●今までコンビニで正規の値段で買っていたものをディスカウント店で買うようにする

                                などなど、これらの事象について、「サービスの回数を減らす」は実質GDPを減らし、「安く物・サービスを買う」は名目GDPを減らします。

                                 

                                 また、個人消費だけでなく、政府は公共投資を減らしています。政府が公共投資を減らす理由ってあると思いますでしょうか?本当はないんですけど、あるということになっていまして、それがプライマリーバランス黒字化目標に代表される緊縮財政至上主義です。

                                 

                                 日本は高齢化社会で、社会保障支出が伸び続けます。その伸び続ける社会保障について、可能な限り抑制・圧縮して、それ以外の支出は削減する。常に削減し、さらには増税して財政均衡を達成するというおかしな発想。それに基づいて財政が運営されているというのが、我が国の現状です。

                                 

                                 だから、どんなに日本国民が自然災害で直接被害で死亡しようが、間接被害で飢える等して死亡しようが、どれだけ悲惨な目にあったとしても、社会保障が伸びるんだから公共投資は減らさなければならないだよ!という発想。

                                 

                                 よく考えてみてください。3.11の時も復興税を導入しました。復興税で税収を集めて、そのお金で被災地への復興支援費用に充てるという考え方。そもそも復興税だって消費・投資が増えなければ、全体の税収は減るのに。復興税は、日本国民にとっては増税と同じ。税収が不足する=需要が不足している なので、本来減税して消費や投資がしやすい環境をすべきなのに、復興税という名を借りた増税。これで、消費を増やそう、投資を増やそうなど、マゾヒスティックな人しかあり得ません。

                                 

                                 では、3.11の時、復興に必要な財源は、どう手当てをすればよかったのでしょうか?私は復興税ではなく、普通に建設国債で賄えば、デフレ脱却していたと思います。なぜならば、通貨発行できますので建設国債をたくさん発行したとして財政破綻しません。このブログでもしつこく解説していますが、ハイパーインフレになり得ません。

                                 復興需要によってインフレになるとすれば、デフレ脱却し、経済成長を取り戻すことができたはずでしょう。

                                 

                                 にもかかわらず、家計簿と同じ発想で財政運営を考える財務省の人々、政治家らが、プライマリーバランス黒字化目標に拘り、政府支出を抑制することを是としてきました。だから復興税という名のもとで増税するという発想。

                                 

                                 高齢化社会で社会保障支出は伸び続けるにもかかわらず、社会保障の伸びを抑制し、それ以外の支出を削減する。

                                 どんなに日本国民が自然災害で悲惨な目に遭ったとしても、「社会保障が伸び続けるんだから、公共投資は削減しなければならないんだよ!また財源が不足したら、増税して財源を確保しなければならない!」というノリで財政運営をしているのです。

                                 

                                 こういう考え方をしている限り、景気は絶対によくなりません。

                                 

                                 デフレ=需要不足です。もちろん需要の中には民間需要もありますが、それ以外にも例えば、公共投資、社会保障支出、科学技術予算、教育支出、防衛費、全部入っています。それを財務省は削減しています。それは即ち需要を削減していることにほかならず、GDP削減=経済成長と逆 なわけで、GDPが削減されれば、当然税収も落ち込みます。公共投資も、社会保障支出も、科学技術予算も、教育支出も、防衛費も全てGDPにカウントされるのです。GDPにカウントされれば税収も増えます。

                                 

                                 

                                 というわけで今日は、財務省の愚かな家計簿の発想を日本国民が否定しない限り、日本ではどれだけ自然災害が発生して悲惨な目に遭っても、公共事業は削減されてしまうという悲しいお話をいたしました。

                                 これを解決するための方策は、私たち日本国民が、経済について財務省の官僚よりも知ることです。経済は、それほど難しくありません。大学で経済学を学んだ人でも、このブログで取り上げている論説を知らない人がほとんどだと思います。

                                 私は、経済について、男子高生・女子高生でも理解ができるように平易な言葉で、イメージしやすく、皆さんにご理解いただけるよう解説していきたい、そんな風に思っています。

                                 読者の皆様におかれましては、引き続き支援を賜れれば幸いです。


                                公共事業を削減しているのは世界中で日本だけです!

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                                  JUGEMテーマ:公共工事の経済効果

                                   

                                   今日は、九州の豪雨災害から考えさせられるインフラ投資について意見します。

                                   

                                   福岡県と大分県に多大な災害をもたらした九州豪雨、そして7/11のお昼前に鹿児島県では震度5強の地震が発生。

                                   改めて知っていただきたいのは、日本の国土面積は、世界のわずか0.25%と狭い国です。にもかかわらず、マグニチュード6以上の大地震の20%以上が、日本で発生しています。

                                   

                                   理由は簡単で、日本列島が

                                  ・太平洋プレート

                                  ・北アメリカプレート

                                  ・ユーラシアプレート

                                  ・フィリピン海プレート

                                  という4つの大陸プレートが交わる真上にあるからです。

                                   

                                   そのため、首都でいえば首都直下型地震のリスクがあり、太平洋ベルト地帯でいえば、東海地震・東南海地震・南海地震の連動のいわゆる南海トラフ地震の脅威が迫っているのです。

                                   南海トラフ地震が発生した場合、場所によっては30メートル級の津波が襲来すると予想され、30万人以上の人々の命が失われる可能性があるとしています。

                                   

                                   さらにいえば台風があり、雨季があって豪雨もあります。豪雨が来るたびに水害や土砂災害が各地で多発します。そういう国土条件なのです。

                                   また、火山も噴火しますし、豪雪という災害もあり、時々首都圏でひどい目に遭います。

                                   

                                   そんなわけで、日本は自然災害のデパートなのです。

                                   

                                   だからこそ、自然災害に対する備えが必要なのですが、日本は1997年以降、橋本政権が公共投資を減らすに減らしました。数字で申し上げますと、1996年47兆円くらい公的固定資本形成が計上されていました。今2016年度は25兆円程度と半分強まで削減しています。(下方の資料参照)

                                   

                                   こんなことやっているのは、世界中で日本だけです。他国を見ますと、ケチケチの財政均衡主義の元祖、ドイツでも1996年比で1.08倍と、そんなに増やしてはいませんが、減らしてはいません。米国は1.8倍、中国は8倍、日本は半分近くまで削減。

                                   

                                   安倍政権になって公共投資を増やした時期があるのか?と言われれば、上記の資料でもお分かりの通り、2013年と2014年に少し増やしました。ところが2015年、2016年と削減し、2016年度は2013年度よりも下回っています。

                                   

                                   というわけで、安倍政権は緊縮財政政権です。

                                   この政府の容赦なき公共投資の削減によって、私たち日本国民は、自然災害に対してどんどん脆弱になってきているのです。

                                   

                                   

                                   そんなわけで、緊縮財政をやっている安倍政権ですが、と同時に公共事業を削減しまくっているのは、世界中で日本だけなのです。プライマリーバランス黒字化目標というクソの役にも立たないアホな発想のおかげで、私たち日本人は災害に対して脆弱なインフラの上で生活をしていることになってしまってきているのです。これ、普通に発展途上国です。

                                   災害で人が亡くなっても、ありもしない財政破綻を回避するために、財政出動をせず公共投資を削減するという愚かしい発想が、日本を滅ぼしていくことを、日本国民の皆さんに改めて気付いていただきたいと思うのであります。

                                   


                                  日本の運命を決定する長崎新幹線車両(「フル規格」に賛成!「FGT」は反対!)

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                                    JUGEMテーマ:公共工事の経済効果

                                     

                                     今日は長崎新幹線について意見いたします。1973年の新幹線整備で、事業化されている新幹線の一つが長崎新幹線です。

                                     

                                     7/15の佐賀新聞の記事を見てみましょう。

                                    『佐賀新聞 7/15(土) 14:40配信     長崎新幹線フリーゲージ開発難航 「フル規格」の待望論、勢い増す 佐賀

                                    佐賀県知事、財政理由に否定的

                                     フリーゲージトレイン(軌間可変電車=FGT)の開発が難航し、2025年度の全面開業もずれ込む見通しとなった九州新幹線長崎ルート。佐賀県の山口祥義知事は14日、FGT導入の遅れを慎重に受け止め、巨額の財政負担がある「フル規格」の議論には否定的な考えを強調したが、沿線自治体では待望論が勢いを増した。

                                    (中略)

                                     技術開発を疑問視していた社民党の徳光清孝県議は「改めて協議が必要だ。JRも維持管理費などの見通しが立たず、導入を断念するのではないか」。共産党の武藤明美議員は「無理に進めている新幹線自体を断念し、長崎線の充実を進めるべき」と持論を述べた。

                                     沿線自治体ではフル規格への期待が膨らんだ。武雄市の小松政市長は「暫定開業は守ってもらいたいし、リレー方式の固定化は好ましくない」とした上で、「新幹線が持つ定時性、高速性、安全性と、山陽新幹線直接乗り入れの全てをクリアできるのはフル規格。地元負担の見直しを前提に実現を期待する」と求めた。

                                     新駅ができる嬉野市の谷口太一郎市長も「フル規格を導入して、大阪への直通乗り入れへと発想を切り替えてもらいたい思いがより強まった」。県や国への要望を強めたい考えで「早い時期に決起大会を開き、市民の総意としてアピールしたい」と方針を語った。(後略)』

                                     

                                     

                                     長崎新幹線の車両について、フル規格新幹線か?フリーゲージトレイン(FGT)か?という議論が行われているとの報道で、地元の”フル規格新幹線”待望論を取り上げています。

                                     長崎新幹線のルートは、下記の通りです。

                                     

                                     

                                     事業化されている長崎新幹線は、九州新幹線の新鳥栖から西に向かい、佐賀・肥前山口・武雄温泉・嬉野温泉と佐賀県内を通り、長崎県の大村・諫早を経由して長崎に至るルートになっています。

                                     もともとは、佐世保に次回ルートを通るはずだったのですが、大村ルートが採用され、県北の佐世保は取り残された形になってしまいました。

                                     そのため、佐世保にお住まいの方は、長崎新幹線っていっても、さほど好意的ではないかもしれません。それでもあえて長崎新幹線について取り上げたのは、長崎新幹線の新鳥栖⇔武雄温泉が、フル規格か?フリーゲージトレインか?で、日本の運命を決定的に変えてしまう恐れがあるからです。

                                     

                                     武雄温泉⇔長崎のルートは、フル規格新幹線で建設されています。フル規格新幹線は時速200km以上の速度で走ります。

                                     それに対し、新鳥栖⇔武雄温泉が揉めていて、とりあえずは在来線特急を走らせて、武雄温泉で長崎新幹線に乗り換えするというバカバカしい話になっているのです。

                                     

                                     なぜ、新鳥栖⇔武雄温泉間でフル規格の新幹線の建設ができないのか?フリーゲージトレインという技術を押し込もうとしている人がいるからです。

                                     

                                     フリーゲージトレインとは、車輪幅を伸縮させ、在来線(線路幅1067ミリ)と新幹線(線路幅1435ミリ)を往来できる軌間可変電車をいいます。国は新たな新幹線を建設費を抑えながら列車の隅々まで新幹線の時短効果を広げられるとし、早期の実用化を目指しているのです。

                                     

                                     東洋経済新聞が鉄道最前線という特集で、フリーゲージトレインの問題点という記事を掲載しています。記事によれば、一般の新幹線は、時速400舛任皸堕蠢行が可能ですが、フリーゲージトレインは、ヨーダンパ(横揺れの抑止装置)4本のうち1本を外したところ、時速280舛蚤羲屬硫M匹譴増幅するそうです。また、新幹線と在来線の共用走行のために運転保安設備を2統計分を備える必要があり、それらの分の重量増を抑制するために軽量化対策に高価な部品を用いているとも言われます。

                                     こうしたことから、車両新造コストだけでなく、メンテナンスコストも2.5倍から3倍程度になるとの試算が出ていると指摘しています。

                                     

                                     とにかくフリーゲージトレインは、通常の新幹線と比べ、耐久性が確実に落ちます。JR九州の青柳俊彦社長は、2016年12月の記者会見において、「安全性など運航事業者としてお受けできる状況ではない」と、新鳥栖⇔武雄温泉ルートについても、フル規格の新幹線とすることを求めています。

                                     

                                     青柳社長が言ったことは正しく、まさに仰る通りです。

                                    青柳社長は、「これまで(耐久性などの向上に)かけてきた対策が不十分なら、FGTの開発はかなり先に延びる。それは適切ではない。安全性についても十分確認できるレベルではない。」として、フリーゲージトレインの安全性に疑問を呈しています。

                                     

                                     にもかかわらず、長崎新幹線の新鳥栖⇔武雄温泉は、フル規格新幹線の整備が一向に進みません。理由は記事にある通り、佐賀県知事が反対しています。佐賀県によれば、「将来の佐賀県の基盤づくりに必要な新幹線の整備は、福祉や教育の予算を確保した上で投資的な経費の枠内で計画的に進めています。」として、予算不足を理由にフル規格の線路の建設に反対しているのです。

                                     

                                     佐賀県の背後には、財務省がいます。フリーゲージトレインが実現した場合、財務省は今後、フル規格新幹線の予算を出す必要がなくなります。そのため、技術的に困難極まりなく、安全性にも疑問があるフリーゲージトレインの開発に対しては、着実に「予算」を回し続けています。

                                     そのため、もし長崎新幹線でフリーゲージトレインが実現してしまった場合、日本の新幹線整備計画は、二度とフル規格で行われることは無くなるでしょう。

                                     

                                     その意味で、佐賀県民、とりわけ佐賀市の皆さんは、日本の将来を決めるカギを握っているとも言えます。

                                    一つ目は、フリーゲージトレインで佐賀区間を整備し、日本の新幹線整備計画を終わらせ、日本の将来の芽を摘んでしまう道。

                                    二つ目は、安全なフル規格新幹線で佐賀区間を整備することで、佐賀市を九州北部と経済的に商圏を一体化させて日本の将来を繁栄に導く道。

                                     どちらを選ばれるでしょうか?

