ゴーン容疑者を告発した日本国がフランスからクーデターと言われる筋合いはありません!

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     今日は「ゴーン容疑者を告発した日本国がフランスからクーデターと言われる筋合いはありません!」と題して論説します。

     

     下記は朝日新聞の記事です。

    『朝日新聞 2018/11/22 11:09 ゴーン容疑者の姉に年10万ドル 日産、業務の実態なし

     日産自動車が、会長職を解任するカルロス・ゴーン容疑者(64)の姉に対して、2002年から、年10万ドル(約1130万円)前後を支出してきたことが日産関係者の話でわかった。アドバイザー業務の契約に基づく支出だが、社内調査によると、姉に業務の実態はなかった。日産は会社経費の不正支出にあたるとみている。

    02年は、ゴーン容疑者が日産の社長に加えて最高経営責任者(CEO)も兼ねるようになった翌年にあたる。

     関係者によると、日産は02年に結んだ契約に基づき給与などとして年に10万ドル前後を支出してきた。累計すると170万ドル近くにのぼるもようだ。

     ゴーン容疑者に関する内部通報を受けて日産が社内調査を進めたところ、ゴーン容疑者の姉にアドバイザー業務の実績がないことが分かった。

     日産の幹部は22日午前、「確かに払っていたのに、そういう実態はなかったと聞いている」と報道陣に述べた。

     日産の西川(さいかわ)広人社長は19日の記者会見で、ゴーン容疑者の不正行為を三つ挙げた。〔魄報酬の過少記載投資資金の私的支出7佝颪良埓技拿个澄今回明らかになった姉への支出は、7佝颪良埓技拿个乏催するとみられる。』

     

     

     上記は日産自動車の代表取締役会長のゴーン容疑者の役員報酬を巡る有価証券報告書虚偽記載関連の記事ですが、記載の通り日産自動車が2002年以降、ゴーン容疑者の姉とアドバイザー契約を結び、毎年現在のレートでおよそ1,130万円を払っていたとの記事です。

     

     東京地検特捜部は、姉に業務実態がなく、ゴーン容疑者が会社の経費を私的な目的で不正支出していた疑いで捜査しています。姉はブラジルに住んでいるとのことですが、ブラジルで年収1,130万円というのは、日本でもそこそこの生活ができるでしょうから、ブラジルでは相当のお金持ち富裕層として居住しているものと想像できます。

     

     コストカッターの異名を持つカルロス・ゴーン容疑者が、裏では会社を私物化していたという事実が明確になったといえるでしょう。まさにコストカッターと呼ばれたゴーン自身がコストの塊だったというわけです。

     

     かつていつ頃か記憶が定かではないのですが、株主総会シーズンを取り上げていたTVのニュース番組で、カルロス・ゴーン氏の高報酬について、株主にインタビューをし、インタビューを受けた株主がカルロス・ゴーンの高報酬を肯定的に発言していたのを見たことがありました。私は有価証券報告書でトヨタ自動車の豊田社長ですら3億円程度なのに、なぜこんな外国人に10億も払うのか?と、反発と疑問が交錯した記憶があります。

     

     それでも当時は経営手腕が立派ということで、カルロス・ゴーンは名経営者と言われ続けました。日産自動車は経営が厳しかったため、仕方がないという思いで受け入れていた人もいるでしょうが、今回の事件で少し気持ちが変わったのではないでしょうか?

     

     日産自動車は11/22に臨時取締役会を開き、ゴーン容疑者の代表取締役と会長の解任を提案し、提案内容が決裁されました。その一方でフランスのルノーは、会長兼最高経営責任者をと務めるゴーンの解任を見送っています。フランス側とルノー側は、ゴーン氏が今までやってきた日産の経営に対して、どういう容疑をかけられているのか、情報を全部欲しいと要望しているようです。

     

     逮捕前、ルノーは日産との経営統合を考えていたということで、これにはフランス政府が非常に前のめりになっていたとされています。ルノーの筆頭株主がフランス政府でもあることから、今回の事件は、もはや企業問題ではなくなってきました。

     

     フランス紙では、この事件を日本側のクーデターと報じています。クーデターでも何でもいいですが、100億円の収入を50億に虚偽申告していたということであれば、税金が30億円前後、日本政府の国庫から盗んでいたことに等しいわけであり、税金を過少申告するということは、日本国民からお金を盗んでいるという認識で、東京地検特捜部はゴーン容疑者を取り調べようとしているのです。

     

     犯罪者を告発するだけで、たとえそれが何か意図があったとしても、30億円前後も盗まれている日本人から、盗んでいるゴーン容疑者を告発するだけでクーデターと言われる筋合いはありません。

     

     日本が過少申告をでっち上げたというならば、クーデターかもしれません。しかし虚偽申告して盗んでいたという事実がある以上、逮捕せざるを得ません。姉は業務実態がないのに、今のレートで1,130万円も毎年送金していたことなど、言語道断です。

     

     さらには、レバノン、ブラジル、フランスにも家があり、その費用は日産自動車が払っていたということで、これほど舐めた話はないといえるでしょう。多くの日本人から怒りを買って当たり前です。

     

     もともと日産自動車は日本人で経営したかったのですが、日本人が無能で、外国人が有能だからという理由で、仕方なく外国人を不承不承雇っていたわけで、そんな奴に多額のお金をむしり取られていたとすれば、誠に腹立たしい限りです。

     

     

     というわけで今日は「ゴーン容疑者を告発した我が国に、フランスからクーデターと言われる筋合いはありません!」と題して論説しました。

     

     

    〜関連記事〜

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    イギリスのEU離脱交渉の合意案の正式決定で、反グローバルが加速するか?

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       今日はブレグジット(=Brexit イギリスのEU離脱)問題について取り上げたいと思います。

       

      下記は日本経済新聞の記事です。

      『日本経済新聞 2018/11/25 05:49 英・EU、離脱合意を正式決定へ  緊急首脳会議 「合意なし」回避を最優先、懸案は先送り

       【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)と英政府は25日、英国のEU離脱交渉の合意案を正式決定する。2019年3月の英離脱まで残り約4カ月。交渉決裂で「合意なし」のまま離脱に向かう最悪の事態はひとまず回避できる見通しだ。しかし、今後の英・EUの通商関係など離脱の核心部分は不透明なまま。英議会が合意案を否決するリスクは消えておらず、企業活動や国民生活が大混乱する無秩序な離脱の懸念も依然くすぶっている。 

       メイ英首相は24日夜、ブリュッセルのEU本部を訪ね、EUのユンケル欧州委員長、トゥスク大統領と相次いで会談。25日に開くEU緊急首脳会議を前に、最後の調整を進めた。英・EUは25日の首脳会議で(1)英離脱の条件などを定めた「離脱協定案」(2)離脱後の通商など将来関係の大枠を示す「政治宣言」――を二本柱とする離脱交渉合意案を正式決定する。

       協定案を巡っては、英領ジブラルタルの扱いを巡って領有権を主張しているスペインが不満を表明。正式合意へ最後の懸念材料となっていたが、同国のサンチェス首相が24日に「合意に達した」とし、協定案に賛成する考えを示した。懸案が解消したことを受け、EUのトゥスク大統領は24日夜、首脳会議を正式招集した。

       合意案は、交渉が決裂して「合意なし」で離脱する事態を回避するのを最優先し、難題を軒並み先送りした。離脱協定案では離脱後も20年末まで英国をEUの単一市場・関税同盟に残留させる「移行期間」を導入。さらに必要ならば最長2年、一回限りで延長を認めることも盛り込んだ。

       実質的な離脱を先送りした格好で、離脱でEUから国家の主権を取り戻すと訴えてきた英国の強硬離脱派からは「約束違反だ」と反発の声が広がる。移行期間中の英国はEUの法律やルールに従わなければならず、EUへの財政負担も求められる一方、EUの政策決定には口出しできない。

       英国とEUの離脱後の通商関係など「本丸」の交渉でも、本格的な議論は19年3月の離脱後に先送りした。「政治宣言」案は「包括的な自由貿易圏」を目指すとするなど、あいまいな表現に終始。自由貿易協定(FTA)を軸とする関係をめざすEUと、FTAより深い関係を築きたい英国の溝は開いたままだ。将来の通商関係は依然不透明で、英国では「目隠し離脱だ」との批判も根強い。

      離脱交渉が難航したアイルランド国境問題も決着を先送りした。英・EUは離脱後も英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドの間で「厳しい国境管理」を避けることで一致。移行期間が終わるまでに具体策が見つからなければ、英国全体をEU関税同盟に事実上残し、税関の復活などを避けることで合意した。

       関税同盟に残れば現状に近い形で物流が確保でき、厳しい国境管理をしなくて済む。しかし英国では、関税同盟への残留が長期化すれば、EU離脱が「名ばかり」になるとの反発が広がる。

       最長2年の延長を認めた移行期間が、22年に総選挙を控えた英国にとって新たな火種となる可能性もある。もともと与党・保守党の強硬離脱派はEUから早く離脱したいのが本音。2年間の延長になれば、次の総選挙でも英国はまだEUを完全離脱できていない状態になる。離脱を約束してきた強硬派らが選挙で逆風を受けるのは必至だ。

       英・EUが離脱合意案を正式決定すれば、次の焦点は英国議会での承認手続きに移る。EUとまとめた合意案か、それとも協定なしでの無秩序な離脱か。二者択一を迫るメイ英首相と強硬離脱派らとの攻防が本格化する。』

       

       

       上記記事は、イギリスのEU離脱暫定合意についてのニュースです。EUヨーロッパ連合からイギリスのEU離脱を巡って、イギリスとEU離脱条件に関する協定案が交渉実務者レベルで合意しました。

       

       直前にスペインが英領ジブラルタルの扱いを巡って強硬に反発するなど、EU側で足並みが乱れているなどとも報じられましたが、何とか協定案に署名しました。

       

       今後、EU離脱に向けて、イギリス議会での承認作業を行い、2019年3月末にはEU離脱。2020年12月末までに自由貿易協定などを交渉する流れとなります。

       

       イギリスのメイ首相が2017/01/17にEU離脱を表明してから、2年が経過しようとするところですが、離脱に向けて順調にこぎ付けたといえるでしょう。

       

       何しろ、頓挫する可能性もあったため、私はずっと注視していました。なぜならば、EU離脱ができなかった場合、EUの未来は全く変わってきます。今回、イギリスがEUから離脱したことによって、「あぁー!こうやればEUって離脱できるんだ!」と、EUから離脱したがっている他国の見本となるのです。

       

       もしイギリスが土壇場でEUから離脱できない場合、そうはならなかったでしょう。きちんと離脱するには、まだ時間がかかりますが、暫定合意でも何でも一旦離脱するという形が取れれば、一歩前進です。

       

       イギリスが本当に離脱できるか?について、私たち日本人は十分に見ておく必要があります。もし離脱できなかった場合、結局歴史を戻すことはできないということになり、EUは歴史的必然で、グローバルも同様に歴史的必然となってしまい、流れを変えられないということになってしまいます。

       

       ところがしっかり離脱ができるとなれば、EUは確立したものではないということで、グローバリズムも逆流することがあるということが実証されたこととなり、反グローバリズムが一気に加速する可能性があるものとみています。

       

       米国の中間選挙では、上院が共和党、下院が民主党となってねじれ状態になり、反グローバリズムの流れが、少しスローダウンした形となったわけですが、イギリスのEU離脱は、欧州で反グローバリズムの動きが加速する可能性が出るといえるでしょう。

       

       今回のイギリスが離脱する理由は、いろいろあるのですが、EUに加盟していると、法律を押し付けられ、自分たちが規制したい法律が自分たちで作れないことがあげられます。例えばギリシャ人がギリシャで取得した自動車運転免許で、イギリス国内で自動車を運転できます。これを規制したくても規制できません。

       

       いわば中国人が中国国内で取得した免許で、日本の道路を運転するということが可能ということです。日本は国際免許証取得制度がありますが、有効期間は1年と決まっています。EU管内では、自国でそうした規制をかけることができないのです。

       

       人の移動の自由では、現時点でイギリス国内で働くEU出身者が国外に強制送還されることはないと予想され、継続雇用にあたっては就労ビザ取得が必要となっていくことでしょう。さらにイギリス国外からのアクセスが自由でなくなることに加え、イギリス国内におけるイギリス以外の国々の企業は、リスボン条約第50条で各国各企業が定めた不測の事態に備える緊急対応プランによって、イギリス国内の雇用者を引き上げる動きも出てくるでしょう。

       

       この結果、人材市場において人手不足が発生することとなり、イギリス国内ではインフレギャップが発生することが確実です。

       

      <インフレギャップのイメージ>

       

       

       財政政策についても、EUに加盟している限り、マーストリヒト条約によって、財政赤字対GDP比率で3%以内と定められています。財政政策において、赤字額とGDPの比率が3%以内という3%に、学術的な根拠はありません。

       

       デフレで苦しんでいれば、3%なんて関係なく、「国債増刷」「財政出動」が必要であり、プライマリーバランスの赤字化の赤字額に、上限を設ける意味は全くありません。デフレ脱却できるまで赤字額を増やし、インフレになったら赤字額を削減もしくは黒字化させればいいだけの話。3%に学術的な根拠はないのです。

       

       

       というわけで今日はブレグジット(=Brexit イギリスのEU離脱)問題について取り上げました。

       私はEUは欠陥が多い制度であると認識しています。と同時に世界人類が豊かになるための方法として、グローバリズムは抑制されるべきであるということが、EUという仕組みの欠陥をみていると、よく理解ができるかと思います。

       そしてEUは歴史的必然でも何でもないことを実証していただきたく、イギリスがちゃんとEUから離脱できるのか?今後の推移を見守っていきたいと思います。


      財政赤字を増やそうとしたイタリア政府

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         今日は「財政赤字を増やそうとしたイタリア政府」と題して論説します。

         

         財政赤字という言葉を聞いて、皆さんはどんな印象を持つでしょうか?財政赤字というキーワードの赤字という言葉をネガティブにとらえる人は多いと思います。

         

         日本ではプライマリーバランス黒字化目標というものがあります。基礎的財政収支を黒字にするというもので、国家予算の支出を税収の範囲内で収まるようにするというのがコンセプトです。

         

         私はプライマリーバランスを黒字化にすること自体を目標にすることは反対です。なぜならば、プライマリーバランスは常に黒字であることが正しいとか、常に赤字であることが正しいという発想自体がそもそも誤りです。

         

         これは消費増税も当てはまります。デフレの時は消費増税をする必要がなく、むしろ消費税をゼロにすることもあり得ます。一方でGDPデフレーターが10%とか、コアコアCPI(生鮮食品とエネルギーの価格変動を除いた消費者物価指数)が10%とか、インフレ率が高いときは、景気の過熱を抑制することを目的に消費税を実施して税率を引き上げることも政策の一つとしてあり得ます。

         

         経済政策の議論で思うのは、家計簿の発想を国家の財政政策に持ち込み、黒字でなければならないと考えることが一番の大きな過ちです。

         

         日本では相変わらず家計簿発想で「自然災害で出費が増えて”財政ガー”破綻するー!」とか「自然災害に備えるための出費で”財政ガー”破綻するー!」という論説が多いです。そんな中、イタリア政府が財政赤字を増やそうと試みました。下記はブルームバーグの記事です。

         

        『ブルームバーグ 2018年10月4日 04:34 イタリア:2020、21年の財政赤字目標引き下げ−EUに一定の譲歩

         イタリア政府は3日、2019年の財政赤字目標を対国内総生産(GDP)比2.4%とし、20年と21年には同比率を引き下げる方針を表明した。欧州連合(EU)に一部譲歩する形となった。EUはイタリアのトリア財務相に対し、連立与党が要求する歳出予算を抑制するよう圧力をかけていた。

         イタリアは先週、19−21年の財政赤字目標をいずれもGDP比2.4%とする方針を示していた。
         財政赤字目標の当初の発表予定日から5日経過しても、イタリア政府はまだ財政計画の根拠となる経済成長見通しを示していない。政府報道官は、こうした詳細の発表は4日になると述べた。

         コンテ首相は、「われわれは自分たちの約束を尊重する」とした上で、「これは真剣で責任が重く、勇気ある予算だ。イタリアは力強い成長が必要だ」と語った。

         コンテ首相率いるポピュリスト政権の19年の財政赤字目標は、前政権が掲げたGDP比0.8%の3倍に当たる。トリア財務相は0.8%はもはや達成不可能になったと繰り返し述べていた。現政権は20年に同比率を2.1%、21年に1.8%に引き下げることを目指す。

         連立政権はまた、債務残高の対GDP比率を21年に126.5%まで引き下げることも約束した。

         EUの行政執行機関、欧州委員会のモスコビシ委員(経済・財務・税制担当)は、イタリアの財政赤字予測が修正される可能性があるのは「良い兆し」としながらも、19年の目標が修正されなければEU規則に反する恐れがあると指摘した。

         イタリア連立政権の財政政策を巡る同国とEUの争いは、イタリア国債相場を欧州債務危機のピーク時以来の低水準に押し下げていた。イタリア10年債利回りは2日、14年以来の高水準で取引を終了した。その後、イタリア政府のEUへの譲歩が漏れ伝わったことから、14ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した。』
         イタリア政府は先週財政赤字を拡大しようとして、2019年〜2021年の3年間で0.8%の3倍にあたる2.4%にする旨を表明していました。上述のニュースは、EUとしてはイタリア政府の今後3年間の財政赤字目標をー2.4%にすることを許さないと圧力をかけ、2019年度の財政支出対GDP比率ー2.4%の後は、2020年はー2.1%、2021年度はー1.8%にする方針と、イタリア政府が譲歩したというニュースです。

         

         下図はイタリアのインフレ率の推移とイタリアの10年物国債の金利の推移です。

        (出典:世界経済のネタ帳から引用)

         

        (出典:Investing.comから引用)

         

         2014年度から2016年度にかけて低成長で、2016年度はマイナス0.05%にまで落ち込みました。その後、2017年に1.33%まで上昇しましたが、直近の2018年は1.09%となっています。2017年の1.33%では、まだまだデフレ脱却したとはいえず、しかも2018年度も前年比で落ち込もうとしている状況から、デフレ脱却できていないといえるでしょう。したがって、現在のイタリアは財政出動を拡大すべき局面です。

         2000年からリーマンショックが発生した2009年を除いて2012年まではインフレ率は2%〜3%台を推移していましたが、インフレ率の推移からみて、明らかにイタリアはデフレ化が始まっていると思われます。

         

         日本と異なるのは、金利がやや上昇傾向にあることです。日本ではマイナス金利で国債の増刷の余地が十二分にあるのですが、イタリアの場合は国債の金利が上昇している点が日本と異なります。

         

         イタリアはEUに加盟しているため、金融政策の自主権がありません。もし、イタリアがEUに加盟せず、ユーロに参加していなければ状況が変わります。

         イタリアの中央銀行が国債を買い取って金利を抑制しつつ国債を増刷し、イタリア政府の財政支出増でインフレ率を押し上げるということが可能になるのです。

         

         しかしながらそれができず、しかも今回のブルームバーグのニュースのように、EUに財政赤字幅の抑制を求められてイタリア政府は譲歩してしまいました。

         

         イタリアは共通通貨ユーロに参加している以上、金融政策に自主権はありません。そのため日本のアベノミクス第一の矢のように金融緩和で国債金利をコントロールすることができません。またEUに加盟しているために、マーストリヒト条約で財政赤字対GDP比率を3%にしなければならないとするルールがあるのです。

         

         マーストリヒト条約はEU加盟国に対して、インフレ率の抑制や為替の安定のほか、財政均衡主義を要求しているのです。これらの縛りは、マーストリヒト条約という国際法によって定められているため、イタリア国内の法律よりも優先されます。これは日本でいえば、憲法よりも優先されるという話です。

         

         ブルームバーグの記事では、EUの行政執行機関である欧州委員会のモスコビシ委員が、イタリア政府が2020年と2021年の財政赤字対GDP比率をー2.4%からー2.1%、-1.8%へと引き下げて譲歩したことについて「良い兆し」などといいながら、2019年のー2.4%も引き下げるように求めています。

         

         モスコビシ委員は、明らかにイタリア政府に緊縮財政を迫っているわけですが、露骨な内政干渉です。とはいえ、イタリア政府はEUに加盟しているため、モスコビシ委員の露骨な内政干渉は許されてしまいます。

         

         本来ならばイタリア政府は2021年までー2.4%を継続するべきですし、経済状況によってはさらに赤字を増やしてもいいのですが、イタリアはEUに加盟している以上、財政赤字の額ですら国家主権に基づいて決めることができない状況にあるのが、イタリア政府の置かれている立場です。

         

         

         というわけで今日は「財政赤字を増やそうとしたイタリア政府」と題して論説しました。

         今日の記事をお読みになった読者の皆様は、なぜイギリス国民が国民投票でEUから離脱をしたのか?理解ができるのではないでしょうか?

         イタリア政府が財政赤字対GDP比率を十分に拡大しなければ、イタリアは日本と同様に本格的なデフレーションに突っ込む可能性があります。ユーロやEUという仕組みがイタリア経済を縛り付けていることは明白ですが、イタリア政府だけで解決策することは難しい。EUの中の勝ち組のドイツが、日本の地方交付税交付金のように負け組のイタリアに資金を配るくらいが真の解決策かもしれません。

         ただ日本の地方交付税交付金は日本人同士の助け合い、同胞の助け合いですが、イタリアとドイツは明らかに別々の国民であるため、それは難しいでしょう。となれば、イタリアもイギリスと同じようにEUを離脱するしか方法がないのでは?と私は思うのです。

         

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           トルコリラが急落しましたが、今日はトルコの米国に対する報復関税について取り上げます。

           

           下記はロイター通信の記事です。

          『ロイター通信 2018/08/16 04:48 米政府、トルコの報復関税を批判 米国人牧師解放でも関税緩和せず

           [ワシントン 15日 ロイター] - 米ホワイトハウスは15日、トルコ政府が米輸入品に報復関税を課す方針を打ち出したことについて「誤った方向に向けた措置」として批判した。トルコによる米国人牧師拘束やその他の外交問題を背景に、両国の関係は悪化。

           トルコ政府はこの日、乗用車やアルコール、たばこなど一部の米国製品に対する関税を2倍に引き上げた。トランプ大統領が前週、トルコから輸入するアルミニウムと鉄鋼の関税を引き上げることを承認したと発表したことを受けた動き。

           サンダース報道官は記者団に対し「トルコが関税措置を導入したことは実に遺憾であり、間違った方向に向けたステップだ。米国がトルコに課した関税は国家安全保障上の利益を踏まえた決定だったが、トルコの措置は報復に過ぎない」と語った。

           その上で、米政府はトルコの経済情勢とリラ相場の動向を注視しているとした。また、トルコが直面する問題は長期トレンドの一環であり、米国の講じた措置によるものではないと強調した。

           サンダース報道官はまた、トルコが身柄を拘束している米国人牧師のアンドリュー・ブランソン氏を解放したとしても、米国の関税措置の緩和にはつながらないと言明。ただ制裁措置の緩和にはつながる可能性があるとの認識を示した。

           同報道官は「ブランソン氏が解放されても関税措置は解除されない。関税措置は国家安全保障に絡んでいる。ただ制裁措置はブランソン氏を含む、米国が不当に身柄を拘束されていると認識する人々の解放に関連して導入されており、(解放された時点で)解除を検討する」と述べた。』

           

           

           上記の通り、トルコ政府が乗用車やアルコール類などの米国産品に追加関税を課すと発表しました。

           

           トランプ大統領がトルコから輸入するアルミニウム・鉄鋼の関税を倍に引き上げ、トルコの通貨のリラ急落の一因となりましたが、トルコ政府の米国産品追加関税を課す動きは、このトランプ政権の対応に対する報復措置です。

           

           また、米国ホワイトハウスの当局者は、トルコ国内で軟禁状態にある米国人牧師について、一週間以内に何らかの対応を取らない場合は、米国はさらなる行動に出るとして、牧師を解放するまで圧力をかけ続けることを示しています。

           

           もともと今回の米国の対応は、トルコ産のアルミニウム・鉄鋼の関税引き上げは、トルコで軟禁状態にある米国人牧師のアンドリュー・ブランソン氏が拘束されているというのがきっかけの一つとされています。

           

           トルコの通貨リラの急落で世界経済に混乱を引き起こした両国関係が一段と悪化して、対立が泥沼化していく可能性もあるでしょう。

           

           米国はトルコ産のアルミニウム・鉄鋼の関税引き上げに対し、トルコ政府は、乗用車120%、アルコール類140%、タバコ60%などなど、様々なものを追加関税の対象にしています。

           

           こうした両国の動きは、必然的ともいえます。

           

           大きな背景として、グローバリズムが世界中を席巻していたからです。

           

           もし、グローバリズムの進み具合が弱ければ、報復するとかしないとか、貿易戦争などと言われていますが、何されても関係がありません。したがって、報復関税が大きく影響をもたらすということは、米国とトルコの関係が深く結びすぎているからに他なりません。

           

           もともと国家のガバナンス、即ち政治的なコントロール内にグローバリズムを進めていく分には、安定的にグローバリズムの環境が保たれることもあり得ます。

           

           ところが、政治的なコントロール以上に自由貿易を進めてしまった場合、こうした格好で急に引き締めるということが起きて、リスクが大きくなるのです。

           

           グローバリズムで関税を引き下げ、他国と関係を深くしていくと、政権が代わって方針が変わるなど、このようなリスクは普通に存在します。その意味で、今回の両国の対応は、政府の政治的なコントロール以上に自由貿易を進めてしまったことによる当然の結果といえるでしょう。

           

           

           

           というわけで、今日は「米国とトルコの貿易戦争」と題し、ロイター通信の記事を紹介しました。今回の米国とトルコ間のお互いに関税強化する動きは、ある意味で第一次世界大戦や第二次世界大戦が引き起こされた状況と似ています。

           グローバリズムは自国で考えた場合、輸出は射撃であり、相手国に失業増という傷を残す一方、輸入は味方の損害です。グローバリズムは、結果は自己責任としていますが、自己責任となった業種の供給力が崩壊すれば、その業種について他国依存となります。これが何かをきっかけに関税引き上げという形で、外交カードになってしまうのです。外交カードを持たれると、その分言いたいこと、やりたいことができなくなります。即ち国力の弱体化、安全保障の弱体化です。

           この米国とトルコのやり取りを見ていますと、グローバリズムが戦争や紛争を導くきっかけになっていることの一例であり、グローバリズムを過度に推進することは危険であるということが、よく理解できるのでは?と考えます。


          EUは、このままだと解体か?