                                     

                                     因みに秋田新幹線、山形新幹線は、フリーゲージトレインではなく、ミニ新幹線方式です。ミニ新幹線は、普通の鉄道の線路の横にもう1本線路を引き、小型の新幹線車両が通れるようにしているだけであり、当然最高速度は普通のJR線と同じです。

                                     東京駅から秋田に行く場合、盛岡までは早いですが、盛岡から秋田は最高時速110キロ程度ですので、遅いのです。

                                     結果、秋田市は商圏から取り残されます。山形市も同様です。商圏から取り残されますと、インフラが充実している都市に人が移動します。そうすると都市部への人の一極集中に拍車をかけ、災害安全保障の観点から、人が分散して住む方が日本にとって安全ですが、そのベクトルとは逆の方向に向かわざるを得なくなるのです。

                                     

                                     フリーゲージトレインもミニ新幹線も、緊縮財政の発想から出た賜物。安全性や生産性の向上を考えれば、フル規格新幹線で快適にラクラク日本の地方都市が結ばれた方が、国益につながります。

                                     デフレの日本において緊縮財政は不要。安全性で高品質な新幹線を然るべく予算を付けて財政出動すれば、そのこと自体がGDP成長=経済成長につながり、将来の生産性向上、商圏拡大によってさらなる消費や投資の活性化(GDP拡大=経済成長)につながるのです。

                                     

                                     

                                     というわけで、今日は長崎新幹線について取り上げました。私はフル規格新幹線を、もっともっと日本列島の隅々まで走らせるべきであると思っています。今回取り上げた長崎新幹線以外にも、北海道で札幌⇔旭川⇔稚内・根室といった感じで、日本列島の隅々まで安全なフル規格新幹線で走らせることで、生産性が大幅に向上して、インフラが充実して各地の商圏が拡大していきます。

                                     そうすれば、別に東京に来なくてもよい。企業も本社を首都圏以外に移転しやすくなるでしょう。結果、首都一極集中に歯止めがかかるものと思うのです。予算額を減額したいがゆえに安全性に疑問が持たれるフリーゲージトレインを導入しようとする財務省の連中の、この緊縮財政の考えこそ、1997年以降日本をボロボロの国家にしてきた元凶であると、私は思います。

                                     佐賀県民・佐賀市内の皆さんには、フル規格新幹線で新幹線整備の実現できるよう働きかけをお願いしたいと思います。


                                    公共事業削減で「亡国」への道を突き進む日本

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                                      JUGEMテーマ:公共工事の経済効果

                                       

                                       今日は、”公共事業削減で「亡国」への道を突き進む日本”と題し、公共事業関係費について述べたいと思います。

                                       

                                       下記の図は、公共事業関係費(政府全体)の推移です。

                                      (出典:内閣府官房参与の藤井聡氏のフェイスブックより)

                                       

                                      1998年(平成10年):予算合計14.9兆円(当初予算9.0兆円 補正予算5.9兆円)

                                       

                                      2009年(平成21年):予算合計  8.8兆円(当初予算7.1兆円 補正予算1.7兆円)

                                      2010年(平成22年):予算合計  6.4兆円(当初予算5.8兆円 補正予算0.6兆円)

                                      2011年(平成23年):予算合計  5.3兆円(当初予算5.0兆円 補正予算0.3兆円)

                                      2012年(平成24年):予算合計  7.0兆円(当初予算4.6兆円 補正予算2.4兆円)

                                      2013年(平成25年):予算合計  6.3兆円(当初予算5.3兆円 補正予算1.0兆円)

                                      2014年(平成26年):予算合計  5.8兆円(当初予算5.4兆円 補正予算0.4兆円)

                                      2015年(平成27年):予算合計  5.4兆円(当初予算5.4兆円)

                                       

                                       

                                       上記の通り、皆さん誤解しやすいのですが、安倍政権は2013年度こそ、国土強靭化で当初予算増やしましたが、それ以降は、補正予算を抑制し、全体で6兆円以下となるよう抑制しているのです。緊縮財政政権であり、決して公共投資を増やしてはいません。むしろ2010年比でみれば、補正予算と合わせた額で、鳩山由紀夫政権よりも公共事業を削減しているのです。

                                       

                                       日本の公共事業関係費は、ピークを迎えた1998年には14兆9000億円でした。10兆円を超えることが当たり前だった公共事業関係費が、2011年にはわずか5兆3000億円にまで縮小され、我が国の土木・建設の供給能力は著しく棄損してしまったのです。

                                       

                                       2016年4月14日、4月16日と、熊本県で震度7を観測する大地震が2度も発生し、10月21日は鳥取県を中心に強い地震が発生しました。福島県沖でもマグニチュード7.4の地震が発生して津波が東北沿岸に押し寄せるといった事態になりました。

                                       日本列島に住む限り、私たち日本人はどこに住んでも大地震のリスクから逃れられません。

                                       

                                       2016年の夏は台風が幾度となく日本列島に襲来し、埼玉県から北海道にかけた広い地域で河川が氾濫し、大きな被害がもたらされました。

                                       

                                       日本は、いつどこで自然災害に見舞われるか?誰にも予測できません。いざ大地震などの自然災害が発生したとき、誰が真っ先に被災者を助けてくれるのでしょうか?もちろん、地元の土木・建設業です。

                                       地元の土建屋は、人材がいて機材があって、そして何よりも重要ですが、「地元の情報」があります。

                                       

                                       日本は世界屈指の自然災害大国でありながら、財務省主導の緊縮財政・プライマリーバランス黒字化目標主義によって、公共事業費が容赦なく削減され、土木・建設業の供給力を破壊したのです。これは、まさに国家的自殺と言えるでしょう。

                                       

                                       今後、補正予算が「抜け道」呼ばわりされて、世論的に公共事業費の積み増しが許さないという風潮になった場合、近い将来、日本は大震災が発生しても土木・建設業の供給能力が不足して、救援すらできない国になるでしょう。

                                       即ち発展途上国に落ちぶれるということです。

                                       

                                       

                                       といわけで、今日は公共事業関連費の推移から、安倍政権が緊縮財政をしていることをお伝えしたく、意見しました。緊縮財政は短期的に見れば災害で人命が守れないということもありますが、長期的にはデフレから脱却しない結果、供給能力を毀損するという発展途上国化につながります。

                                       例えば、大震災で橋が崩落しても、すぐに橋を架けることができない、道路を作ることができない、その結果、物資をスピーディーに送ることができず、餓死する・病死するといった具合です。

                                       直接的な被害だけでなく、上述のような状態は、まさに発展途上国です。このまま緊縮財政を続ければ、日本は亡国に突き進んでいくことになるでしょう。

                                       多くの国民がデフレ脱却のためには、需要増が必要であり、緊縮財政からの転換が必要であることをご理解いただきたく思います。

                                       


                                      同化政策(大日本帝国・ローマ帝国)と植民地(欧米列強国)の違い

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                                        JUGEMテーマ:公共工事の経済効果

                                         

                                         今日は、同化政策と植民地は、全く次元が異なるということをお伝えしたく、戦前の大日本帝国の同化政策や、ローマ帝国の同化政策に触れ、欧米列強国の植民地とは全く異なるという立場で、とりわけインフラ整備という観点から私見を述べさせていただきます。

                                         

                                         

                                         

                                        1.八田與一が作った台湾のウサントウダム(鳥山頭ダム)

                                         

                                         よくテレビや新聞などマスコミや、社会党や共産党などの左翼系の人々の論説で、「日本が過去、アジア諸国を植民地支配をしてきた」と論ずる人がいます。日本がやってきたことと、欧米列強国がやってきたこと、これは明確に性質が異なります。

                                         例えば、大日本帝国が台湾や朝鮮半島を支配した際、私たちの祖先は同地の住民を「日本国民」として遇しようとしました。さらに、台湾や朝鮮半島の経済を発展させ、住民を豊かにするために膨大なインフラ投資を行いました。いわば大日本帝国のもとでは、台湾、朝鮮半島は決して「植民地」ではなかったのです。

                                         

                                         次の写真は、台湾にある戦前当時世界最大級だったとされるウサントウダムです。これは日本人の八田與一(はった よいち)が作ったダムです。以下、2015年9月に私が訪問した際に撮影した写真を掲載いたします。台湾の台中に嘉義市という町があり、そこに日本人が作ったダム、それがウサントウダムです。

                                         

                                        <鳥山頭ダム=ウサントウダム> 

                                         

                                        (2015/9/20に、杉っ子が撮影)

                                         

                                        <八田與一の像とお墓>

                                        (2015/9/20に、杉っ子が撮影)

                                         

                                         このウサントウダムのおかげで、台中は穀倉地帯となり、土地が豊かになり、人々の暮らしも豊かになります。台湾人の90%以上の人が八田與一の名を知りますが、日本の歴史の教科書には、八田與一は出ておらず、ほとんどの日本人は知りません。私も40代になるまで、その名を知りませんでした。八田與一が台中に、この世界最大級のダムを作り、そして灌漑施設を作ることで水田ができるようになりました。台湾は沖縄よりも南で温かい。結果、二毛作、三毛作という形でコメが獲れる穀物を中心とした肥沃で豊かな穀倉地域となったのです。

                                         

                                         

                                         

                                        2.欧米列強国の植民地政策の実態と日本の同化政策の違い

                                         

                                         さて、それに対して欧米列強国は、どうでしょうか?例えばイギリス領インド帝国において、イギリス国民がインドの住民を「同じ国民」として認識したでしょうか?絶対にあり得ません。イギリス国民にとって、インドの住民はあくまで「被支配者の現地人」に過ぎず、同じ国民であるはずがないのです。

                                         確かに、インドには、イギリス資本によって長大な鉄道が建設されました。とはいえ、インドの鉄道はイギリスの産業資本のために、綿花や綿製品を運ぶインフラとして整備されたのです。

                                         別にインドの住民の所得拡大を目的としたわけでもなければ、インドの住民を豊かにしようとか、インドに自立して豊かさを自分で手に入れてもらおうとか、考えたわけではありません。イギリス国民とインド住民とは、「違う」扱いがされたのでした。

                                         

                                         イギリスなどの欧米列強国と異なり、大日本帝国は、台湾や朝鮮半島の人々を「日本国民」にしようとしました。自分たちと同じく、「天皇陛下の赤子(せきし)」であると考え、現地の住民に教育を与えていったのです。

                                         

                                         欧米の植民地にいたっては、情報交換が活発化する「教育」を現地の住民に与えるなど、考えられないことでした。なにしろ、植民地の住民にへたに「知恵」をつけてしまうと、まとまって反乱を起こされる可能性が高まるからです。

                                         

                                         大日本帝国の場合、併合(植民地ではない)した台湾や朝鮮半島の住民は、自分たちと同じく天皇陛下の臣民であると認識しました。だからこそ、本土の日本国民と同様に教育を与え、住民を豊かにし、経済成長の基盤となるインフラを整備していきました。