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             今日は、「EUは、このままだと解体か?」と題して、論説します。

             

             EUといえば、2017年1月17日の英国メイ首相によるEU離脱宣言、スペインカタルーニャ独立問題、フランスにおけるマリーヌ・ルペン氏の台頭、イタリアの南アフリカ難民受入問題、ドイツのドイツ銀行危機とメルケル首相の支持率低下など、EUという体制を維持するにはネガティブなニュースが続いております。

             

             EUは、もともとフランス・ドイツ・イギリスという超大国に加え、イタリア・スペインといった周辺国が集合体となったという構造ですが、この構造そのものが弱体化しているというのが、現在のEUの状況であるといえます。

             

             例えば、ドイツ銀行の経営危機に関していえば、経営危機に陥っているドイツ銀行を、メルケル首相は救済する意思表示をすればいいのですが、かつて自らが他国の銀行の経営危機に対して、国家による救済は許さないとしてきたことから、簡単にドイツ銀行の救済ができない状況です。

             

             ドイツの危機がさらに表面化して、ドイツの危機が深まり、ドイツが瓦解すると、EUも瓦解せざるを得ないでしょう。

             

             また、メルケル政権が崩壊すれば、EUの指導力を持つ大国が消えることになります。短期的にはメルケル首相のような頑固な人がいなくなったほうが、銀行の救済をしやすくし、EU各国にとっては経済政策をやりやすくなってEUとしてまとまる可能性ががあります。

             

             とはいえ、中長期的には指導力を持つ国がいなくなることで、バラバラになっていくこともあり得ます。

             

             どちらに進むにせよ、EUは解体に向かう可能性が高いのでは?と思うのです。

             

             ドイツはEU内では大国であり、GDP的にも人口的にも一番の大国です。もう1つの大国であるイギリスがブレグジットで出ていくことで、EUは組織力・まとめる力が一気に小さくなります。

             

             最近ではトランプ大統領が、フランスのマクロン大統領に対して、「EUを離脱したらどうか?」と提案したことが話題になっています。マクロン大統領はEUと緊密に連携をとるとして、フランスの主権回復を訴えてEU離脱を主張するマリーヌ・ルペン氏と大統領選挙を争って当選しました。マクロン大統領としては、トランプ大統領にEU離脱の提案を受けたとしても、そう簡単に受け入れることはできないでしょう。

             

             ドイツ銀行の株価が下落して、それを買いざさえたのは、中国の海南航空を事業ベースとしている海航集団でした。そして、フォルクスワーゲンの不正排ガス問題でみた場合、フォルクスワーゲンのメインバンクはドイツ銀行です。

             

             ドイツ銀行がおかしくなった場合、フォルクスワーゲンの経営もおかしくなり、世界最大の部品企業であるボッシュの経営もおかしくなって、結果的に中国の製造業の基盤も壊れるというリンク構造があります。

             

             世界経済を考えれば、リーマンショックのような事件が起きる兆候ともいえる事象が既に目の前にあり、メルケル首相はドイツ銀行の救済を急ぐべきなのですが、メルケル首相に救済の意思表示がないため、ドイツ銀行株が株式市場で売られているという状況が

            続いています。

             

             救済しない場合は、中国の経済まで壊れるという波及リスクもあるため、救済以外はどうしようもないのです。

             

             ドイツ銀行の2017年12月末での総資産は、世界金融機関ランキングで17位です。

             

            <世界の金融機関の総資産ランキング(2017年12月末時点)>

             

             上表の通り、17位に位置するドイツ銀行の総資産額は1兆7,668億ドルです。

             

             これは、ゆうちょ銀行1兆8,735億ドル(13位)、みずほフィナンシャルグループ1兆8,501億ドル(14位)、三井住友フィナンシャルグループ1兆8,474億ドル(15位)といった日本の金融機関1行に匹敵します。日本における有力な金融機関1行が経営破綻となれば、これは大変なことで世界経済へ大きな影響があるレベルの規模です。

             

             そして、ドイツ銀行に資金を貸しているアメリカの銀行や、日本の銀行もあります。

             

             こうした構造を踏まえますと、国際金融的に怖いのは、システミックリスクとカウンターパーティーリスクの2つのリスクです。

             例えばドイツ銀行の取引相手、取引銀行のリスクであり、それが連鎖するシステムのリスクです。

             

             このリスクをどうやって排除していくべきか?これをやらないとリーマンショックのような金融危機の発生が現実のものとなる可能性があります。

             

             米国のトランプ大統領のグラス・スティーガル法復活は、商業銀行業務と投資銀行業務の併用を規制することを目的にしていますが、米国の銀行の経営リスクを未然に防ぐという意味で、理に適っています。

             

             米国に限らず、他国もこうしたリスクを認識しながら対策をとる必要があります。なぜならば、放置した場合、実際に金融危機が発生したときのダメージが大きくなるからです。

             

             

             

             というわけで、「EUは、このままだと解体か?」と題して論説しました。日本の場合、需要削減の消費増税8%→10%がスケジュール化されていますが、リーマンショッククラスの問題が発生したら、消費増税しない可能性があります。

             とはいえ、そうなったとしても、それは付け焼刃的な発想であり、もともとのプライマリーバランス黒字化目標が残っている限り、常に消費増税しなければならないという発想から抜けきることはできないでしょう。

             インフレで物価上昇を抑制する必要があるのであれば、消費増税も選択肢の一つとしてあり得ますが、日本はデフレですのでインフレ対策ではなく、デフレ対策が必要です。

             具体的にいえば、「国債増刷」と「政府支出増」の2つの組み合わせなのですが、いつからこの組み合わせに舵を切るのか?EU解体や中国の台頭といった世界情勢を踏まえれば、早く日本を外需依存を引き下げ、国内需要主導の経済にしていく必要があると、私は思うのです。

             


            ドイツ銀行の経営危機で、メルケル首相に強烈なブーメランが炸裂!

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              JUGEMテーマ:グローバル化

               

               前回は「ドイツで起きている2つの問題」ということで論説しましたが、今日は2つの問題の中でもドイツ銀行の経営危機に焦点を絞って、CoCo債という仕組み債を発行したことで、経営が深刻な状況になっていることをお伝えしたいと思います。

               

               少し古い記事ですが、ブルームバーグが2018年3月27日に取り上げたドイツ銀行のCoCo債リスクについての記事をご紹介します。

               

              『ブルームバーグ 2018年3月27日 15:35 JST ドイツ連銀がCoCoのリスク警告−トリガー発動なら投資家動揺も

               欧州を中心に発行されてきた偶発転換社債(通称CoCo)は、金融機関が苦境に置かれた際に損失吸収に充当し、公的資金による救済を回避する目的で金融危機後に考案された。銀行の健全性の向上に寄与するはずだったが、新たな危機を引き起こす結果となる恐れがある。

               市場規模が1786億ユーロ(約23兆5000億円)相当に上るCoCoは、ほぼ試練に遭うことのない状態がこれまで続いてきた。ドイツ連邦銀行の3月の月報によれば、規模が拡大する場合は特にそうだが、一定の条件の下で株式に転換されることなどを定めたトリガー条項が実際に発動されれば、投資家を動揺させ、他の金融機関の安定を損なうこともあり得る。

               2016年にはドイツ銀行によるCoCoのクーポン支払い能力を一部のアナリストが疑問視し、投資家は似たような状況を少し経験した。クーポンの支払いは行われたが、不安に駆られた顧客がビジネスを他の取引先に移し、ドイツ銀の収入減少につながった。

               CoCoは発行体の自己資本比率があらかじめ定められた水準を下回った場合、株式への転換や元本の削減が行われるほか、発行体の裁量でクーポンの支払いを停止することもできる。自己資本トリガーの発動基準は現在、CET1(普通株式等ティア1)比率で5.125%に設定されているが、発動を容易にするために欧州の監督当局は引き上げを検討すべきだとドイツ連銀は主張した。』

               

               

               上述のブルームバーグの記事ですが、欧州の金融機関を中心に発行されたCoCo債についてリスクが大きいと警告しているニュースです。

               

               リーマンショック、サブプライムローンショックが発生した際、米国の金融機関は倒産を防ぐために、保有資産の売却を推進しました。ついでに投資銀行業務も縮小させていきました。日本では銀行業務、証券業務は、本体で併営することができません。即ち銀証ファイアーウォールというものがありますが、米国は銀行が証券業務を併用することができます。

               

               投資銀行業務とは証券業務といい、商業銀行業務のことを銀行業務といいます。日本では、みずほ銀行が証券業務を行うことはできないため、みずほ証券という証券会社があります。三井住友銀行でいえば、日興コーディアル証券が証券業務をやっており、日興コーディアル証券は、SMBCグループの一員です。三菱UFJ銀行の場合は、三菱UFJモルガンスタンレー証券が証券業務をやっています。このように日本では商業銀行が投資銀行業務を行うことができないのですが、米国では可能となっています。

               

               銀証ファイアーウォールというのは、銀行が集めた預金で証券業務と行えるとなると、リスクの高い金融商品を買うことがあり得ます。そうしたリスクの高い金融商品に手を出すことで、万一その金融商品が紙くずとなった場合に、預金が戻らなくなる可能性が

              あるため、規制しているものです。

               

               米国国内では、かつてグラス・スティーガル法という法律によって、銀証ファイアーウォールがあったのですが、クリントン大統領が1999年に廃止法案に署名し、商業銀行が投資銀行業務を併営できるようになっているのです。これは日本でいえば、三菱UFJ銀行や三井住友銀行、みずほ銀行などの銀行が直接証券業務ができるようになったことを意味します。預金をリスクの高い有価証券に投資することが可能になり、銀行のリスクが高まることから日本では銀証分離を基本としていましたが、業務分野の規制緩和により、子会社方式での相互参入が認められています。(子会社方式での相互参入の例:みずほ銀行とみずほ証券、三菱東京銀行と三菱UFJモルガンスタンレー証券など)

               

               トランプ大統領は、グラス・スティーガル法を復活させて規制すべきであると主張していますが、米国では今後どうなるか?私は注目しています。

               

               ドイツ銀行の話に戻しましょう。

               

               リーマンショック、サブプライムローンショック発生時に、米国の金融機関は資産売却を進める一方、その資産を逆に買い向かったのがドイツ銀行です。

               

               米国の銀行が規模縮小する中で、逆にドイツ銀行は規模拡大を図りました。今、この時の規模拡大の方法に、大きな問題があったと言われているのです。

               

               米国とは異なり、欧州ではリーマンショック発生時に、資産の時価評価を放棄するという手法を取り入れました。時価評価を放棄するとは、本来であれば保有資産が価格下落で毀損しているにもかかわらず、その評価損を表に出さないで簿価などで評価することを意味します。

               

               欧州の金融機関は、この手法で損失を表面化させることはなかったものの、不良債権を資産内に抱えたまま業務を拡大していきました。

               

               特にドイツ銀行の場合は、米国が売った資産をどんどん買収していきました。本来、必要な資本増強もCoCo債を発行して、ごまかしてきたのですが、この時の本質的な問題解決をしなかったすべての問題が、今表面化してきているという状況なのです。

               

               CoCo債発行の問題自体は、2016年に指摘されており、2年前にドイツ銀行の株価は暴落しました。この暴落したドイツ銀行の株式を買い支えるために出資したのは、中国の海航集団で、HNAインフラストラクチャー(香港株で証券コード:0357)という企業のグループです。海航集団は、海南航空というエアライン事業がベースですが、その海航集団がドイツ銀行を買収したのでした。

               

               今、ドイツ銀行の筆頭株主は、その海航集団です。ところが海航集団もまた11兆円もの巨大な有利子負債を抱え、2018/07/04にはナンバー2がフランスで事故死するなどの混乱もあって国有化の危機になっています。つまりドイツ銀行の筆頭株主が新たな出資ができる状況ではないのです。

               

               この状況であれば、本来ドイツ銀行は規模縮小をするべきですが、保有資産を売却や、融資の貸し剥がしをした場合、高値掴みしたものを投げ売る必要があって、損失が表面化します。

               

               その際、資本増強することも可能なのですが、過去にCoCo債というリスクの高い資金調達をしてきたため、増資で一株当たり利益希薄化によって株価が下がると、どんどん暴落してしまう可能性があるのです。

               

               本来ならば、ドイツ政府やEUが救済に走るべき状況です。ところが、ドイツのメルケル首相は、かつてリーマンショック、サブプライムローンショックのとき、EU域内のドイツ国外の他国の経営に陥った銀行に対して、「国による救済は許されない!まかりならん!」と言っていました。

               

               そのため、メルケル首相としても、ドイツ銀行が瀕死の経営危機に陥ったとしても、手出しができる状態ではありません。他国の銀行に対して「政府の救済は許さない!まかりならん!」と言ってきたメルケルにとって、まさにブーメランとなってメルケル首相を襲ってきたと言えるでしょう。

               

               

               というわけで、今日はドイツ銀行の経営危機についてお伝えしました。EUと経済連携協定を交わした安倍総理ですが、EU発のリーマンショックのようなものが発生する可能性があるため、外需に頼るのではなく、内需に頼る政策をとるべきであると考えます。具体的には、日本国内のインフラ整備をはじめとする内需拡大であり、政府支出増です。

               ドイツ銀行の危機は、中国の海航集団も絡み、解決は難しいでしょう。やがてEUは解体するかもしれません。となれば、7/17にEUとEPA(経済連携協定)に署名した安倍首相ではありますが、そもそもEUと経済の振興を今以上に深めていくこと自体、先行き日本にリスクとなってくるのではないか?と、私は思うのです。

               

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              CoCo債(偶発転換社債)という資金調達手法

              トランプ大統領が検討するグラススティーガル法(銀行法の通称)の復活について


              ドイツで起きている2つの問題

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                 今日は「ドイツで起きている2つの問題」と題し、ドイツについて取り上げます。

                 

                 今、ドイツでは2つの問題が起きていると言われています。

                 

                 1つ目は、メルケル政権分裂の危機です。

                 

                 移民問題をめぐる議論で、ドイツのメルケル首相と、ホルスト・ゼーホーファー内相との間で対立が生じています。特に南部のバイエルン州は、難民が入ってくる入り口にあたるのですが、バイエルン州は難民を受け入れたくありません。

                 

                 一方でメルケル首相は、無制限に移民を受け入れると表明した張本人であり、この移民問題で大きな対立が生じています。

                 

                 2018/07/06〜2018/07/07にかけてEU首脳会談が行われ、EU圏内で難民に対してどのような解決策があるのか?議論が行われました。一応、議論はまとまったものの、中身的にはあいまいでいい加減なものが多い内容となっています。地政学的に難民受け入れの玄関となっているイタリアは「イタリアだけが多くの移民を受け入れているのは不公平」として、難民受け入れの分担を提案して、なんとか合意したという状況です。

                 

                 その上、トルコに難民を追い返すという政策をとっていますが、トルコとEUとの関係もおかしくなってきており、トルコがいつまで難民を受け入れ続けられるか?不明な状況です。

                 

                 このように難民によってヨーロッパがおかしくなってきている中で、ドイツ政権もCDU(ドイツキリスト教民主同盟)、CSU(キリスト教社会同盟)の連立政権となっています。

                 

                 もし、メルケル首相とゼーホーファー内相との間が完全に決裂すると、連立崩壊となります。

                 

                 2つ目は、ドイツ銀行の問題です。ドイツ銀行が米国のストレステストと呼ばれる銀行のテストで、重大な脆弱性があるということで、不合格になりました。

                 

                 FRBによるストレステストでは、資本的な問題と内部の監査状況、具体的にはマネーロンダリングが行われていないか?と、資金が健全に運用されているか?の2つをチェックします。

                 

                 ドイツ銀行はこの2つが不合格でした。

                 

                 米国のストレステスト自身は、罰則規定もなければ強制権もありませんが、ストレステストに落ちたということ自体、銀行としてリスクがあるとみなされます。

                 

                 下記のチャートの通り、現在ドイツ銀行の株価は一時の高値と比べて3分の1以下と、リーマンショック時の株価水準で低迷しています。

                 

                 

                 ドイツ銀行がこのままちゃんと運営できるのか?新たなリーマンショックのような金融危機が発生する可能性もあり、ドイツ銀行の今後の行方を注視したいと思っております。

                 

                 

                 というわけで、今日は「ドイツで起きている2つの問題」をご紹介しました。

                 

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                   随分とご無沙汰にしてしまいました。実は東京都杉並区のアパートから東京都世田谷区のマンションに引っ越しして、PCを買い替えるなどしたため、1か月ほどお休みしました。杉っ子という名前を使うのもどうか悩みまして、ドメインも新たなものも取得しましたが、ドメインも変えず、ほぼ1か月半ぶりに記事を書きます。

                   

                   今日は掲題の通り、フランスのニュースについて論説します。

                   

                   下記は産経新聞のニュースです。

                  『産経新聞 2018/06/28 19:11 仏政府 大統領公約の「徴兵制」、16歳国民に一カ月の義務奉仕 軍事側面は後退 民間奉仕に軸足

                  徴兵制復活はマクロン氏が昨年春の大統領選で公約。大統領就任後の今年1月、軍幹部を前に実施の決意を示した。背景には2015年以降、国内で相次いだイスラム過激派テロで、実行犯の大半がフランス生まれの移民2世だったことがある。社会で疎外されがちな2世と白人の若者が共同生活を送り、連帯感や国民意識を高めることを狙った。マクロン氏は「国民結束の機会」と述べ、海外派兵や戦力育成が目的ではないと強調していた。

                   しかし今月初め、大学生や青年団体など約10組織が日曜紙で、一方的な徴兵制導入に抗議する共同書簡を発表し、「押しつけには反対。奉仕活動は国民が選択できる制度にすべきだ」と訴えた。国会では「軍の負担増大につながる」との懸念も出て、政府は方針修正を迫られたとみられる。

                   制度は年間60万〜80万人の参加を見込んでおり、年30億ユーロ(約4千億円)かかるとの試算がある。(後略)』

                   

                   

                   上記記事の通り、フランス政府は2018年6月27日に閣議で、16歳前後の男女に、最低一か月の普遍的国民奉仕を義務付ける計画案を発表しました。

                   

                   理由は相次ぐテロ、移民大量流入で危機感が高まる中、若い国民の結束を図るのが狙いとされています。フランス政府は近く、学生団体などとの協議で、実施策を詰め、来年から段階的に導入したい方針としています。

                   

                   マクロン大統領は、2017年の大統領選挙において、徴兵制の復活を公約に掲げていましたが、軍事的な側面は大きく後退したと言えるでしょう。

                   

                   もともとマクロンは、極右とレッテル貼りされた国民戦線のマリーヌ・ルペン党首と異なり、右翼ではない候補者として立候補した大統領です。

                   そのマクロンですら、徴兵制復活を主張しているというのは、これがフランスにとっていかに切実な問題であるか?ということを意味しているといえます。

                   

                   各国にとってナショナリズムとは、国家を強くしていくうえで重要な資産であり、必要不可欠なものです。ナショナリズム(=Nationalism)は”国家主義”と訳されますが、国民全体の結束の強さを示します。国民全体の結束が強ければ、国家的な様々な問題を乗り越えていくことができるのです。

                   

                   例えばデフレ脱却、人手不足、憲法問題、地政学的な問題などなど。

                   

                   国家的問題を乗り越えていくには、国民が一丸となるナショナリズムが必要不可欠なのです。

                   

                   ところが、昨今はすべての国家で、グローバリズム思想が広がったため、その弊害がありとあらゆるところで出てきています。ナショナリズムは、絶対に必要であり、国家としての資産であるということを私たち国民は、あらためて認識する必要があるでしょう。

                   

                   フランスでいえば、そのために一番手っ取り早い方法の一つとして、マクロンは徴兵制の復活を公約に掲げていました。

                   

                   今回の産経新聞の記事をみますと、残念ながら難しい。ナショナリズムを高めるのは、大変難しいのです。なぜならば、急に仲良くしろ!といわれてもできないからです。

                   

                   結局、今回のこの問題では、マクロン大統領は若者から大きな反発を強烈に浴びています。マクロン大統領の徴兵制復活が、フランスの国益的には正しい考えだったとしても、今これを無理に実施すると、いびつな形で行われたりして、結束するどころか、分裂することになりかねません。

                   

                   ナショナリズムを高める対策の難しさを示している記事といえるでしょう。

                   

                   記事によれば、国民奉仕というのは、最初の1か月は義務方式で共同生活を行い、2段階目では任意参加で16歳〜25歳の若者が3か月〜1年間任意で参加するとされていますが、先行きどうなっていくのか?注目です。

                   

                   

                   というわけで、今日はフランスのマクロン大統領が公約に掲げていた徴兵制復活が大きく後退してしまった旨の記事を取り上げさせていただきました。

                   


                  EU離脱決定以降賃金が上昇しているイギリス

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                     今日は「EU離脱決定以降賃金が上昇していイギリス」と題し、イギリス国内で人手不足が深刻化して、賃金が上昇していると報じている新聞記事をご紹介します。

                     

                     下記は日本経済新聞の記事です。

                    『日本経済新聞 2018/01/26 英で移民流出加速 企業は頭を抱える

                    1年のうち、病気欠勤が一番多いのが1月だといわれている。寒い日は、働くよりも暖かい布団にくるまって過ごしたいと思うのは、多くの労働者の心情である。

                    だが、クリスマス休暇明けに労働者が本当に戻ってこなかった、という会社もある。欧州連合(EU)諸国から英国に働きに来ている労働者が故郷で1週間を過ごし、英国に戻る気を失うケースがあるのだ。

                    彼らにしてみれば、英国の気候の悪さに加えて為替はポンド安と、この国で働く魅力は薄れている。そしてもちろん、英国にEU離脱が迫っていることも理由の一つだ。

                    EU離脱を決めた2016年の国民投票以降、英国を出ていく欧州大陸からの移民の数は急増した。投票後、17年6月までの1年間に12万3000人が荷物をまとめた。その前の1年間と比べると、2万8000人も出国者が増えている。EU市民の中で、英国に移り住む純移民の数は43%減った。「A8」と呼ばれる東欧8カ国の市民に限定すると、減少の割合は81%にまで上る。

                    英国の労働市場はただでさえ逼迫している。それゆえ、移民の減少で求人がさらに難しくなる恐れがある。失業率は4.3%で、1975年以来の低い水準だ。既に一部の産業では、企業が退職者の穴埋めにきゅうきゅうとし始めた。

                     熟練を要する職種の中でも特に不足しているのが調理師だ。建設業界が2016年に行ったある調査の報告書によると、英国の労働力人口は、10年以内に20〜25%減少する可能性があるという。

                     労働力の減少は、英国に良い効果をもたらすとの主張もある。近年、外国人労働者であふれてしまったことが、低賃金の職種において賃上げの抑制要因になっていたと考えられるからだ。移民労働者が減れば、企業も地元の低熟練労働者を訓練すべく、技術投資を増やさざるを得ないだろう。そうなれば、現在低水準にある英国の労働生産性も改善すると考えられる。

                    ■農業労働者は実質賃金が上昇

                     この議論は実際に、1月に発表された統計によって裏打ちされた。17年7〜9月期の英国の労働生産性が、前期比で1%近く上昇したというのだ。これは、11年以来となる大幅な上昇だ(もっとも、17年上半期の数値は悪いものだったが)。