                                         

                                         私は、同化政策が正しく、奴隷のように現地住民をこき使うことが悪いなどと、善悪を論じたいわけではありません。もともと自然災害が多発する島国の住民ということで、日本国民は日本国民以外の国民を他者として排除するという概念が少なかったのだと思われます。だから、日本列島以外の住民について、「彼らを植民地の民である」として、自分たちと区別する発想もなかったのでは?と思うのです。

                                         

                                         

                                         

                                        3.ローマ帝国と大日本帝国の共通点

                                         

                                         実は、歴史をさかのぼると、日本国民と極めて類似した考え方をもった帝国が、過去に一つだけあります。それがローマ帝国です。

                                         ローマが強大化したのは、イタリア半島中部の強国エルトリアを滅ぼして以降です。もっとも滅ぼしたといっても、別に住民を皆殺しにしたわけではありません。エルトリアを征服し、ローマ化してしまったのです。

                                         しかも紀元前90年のユリウス法の成立を受け、エルトリア人はローマ市民権を得ることになりました。

                                         ローマ帝国の版図の拡大は、基本的にエルトリア方式が多かったと言われています。征服した地域を単なる「被支配地」にするのではなく、属州をして支配して、その地域の住民にローマ市民権を与え、最終的には同化するのです。

                                         

                                        <紀元前750年から紀元前500年のイタリア半島におけるエルトリア国の支配地域>

                                         

                                         ローマ化された属州民は、次第にローマ市民として帝国の中枢で活躍します。例えば「五賢帝」の一人、ダキア(現在のルーマニア)を征服し、帝国の領土を最大にした皇帝トラヤヌスは、スペイン属州の出身です。紀元270年に即位したアウレリアヌスも、ドナウ川領域の属州(パンノニア)の出身です。

                                         

                                         また、ローマ中興の祖であるユリウス・カエサルの家庭教師は奴隷でした。 ローマ帝国時代、奴隷という負け組がいなかったわけではありませんが、意外に優遇されていたわけです。

                                         

                                         地中海の世界ではローマ帝国が衰退後、キリスト教徒とイスラム教徒が互いに襲撃し、捕らえた住民を奴隷化する時代が始まります。同じ奴隷であってもローマ帝国時代とそれ以降では「人権侵害」の度合いが大きく異なるのです。

                                         

                                         このローマ帝国と共通する日本の統治政策を見てみましょう。朝鮮半島出身者で洪思翊(ホンサイク)という朝鮮人がいます。

                                         この洪思翊は、朝鮮人でありながら中将まで上り詰め、戦後フィリピンで戦犯裁判で絞首刑になった人物です。洪思翊という朝鮮人は、日本の陸軍士官学校を卒業し、日本兵1000人を率いて、中国軍を蹴散らしたと言われている人物ですが、日本人としての誇りを胸に、戦犯裁判で処刑されました。

                                         

                                         また先ほどの台湾の嘉義市でいえば、戦前の1931年に甲子園で高校野球に準優勝した高校があります。その名は、嘉義農林学校(現:国立嘉義大学)です。まさに八田與一がウサントウダム建設をしている真っ最中の出来事です。

                                         そしてこの嘉義農林学校が甲子園の高校野球で準優勝した史実を元に、2014年に『KANO 1931海の向こうの甲子園』(私は見に行けませんでした。)という映画が放映され、映画の中では八田與一も出ています。

                                         

                                         それだけではありません。大日本帝国は1945年に台湾と朝鮮半島の男子に国政参政権を与えています。それ以前も内地に住む男子には出自に関わらず参政権があったため、朴春琴(パクチュンギム)という朝鮮半島出身の国会議員まで存在しています。

                                         

                                         さらに言えば、京城帝国大学(現:ソウル大学)や台北帝国大学(現:台湾大学)といった大学は、現在の国立大学である大阪大学や名古屋大学よりも先に作られた大学です。

                                         

                                         古代ローマ帝国は異なりますが、近代史の欧米列強国において、植民地化した国に大学を作って現地人を教育するなんて発想は、あり得ません。

                                         

                                         

                                         というわけで、今日は日本の近現代史を振り返りながら、日本の同化政策は、欧米列強の植民地化とレベルが違い過ぎることをお伝えしました。史実を見れば日本もまた、ローマ帝国と同様に、台湾や朝鮮半島を同化していったということがよくわかります。特に帝国大学という教育インフラを作り、本土の陸軍士官学校にも出自の差別なく入学させ、統治国が自分の手で豊かになれるようにと、インフラを作って彼らに自立させることを大日本帝国は是としてきたのです。

                                         もし、大日本帝国が1945年(昭和20年)に滅びなかった場合、いまごろは台湾や朝鮮半島出身の総理大臣が出ていてもおかしくなかったかもしれません。

                                         言語を覚えさせることで、日本人と同じように働くことができる、というこの同化政策は、現代のヨーロッパ諸国における移民政策で、自国語を覚えさせることがいかに重要であることを、学ぶことができると思います。ましてやヨーロッパ諸国のイタリアは、かつてのローマ帝国があった場所でもあります。

                                         歴史の史実をしっかり認識し、日本という国のすばらしさと、今起きている欧州のホームグラウンテロの事件の背景に、現代のヨーロッパの多文化主義に基づく、自国の言葉を覚えさせる=同化させる、ということがいかに重要だったか?

                                         言葉を強制しないために現代では就職ができず、ホームグランドテロが起こる土壌になっているということを、改めて私たちは認識し、欧州問題・移民問題についても考えていく必要があると思うのです。


                                        オーストラリアもインフラ整備に今後10年で6兆円支出へ!

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                                          JUGEMテーマ:公共工事の経済効果

                                           

                                           今日はロイター通信の記事、「オーストラリア、今後10年でインフラ整備に750億豪ドル投資へ!」というニュースを取り上げます。

                                           

                                           記事の概要は下記の通りです。

                                          『[キャンベラ 9日 ロイター] - オーストラリア政府は9日、今後10年でインフラ整備に750億豪ドルを投じる計画を発表した。資源ブームの終えんを迎えた豪経済を次の成長局面に導くことが狙い。

                                          モリソン財務相はこの日公表した予算案に関する議会演説で「われわれは成長支援に向けて、鉄道や滑走路、道路の構築に投資することを選ぶ」と述べた。

                                          計画の目玉は、南東部のメルボルンから北東部沿岸のブリスベーンを結ぶ計1700キロメートルの長距離鉄道網の整備。建設のピーク時には1万6000人の雇用創出を見込む。』

                                           

                                          上記の通り、2017/5/9にオーストラリア政府は、来年度の予算を発表いたしました。

                                          資源ブーム後の成長エンジンとして、インフラ開発を打ち出すとし、広大な国土をつなぐ道路と鉄道の整備に、今後10年間で750億オーストラリアドル(日本円で6兆円)を投じるとの報道です。

                                           

                                          26年目を迎えた経済成長を持続させ、オランダが持つ世界最長記録の更新を目指すとしています。

                                           

                                          中核となるのは、200億オーストラリアドルを支出する旅客貨物鉄道の整備と改修で、メルボルンからブリスベンを従来より10時間短く24時間以内で結ぶ内陸貨物鉄道の整備を行い、1200キロを改良して新たに500キロ新設するとされています。

                                           

                                          米国のトランプも1兆ドル(100兆円)の公共投資をすることを発表し、韓国の文在寅も内政について、公共サービスの雇用を増やして経済成長させます!としていますが、オーストラリア政府も公共投資によって経済成長させるとしているのです。

                                           

                                          各国が公共投資を増やしていますが、今インフレではないから、全く問題ありません。

                                          上述の国々は、ゆくゆくは賃金も上がっていくことでしょう。

                                           

                                          賃金が上昇すれば、消費が増える。消費=需要ですので、需要が増えれば、インフレギャップが発生します。

                                           

                                           

                                           公共投資は一粒で2つおいしい。

                                          ・公共投資の投資額6兆円分が経済成長(=GDP成長)する

                                          ・公共投資の恩恵を受ける人々から始まって消費が増えていく(需要が増えていく=GDPが増えていく=経済が成長していく)

                                          です。

                                           インフレギャップを埋めるべく供給能力を増強(企業設備投資)自体が、またまたGDP成長に寄与。

                                          そのことで、機械設備関連の会社の従業員を中心に賃金UPして、その分が消費が増えて、またまたまたGDP成長に寄与。

                                           

                                           さらに、オーストラリアは典型的ですが、インフラを整備すれば生産性が向上します。10時間メルボルンとブリスベンが短くなる、その分生産性が向上します。将来の生産性向上のために、今、投資することはオーストラリア国民を豊かにする正しい政策です。

                                           

                                           

                                           というわけで、今日はオーストラリアのターンブル首相が、トランプ大統領の100兆円インフラ投資と同様に、6兆円のインフラ投資を行うというニュースを取り上げました。

                                           今日ご説明の通り、公共投資は、

                                          仝共投資自体がGDP成長する

                                          恩恵を受けた業種の人々から始まって消費が増えることでGDP成長する

                                          将来の生産性向上により単位当たり労働コストの削減となって人件費の安い他国と比較して相対的に労働コストが下がる

                                          ということで、1石三鳥は確定します。

                                           オーストラリアで言えば、上記の 銑0奮阿砲癲⊃靴燭防濱澆気譴殖毅娃哀ロの鉄道が、災害時のロジスティクスとして安全保障強化にもつながります。つまり、1石二鳥どころか、三鳥にも四鳥にもなるわけです。

                                           ぜひ、日本も他国に見習い、インフラ投資を中心とした政府支出増に転じていただきたいと思います。


                                          非常時における建設業者の談合を認めよ!

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                                            JUGEMテーマ:公共工事の経済効果

                                             

                                             以前、このブログで「震災時の談合は犯罪になるのか?」という記事を3/19に書きました。今月4/5に朝日新聞で、「天下り農水OB、受注調整か 談合疑いで公取委立ち入り」という記事が出ているため、改めてこのテーマで意見したいと思います。

                                             

                                             記事の概要は以下の通りです。

                                            『(朝日新聞 2017/04/05 05:00 矢島大輔)天下りOB、受注調整か 談合疑いで公取委立ち入り

                                            農林水産省東北農政局が発注した東日本大震災復興事業などの入札で談合をしていた疑いがあるとして、公正取引委員会は4日、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で、ゼネコン18社の東北支店や本社などに立ち入り検査をした。農水省からゼネコンに天下りしたOBが中心となり、事前に受注を調整していた疑いがあるという。
                                             立ち入り検査を受けたのは、フジタ、りんかい日産建設、青木あすなろ建設、飛島建設(いずれも東京)などの18社。各社が加盟する仙台市内の業界団体「東北土地改良建設協会」にも入った。同協会内には、東北農政局OBの親睦団体「北杜(ほくと)会」も置かれている。(後略)』

                                             

                                             3.11の際、日本は高速道路や一般道があらゆるところで損傷し、早急な復旧を迫られていました。さもなければ物流がままならず、食料や医薬品などを被災者に送り届けることができず、餓死や病死者が出る可能性が高かったのです。そこで、ゼネコンの間で高速道路や農地の復旧において、業者間の「受注調整」が行われた可能性は高かったでしょう。

                                             

                                             談合と言えば、ネガティブなイメージを持つ人が多い。とはいえ、談合は私たち日本の先祖の方が考えてくれた日本には必要なシステムであると言えるのです。にもかかわらず、私たち日本人は、建設業界に一般競争入札を推進して安値受注競争を強いり、虎の子の供給力を毀損してしまったのです。

                                             自然災害大国である日本において、業者間の競争と存続を両立させるためのシステム、それが談合という先人が生み出した知恵でした。私たちはそれを「市場に反する」「自由競争に反する」という理由で壊してきたのです。

                                             

                                             3.11では地場の建設業者の活躍がなければ、自衛隊や消防署員らが現場に入れません。何しろがれきの山となっている現場において、グーグルマップなんて役に立ちません。現地の地場の建設業者が存在して初めて土砂がれきを横に分けて道を作ることができます。原発事故で、やたらと東京消防署員の活躍が報じられましたが、消防署員が立ち入るために、土砂がれきを横に分ける作業を事前に地場のゼネコンがやっていたわけです。

                                             

                                             原発事故は別にして、宮城県の太平洋側では道路が津波で寸断し、物流が崩壊している状態でした。被災者に物資を届けるために道路の復旧が急がれていたのです。そして根幹となる高速道路や国道県道を作るべく、大手ゼネコンが受注調整をしたということですが、何が悪いのでしょうか? 緊急時であっても「一般入札をやれ!」というのでしょうか?