                     しかし指標を見る限り、労働力の枯渇に対する企業の対応は鈍い。

                     地元の労働者を確保し、EU国籍の従業員を引き留めるには、まず賃上げに対応する必要がある。既に賃上げに動いた雇用者もある。移民労働者の減少の影響を特に受けやすい農業分野では、17年10月までの3カ月で年間の実質賃金が3%以上上昇した。この上昇率は、ほかのどの業種よりも大きい。

                     だが、移民労働者を多く抱えるほかの分野では、むしろ逆の動きが見られる。同じ3カ月間に食品製造業の賃金は1%、建設業の賃金は0.2%減少した。

                     労働力を確保するもう一つの方法は、労働条件の改善だ。英国の調理師労働組合クラフト・ギルド・オブ・シェフスの委員長を務めるアンドリュー・グリーン氏は、賃金の低さと同じくらい、厨房でのいじめの文化がこの職業から新人を遠ざけていると指摘する。同氏自身、数十年前にオーブンで肉などを焼く際に使用するトレイやポットを投げつけられた時のことは忘れられない。当時と状況はさほど変わっていないことを同氏は認めている。

                     調理師の労働時間は時に週70時間に上る。この問題の改善に取り組む飲食店も出始めた。ロンドンのル・ガヴローシュやノッティンガムのサット・ベインズなど、ミシュランの星が付くレストランでさえ、従業員を確保するために営業時間を短縮した。(後略)』

                     

                     

                     移民を受入れると生産性は低下し、逆に移民を受入れなければ生産性が向上する。それを示しているのが今のイギリスです。2016年6月23日にイギリスはEU離脱を国民投票で決めました。その後、イギリスから移民が大流出し、2017年6月までの1年間で12万人以上がイギリスを去ったとされています。

                     

                     EU市民の中でイギリスに移り住む純移民数は43%減少し、中でもチェコ、エストニア、ラトビア、リトアニア、ハンガリー、ポーランド、スロベニア、スロベキアという2004年にEU加盟した中東欧8か国に限定すれば、8割超もの移民がイギリスを去ったと記事では報じられています。

                     

                     結果的に、現在イギリスは人手不足が深刻化しています。移民労働者減少の影響を受けやすい農業分野では実質賃金が3%も上昇したとも報じられています。

                     

                     イギリスはグローバリズムに背を向け、事実上移民制ををし結果、人手不足が起き、その人手不足問題を「技術投資」などの生産性向上で乗り切ろうとしたことで、イギリス国民の生産性が向上しました。生産性の向上とは、一人当たりGDPの上昇であり、実質賃金上昇をもたらします。

                     

                     イギリス国内のマスコミも「労働力の減少は、英国に良い効果をもたらすとの主張もある。近年、外国人労働者であふれてしまったことが、低賃金の職種において賃上げの抑制要因になっていたと考えられるからだ。移民労働者が減れば、企業も地元の低熟練労働者を訓練すべく、技術投資を増やさざるを得ないだろう。そうなれば、現在低水準にある英国の労働生産性も改善すると考えられる」と書かざるを得ないくらい、イギリス国内は、生産性向上に向けた投資が高まる気運が盛り上がっています。

                     

                     日本は逆の発想。イギリスに限らず、アメリカもそうですが、イギリス、アメリカは自国民ファーストの政策を推し進めている一方、日本は移民を受け入れ、しかもデフレを放置している状況なので、企業は生産性向上のための投資をせず、移民受入を推し進めようとしているのです。

                     

                     イギリスのEU離脱について、日本のマスコミはネガティブな報道をしてきました。竹中平蔵氏はパソナの取締役をやっておりますが、彼は楽天証券主催の基調講演で当時、イギリスで起きているEU離脱の動きについて、「過激なナショナリズム」と称し、ネガティブに論説をしていました。グローバリズムで自由が正しいと思い込んでいる、もしくは自分の論説が誤っていたとしても過去から主張し続けてきたために覆せないのか?やがて竹中平蔵氏はダンマリになるのではないでしょうか?

                     

                     

                     というわけで、今日は日本経済新聞の「EU離脱を決めたイギリスで賃金上昇が起きている」という記事をご紹介しました。コンビニや居酒屋では何かと外国人が多くなった日本ですが、これではコンビニ、居酒屋で働く日本人の賃金は抑制されます。移民の定義は、国連人口部によれば、12か月以上その国にいること、であり、日本のコンビニ、居酒屋で働く外国人労働者は文句なく移民です。「移民受け入れる」というと日本人もさすがにアレルギーがあるでしょうから、あえて「移民」という言葉を使わず、外国人実習生などと語彙を変えて、日本に移民を受入れを推進しているというのが現在の日本です。

                     デフレ脱却に拍車をかける外国人労働者の流入は、断固として阻止しなければならないと思うのは、私だけでしょうか?外国人労働者の受入を規制すれば、コンビニ業界はレジロボや塗布半導体を使ったRFIC電子タグを使った自動コンビニ化のための投資をせざるを得ません。居酒屋業界でも生産性向上のための投資をせざるを得ません。マクロ経済を理解すれば、誰もが移民受入が自国のためにならないということを理解できるものと私は思っております。


                    2017年は穀物生産が過去最高のロシア、輸出拡大を狙うもインフラ整備が足かせに!

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                      JUGEMテーマ:農業

                       

                       今日は、日本経済新聞の記事の見出しをそのまま表題にしました。「2017年は穀物生産が過去最高のロシア、輸出拡大を狙うもインフラ整備が足枷に!」と題し、インフラがどれだけ重要であるかを、ロシアの事例で改めて論じたいと思います。

                       

                       下記は2016/12/26に報道されたロシアの穀物生産が過去最高になったとする日本経済新聞の記事です。

                      『2017/12/26 22:30 ロシア穀物生産、過去最高 輸出拡大狙うも、インフラ整備が足かせに

                      【モスクワ=小川知世】ロシアの2017年の穀物生産が1億3000万トンに達し、過去最高を記録した。小麦などの収穫増を受けてプーチン政権は輸出拡大を急ぐが、港湾や内陸輸送網の整備が追いつかずに足かせとなっている。輸出できない余剰穀物が国内で積み上がり、18年以降は生産量も減少に転じる見通し。世界の穀物市場で存在感が増すなか、穀物輸出の拡大がロシア経済の浮沈の鍵を握る。

                      「歴史的収穫量だった。輝かしい実績だ」。プーチン大統領は12月中旬の年次記者会見で、農業分野の成長をこう自賛した。ロシア連邦統計局によると、同国の17年の穀物生産は16年比11%増の1億3410万トン(速報値)に達し、過去最高だった1978年の1億2700万トンを上回った。好天が続いたことや、生産技術の向上が寄与したとみられる。

                       国連食糧農業機関(FAO)によると、16年の穀物生産でロシアは中国、米国、インドに次ぐ世界4位。世界の穀物市場で存在感を増す。今穀物年度(17年7月〜18年6月)の輸出量は前年同期比3割増の4500万トンを見込む。国内の余剰穀物を輸出に向け始めた00年代初期に比べて数十倍に拡大。輸出先もアフリカやアジアなど100カ国超と急速に広がっている。

                       政府は輸出拡大に向けたインフラ整備を急いでいる。既存の港に穀物輸送用エレベーターを設置するなど輸出能力の増強を支援。輸出促進のため、10月には一部地域向けに国内港湾から輸出する穀物の鉄道輸送料金を1割引き下げた。極東や中国との国境地域では、国営企業などが穀物用ターミナルを建設中だ。

                       ただ、こうした取り組みは生産拡大に追いついていない。建設中のターミナルの本格稼働は20年以降になる見通し。農業調査会社「ソブエコン」のアンドレイ・シゾフ氏は「輸出能力はほぼ限界。インフラ面の制約がなければ、年6000万〜7000万トン規模の輸出が可能だった」とみる。

                       輸出面の制約は国内市場にも悪影響を及ぼしている。「輸出に回せない余剰穀物が増え、国内価格はさらに下落している」(ロシア穀物連盟)。収益悪化により、一部地域で採算が取れない生産者も出ている。減産に動く生産者も多く、農業省によると、18年の穀物生産量は1億1000万トンと3年ぶりに減少に転じる見込みだ。(後略)』

                       

                       

                       ロシアの穀物生産について、2017年は天候に恵まれ、1億3000万トンに達して過去最高だったとするニュースです。1億3000万トンというのは、日本のコメの生産の15倍くらいに相当します。生産量でみれば、確かにすごいことですが、日本の国土面積と比べれば、ロシアは圧倒的に広いので比較は難しいかもしれません。

                       

                       異常気象や干ばつがなかったことが幸いし、小麦など穀物の収穫増を受けて、プーチン政権は輸出拡大を急ごうとしていますが、港湾と内陸輸送網の整備が追い付かず、足かせになっていると記事では論じています。

                       輸出できない余剰穀物が国内に積み上がり、ロシア国内では穀物の国内価格が下がってしまっているとの指摘もされています。結果、減産に動く生産者もいるということで、2018年度の穀物生産量は3年ぶりに減少に転じる見込みとのこと。

                       

                       この話、笑い事ではありませんが、インフラがどれだけ大事か?がわかる事例です。消費される商圏までインフラが整備されないと、せっかく作ってもこうなってしまいます。たいへんもったいない話です。もちろん、政府が値段を下げない状態で買い上げ、生産量を維持するという政策もありますが、余ってもイイから農家に作っていただき、値下がりしないよう政府が高い値段で買い上げて、他国に輸出するのがベストです。ロシア国内の食料安全保障と防衛安全保障の強化に資するものです。

                       

                       日本は島国で周辺が港ですが、ロシアは広大な大陸があり、日本よりも内陸輸送網の整備は広大となるでしょう。また輸出しようとするならば、港湾を整備し、貯蓄施設や穀物エレベーターなどのインフラ整備も必要です。

                       

                      <いるま野 農業協同組合のカントリーエレベーターの外観と仕組み>

                      (出典:NHK「カントリーエレベーターのしくみ」から)

                       

                       

                       というわけで、食料安全保障や国力で考えた場合、ロシアのニュースのように、穀物がたくさん作ることができるという供給力は大事なのですが、どれだけ供給力があったとしても、インフラがなければ消費地に運ぶことができません。

                       日本とロシアでは面積が違うとはいえ、日本国内では太平洋側と日本海側では、新幹線や高速道路の整備状況や港湾整備が遅れており、そうしたインフラが遅れている日本海側では、消費地に農産物を届けるにも太平洋側と比べて時間がかかってしまうのです。

                       九州でも東九州エリアは、インフラが不十分なため、宮崎産のマンゴーとか痛むのが早い農産物など、高速道路網の整備されていれば、博多の市場に届けることができます。宮崎空港から空輸で築地に運ぶとしても、航空貨物は輸送量も限られます。

                       ロシアの日本経済新聞の記事は、インフラがどれだけ大事か?国力と関わるか?がよくわかるニュースだと思い、皆様にご紹介しました。


                      プチデモン前カタルーニャ州首相がやったことは国家反逆罪です!