                                             膨大な被害地域で早急に復旧しなければ、物流がままならないというのに、呑気に悠長に入札して市場競争をやれ!というのでしょうか?

                                             

                                             仮に各業者が「当社は、ここしか受注しない。他の場所は知らない」などと自己中心的なことをやられたら、道路の復旧が遅くなるだけです。

                                             

                                             というわけで非常事態をみんなで乗り切るために、ゼネコン業者が談合し、可能な限り素早く道路の復旧をするために、仕事を調整して分担し合うということは、ごくまっとうな考え方だと思うわけです。にもかかわらず、そうした行為が「談合」で独占禁止法違反だとするならば、次なる大災害時に、復旧事業をスピーディーに可能な限り素早くという姿勢で仕事をしてくれるゼネコンはいなくなります。

                                             

                                             当たり前ですよね!何しろ仕事調整すれば独占禁止法違反で事情聴取され、逮捕される可能性があるわけですから。コンプライアンスだかなんだというのは平時の時だけであり、インフラを担う会社は非常時は談合して、とにかく素早く道路復旧するべきだと思うのですが、皆さんはどう思われるでしょうか?

                                             

                                             今の日本は、このように災害時の復旧について、日本国民のために国益になると思って話し合いをして、早急に復旧のために仕事を分担し合っただけで刑事告発される。しかもその異常性に誰も異を唱えない。

                                             

                                             今後大災害があっても、ゼネコンは公正取引委員会や東京地検特捜部による談合疑惑による捜査を恐れ、仕事の調整をしないでしょう。結果、大災害が発生しても復旧が遅くなり、餓死者や病死者が出る。災害が起きても復旧しないという事象は、ネパール地震で首都のカトマンズですら復興しない発展途上国と同じです。

                                             

                                             こうして我が国は発展途上国化していくのだなあとつくづく思うのであります。どうかこのブログの読者の皆様におかれましては、本テーマにおいて私の意見に賛同いただけるのであれば、この異常性についてぜひお友達と意見交換していただきたいと思います。

                                             

                                             そんなわけで、今日は災害時における談合が刑事告発されるという異常性について意見しました。


                                            震災時の談合は犯罪になるのか?

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                                               昨年の2016年1月20日、大手道路舗装会社4社が被災した高速道路の復旧工事を巡って調整役となって談合したということで、東京地検特捜部と公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで強制捜査に乗り出したというニュースがありました。震災時に談合することが悪なのか?意見を述べたいと思います。

                                               

                                               2011年3月11日の東日本大震災で、太平洋側の高速道路は津波で分断されてしまいました。東京方面から東北へ救援部隊を派遣しようにも道路が通れない事態でした。特に沿岸を走る国道45号線が通行不能で、大量輸送が極めて困難な状況となったのです。

                                               

                                               国交省は被災地の各県や自衛隊、土木建設業者と協力して、緊急輸送道路を「くしの歯型」切り開くことを決定し、最も被害を受けた海岸沿いの国道45号線の復旧は後回しにして、東北自動車道と国道4号線を優先的に通行可能にし、沿岸被災地に「くしの歯」として横に道路を伸ばして救援活動の物流ルートを確保することになったのです。

                                               

                                               こうして土木建設業者らの不眠不休の努力により、3月18日までに国道45号線の97%が通行可能という世界が驚くほどの早さで被災地への物流ルートが確保され、救援活動が本格的に始まりました。その後も道路復旧作業は続きましたが、それが「談合である」と公正取引委員会が問題視して強制捜査が行われたのです。

                                               

                                               非常時に呑気に「一般入札」などやっていていいのでしょうか?とにかく早急に復旧工事を開始して道路を通行可能にし、物流ルートを確保しなければ被災地の復興は遅れるどころか、餓死者が出ることだってあり得ます。

                                               

                                               早期に道路復旧のため、特定の道路会社が「調整役」として各事業者に仕事を割り振り、速やかに道路復旧させる努力をしたとして何が悪いのでしょうか?その手の調整が行われてなかったら、早期復旧は果たせたでしょうか?

                                               「ゼネコンが震災で儲けるのはおかしい!」「そのような非常事態に安値発注して税金の無駄遣いを辞めるべき!」こうした論説に同調する国民が多かったのでは?と思います。とはいえ、当時は道路復旧は人命にかかわる非常事態です。被災者の命を守るために、現場が相談し、最も速やかに道路復旧が可能な形で仕事を割り振るという行為が罪になるとでもいうのでしょうか?公正取引委員会は罪になると考えているのでしょうか?「アホか!」と言いたい。

                                               

                                               「震災時の道路復旧のための仕事の割り振り」の調整が独占禁止法違反で刑事罰対象になるのでは、今後は大震災が発生しても、ゼネコンがスピーディーに動かず、早期復旧は不可能になるでしょう。何しろ、現場で仕事を調整するだけで独占禁止法違反で処罰されるということでは、大手道路舗装会社らは率先して道路復旧しようとはしなくなるでしょう。結果、道路というロジスティクスの基盤がいつまで経っても復旧せず、被災地の国民が死んでしまいます。

                                               

                                               怖いのは、日本国民に「震災発生時の談合は本当に悪いのか?」という論説が全く見られないことです。日本国民は、災害大国であるにもかかわらず、非常事態発生時においても、「市場競争」「公正な入札」といった寝言を言っていられないという常識すら理解していないほど、愚民化してしまっているのでしょうか?

                                               

                                               私は「指名競争入札」や「談合」が悪であると思っていません。災害大国だから全国各地に土木建設業者が存在している必要があるのです。3.11のときに自衛隊や東京消防署の活躍がTVで放映されましたが、津波や火災でめちゃくちゃになった状態では、グーグルの地図の写真など役に立ちません。現地の地元の土木建設業者らが、がれきを横に分け、自衛隊やら消防署員らが現場に入れるようにしていたという事実は、マスコミでほとんど報じられていないと思われます。

                                               

                                               「全国各地に土木建築業者を存続させる」「企業間競争によって業者の生産性向上を促す」を両立させるためには、「指名競争入札」と「談合」は有効であると言いたい。指名競争入札で地元の企業を優先的に公共工事を落札させる。とはいえ、指名に入ることができた業者同士が、競争が激しすぎると、結局地元から退場する土木建設業者が出てくる。そうならないために「ワークシェアリング」で仕事を分け合う。また、指名から排除されないようにするために、高品質に仕上げるための企業努力や生産性向上のための投資を続け、指名の枠に残るために努力する。こうしたことが日本の土木建設業のシステムでした。

                                               

                                               我々は、このシステムを「市場競争に反する」という単純な考え方から否定するようになり、破壊してきました。挙句の果てに大災害時に仕事の割り振りが「談合」として公正取引委員会が問題視し、その異常性を誰も疑問視しない。

                                               

                                               多くの国民が思考停止に陥り、何が正しくて何が間違っているか?判断ができなくなっているように思うのです。このままでは我々は将来世代に大変なツケを残すことでしょう。そうならないためにも、震災時の談合を問題視する姿勢が異常であることに気付かなければならないものと考えます。


                                              東京オリンピックに緊縮財政の考え方は不要!

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                                                JUGEMテーマ:経済全般

                                                 

                                                私は我が国がオリンピックを開催する資格がないのでは?との疑問を持っています。

                                                理由は、日本国民の「緊縮思考」です。厳密に言えば、都知事なり政治家が緊縮的な政策(「公務員を削減する」「国会議員の定数を削減する」「公共投資(インフラ整備投資費用や医療介護費)を削減する」「無駄を削減してコンパクトなオリンピックを実現しよう!」などなどの政策)を打てば打つほど、世間的にウケてしまうこの「空気」です。

                                                 

                                                長期デフレに苦しむ我が国において緊縮財政は不要。緊縮財政はインフレ対策であって、我が国デフレです。無論、日本政府が通貨発行権を持つのに対して、東京都は通貨発行権をもちません。(例えば東京都庁の地下1Fで日本円を刷れば逮捕されます。)とはいえ、唯一地方交付税交付金を受け取らない金持ち自治体です。

                                                 

                                                東京オリンピック・パラリンピックの予算などを検証している東京都の調査チームによれば、五輪開催費用は3兆円。これが全て消費や投資に回ると仮定すれば、日本のGDPが最低でも0.6%(=3兆円÷500兆円)増えますが、何か悪いことがあるのでしょうか?

                                                 

                                                GDP0.6%増えると聞いてもピンと来ない方には、「皆さんの所得の合計が0.6%増える」だったらいかがでしょう?

                                                 

                                                我々は生産者として働き、物・サービスを生産。お客様に消費、投資として支出してもらう(=買ってもらう)ことで所得を得ることができます。誰かがお金を使わないと、皆さんの所得は生まれません。即ち給与が発生しません。誰かがお金を使うのを削ると、皆さんの給与が減ります。
                                                 

                                                 

                                                この当たり前の事実すら認識せず、自分たちがデフレ環境下で節約に努めているからと言って、ルサンチマンを貯め込んだ人々が、通貨発行権を持つ日本政府や、日本で唯一地方交付税交付金を受けていない最も貯蓄がある自治体の東京都に対しても「無駄な支出をするな!」と緊縮を求める。結果、自らの所得を減らし、貧乏になっていく。愚民以外に表現しようがありません。

                                                 

                                                例えば東京五輪向けの3兆円が、単なる所得移転&誰かの貯蓄に回ってしまうのであれば、「無駄な支出」と言えるかもしれません。とはいえ、実際は五輪に向けたインフラを整備する「民間企業」の売上になり、働く生産者に給与として所得が分配され、次なる消費や投資が生まれ、別の誰かの所得を生みます。

                                                 

                                                無論、東京五輪向けのインフラ整備の支出がなされたところで、遍く皆さんの個人の所得が短期で増えないかもしれません。とはいえ、インフラ整備という「需要創出」でデフレギャップ(「需要<供給」の状態)が解消に向かい、日本経済がデフレから脱却すれば、いずれは皆さんの所得にも好影響を及ぼします。

                                                 

                                                ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

                                                誰かがお金を使わない限り、貯金や借金返済ばかりでは、誰かの所得は生まれない。

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                                                この当たり前の事実すら認識せず、「小池、やるじゃん!もっと無駄な出費を削れ!」などと拍手喝采する。結果、日本経済に必要な需要創出が絞られ、貧相な五輪を開催し、デフレ長期化で国民がますます貧乏になっていく。我が国は愚民国家になり果ててしまったのでしょうか?

                                                 

                                                無駄削減はインフレ対策であってデフレの我が国においては支出増が必要であることを、我々国民が改めて理解するべきだと思うのです。


                                                強制的にインフレにする恐るべき新幹線の効果

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                                                  JUGEMテーマ:公共工事の経済効果

                                                   

                                                   

                                                   今日は新幹線が我々の生活にどういう効果をもたらすのか?を述べます。

                                                   

                                                   北陸新幹線は、東京大阪間を結ぶ路線として、昭和48年鉄道整備法に基づき、計画されました。

                                                   高崎長野間が開業した後、2015年3月14日に長野金沢間が開業いたしました。

                                                   

                                                   新幹線が開業してから金沢は人が増えたと言われています。

                                                   市場や観光施設、兼六園の来場者数は開業前後で全然違うようです。

                                                   電車で金沢に行く人は、当初2.2倍との予想に対し、3倍にまで膨れました。

                                                   

                                                   2年目を迎える今もなお、金沢は空前の新幹線投資による経済効果が出ています。

                                                   例えば、駅周辺ではいろんな投資が進んでいます。

                                                   

                                                  <金沢市の商業施設:片町きららの外観>

                                                   

                                                  <富山市の商業施設:三井アウトレットパーク北陸小矢部の中の様子>

                                                   

                                                   新幹線ができたばかりの金沢駅自体もきれいですが、ホテルや商業施設もきれいです。

                                                   富山市には三井不動産がアウトレットモールという大型商業施設を作りました。

                                                   事務所など支社・支局についていえば、便利になったからということで、1年間で40数か所増えたと言われています。

                                                  仕事も増える・人口も増えるで、日本全体はデフレですが、金沢と富山は需要が増えるインフレになっているのです。

                                                  このように、新幹線はデフレになっている地域を、強制的にインフレにする装置と言えるでしょう。

                                                   

                                                   東京は大阪や名古屋より景気がいい。それは何故でしょうか?

                                                   理由は簡単。新幹線の本数が圧倒的に多い。東京は東北北海道秋田山形新幹線、上越新幹線、信越北陸新幹線、東海道山陽九州新幹線と日本の新幹線の終着駅となっていますが、名古屋と大阪は通過点に過ぎません。東京は新幹線ネットワークで結ばれているから活力があるのです。

                                                   

                                                   新幹線に1兆円、2兆円かかるとして高いかもしれないですが、経済効果は遥かに大きく莫大です。大体、太平洋側の三大都市圏というのは東海道新幹線がなければあり得なかったでしょう。東名自動車道・名阪神自動車道の高速道路だけでは無理です。京都と東京は2時間で結ばれているからこそ、東京人は京都に観光へ行き、京都人は東京で日帰りでビジネスができます。

                                                   

                                                   太平洋側と比べて、日本海側は経済的にダメになってしまいました。昔は金沢は東京・名古屋・大阪・京都に次いで5番目の都市でした。日本海側は上越新幹線が開通している新潟市しか政令指定都市(人口50万人以上で権限は東京都23区より上)はありません。新幹線整備があったにもかかわらず、作られないで放置されたから金沢は凋落したのです。自己責任とか言っている人はアホな愚民。山陰が低迷している、四国が低迷している、東九州(宮崎・大分)が低迷している、すべては新幹線整備を放置したからです。

                                                   

                                                   函館市と北斗市でいえば、北海道新幹線開業に伴い、函館市・北斗市周辺の開発効果で人手不足で困っている状況です。そのぐらい力を持つ新幹線整備について、国費を投入しないなんてあり得ません。新幹線が民間ビジネス以上の存在感があるのです。昔、6〜7時間かかっていたものが、2〜3時間で行ける夢の超特急と言われていたゆえんです。現在、近江東京間の東海道新幹線はパンパンな乗車率です。リニア中央新幹線の開業は急いでいただき、2020年の東京オリンピックまでに完成させれば、早く経済効果が訪れ、デフレ脱却できるのに、安倍政権は国費は投じず、財政投融資で行うと言っています。しかも時間軸も2027年と遅い。

                                                   建設国債を発行すればいいのに、ゼロ金利でめちゃくちゃ安く借りられるのに、家計や企業経営と同じく借金を増やすのは将来世代にツケを残すとして建設国債を発行せず財政投融資で行うと言っています。政治家って頭悪いのでは?と私は思わざるを得ません。というより、多くの国民も建設国債が悪、新幹線は無駄と思っていれば、そうした政治家しか生み出さないと思うのです。

                                                   

                                                   新幹線の整備キロは7,400キロ計画していますが、実際は2,400キロしか実現していません。計画の30%しか実現しておらず、70%は放置している、このことがどれだけ日本経済の足を引っ張っているか?30年前からちゃんと整備していれば、GDPで数百兆円の効果が出て、1000兆円GDPが超えていたかもしれないのです。

                                                   

                                                   そんなわけで、新幹線に関する話題として、新幹線の恐るべき効果を述べさせていただきました。


                                                  北陸新幹線の開業効果について

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                                                    JUGEMテーマ:公共工事の経済効果

                                                     

                                                     

                                                     東京金沢北陸新幹線開業から2年、北海道新幹線開業から1年経ちます。

                                                     今日は新幹線開業の効果について述べたいと思います。

                                                     

                                                     新幹線整備というと、反射的に反対する人がいまして、「ストロー効果」というものがあります。ストロー効果とは、交通インフラを整備することで都市が衰退するまたは発達するということを意味する語彙です。どちらかと言えば、マスコミでストロー効果といえば、東京に人が集まるのが促進されて地方都市が衰退するという風に使われてきました。例えば「新幹線が開通することで、地方の人口、所得などが都市部に吸い上げられる」などと新幹線を無駄であると論じるのです。

                                                     

                                                     確かにネガティブなストロー効果は存在します。金沢は日帰りが可能となり、金沢支店が閉鎖されてしまった場合が、それに該当します。とはいえ、ポジティブな効果の方が確実に大きいという事実に、「無駄な公共工事削減すべき」とする言論人は目をつぶったままです。

                                                     

                                                     2015年3月14日に、北陸新幹線が金沢まで延伸し、開業から半年間で約482万人に達し、前年同期の同区間の在来線特急に乗車した人と比較すると3倍に達しています。

                                                     

                                                     金沢市の日本三名園の一つ兼六園は、20153月〜8月で167万人と、対前年同期比で40%増となり、量販店や小売店も観光客で賑わっています。金沢市では民間資本による再開発ラッシュで沸いている状況です。

                                                     

                                                     新幹線は「市場」と「市場」を短時間で結びつけ、商圏を拡大させます。特に東京圏という世界最大都市を、北陸市場に取り込めば、北陸地域の経済は一気に活気づきます。

                                                     

                                                     財務省の北陸局が北陸新幹線の効果について、現地の声としてまとめた資料がありまして、その抜粋を皆様にご紹介します。

                                                     

                                                     

                                                    <観光・消費への波及(生の声)>

                                                     

                                                    〜石川県内の声〜

                                                     

                                                    ●開業後の週末はほぼ満室。予約の入りも早く、週末の予約は取りにくくなっている。(加賀地域 温泉旅館)

                                                    ●4〜5月の週末は8割程度予約で埋まっている。予約の入りが早く5〜6月は開業前と比べて約2倍になっている。(能登地域 温泉旅館)

                                                    ●能登自動車道七尾氷見道路開通効果もあり、多方面から観光客が増加(能登地域 観光地)

                                                    ●開業後2年度目の週末は観光客を中心に客足が伸び、土産物等の売れ行きが良かったほか、飲食店も大勢の客で賑わった。(金沢市周辺 大型小売店)

                                                    ●観光地周辺店舗の売上高は前年比10〜20%増加。(金沢市周辺 コンビニ)

                                                    ●開業後2年度目の週末も多くの利用者で、ここ十数年みられなかった賑わい。平日の利用者も多く、回転率も上昇している。(金沢市周辺 タクシー)

                                                    ●金沢市内、加賀、能登方面の定期観光バスの利用が大幅に増加。(金沢市周辺 陸運)

                                                     

                                                    〜福井県・富山県内の声〜

                                                     

                                                    ●問い合わせが増加。金沢で宿を確保できなかった団体等の予約が増えている。(福井県 ホテル)

                                                    ●石川県内で宿が取れなかった観光客の宿泊が少しずつ増加。(福井県 温泉地)

                                                    ●開業後の入込は順調。舞鶴若狭自動車道開通の効果もあって、関西圏ナンバー車が増加。(福井県 観光地)

                                                    ●開業後は週末を中心に、開業前より満席となっている日が多い。(富山県 ホテル)

                                                    ●団体、個人ともに関東方面からの観光客を中心に伸びており、満席になっている旅館が多い。(富山県 温泉地)

                                                     

                                                     

                                                     日本人の多くは、「人口が減るから需要も増えない」と勝手な思い込みをしています。日本の人口減少ペースは年間20万人台に過ぎず、13000万の人口との対比で見れば、わずか0.2%程度の減少です。

                                                     

                                                    税収=名目GDP×税率×税収弾性値

                                                    GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出

                                                     ※純輸出=輸出−輸入

                                                     

                                                     そもそも、新幹線の整備自体=需要であり、政府支出としてGDP成長に資するのです。さらに新幹線整備により地域と地域を結び付けることで商圏が拡大し、サービス産業や投資で「追加的需要」が生じます。こうした「追加的需要」は新幹線が整備されなければ起こりえない需要です。

                                                     

                                                     日本では、数字が示す事実を無視し、新幹線整備を否定しようとする国民は少なくありません。

                                                     新幹線は、そもそも国家の基盤インフラであり、国家の安全保障や地域の発展を意識しつつ建設されるべきで、「経済効果」ばかりを強調するのは間違っています。とはいえ、経済効果も出ている。

                                                     

                                                     新幹線整備は、それ自体が需要であり、商圏拡大による追加的需要効果を生み出し、移動を短時間化することで生産性向上に貢献する結果、今後日本において深刻化する「少子高齢化による生産年齢人口の低下」という問題の解決策にもなるのです。

                                                     

                                                     このように日本中を新幹線ネットワークで結び付け、日本の各地域の商圏を統合する、これこそがインフラ投資効果であり、日本を繁栄させることになるでしょう。

                                                     

                                                    というわけで、今日は北陸新幹線の開業効果について意見させていただきました。

                                                     

                                                     


                                                    米国のインフラ投資拡大と日本の公共投資

                                                    0

                                                      JUGEMテーマ:公共工事の経済効果

                                                       

                                                       今日は人手不足の正しい解決策は生産性向上であるということをご理解いただきたく、米国のインフラ投資拡大とに日本の公共投資について述べたいと思います。

                                                       

                                                       既にマスコミ報道でご承知と思いますが、トランプ大統領が1兆ドルのインフラ投資拡大を表明いたしました。老朽化した交通インフラを中心に拡大するとのことでした。

                                                       

                                                       インフラについては、世界的に見て1996年がポイントです。1996年を境に我が国は公共投資を減らし続けました。というより我が国だけが1996年比で公共工事を減らしています。1996年比で主要国の数値は以下の通り。

                                                       

                                                      日本 0.50未満

                                                      ドイツ 1.08

                                                      米国 1.80

                                                       

                                                       1996年比で日本は公共投資を半分未満(0.50未満)にしましたが、ドイツは1.08倍、米国1.8倍といった具合です。また、米国は2003年をピークに減少しています。

                                                       

                                                       世界的なトレンドとして公共インフラの品質・充実度がどんどん低下しています。世界フォーラムのインフラ充実度のランキングで、米国は11位、日本は5位です。なんとインフラ整備にお金をほとんどかけていない日本が5位なのです。米国は普通に高速道路に穴が開いていると言われています。確かに米国と比べれば、日本の高速道路で穴が開いていることが常態化しているということはないので、米国11位、日本5位は、ある意味納得できます。

                                                       とはいえ、日本は地方についてインフラは全く不十分で整備すらしていません。ローマ帝国はインフラ整備が進んでおり、世界帝国になりましたが、後期にはメンテナンスができなくなっていました。インフラのメンテナンス整備を含めた充実度は、国力に直結するのです。

                                                       

                                                       ところで、トランプのインフラ1兆ドルの経済効果は2つあります。

                                                      ●フローの効果(所得を生み出す効果)

                                                      ●生産性向上の効果(中長期的な経済成長につながる効果)

                                                       

                                                       フローの効果とは、仕事を受注した会社の従業員の所得が発生することをいいます。(所得=生産=需要:GDP3面等価の原則)例えば、10兆円の公共投資をやれば、用地買収費用なしで全額10兆円を物・サービスを買えば、最低10兆円のGDPが増えます。公的固定資本というGDPが増加します。これがフローの効果です。

                                                       

                                                       生産性向上の効果についていえば、例えば港や道路整備が遅れているエリアに工場建設する経営者はいません。日本海側に政令指定都市が少ない、人口が集積されないのは、上述が理由です。よくよく考えていただきたいのですが、港・高速道路がなければ原料調達、製品の輸送・販売において物流に時間がかかり、即ちインフラが進んでいるエリアと比べて相対的に生産性が低い(物流に時間的なロスがかかる)ので、工場建設する経営者は少ないのです。逆にインフラを整備することで様々な民間の投資(企業の設備投資)を促すことができます。

                                                       

                                                       所得の効果だけを強調しますと、「そんなことやっても土建屋だけが儲かるだけじゃないか!」と言われるかもしれませんが、読者の皆様にはぜひ、箱根駅伝の京急蒲田踏切を思い出していただきたい。

                                                       

                                                       京浜急行の国道15号線の踏切は全部撤去されて高架化されました。結果、箱根駅伝でお馴染みだった踏切で学生ランナーが立ち止まるという場面は見られなくなりました。

                                                       京急蒲田駅の踏切は、1時間当たり53分が遮断踏切時間であり、1時間に7分しか開かない、まさに開かずの踏切です。

                                                       

                                                       この京浜急行の高架化事業は、京浜急行の設備投資(民間設備投資)ではなく、政府が公共投資として、1,892億円実施されました。即ち政府支出として、事業規模高架化事業1,892億円のGDPが生まれた=経済効果=所得効果とことになります。

                                                       

                                                       京浜急行の踏切は、例えば、梅屋敷第4踏切で1日に11,489台、京急蒲田第1踏切で約20,000台の車が通過していました。踏切が撤去されたおかげで、ストレスなしで3万台強の車がストレスなしで道路通過できるようになりました。当然物流にも影響が出ます。短時間で荷物が運べるようになるわけで、これは生産性向上の効果いえます。そしてこの物流に好影響が出る効果というものは、1年だけじゃなくて、これから何十年もずっと効果が出るのです。

                                                       

                                                       短期的効果で言えば、短期的需要増(ここだけ強調すると「土建屋だけが儲かるのでは?」と言われそうですが、その指摘は間違っています。)であり、米国の場合は1兆ドル(約110兆円)の経済効果が出るうえに、生産性が高まります。だいたい道路に穴があるところに工場なんて作りたくないと思いませんか?