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                         今日は、「プチデモン前カタルーニャ州首相がやったことは国家反逆罪です!」と題し、混乱が続いているスペインのカタルーニャ独立問題について意見します。

                         

                         下記は産経新聞の記事です。

                        『産経新聞 2017.11.9 00:56更新 「これがあなた方がつくりたい欧州か」 プチデモン前州首相がEU批判、保釈後初めて公の場に

                        スペイン北東部カタルーニャ自治州の独立問題で、スペイン政府の要請を受けてベルギー当局が拘束した後、保釈されたプチデモン前州首相は7日、ブリュッセルで独立支持集会に姿を見せ、独立派に冷淡な欧州連合(EU)に対し「これが、あなた方がつくりたい欧州か。ある『国』では指導者たちが投獄されているではないか」と批判した。

                         プチデモン氏が5日に保釈された後、公の場に現れたのは初めて。州の自治権を停止するなどしたスペイン政府の措置を「クーデター」と呼んで非難した。

                         一方、スペインの憲法裁判所は8日、自治州議会が10月27日に採択した「独立宣言」について違憲で無効とする判決を下した。(後略)』

                         

                         

                         スペインの上院は、10/27に独立問題が長引く北東部のカタルーニャ州の自治権停止を承認しました。解任されたプチデモン氏はベルギーに逃れましたが、11/5にベルギー警察に出頭し、他の元幹部4人が拘束され、11/7に保釈されました。

                         

                         プチデモン氏のやっていることは、スペインという国家からみれば、明らかに国家反逆罪です。

                         もともと、カタルーニャ州の独立を問う住民投票での投票率は40%強くらいでした。即ち、住民投票で反独立派が投票をボイコットしたということであり、その状況で90%の賛成があったとして独立宣言というのは、相当無理があります。法的根拠も不明です。

                         

                         カタルーニャ独立問題で、「日本人は独立を認めればいいじゃん!」くらいに簡単に考えている人がいるかもしれません。ところが、これはかなりヤバイ話です。例えば、日本国内において、「沖縄県が独立宣言します!」なんてやれば、明らかに国家反逆罪です。

                         

                         スペイン中央政府は、10/27にはカタルーニャ州の自治を停止し、ラホイ首相に権限を付与しています。スペイン中央政府のこうした措置は憲法で認められていて適法です。今後は、ラホリー首相を解任し、カタルーニャ州議会を解散し、その上で再選挙することになる見込みです。

                         

                         そもそもこの独立の住民投票は、選挙管理委員も監視委員もおらず、同じ人が何回も投票していたというケースがあったと指摘されています。それで賛成が90%だ!それで独立宣言だ!といのは、非常に問題があると言わざるを得ません。

                         

                        <2017/10/2(金)NHKの報道記事の抜粋>

                        (出典:BS1ワールドウォッチング)

                         

                         上記はNHKのBS1からの抜粋なのですが、投票率40%で90%が賛成で、90%という数字が独り歩きしました。賛成90%とはいえ、何人が賛成票を投じたのか?同じ人が何回も投票しているという状況で、この住民投票の結果にどれだけの意味があるのか?そうした疑問を呈する報道は日本ではされなかったと思うのです。

                         

                         また、今回のカタルーニャについて、過激なナショナリズムの結果と見る人もいるでしょうが、私にはスペインのナショナリズムの崩壊と見えます。

                         

                         もともとカタルーニャ市は、18世紀初めにスペイン王位の後継者を巡ってヨーロッパ諸国間で行われたスペイン継承戦争で、独立運動をやって戦い、最後バルセロナが陥落してスペイン継承が完了します。それが9/11でカタルーニャの日と名付けるという歴史があります。とはいえ、スペインから独立するのを、住民投票という直接民主主義で実施するのはいかがなものか?と私は思うのです。

                         

                         なぜならば、例えば今後、スペインで大震災が発生したり、他国と戦争になった場合、一致団結して戦えるでしょうか?助け合うことができるのでしょうか?という疑問を持たざるを得ません。そういう意味で、スペインはナショナリズムが崩壊したとみるのが正しいと思うのです。

                         

                         カタルーニャは歴史的なものもありますし、第二の都市で自分たちはスペイン国内でも稼げる都市であり、経済的には順調で税金もたくさん納めているのに、見返りが少ないという不満があります。

                         

                        独立の機運が高まったのは2008年のリーマンショックのあとのこと。
                        厳しい経済状況の中、国に納める税金に対してその恩恵を十分に受けていないなどの不満が背景にあったとされています。

                        「スペインは我々から搾取している。独立しかない。」

                         

                         この意見、理解できなくもありませんが、国家とは助け合いのナショナリズムがあってのこと。経済が順調なエリアと、そうでないエリアがあったとして、自分たちは順調だから独立したいというのは、日本でいえば東京はインフラが優れていて地方交付税交付金をもらわない唯一の地方自治体で、自分たちは地方に分け与え、地方からもらっているものがないから独立したいと言っているようなもんです。

                         

                         東京都が独立しないまでも、東京だけが繁栄して、他の地方は錆びれてもいいはずがありません。だから地方交付税交付金という仕組みがあるのです。東京都民で文句言う人いるかもしれませんが、地方都市が繁栄してくれれば、いざ首都直下型地震が発生した際に、東京都民は地方都市の同じ日本人に助けてもらうことができます。こうした国民が助け合うというのがナショナリズムです。

                         

                         カタルーニャは独立したら、EUに加盟し、ユーロにも参加したいとしています。これはグローバリズムの発想。負け組と一緒にはやってられないから、自分たちだけでやっていきたいという発想です。

                         この発想の特徴は、自分たちが金銭的に得をするからというのが特徴で、いざという時の国民同士の支えあいという発想はなく、まさにグローバリズムの発想です。とはいえ、国家とはこういう物でしょうか?

                         

                         

                         というわけで、今日はカタルーニャ州独立問題について触れ、ナショナリズムやグローバリズムの考え方について説明しました。このスペインの事件は、日本においてもとりわけ東京都民の人はナショナリズムについて学び直すいいきっかけになるのでは?と思います。スペインとは違い、日本は災害大国ですし、仮想敵国として中国やロシア、友好国ではあるものの太平洋を挟んで米国といった超大国に囲まれています。

                         北朝鮮の核ミサイルにしても、東京都が独立したとして、東京都民は北朝鮮の核ミサイルから身を守ることができるでしょうか?中国の侵略から身を守ることができるでしょうか?首都直下型地震が起きたとき、私たちは同じ日本国民の助け合いなしに、救われることがあるでしょうか?

                         大災害においては、どれだけ大金を積んでも、医療サービスは受けられなくなる、物流網が崩壊して救援物資が届かない、貧富の差に関係なく発生します。スペインだって同じように考えられると私は思うのです。


                        カタルーニャ独立問題と企業の流出

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                           今日は、スペイン北東部のカタルーニャ独立問題について取り上げます。この関連では、10/18にも安全保障をテーマとして「スペインのカタルーニャの独立問題について」ということで触れています。

                           

                           今回は、カタルーニャ州から、700社もの企業が移転流出しているという状況について触れたいと思います。

                           

                           きっかけは、カタルーニャ州の独立問題を契機に、スペイン中央政府との対立で経営に悪影響が出るとみられ、カタルーニャ州外への移転を決めた企業が700社を越えたとのこと。既に691社が本社の移転登記をしたとのこと。もともとカタルーニャ州は、分厚い企業集積が強みだったのですが、独立を目指す動きが原因で、逆風が一段と強まっている状況です。

                           

                           地元メディアによりますと、独立を問う住民投票が実施された10/9以降でおよそ700社が州外移転を決め、逆に州内に本社を移転するという企業は39社にとどまっています。

                           

                           このままカタルーニャ州が独立したとしても、経済的に立ち行かなくなる可能性が出てきたのです。

                           

                           考えてみたら、カタルーニャ州のスペインからの独立は、安全保障上の問題抜きにしても簡単ではありません。例えばEUとの関係はどうなるでしょうか?そもそもEUに残れるのか?EU圏内に居られるのか?

                           

                           カタルーニャ州の独立賛成派の人たちは、経済的に強い国で自分たちだけで何でもできるものと、異常に楽観視していたのではないでしょうか?

                           

                           確かにスペイン国内で2番目の都市で、企業の集積もあって製造業も多く強い。とはいえ、700社弱の企業が本社を州外に移転し、しかもカタルーニャ州への投資を先送りする企業も出ている状況です。

                           

                           スペイン中央政府は2018年のGDP成長予測を下方修正しており、この問題がスペイン国内経済に影を落としていることは明白です。

                           

                           結局、企業が投資するときに、まず最低限国家が安定していることが最低条件です。例えば、今のシリアに誰が投資するでしょうか?そういう混乱を招くようなことは基本的にはよくないということなのです。

                           

                           だからシリアの問題でいえば、ISが壊滅状態になったとしても、シリア国内では未だにアサド派と反アサド派の内戦が続いています。内戦が行われている状況で、企業活動などできるはずがありません。

                           

                           

                           というわけで、今日はスペインのカタルーニャ州独立問題を取り上げました。安全保障を考えれば、カタルーニャ州独立は簡単な話ではありません。とはいえ、歴史的に単一民族国家ではなく、イザベル女王とフェルナンド国王が結婚して、カスティーラ王国とアラゴン王国が併合された際に、カタルーニャが併合されたという歴史を持ちます。

                           だから日本国内における日本人同士のように、同朋意識を持つという発想がない人々もいるかもしれません。また同朋意識があったとしても、自由主義で自分たちの努力で経済成長したのだから、負け組の他の州を支援したくない、こんな気持ちの人々もいるかもしれません。

                           いずれにしても同朋意識でお互い助け合うというナショナリズムが確立していなければ、このような事態が起こりえ、それは企業活動にとってもマイナスとなって結果国益を損なうということが、この事件でよく理解できるものと思うのです。


                          メルケル首相の移民無制限受入宣言から方針転換へ!

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                             今日は、「メルケル首相の移民無制限受入宣言から方針転換へ」と題し、メルケル首相が難民受入人数を20万人以下に抑制する方針を固めたことについて触れたいと思います。

                             

                             メルケル首相は2015年9月、大見得を切って「政治難民受入に上限はありません!」と宣言しました。このとき、多くのマスコミがメルケル首相の宣言を称賛していました。世界から多くの拍手喝さいを浴びたのです。日本国内でも、政治家や評論家などが、日本も積極的に移民・難民を受け入れるべきだとする論説をしていました。

                             

                             世界が拍手喝さいを浴びせて称賛したメルケル首相の移民受入無制限宣言ですが、現実的のドイツはどうなったでしょうか?

                             メルケル首相の宣言後、2015年9月以降、たくさんの移民・難民が入ってきて、ドイツ人の生活を脅かしてきたという現実があります。

                             

                             2017年9月24日に、ドイツで総選挙が行われ、Afd(ドイツのための選択肢)という移民無制限受入に反対する政党が、総選挙で第三党に躍進し、94議席を獲得しました。その一方でドイツ与党のCSDは得票率も議席も減らしたのです。

                             

                             これまでドイツは2015年に90万人近くの難民が流入し、2016年でも30万人くらい流入しました。今回メルケル首相が移民無制限受入から方針を転換し、20万人以下とする数値目標を定めたのです。

                             

                             2015年〜2016年で、ドイツ国内で当時の世論のメディアの論調はドイツは人手不足だから、難民・移民は歓迎しますと言ってきました。

                             

                             2年くらい経って今年の6月、ドイツ当局が難民の75%が長期失業で生活保護になることを認めました。なぜ彼らが長期失業になってしまうのか?理由は簡単で言葉がしゃべられないからです。

                             難民移民の方々には働く気があるかどうか?は不明ですが、現実問題として言葉が話せない以上働けません。コミュニケーションが取れなければ、仕事に就くことは不可能です。

                             

                             ドイツ連邦政府のアイナン移民難民統合長官によれば、今後5年間で移民難民の1/4か1/3程度しか労働市場には参加できないと表明しています。移民難民のほとんどは成年男子なのですが、そのうち75%前後がずっと失業で、生活保護となり、ドイツ国民の税金で養っていくということが確定しているのです。

                             

                             ドイツの労働連邦省の統計によれば、難民の就業率(働いている人の割合)は、17%程度とのこと。これだけ時間が経過してたったの17%です。マスコミなどメルケル首相の移民受入推進者らは、移民受入は労働力の補完につながるということではなかったでしょうか?実際は難民・移民は労働力にはなっていないのです。

                             

                             私は最初からこうした悪い数値になることは予想していました。なぜならばドイツをはじめとする欧州は多文化主義で言葉を強制しないから。言葉を無理に覚えないとなれば、就職活動で就職できる確率は格段に少なくなります。

                             結果、難民移民は仕事に就きません。生活保護が下りれば生きていけるので、言葉を無理に覚える必要もありません。ドイツ国民だって、ドイツ国民が生活に窮して生活保護を受給するのであれば、反対する人は少ないでしょう。ところが実際は、ドイツ国内では200万人の外国人が失業保険を受給し、結局、難民移民は労働力にはならず、失業手当や生活保護をタダ乗りするいわゆるフリーライダーになってしまっているのです。

                             

                             当初の人手不足解消と言っていた人たちは、この状況をどう考えるのでしょう?先日のマスコミの報道の在り方と同様に、こうした事実に目を反らし、過去の発言について口を噤んだまま、過ちを認めようとさえしない人、多いと思うのです。

                             

                             私は移民難民の積極的な受け入れには反対の立場をずっと主張しています。特に経済移民の受け入れには反対です。安倍政権は着実に経済移民の受け入れを推進しており、その点も私が安倍政権を批判している一つです。

                             

                             外国人労働者について私は2つの問題があると思います。フリーライダーという問題と実質賃金を引き下げるという問題です。本来、人手不足だったら生産性向上によって生産性を高めていけば、人々は豊かになれます。GDP3面等価の原則により、生産=支出=分配であり、賃金UPとなります。そして、それこそが経済成長です。ところが、移民難民の受け入れは、その経済成長のチャンスを奪います。生産性向上のための投資をせず、目先安い人件費で雇ってしまえば、目先の利益が出るため、企業が投資を躊躇してしまうのです。