                                                       長期的効果で言えば、その地域の住民に長期的に生産性向上の効果をもたらします。

                                                       即ち、トランプ次期大統領のインフラは、約110兆円の所得効果と長期的に生産性向上効果を生み出すのです。

                                                       

                                                       ところで読者の皆さんの中には「日本は人口減少するからインフラなんてそんなやらなくてよいのでは?不要なのでは?」と思われる方もいるかもしれません。

                                                       

                                                       人口減少について、日本人はよく誤解しているのは、我が国の人口問題とは、総人口の減少ではなく生産年齢人口の減少が問題なのです。生産年齢人口の減少は4倍〜5倍のペースで減っていて、減少ペースが速い。実際に既に発生していますが、生産年齢人口が少なくなるから人手不足が深刻化していきます。そして人手不足の解決方法は生産性向上しかないのです。

                                                       

                                                       「人口が減るから公共投資は不要である!」は間違いです。人手不足になるからこそインフラ整備して生産性を高めないと人手不足に対応できなくなるのです。我が国は生産年齢人口が減るからこそ、公共投資を拡大しなければならないという局面に入ったと言えます。メンテナンス問題もありますが、それ以上に生産性向上が必要です。なぜならば、生産性向上しないと、私たちは欲しいものが買えなくなってインフレ率がどんどん上昇していくことになります。インフラが充実しなくなると工業先進国から後退、即ち発展途上国化していくことになるのです。

                                                       

                                                       今日は人手不足の解消方法として生産性向上が正しいソリューションとして、インフラを充実させることが正しいソリューションであることと同時にインフラの経済効果について述べさせていただきました。

                                                       

                                                       

                                                       

                                                       

                                                       


                                                      堤防建設という公共工事の経済効果(物語「稲むらの火」の主人公、濱口梧陵の偉業)

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                                                        JUGEMテーマ:公共工事の経済効果

                                                         

                                                         

                                                        今日は「稲むらの火」という物語について述べます。

                                                         

                                                        私は5年前まで、訪れたことのない足を踏み入れたことがない都道府県が下記の通り7県ありました。

                                                         

                                                        福井県(2013928日訪問)

                                                        和歌山県(2015131日訪問)

                                                        高知県

                                                        徳島県

                                                        愛媛県

                                                        大分県(2012414日訪問)

                                                        宮崎県

                                                         

                                                        今日は2015131日に訪問した和歌山県有田郡広川町にある広村堤防について、「公共工事の経済効果」ということで意見させていただきます。

                                                         

                                                        広村堤防の場所は下記の通りです。

                                                         

                                                         

                                                        広村堤防の図面と現地の写真です。

                                                         

                                                         

                                                         

                                                         

                                                         

                                                        1.物語「稲むらの火」の概要

                                                         

                                                         1854年 安政南海地震が発生し、現在の和歌山県や高知県や大阪府などに大津波が押し寄せ、数千人の死者が出たとされる実話を元にした物語で、1937年から10年間、国語の教科書に掲載され、防災教材として高く評価されました。物語の主人公で登場する濱口儀兵衛は、濱口梧陵(はまぐちごりょう)氏で、彼は福沢諭吉とも交流があり、初代和歌山県県議会議長や初代郵政大臣を務めた人です。

                                                         

                                                         物語の概要は次の通りです。

                                                        『1854年、安政南海地震発生時、紀伊国広村(現在の和歌山県有田郡広川町)の庄屋であった濱口儀兵衛は、村の高台に住んでいたため、海が一斉に引いていくのが見えました。

                                                         大津波が来ると判断した濱口儀兵衛が村を見ると、折り悪く「祭りの準備」に忙殺されていた村人は誰も津波来襲に気付いていません。このままでは村人が全滅することになります。

                                                         濱口儀兵衛は積んであった脱穀後の稲の束(稲むら)に松明で火を付けました。高台で煙が上がるのを見た村人たちは、火事を消し止めるべく坂を上がってきました。そこに津波が押し寄せ、村人たちは命が助かりました。』

                                                         

                                                         当時の稲むらは、草履や畳の材料であり、高価なものでした。その高価な稲むらに火を付け、津波の直接的被害から村人を救ったのです。

                                                         話はここで終わりません。津波で壊滅状態に陥った村を再建し、村人の流出を食い止めるため、濱口梧陵は私財を投じ、海岸に高さ5m、長さ約600mの堤防を築き、海側に松並木を植林します。これが「広村堤防」です。そして「広村堤防」は1946年の昭和南海地震で発生した4mの津波から村を守りました。

                                                         濱口梧陵の堤防建設事業は、堤防建設の「雇用の場」を生み出し、離散してしまうはずの村人を雇用して村を存続させたことにとどまらず、広村堤防は1946年の昭和南海地震から、村を守ったのです。

                                                         

                                                         

                                                         

                                                        2.濱口梧陵の堤防建設事業の効果

                                                         

                                                         物語は、高価な稲むらに火を付けて直接的な津波の被害から人を救ったことを中心に描かれています。もちろんそれはそれで素晴らしい話なのですが、重要なのは、その後、村がどうなったか?です。

                                                         普通であれば、津波が来るような場所で人々が農作物を安心して作ることなどできず、生活の基盤が脅かされるような環境の村に留まる人々は少ないでしょう。村人が離散することが確実な状況で、濱口梧陵が私財を投じて「堤防建設」という公共事業(私財を投じているので「公共」という言葉が適切かわかりません。)を興し、村を存続させたということも効果といえます。

                                                         

                                                         濱口梧陵の「堤防建設」の経済効果は、少なくても次の3つの効果があったと指摘できます。

                                                        (1)村に雇用が創出されて、現在の村人に所得をもたらし離散を防ぎ、村というコミュニティを維持できた。

                                                        (2)堤防を建設することで、将来の村人の生命を1946年の昭和南海地震から守った

                                                        (3)村を存続させることで、他の地域の安全保障を強化した

                                                         

                                                        (3)は理解しにくいかもしれませんが、自然災害がオンパレードの我が国では、国民が分散して生活することが災害安全保障上きわめて重要です。堤防建設事業によって「他の地域が自然災害に遭った場合の助ける拠点」として村が存続したということです。

                                                         また村が再建されれば、田畑が耕され、農産物の生産により村人に所得がもたらされます。堤防がない状況では、村人は安心して田畑を耕そうとはしないでしょう。

                                                         濱口梧陵が「堤防建設」に私財を投じて建築したことで、村の農産物の生産量を増やすことにもつながりました。即ち生産性向上を果たすことができたのです。

                                                         

                                                         自然災害大国である日本において「需要」は途切れることはありません。日本国民にとって「安全という名の商品」の需要は、事実上無限に存在するのです。

                                                         

                                                        ・日本は人口が減少するから経済成長しない

                                                        ・人口減少するからインフラは作っても無駄だ!

                                                        こうした考え、発想は間違っています。

                                                         

                                                         いざという時でも「安心・安全」が継続されるために、津波から守る防波堤・防潮堤、川の氾濫から守るスーパー堤防、地震噴火を事前に予知するサービスのクオリティの向上など、需要は無限に存在します。

                                                         そうした需要を満たすために、政府や民間企業が知恵を絞り、技術開発をすることで、我が国の供給能力(潜在GDP)が蓄積され、拡大していくのです。供給力(潜在GDP)の蓄積こそが、国の経済力です。

                                                         

                                                         

                                                         

                                                        3.政府が超長期プロジェクトを明言する必要性について

                                                         

                                                         橋本政権期に44兆円だった公共投資は、現在は20数兆円にまで絞られてしまっています。民主党の「コンクリートから人へ」というスローガンの悍ましさは論外ですが、安倍政権でさえ、一般会計と補正予算の合計額において2014年度から削減し、民主党政権よりも公共工事を少なくしています。

                                                         

                                                         東京オリンピックがあったとしても、土木建設企業の経営者からすれば、「突発的に巨額の予算を付けるより、少しずつでよいので、安定的に予算を増やして欲しい」ということではないでしょうか?当たり前と言えば当たり前なのですが、供給力の回復・維持のためには、長期という視点は極めて重要です。

                                                         

                                                         安倍政権は201683日、臨時閣議に挑む前に、事業規模281000億円の「未来への投資を実現する経済対策」を決め、2次補正予算を組みました。2016年の秋に第一弾として7兆円ということでしたが、これが次年度も真水で7兆円を維持するのか?例えば、初年度7兆円、2年目10兆円、3年目15兆円、4年目以降15兆円を維持するといった感じで、政府が長期的に公共投資を継続する旨を明示しなければ、土木・建築の経営者は本格的に「人材という供給能力」を拡大しようとはしないでしょう。

                                                         

                                                         そうなると、若い世代への技能・技術継承が進まず、20年後か30年後、現役世代が引退してしまった時点で、我が国は「自国企業で高層ビルを建てられない」「自国人材で大きな橋を架けられない」国、即ち発展途上国と化していることになります。

                                                         そうならないためにも超長期プロジェクトを政府が明言し、土木・建築業者らが人材投資・設備投資をしやすい環境を作る必要があるのです。それは、即ち政府支出増を、金額と時間軸を明言することです。

                                                         そして金額は、10兆円と言われているデフレギャップ以上の金額を明言する必要があります。さもなければ、デフレギャップ分がデフレ継続し、経済成長しなくなってしまうのです。

                                                         

                                                         最後に、濱口梧陵の偉業をたたえた動画のYoutubeを掲載しますので、ぜひご参照ください。

                                                         

                                                         『梧陵と稲むらの火』のYoutube→https://www.youtube.com/watch?v=ezpG1ulJaQ4

                                                         

                                                         

                                                         

                                                         

                                                         


                                                        生産年齢人口減少のスピードが早い我が国こそ、インフラ投資が必要である!

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                                                          JUGEMテーマ:公共工事の経済効果

                                                           

                                                           

                                                          今日は、20161231日に読売新聞にて報じられた次のニュースについてをメインにインフラ効果について述べさせていただきます。

                                                           

                                                           

                                                           

                                                          1.老朽化する我が国の深刻なインフラ事情

                                                           

                                                          “老朽化「通れない橋」続々、住民「何とかして」(読売新聞:20161231 1405分)”

                                                          『国や自治体などが2年前に始めた道路橋の一斉点検で、深刻な老朽化の実態が次々と明らかになっている。

                                                           2016年3月までに点検を終えた20万4,533基のうち、早急な補修などが必要と判定された橋は12%の2万4,351基に上る。高度成長期に造られた多くの橋が、補修や架け替えの時期を迎えており、「通れない橋」が住民生活に影響を及ぼしている。

                                                           京都府京丹後市丹後町の竹野川に架かる府道の大門橋(長さ81メートル、幅4.5メートル)。両端は閉鎖され、「通行止」の表示板がある。近所の女性(79)は「通院するのも不便。早く何とかしてほしい」とため息をついた。

                                                           大門橋は昭和初期に造られ、1969年、鋼鉄製に架け替えられた。2011年、路面の段差が確認され、2t超の大型車は通行禁止に。2016年10月に仮橋の建設を始め、完成後に新設工事に入る計画だった。(後略)』

                                                           

                                                           大晦日に国や自治体が2年前から始めた一斉点検で、深刻な老朽化が明らかになりました。

                                                           20163月末までに終えた20万4,533基のうち、早急な補修が必要とされるレベル3とレベル4の認定の合計が全体の12%2万4,351基にもなりました。

                                                           

                                                           例えば、皆さんがマンションを買う場合、修繕積立金を積み立てて修繕計画を立てます。橋とかトンネルとか当然やっているのでは?と思われると思いますが、全くしていなかったのです。特に自治体の市町村が予算カット、人件費カットを推進してきたため、「やろうにもできなかった!」「やろうとする気すらなかった」ということだろうと思われます。

                                                           

                                                           個人でマンションを買った人は理解できると思いますが、分譲マンションは「修繕積立金」を積み立てて、計画的に補修をしていきます。個人が所有するマンションについて「修繕積立金など無駄だ!」と主張する人は皆無でしょう。積立金が高い安いという議論はあっても、「修繕積立金なんて不要だ!」という人は皆無であると思います。

                                                           

                                                           国家の公的インフラについても同じです。道路に限らずあらゆるインフラは継続的なメンテナンスなしでは使用不能となります。ローマ帝国がすごいのは、街道や水道といったインフラを整備した以上にメンテナンスを続けたことです。街道や水道といったインフラを整備しただけでなく、メンテナンスを続けたことがローマ帝国のすごさです。

                                                           

                                                           

                                                           

                                                          2.インフラ投資拡大を明言するトランプ大統領

                                                           

                                                          次のニュースも見てみましょう。

                                                          “トランプ大統領下で期待されるインフラ投資の拡大(ZUU Online201717 2013分)”

                                                          『トランプ氏は選挙公約として、今後10年間で1兆ドルのインフラ投資拡大を主張してきた。具体的な投資先などは明らかにされていないが、老朽化した交通インフラをはじめ投資拡大への期待が高まっている。

                                                            米国の交通・水道インフラに対する公的支出額(2014年)は、4,160億ドル(GDP2.4%)となっており、物価を調整した実質ベースでみると2003年をピークに減少基調となっている。インフラ投資の予算が削減された結果、必要な補修費用も捻出できていない状況となっており、公共インフラの「質」の低下が問題視されている。

                                                            実際、世界経済フォーラムが発表する国際競争力ランキングのうち、インフラに関するランキングで米国は11位と、主要先進国の中で低い順位に留まっている。このため、国際競争力を維持する観点からも、産業界を中心にインフラ投資の拡大を求める声が根強い。(後略)』

                                                           

                                                           因みに世界経済フォーラムの「国際競争ランキング」の「公共インフラの質」の順位を見ますと、アメリカは11位で日本は5位でした。(首位は香港、二位はシンガポール)「この有様の」日本の5位が事実だとすれば、世界中のインフラが相当に傷んでいるのでは?と思われます。

                                                           インフラの質とは、過去の投資の結果であり、現在の日本国民が誇れるような状態ではありません。過去に十分に公共投資を実施したからこそ、現在の日本のインフラが存在します。

                                                           

                                                           今年も12日から13日にかけて、箱根駅伝が行われましたが、青山学院大学の3連覇を皆さんもご覧いただいたのでは?と思います。

                                                           20121021日に、京急の京急蒲田駅付近の上下線を全て高架化しました。結果的に箱根駅伝の名物であった国道15号を横切る踏切が撤去されました。

                                                           京急の高架化により、踏切遮断時間が1時間あたり最大53分あった踏切を含め、蒲田付近の全28の踏切がなくなった結果、交通渋滞が緩和され、地域の行きかう人々の便益は着実に高まったのです。

                                                           

                                                           この蒲田付近の高架化事業について、京急は10%程度のお金しか拠出していません。東京都の「都市計画事業」として実施されたため、資金の多くは日本政府(東京都ではありません。)が支出しました。即ち蒲田駅の高架化事業は、道路整備目的の公共投資だったのです。

                                                           事業規模は約1892億円。事業費に占める用紙買収費用が少なく、1892億円のほとんどが政府支出の公的固定資本形成として、GDPに計上されたことになります。この1892億円は乗数効果を無視しても「短期的な需要増」で1892億円計上されたことを意味します。とはいえ、「公共投資」としての高架事業の効果は1892億円GDPを増加させたことに留まりません。

                                                           

                                                           自動車交通量が、1日に約15,000台あったとされる梅屋敷第4踏切、約23,000あったとされる京急蒲田第1踏切が撤去されたことで交通渋滞が解消され、第一京浜や環状8号線などの近隣道路を走る車がスムーズになり、生産性が向上いたします。しかも、上述の効果は今後何十年も継続することになるでしょう。公共投資には短期的需要増だけでなく、長期的な生産性向上効果もあります。そのことによって民間投資を誘発すれば、公共投資は一石二鳥三鳥にもなるのです。今後、我が国は生産年齢人口比率の低下により、人手不足が深刻化いたします。公共投資は人手不足解消の正しいソリューションであり、生産性向上に資するのです。「日本は人口が減るから、公共投資は不要だ!」は間違っていると言わざるを得ません。

                                                           

                                                           トランプ大統領が本気で公的インフラへの投資を拡大し始めるのであれば、それこそ我が国もアメリカに見習い、インフラへの投資を大々的にするべきです。2017年は、インフラ元年になればよいと思います。

                                                           

                                                           

                                                           

                                                          3.生産年齢人口減少のスピードが早い我が国こそ、インフラ整備メンテナンスにお金をかけるべき!

                                                           

                                                           日本のインフラ事情に話を戻しますが、読売新聞の記事にあった「早急な補修などが必要と判定された橋は12%の2万4351基」の内訳は次の通りです。(※全体は約203,000件)

                                                           

                                                          (1)レベル3の認定を受けた24,101件の内訳

                                                           々顱1,310

                                                           都道府県・政令指定都市:14,449

                                                           9眤道路会社:695

                                                           

                                                          (2)レベル4の認定を受けた250件の内訳

                                                           々顱3

                                                           都道府県:231

                                                           9眤道路会社;0

                                                           

                                                           

                                                           

                                                           レベル3は「早期に措置を講じない場合は早く措置を講じた方がいいですよ。」です。

                                                           レベル4は「即座に補修もしくは架け替え → 予算がない人材がない場合は通行止め」です。

                                                           24,101件あるレベル3も、このまま放置すれば、レベル4に移行して全部通行止めになります。

                                                           

                                                           こうして見てみますと、ほとんどは市町村が管轄する橋です。その市町村が管轄する橋を含め、過去点検すらしていなかった我が国のインフラについて、やっと点検し始めたというのが実態です。下記の写真は京都の丹後市の橋は通行止めになっている写真です。

                                                           

                                                           2tトラック以上は通行止めという道路は、全国で200以上あります。これは国土の分断化であり、災害が発生した場合に孤立する可能性が高い。昨年度熊本阿蘇地震で、南阿蘇村の大きな橋が崩落しましたが、ほぼ半分分断状態になりました。

                                                           

                                                           本来はインフラのメンテナンスにお金をかけていれば、南阿蘇村の大きな橋が崩落しなかった可能性があります。またインフラのメンテナスにお金をかけること自体が雇用を生み、支出=生産=分配で経済成長、即ちGDP成長に貢献していたわけです。

                                                           

                                                           安倍政権はデフレ脱却ができない状況下において、2016年度の後半に第3次補正予算を組むべきでしたが、やっていません。今から気付いて遅くありません。インフラへの投資は急がれるべきなのに、安倍政権の年頭所感は、「1億総活躍社会」「積極的平和主義」という眠い話です。インフラを放置しておいて「1億総活躍社会」とか、そんなスローガンは全く役に立ちません。

                                                           

                                                           ぜひ知っていただきたいのは、このままインフラにお金を投じなくなるとどんな日本になってしまうのか?です。

                                                          ●あちこちが通行止めになるとなれば流通が悪くなる

                                                          ●裏道を通るでもよいが、どんどんそうやっていくと、物流に時間がかかるからどんどん生産性が下がる

                                                          ●人々の生活が困難になる

                                                          ●万一災害が発生した際、直接的被害は言うまでもなく、間接的被害、例えば地震が発生してもインフラが崩壊して物流が機能しなくなり物資が届けられず餓死・病死する

                                                           

                                                           このような日本にしてしまうことこそ、我が国の子孫にツケを残すことにならないでしょうか?

                                                           

                                                           今デフレです。需要不足です。橋の整備、トンネルの建て替え 全部需要です。普通に予算を付ければよい。でもやらない。

                                                           なぜやらないかと言えば、「いわゆる国の借金問題」に騙された国民が「それはわかっているけど、インフラの整備・メンテナンスは理解できるけど、政府は無駄な金使うな!」という国民が多いからです。そのため、政治家は逆に国民の批判を恐れてインフラ整備メンテナンスができないのです。政治家が一刻も早く気付くべきであることは言うまでもないですが、我々日本国民も「人口が減少するからインフラは無駄だ!」という考えから、頭を切り替える必要があると思うのです。

                                                           

                                                           今日はインフラの早急なメンテナンスの必要性ということで、改めて公共投資の有効性について述べさせていただきました。

                                                           

                                                           

                                                           


                                                          マンデルフレミングモデルとクラウディングアウト理論を振りかざすエコノミストらへの反論

                                                          0

                                                            JUGEMテーマ:公共工事の経済効果

                                                             

                                                            今回のテーマはアカデミックな内容ですが、公共工事を否定する学者の中で、特にマンデルフレミングモデルとクラウディングアウト理論を持ち出す人が多いため、論理的に反論したいと思い、取り上げさせていただきました。頑張って付いてきてください。

                                                             

                                                            さて、お題にあるマンデルフレミングモデルとクラウディングアウト理論は、いずれも仮設です。

                                                            仮説とは、ある一定の条件を満たしたときに「〇〇現象が発生するのでは?」というものです。

                                                             

                                                            マンデルフレミングモデルの概要は以下の通りです。

                                                             

                                                            <マンデルフレミングモデルによる政府支出効果否定の主張プロセス>

                                                             〆眄政策をして国債を発行する

                                                                  ↓

                                                             ∋埔譴里金をたくさん吸い上げる

                                                                  ↓

                                                             6箙圓砲金が無くなるので金利(名目金利)が上がる

                                                                  ↓

                                                             こ或妖蟷餡箸、金利が高い円を買おうとして円高になる

                                                                  ↓

                                                             ケ濆發砲覆辰燭虱⊇个減る

                                                                  ↓

                                                             ν⊇个減った分、政府支出によって創出された需要がキャンセルされる

                                                                  ↓

                                                             Х覯漫∪府支出による需要が輸出減少分の需要と相殺されて効果がない

                                                             

                                                            上記プロセスのうち、 銑がクラウディングアウト論の仮説、 銑Я澗里マンデルフレミングモデルの仮説に該当します。

                                                             

                                                             

                                                             

                                                            1.クラウディングアウトの概要

                                                             

                                                             クラウディングアウトとは、政府が国債発行すると市中からお金が無くなって金利が上昇して、民間企業がお金を借りにくくなって投資が抑制されるという理論です。

                                                             しかしながら、バブル崩壊後は、このクラウディングアウトは発生しません。バブルが崩壊すれば、借金返済しまくり、家計も企業も預金を積み上げるようになります。それがGDP成長を抑制して、消費や設備投資にマイナスの影響を与える結果、デフレになります。

                                                             デフレになると物・サービスが値段を下げないと売れにくくなるため、企業はお金を借りません。政府は国債発行を続けていますが、事実として日本の長期金利は1987年以降、バブル絶頂期の199010月に7.88%のピークを付けて以来、右肩下がりになっています。

                                                             

                                                            <長期金利の推移(19871月〜201612月)>

                                                             

                                                             

                                                             

                                                            2.マンデルフレミングモデルの概要について

                                                             

                                                             マンデルフレミングモデルとは、公共工事を否定する人々が理由にする経済モデルの仮説の一つです。

                                                             否定意見は下記の通りです。

                                                            ●政府が国債を発行して市中の国債を買うと、金利が上がってしまうではないか!