                             

                             当然、フリーライダーの問題もあります。同じ同胞意識を持つ日本語を話す日本人が困窮している場合、その日本人が生活保護を受給することは誰も反論しないでしょう。反論する人は安全保障が理解できないグローバリストの人くらいです。

                             

                             ではフリーライダーでなければいいのか?といえば、そうでもありません。彼ら彼女らが喜んで安く働くとなった場合も、日本人の給料が下がることとなり、日本人が貧困化します。トランプ大統領が支持されたのは、メキシコ人労働者の流入、メキシコ国内で作られた安い製品の米国国内での流入を食い止めるということを主張してきたから。それはいずれも米国人の給料の引き下げを食い止め、雇用も賃金もUPする政策だからです。

                             

                             最大の問題は先の2つの問題と別に、勤勉な労働者ばかりが日本国内に入ってきて、国民の賃金が下がらなかったとしても、犯罪暴動テロが起きる可能性は高まります。フリーライダーは犯罪を犯さなければまだましかもしれません。実際はそうした移民・難民に紛れて、犯罪暴動テロは起こる確率は高くなります。そうした悪意の移民・難民がまぎれなくても、フリーライド化した移民難民が、疎外感からテロ暴動化するというホームグランドテロ土壌の発生につながるということも、あり得ます。

                             

                             

                             というわけで、今日はメルケル首相が移民無制限受入宣言から、方針転換せざるを得ない状況になったことをお伝えし、その上で移民・難民の受入が国益を損ねるという論説を述べさせていただきました。メルケルは9月24日の総選挙で与党議席減、移民受入反対派政党第3党躍進の結果を踏まえ、20万人以下とする数値目標を入れざるを得なくなってしまいました。人道主義とやらダイバーシティといったものが、いかに甘い考えであり、ドイツの事例は、人道主義、多文化主義、ダイバーシティーの結果、自国民が不幸になってしまったという典型例であると思います。こうした失敗事例を研究すれば、安倍政権の外国人研修生という名の移民受入が、いかに愚かな政策であるか?ということも理解できるものと思うわけです。

                             


                            スペインのカタルーニャの独立問題について

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                               今日はスペインのカタルーニャ州で起きた独立の是非を問う住民投票問題について取り上げ、安全保障問題について述べたいと思います。

                               

                              <カタルーニャ自治州>

                               

                               カタルーニャ州といえば、かつてオリンピックが開催された都市でもあるバルセロナがあるところです。そのスペインの一部の州であるカタルーニャ州が独立の是非を問う住民投票を実施。この投票について、多くの住民が独立に賛成し、90%の賛成をしたとされています。

                               ですが、投票率は40%くらいで、何回も複数回投票をした人がいるとされており、90%の賛成というのが本当に正しいのか?不明です。

                               

                               カタルーニャの独立は、あくまでもスペインの問題であり、私たちが論評することは内政干渉にあたります。イギリスのスコットランドの独立も同様で、イギリス国内の問題です。

                               

                               この問題について、賛否を意見するつもりはないのですが、一つ気になる点として、ナショナリズムに基づいた独立とは違うのではないかという点です。むしろ、スコットランドとカタルーニャは、ナショナリズムが崩壊してしまった結果、起きている事象のように見えます。

                               

                               カタルーニャ州は、なぜ独立派の人が多いのかといいますと、もともとカタルーニャは民族的にも特色があります。スペインができたのは、イザベル女王とフェルナンド国王が結婚して、カスティーラ王国とアラゴン王国が併合されたときにカタルーニャも併合されました。

                               

                              <カスティーラ王国とアラゴン王国>

                               

                               カタルーニャ州は、スペインの中心都市であり、バルセロナがあるだけでなく、製造業も盛んです。スペインのGDPの20%をカタルーニャで生産しているのです。

                               

                               今回、カタルーニャの人々が独立運動を起こしたきっかけというのが、スペインの中央政府に税金を払っているが交付金が少ないという主張によるものです。結果、カタルーニャの人々は損をしているというのです。

                               

                               この発想をもし日本でいうとすれば、東京都民で同じような考えを持っている人がいないでしょうか?私たち東京都民はたくさんの税金を払っていて、地方交付税交付金は東京都には配分されません。地方交付税交付金は、地方に分配されます。その原資は、東京都民が納める税金です。

                               

                               損得だけで考えれば、東京都民は損をしているという話になりますが、「じゃぁ!東京都は独立すべきだ!」となるでしょうか?橋下徹氏の維新八策とやらも、「大阪府は財政で独立しなければならない!でないと無駄な公共事業で大阪府のお金がボッタクられる」という主張でした。

                               

                               落ち着いて考えていただきたいと思うのですが、ナショナリズムがなければ国家は成立しません。ナショナリズムとは、朝日新聞がいうような「軍隊の足音ガー!」という話ではなく、国民同士の助け合いです。

                               

                               なぜ、東京都の税金が地方交付税交付金として地方に分配されるか?といえば、非常事態が発生したときに、日本の地方の各庁がそれなりに経済力(ここでいう経済力はお金というより復興に必要な供給力)を保持していなければ、助け合うことができません。

                               

                               だから「これだけ払っているのに見返りが少ない」というお金の問題ではないのです。もし、価値観から安全保障を排除して、お金を至上主義として考えれば、東京都民から税金を吸い上げて地方に回すなんてけしからんという話になります。ところが、それが今のカタルーニャの人々の発想なのです。

                               

                               私たち日本でいえば、自然災害大国の日本において、首都直下型地震は必ず起きるでしょう。その時、助けるのは誰でしょうか?地方の同じ日本国民の皆さんに決まっています。米国人でもなければ、中国人でも韓国人でもありません。いざという時にお互いに助け合うということを考えれば、みんなが同朋意識を持ち、かつ経済力を身に着けていなければ、助け合うことはできません。

                               

                               いざという時に助け合うと思えば、「東京都民の税金を吸い上げることはけしからん。だから独立すべきだ!」なんて話はあり得ないのです。

                               

                               ですが、この考えを皆さん当たり前って思っていただけるでしょうか?最近の日本はデフレが長期間続いていることもあり、お金を至上主義に考えている人も多いと思われます。お金だけで考えれば東京都民は損をしています。とはいえ、保険料と同じで、万一の時に助けてもらえるという風に考えることができますでしょうか?

                               

                               首都直下型地震は、いつ起きるか誰にも予想できません。地方都市の人々に助けてもらわなければなりません。いざという時に助け合うという当たり前の感覚を取り戻す必要があるのです。

                               

                               カタルーニャの独立問題は、お金の問題の話です。またイギリスのスコットランドの独立もまた、北海油田の権益を持ち、北アイルランド、イングランドはお荷物だということで、お金の問題です。

                               カタルーニャでいえば、独立した後、いざ戦争や大地震が発生した際に、カタルーニャの人々だけで、助かるでしょうか?グローバリズムの究極は、こうして自分たちの身は自分たちで守るとして、お金が至上主義となって安全保障が崩壊してしまうのです。

                               

                               

                               というわけで、今日はスペインのカタルーニャ独立問題を取り上げました。首都直下型地震では、中国や韓国が助けるはずはないと述べました。3.11のとき、日本の新聞では、米国のトモダチ作戦は報道されました。一方で、米国よりも早く人を派遣し、お金もまた200億円という世界で一番多く寄付した国はどこだったか?それは台湾です。

                               台湾は日本が統治して以来、インフラ整備に力を入れ、文化的にも日本の文化を取り入れた国でした。今でも台湾の年配の方々は、親日の人々が多い。そんな日本が苦しんでいるときに、人をいち早く派遣し、多額のお金を寄付した台湾というのは、例外中の例外。それは、かつての日本が同化政策で、天皇のもと台湾人も日本人と同じように扱ってきたという歴史を歩んだからだといえると思うのです。

                               とはいえ、私たち日本人の安全保障は、台湾人によって成立するものではなく、あくまで私たち日本人でしか成立しようがありません。こうしたことも選挙戦を通じて議論していただきたいとものと、私は思っております。


                              欧州4か国と北アフリカ各国が不法移民に新対策へ

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                                JUGEMテーマ:移民

                                 

                                 今日は、2017/8/29に報じられた「北アフリカ各国と不要移民に新対策」という記事を取り上げ、北アフリカから地中海を渡って入ってくる不法移民について意見します。

                                 下記はNHKの記事です。

                                『NHK NEWS WEB 2017年8月29日 09:07 欧州4か国 北アフリカ各国と不法移民に新対策

                                 フランスやドイツなど、ヨーロッパの4か国の首脳は北アフリカから地中海を渡り流入する不法移民を阻止するため、不法移民を出身国に送り返すなど、新たな対策を目指すことで北アフリカの国々と合意しました。

                                フランスのマクロン大統領とドイツのメルケル首相、スペインのラホイ首相、それにイタリアのジェンティローニ首相は28日、フランスのパリで首脳会議を行い、ヨーロッパで相次ぐテロ対策や難民・移民問題について意見を交わしました。
                                 このうち、リビアなど、北アフリカからヨーロッパを目指して地中海を渡ってくる難民や移民について、リビアや、隣接するニジェールとチャドの首脳も交えて協議が行われました。この中で、各国が連携して密航対策を強化することや、国連の支援も得ながらアフリカで難民申請の手続きを行い、不法移民は出身国に送り返すなど、新たな対策を目指すことで合意しました。
                                 会議のあとの記者会見でメルケル首相は「われわれは経済的な理由からヨーロッパへ渡ってくる人々を明確に区別しなければならない」と述べて、アフリカの国々との協力に期待を示しました。これに対してチャドの大統領が「何年もの間、われわれのパートナーからは同じような声明が出されてきたが、具体的な答えが必要だ」と述べ、ヨーロッパの国々に対して、資金援助を増やすことを求めるなど、ヨーロッパとアフリカの首脳の間で温度差も見られました。』

                                 皆さんに誤解しないでいただきたいのは、今のヨーロッパに渡ってきている移民は、シリアやイラクの移民ではありません。北アフリカとサハラ砂漠以南のブラックアフリカからの移民です。チャド共和国などの中央アフリカからサハラ砂漠を越えてリビアに入り、地中海中央ルートでイタリアに入ってきます。地中海で亡くなる人もいますが、サハラ砂漠でも相当の人々が亡くなっているといわれています。それが万、10万の単位で来ているのです。

                                 

                                 なぜそこまでして移動してくるのでしょうか?理由は人口爆発が原因です。日本の内閣府の2030年の展望と改革のタスクフォース報告書によれば、2030年までにアフリカの人口は約5億人増えるとのこと。プラス5億人です。日本の人口は1億3000万人ですから、この数字の大きさがどれだけか?お分かりいただけるかと思います。

                                 人口が増えてそれだけを養うことができる経済力があればいいのですが、残念ながらアフリカの国々にはそうした経済力がありません。

                                 

                                 現代で考えれば、かつてアジア諸国に対して行ってきた日本の援助があります。日本の政府がお金を貸し付け、日本の企業が受注してインフラ整備するということをやってきました。政府開発援助というもので、ひも付き援助と批判されたことがありましたが、そのおかげでアジア諸国は、経済基盤ができたのです。もちろん、日本企業の競争相手をたくさん作ったという見方もありますが、アジア諸国が自立して経済力を強化できるよう、日本は援助してきたのです。

                                 

                                 日本のアジア諸国に対する政府開発援助と比べれば、アフリカは全く異なります。アフリカ諸国へはヨーロッパ諸国が援助していましたが、お金を渡していただけでした。そのお金で独裁者が武器を購入し、国民弾圧などやっていたため、国内の供給力強化は言うに及ばず、経済成長する基盤ができるわけがなかったのです。そこに人口爆発が発生。そのため、食べられない若者がどんどん北を目指すという状況になっているのです。

                                 

                                 これ、はっきり言って解決策わかりません。どう解決するのでしょうか?これからさらに北を目指すアフリカの若者が増えていくことが予想されているのですが、どうするのでしょうか?