                                                            ●金利が上がると、外国人が日本円を買いたがるので必ず円高になる

                                                            ●結果的に日本の輸出が減ってしまう

                                                            ●財政出動して所得を生み出しても輸出が減少して生み出した所得がキャンセルされる

                                                             

                                                             確かに、民間企業がお金を借りまくっているとき、即ちインフレ期に政府が国債発行すると金利が上昇します。

                                                             しかしながらバブル崩壊後は、クラウディングアウト(プロセス 銑)は発生しません。バブル崩壊すると借金を返済する人が多く、お金を借りたがらなくなるのです。お金を借りて投資をせず、ひたすら借金返済と預貯金に励む行動を続ければ、GDP成長せず、デフレ(需要の不足)となり、金利は下がり続けるのです。事実長期金利は、資料「長期金利の推移(19871月〜201612月)」のグラフの通り、20年間近く下がり続けています。

                                                             

                                                             マンデルフレミングモデルが成立するには、民間が常にお金を借りたがっているという前提条件が必須です。この「常に」というのがポイントでして、インフレ期ならまだしも、バブル崩壊後に訪れたデフレ環境において果たして「常に」民間はお金を借りたがっているのか?是非お考え下さい。

                                                             

                                                             デフレの今日、読者の皆様を含めて、皆さんの周りでお金を借りたくてしょうがないなんて人は極めて少ないと思うのです。インフレになっている場合は、物・サービスの価格が高く買われますので、お金を借りてもビジネスとして儲かりやすいため、「常に」借りたがっているということが成立することがあり得ます。今の日本では、物・サービスの価格を値下げしないと買われないデフレなので「常に」借りたがっているという状態は当てはまらないのです。

                                                             

                                                             

                                                             

                                                            3.経済学の知識に溺れた的外れな公共工事批判

                                                             

                                                             〆眄政策をして国債を発行する

                                                                  ↓

                                                             ∋埔譴里金をたくさん吸い上げる

                                                                  ↓

                                                             6箙圓砲金が無くなるので金利(名目金利)が上がる

                                                                  ↓

                                                             こ或妖蟷餡箸、金利が高い円を買おうとして円高になる

                                                                  ↓

                                                             ケ濆發砲覆辰燭虱⊇个減る

                                                                  ↓

                                                             ν⊇个減った分、政府支出によって創出された需要がキャンセルされる

                                                                  ↓

                                                             Х覯漫∪府支出による需要が輸出減少分の需要と相殺されて効果がない

                                                             

                                                             マンデルフレミングモデルの主張プロセス「銀行にお金が無くなるので金利(名目金利)が上がる」即ちクラウディングアウト理論については、デフレに苦しむ我が国において成立しません。事実20年間長期金利は下がり続けています。結局のところ、金利が問題なのではなくデフレが問題なのです。

                                                             

                                                             もし、そのような反論をした場合、「デフレで通貨価値が上がり、実質的な金利が上がるではないか!」と再反論される可能性がありますが、何度も言いますがそもそも20年間名目金利は下がってきているという事実があります。クラウディングアウト理論は、名目金利が上がるという話だったのではないでしょうか?要は、経済学の知識に溺れ、仮説にすぎないマンデルフレミングモデルという経済理論が常に成立すると思い込んでいるのです。

                                                             

                                                             経済理論は仮説です。

                                                             例えば、以下の3つ

                                                            「マンデルフレミングモデル」

                                                            「クラウディングアウト理論」

                                                            「フィッシャー方程式(※)」

                                                             

                                                            (※)フィッシャー方程式:実質金利=名目金利−期待インフレ率

                                                               名目金利が一定とすれば期待インフレ率を引き上げることで実質金利が下がるという関係式

                                                             

                                                             上記は3つともすべて経済学でいう理論は仮説なのです。仮説とは「一定の条件を満たしたときに、〇〇の状態になる」ことを言うのです。

                                                             「マンデルフレミングモデル」「クラウディングアウト理論」で言えば、インフレの時には成立します。インフレ期に政府が国債発行したら間違いなく名目金利が上がります。なぜならば、インフレ期は物・サービスの値段が高く買われますので、儲かりやすい環境なので、お金を借りたがっている人が多い。その状況で政府が国債を発行して銀行からお金を吸い上げれば、名目金利は上昇せざるを得ません。

                                                             名目金利が上がれば輸出で需要がキャンセルされるは、当たっています。とはいえ、今起きている現象は全然違うのです。

                                                             

                                                             100歩譲ってクラウディングアウト理論が成立している状況だったとしても、金融政策をパッケージにして例えば「公定歩合引下げ」「預金準備率引下げ」などの金融緩和政策を同時に行えば問題ありません。

                                                             

                                                             「政府支出のみ実施することは金利上昇懸念があるから問題であるならば、金融政策をパッケージにしましょうよ!」と言えば、「マンデルフレミングモデルがあるから国債発行は無意味だ!」という反論ができないはずです。

                                                             

                                                             それでも、どういう環境でも公共工事を否定する人は、あるイデオロギーに染まっているとしか思えません。例えばB/C(Benefit Per Cost)で1以下は実施すべきでないというように、イデオロギー的に「B/Cは絶対なので公共工事はまかり通らん」とB/Cがいかなる時でも正しいと思っている人たちです。

                                                             

                                                             

                                                             

                                                            4.経済学における統計的に逃げられない原則

                                                             

                                                            経済学の中には絶対に統計的に逃れられない原則があります。

                                                            ●誰かが金を借りた場合は、絶対誰かが金を貸している(簿記)

                                                            ●所得を拡大するためには、誰かが消費や投資としてお金を使ってくれなければならない

                                                            ●所得の定義=誰かが消費や投資をして使ってくれたお金

                                                            ●政府が財政出動しない場合は、必ずGDPにはマイナス効果が発生する(GDP合計が絶対的にマイナスになるかどうかは別)

                                                            GDP=所得の合計=支出の合計=生産の合計なので、政府支出を削減すれば削減した分GDPはマイナス効果が働き、所得も生産も減ります。

                                                            ●お金は使っても消えない(円は日本国内でしか利用できず、国内にとどまる)

                                                            ●GDP3面等価の原則(生産面のGDP=支出面のGDP=分配面のGDP)

                                                             

                                                            そして下記は事実です。

                                                            ●国債発行残高が増えている

                                                            ●バブル崩壊以降、金利は下がっていて上昇していない

                                                             

                                                             財政政策の有効性を主張したとして、相手がマンデルフレミング理論を信じ込む人の場合は、金融政策のパッケージを言っていないような印象操作を与えてくるので問題です。したがって初めから、「金融政策と財政政策のパッケージでやりましょうよ」と主張しておきたいと思います。今は、政府が国債を発行したら金利が上がるという状況ではありません。

                                                             マンデルフレミングモデルは、インフレ期に限定すればロジックとしては正しい。とはいえ、「今は政府が国債を発行しても金利が上昇するような環境ではないでしょう!」ということです。 

                                                             

                                                             というわけで、今回はマンデルフレミングモデルによる公共工事否定論者に対して、反論させていただきました。皆様も、公共工事を否定する経済学者・経済評論家・証券アナリスト・エコノミストらが公共工事を否定しているのを見かけたら、ぜひ反論しましょう。

                                                             

                                                             

                                                             

                                                             

                                                             


                                                            B/Cの在り方を問う!(港湾整備の経済効果)

                                                            0

                                                              JUGEMテーマ:公共工事の経済効果

                                                               

                                                               

                                                              今回も引き続き、公共工事のB/C(Benefit per Cost)について意見します。

                                                               

                                                               

                                                               

                                                              1.港湾事業のB/Cについて

                                                               

                                                               前回、日本のB/CのBが異常である。少なすぎるのでは?と指摘いたしました。日本の場合、道路でいえば「走行時間短縮」「走行費用減少」「交通事故減少」の3つだけがBenefitでした。宮城県釜石市の「釜石・山田道路(通称:命の道)」という道路をご紹介しましたが、B/Cがぎりぎり1.01でした。

                                                               B/Cがあと0.02不足して0.99だった場合、今のやり方ならば「作らない」ということになっていたでしょう。もしB/Cが0.99で「釜石・山田道路」が作られないで3.11を迎えていたら・・・・。これは、誰も想像したくないですよね。

                                                               

                                                               改めて日本の事業評価手法のB/Cについては、以下の2つの問題点があると言えます。

                                                               【問題点1】B/CのBが日本の場合は少なすぎる

                                                               【問題点2】B/Cは公共工事を実施するか否かではなく、どの公共工事から優先してやりますか?を判断するものである

                                                               

                                                               日本は災害大国ですので、本来は防災が入っていてもおかしくありません。また経済成長、例えば道路が引かれて工場ができて経済が成長したなど、そういうのがBenefitに全く入っていないというのは、おかしいと思うのです。

                                                               そして我が国のB/Cは前回取り上げた道路のみならず、港湾など他のインフラについても疑問を持たざるを得ません。

                                                               

                                                               以下は国交省の資料の抜粋です。

                                                               

                                                              道路は「走行時間短縮」「走行費用減少」「交通事故減少」の3つ

                                                              河川・ダムは「想定年平均被害軽減期待額」「水質改善効果等」の2つ

                                                              港湾は「輸送コスト」「移動コスト」の2つ。終わり。

                                                               

                                                               例えば港湾事業は本当に「輸送コスト」「移動コスト」2つだけでよいのでしょうか?

                                                               

                                                               港湾事業でいえば、日本の港湾は浅いため、大きなコンテナ船が直接着岸できません。そのため大きなコンテナ船は、韓国の釜山で小さなコンテナ船に分散させて積み替えてから日本の港に来ます。もし、港を深くして大型コンテナ線が直接着岸できるようにすれば、大きな経済効果があります。

                                                               

                                                               ところがBenefitを見ますと「輸送コスト」「移動コスト」となれば、「港を深く掘ってGDPが〇〇増えます!」というのが入らないのです。たとえ港を深く掘れば1000億円が儲かるとしても、Benefitにそもそも入っていません。そのため、「作られない」「作れない」となってしまうのです。

                                                               

                                                               公共工事を話すときにB/Cを持ち出す人には、BのBenefitはこれで正しいと思っているのでしょうか?

                                                               そもそもB/Cはやるやらないの指標でなく、これは世界的にグローバルに、B/Cは優先順序の判断指標として利用されています。また、Benefitについては、日本国民の安全とか経済の成長とかを入れる必要があると思います。

                                                               

                                                               

                                                               

                                                              2.日本の港湾設備の現状と港湾整備の経済効果

                                                               

                                                               日本の港湾設備は、1997年の橋本内閣の緊縮財政に始まり、長期にわたって公共工事を削減した結果、先進国としては異例なまでに惨めな状態になっています。何しろ、世界の海運の主流である1TEUコンテナ船が入れる港は東京港、横浜港、名古屋港しかないのです。しかも2年半前までは横浜港も名古屋港も着岸できず東京港のみでした。

                                                               20165月末にパナマ運河の拡張工事が完了し、従来5000TEU程度のコンテナ船しか通過できなかったのが、13000TEUのコンテナ船がパナマ運河を通過することができるようになりました。

                                                               また、現在世界は2TEUの港湾が主流となっていますが、日本国内で2TEUのコンテナ船が着岸できる港は現時点でありません。

                                                               

                                                              <資料1>パナマ運河とスエズ運河

                                                               

                                                               

                                                              <資料2>コンテナ取扱個数の港湾ランキング

                                                               

                                                               取扱量の単位のTEUは、「Twenty-foot Equivalent Unit」即ち“20フィートコンテナ換算”という意味で、1TEU積載できるコンテナ船とは、20フィートコンテナを1万個積載できるコンテナ船ということになります。

                                                               1993年では、40位以内に、神戸港(6位)、横浜港(9位)、東京港(17位)、名古屋港(22位)、大阪港(37位)と5つの港がランキング入りしていますが、2013年では、40位以内に入るのは東京港(28位)しかありません。50位以内でも、やっと横浜港(48位)がランキング入りするという状況です。

                                                                日本の経済対策は「プライマリーバランスの黒字化」「財政破綻論」「公共工事否定論」が蔓延し続け、海上ロジスティクスにおける生産性向上の投資をしてこなかったツケが来ているのです。パナマ運河の拡張工事を終えて13000TEUのコンテナ船が通過できる環境となれば、一刻も早く世界の主流の2TEUのコンテナ船が、直接日本の港に着岸できるよう港湾整備を急ぐ必要があります。

                                                               

                                                               

                                                               

                                                              3.災害防災安全保障の観点から見た港湾整備の必要性

                                                               

                                                               政令指定都市とは、人口50万人以上いる都市で、地方自治法第252条の19以下に定められた我が国の都市制度の一つで大都市に該当します。権限は東京の23区よりも上に位置します。

                                                               日本海側では新潟市と福岡市ぐらいしか政令指定都市はありません。普通に考えればインフラの整備が遅れている日本海側エリアは生産性が低く、人口が集積することはないのです。例えば日本海側の港の港湾整備などインフラ投資を進めていけば、それらのエリアに人口が分散しやすくなります。太平洋側への人口集中が減少し、日本海側の都市に人口が分散されれば、インフラが整った日本海側の都市は、南海トラフ地震や首都直下型地震が発生した場合のバックアップ機能を果たすことになります。分散した人々が太平洋側で被害にあった人々を助けやすくできるのです。

                                                               このように港湾整備は災害安全保障の観点でも大変重要であり、通貨発行権を持ち国土全体を考える立場にある政府こそが積極的に推進していく必要があるものと私は思うのであります。

                                                               

                                                              <資料3>我が国の政令指定都市

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               

                                                               


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