                                 

                                 日本の少子高齢化問題は、若年層失業率の低下をもたらします。嫌味ではなく若者にとって楽な国になっていくでしょう。私はこれはイイことだと思います。なぜならばほとんどの他国は逆だからです。

                                 特に最大の問題はアフリカの若者の人口が増えているにもかかわらず、彼らを養うことができず、結果そうした若者がヨーロッパを目指すという状況。もし、本当にイタリアやスペインやギリシャが自国の国家・国民を守りたいならば、大変言いにくいですが、敢えて批判されても構いませんが、難民を乗せた船を撃沈するしかありません。難民を乗せた船を撃沈して世界に晒せば、さすがにヨーロッパに来なくなるはずです。とはいえ、ヨーロッパでも人道的な問題と騒ぐ連中がいまして、絶対に撃沈することはできないでしょう。

                                 だとすれば、ヨーロッパに移民が入ってくるのは仕方がないかもしれません。そのとき、「我が国の言葉を話せ!」とアフリカ移民に強制できるでしょうか?イタリアに入国したら「イタリア語を話せ!イタリア国民になれ!」のような昔の米国の移民政策ができるでしょうか?

                                 それもできません。なぜならば、ヨーロッパは多文化主義というのがあり、出身国の習慣や文化は維持したままでよいとして、言語も入国した国の言語を話せなくてもいいという考え方があるのです。少しニュアンス異なりますが、私たちの職場でもダイバーシティなんて言葉がよく使われます。グローバリズムを良しとする人からすれば、なんで言語を強制しなければならないの?という考え方があっても不思議ではありません。

                                 

                                 とはいえ、言語を強制しなければ、国民国家を維持することは困難です。移民から見れば、優しい国と考えることもできるかもしれませんが、むしろ残酷で余計に不幸にしているということに気付くべきです。自国の言語を話せない人が雇用されるはずがありません。本来ならば、ダイバーシティとか多文化主義など甘っちょろいことをいうのではなく、文化や言語を強制した方が、絶対に移民のためになります。

                                 ところが、言語や文化の強制は人道的に問題があるとして、多文化主義を推し進めてきたわけですから収拾がつかなくなっているのです。

                                 

                                 このままでいけば、欧州は普通に国民国家が壊れてくるということが予想されます。例えば、イタリアはイタリア人の国ではなくなったり、スウェーデンがスウェーデン人の国でなくなったり、ドイツがドイツ人国家でなくなったりしていくということです。移民受入を止められないとすれば、欧州は普通に崩壊していくということが予想できるのです。

                                 

                                 その点、日本は対処の方法があります。ヨーロッパのように対処方法が無いわけではありません。日本は絶対に外国人労働者を受け入れてはいけないのです。国連の人口部の定義では、「移民=外国に1年以上住んでいる人」と定義されています。日本にいる外国人研修生とやらは、グローバルな定義で見て、全て移民という扱いになります。

                                 ドイツは元々は「外国人労働者を受け入れます!」から始まって、元に戻れなくなっています。ドイツ以外の欧州のダブリン協定やシュンゲン協定締結国についても、移民(=外国人労働者)を受け入れざるを得ず、そうした国々は、自国民のサービスの量・質を削って、移民への援助に資金があてがわれるのです。

                                 しかしながらEU加盟国はマーストリヒト条約で、政府の負債対GDP比率3%以下にしなければならないとする財政の縛りがあります。移民で安い労働者が入ってきてデフレ化してしまい、財政出動が必要だとしても、自国で財政出動することすらできないのです。

                                 

                                 

                                 というわけで、今日はドイツ、フランス、イタリア、スペインの4か国のアフリカ移民対策について取り上げました。アフリカ諸国へただお金を援助してきた欧州諸国と、アジア諸国に対してインフラ基盤の整備を含めた援助をしてきた日本と、どちらが発展途上国に対する支援が優れているのでしょうか?言うまでもなく、ひも付き援助と揶揄された日本の政府開発援助の方が優れています。これは、自国民が自国民の手で経済力強化できるようにするという、かつての第二次世界大戦までの同化政策と同じ発想であると私は思います。欧米列強国の植民地支配と日本の同化政策とは、全く異なることは言うまでもなく、近現代の発展途上国への援助の在り方に対しても、日本のひも付き援助の方が優れていると思うのです。

                                 とはいえ、アフリカの人口爆発のスピードは早く、これまで列強欧米諸国が資金援助しかしてこなかったことのツケが来ているといえます。と同時に経済力はお金ではなく、物・サービスを生産できる供給力であるということも、こうした世界を通じて理解ができるのではないでしょうか?供給力は一朝一夕には築くことはできません。いくらお金を投じても発展途上国にはほとんど意味がありません。インフラ基盤の整備の援助こそ、その国の雇用を直接生み出し、その国の人々が自分の手で豊かになれるという意味で、真の発展途上国の援助につながるものと私は思うのであります。


                                英国メイ政権が関税同盟維持をEUに提案

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                                  JUGEMテーマ:通商政策

                                   

                                   今日は、掲題について意見したく、8/15のブルームバーグ記事「英がEUとの関税協定提案−離脱後に移行期間、通商協定締結を準備も」について意見します。

                                   

                                   記事の概要は以下の通りです。

                                  『Bloomberg News 2017年8月16日 11:06 JST 英がEUとの関税協定提案−離脱後に移行期間、通商協定締結を準備も

                                  メイ政権はEUとの離脱交渉が近く再開されるのに先立ち、2019年3月に予定する離脱後の移行期間を通じて、関税同盟のメンバーに近いEUとの関係を維持したい意向を表明。輸出業者のために関税がなく、官僚主義的な手続きの負担の少ないEUとの通商を確保する今回の提案について、業界ロビー団体は歓迎の意を示した。

                                    英国のEU離脱担当省はまた、移行期間を他の諸国との通商協定締結の準備に充てたい意向を明らかにした。関税同盟に正式に加入すればできない動きであり、EU当局は英国による「いいとこ取り」をけん制している。(後略)』

                                   

                                   イギリス政府がEU離脱を決めたことを報道されてから、日時が経過しました。来る2019年3月末の離脱後を見据えて、EU諸国との貿易関係についての交渉指針を発表したというニュースです。

                                   

                                   2019年3月末に離脱後、一時的にEUの関税同盟を新たに緊密な関係を築くとして、実質的に関税同盟を維持して利益を得て、自分のものにする移行期間を設ける考えです。

                                   

                                   この実質的にEU諸国と関税同盟を維持したいというイギリスの意向は、EU側に通じるのでしょうか?

                                   ドイツとフランスは、イギリスに対して貿易黒字であるため、関税を設けるよりも、関税条件を今と同じルールを維持した方が、得です。

                                   

                                   イギリスは、シュンゲン協定締結国ではありませんが、移民の入国を制限したり、EUで余計な法律を押し付けられる状況を打開して、イギリス国民のための国家になるためにはEUを離脱するのが一番ということで、ブレグジットを強行しました。この動き自体は、法律は自国民で制定し、他国に法律を押し付けるいわれはないとする意味で、主権を取り戻したといえます。

                                   

                                   ただ、イギリスは経済についてはEUと連携を取りたいとしており、ドイツ・フランスとは、今のところ関税協定は維持した方が得策と考えていると思われます。

                                   

                                   とはいえ、このやり方をドイツ・フランスは認めないかもしれません。なぜならば、シュンゲン協定締結国の他の欧州国で、ポーランドやブルガリアなど、ダブリン協定と合わせて移民・難民が押し寄せてくる現状を良く思っておらず、ポーランドでいえば、国境警備を強化するなどしています。

                                   

                                   ベルリンの壁が崩壊して、東欧諸国はEU諸国内で相対的に安い人件費の自国民が、ドイツやフランスやイギリスに出稼ぎに行くということで、メリットが多かったのですが、シリアやイラクの難民は、さすがに想定外だったと思うのです。

                                   

                                   そうした東欧諸国から見れば、イギリスと同様に移民・難民の受入義務やら、法律を押し付けられるといった不満を抱えている可能性があり、イギリスのEU離脱の立ち回りを見て、「こんな風にやれば、EUから離脱できるんだ!」と、イギリスを離脱の前例として真似しようとする可能性があるのです。

                                   

                                   

                                   というわけで、今日は英国メイ首相の今後のEU諸国との関係で、関税同盟維持を提案したニュースを取り上げました。EUは、やがて崩壊に向かうのでは?と私は思います。多文化主義を認めている以上、言語が同一化できず、難民・移民が押し寄せて、自国が自国でなくなってしまうということになるからです。回避するためには、EU離脱しか選択肢はなく、時間の経過とともにそうした問題が噴出して、やがてEUは崩壊すると私は予測しています。


                                  「自国で通貨発行・政府支出ができる日本」と「EUに加盟しているためにできないフランス」どっちが愚かなのか?

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                                    JUGEMテーマ:年金/財政

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                                    JUGEMテーマ:フランスに関するニュース

                                     

                                     今日は、フランスのマクロン大統領の政策について、特にフランスの失業率改善のための方策を論じたいと思います。

                                     マクロン大統領の支持率が就任後わずか3か月で急落し、36%にまで下がったと報じられました。政策面では、政府の負債をGDP比で3%以内に抑えるとするマーストリヒト条約が足かせになっています。

                                     

                                     労働市場の状況は、どうなっているのか?

                                     下記は、欧州主要国と日本の失業率の推移の示したグラフです。

                                    (出典:IMF)

                                     

                                     

                                     このように、フランスは失業率で10%前後を推移しています。2000年〜2008年頃までは、ドイツよりもフランスの方が失業率が低いです。ドイツは、2004年前後は、失業率が10%を越えていました。

                                     

                                     さて、そのフランスについていえば、失業率は10%超で、ドイツが失業率5%を切っているのを見れば、普通にフランスは積極財政をするべきです。

                                     フランスは、インフレ率1%を下回り、長期国債金利も1%を下回っている状況。これ、日本と似ていますね。日本もインフレ率が1%以下で、長期国債金利マイナス金利に突入という状況。そして、ドイツも同じような状況です。

                                     

                                     ドイツが日本と決定的に違うのは、EUとユーロの仕組みを利用して、関税を掛けさせないようにして、ドイツで作った製品をユーロ加盟国に対して、関税ゼロで輸出できるという点です。

                                     しかも、ドイツは2004年前後の失業率10%超の際、不景気であったため、金融政策において公定歩合引き下げの金融緩和を実施しています。そして、ドイツの経済は回復基調となりました。ユーロ加盟国がドイツの輸出攻勢に対して、関税がかけられない以上、ドイツ以外の欧州諸国は着実に対ドイツに対しての貿易赤字が積み上がっていきます。だから、ドイツは、あっという間に景気回復することができました。

                                     そうした外需に頼らなくても、本来なら国内需要を創出することもできたはずですが、そうしなかった。財政支出増による内需拡大ではなく、金融政策で公定歩合引き下げを行い、あとはユーロ圏内の他国への輸出攻勢を強めていったというわけです。

                                     なぜ、ドイツが政府支出増をしないか?理由はマーストリヒト条約があるからです。

                                     

                                     では、フランスもドイツと同じように輸出攻勢を掛ければいいのでは?と思われる方もいるでしょう。とはいえ、フランスとドイツでは、インフラの充実度が違うこと、工業製品の品質でもドイツの方が上である品目が多いこと、結果、フランスとドイツの製品では、価格も品質も競争力はドイツの方が高い。

                                     そのため、フランスとドイツの貿易において、フランスは対ドイツ貿易赤字が積み上がっています。

                                     では、貿易赤字解消のために、フランスは、ドイツ以外の欧州他国に輸出攻勢をすればいいでしょうか?

                                     もし、それをやられると、その国(ドイツ以外の欧州他国)が困ります。

                                     

                                     本来なら、フランスが輸出に頼らずとも自国の需要を創出すれば、欧州の他国の雇用を奪うなどの摩擦を生じることなく経済成長できます。もちろん、自国に技術力がない分野については、自国で供給できませんから、フランスからの輸入に頼ったとしても、関税によって輸入製品の分野について、自国の産業で賄えるよう自国産業育成のために、その税収が使えます。

                                     フランスでいえば、失業率10%でドイツの倍以上、物価上昇率も1%下回って、長期国債金利も1%下回って低迷している状況であれば、間違いなくフランスはデフレですので、普通に国債を発行して政府支出増にすれば、輸出に頼らなくても、雇用は改善して景気回復することが可能です。

                                     

                                     でもフランスは自国の需要創出ができない。なぜならば、EUに加盟しているから、マーストリヒト条約に縛られて財政赤字拡大ができず、国債発行もできません。自国の創出という無駄(私は無駄とは思いません。)を削減しなければ・・・という発想で緊縮財政をせざるを得ません。

                                     その上、ユーロ加盟国は金融政策の独立を認めていません。だからECB(欧州中央銀行)が国債を買い取ってユーロ建てのフランス政府の負債を買い取ることもできません。

                                     つまり失業率が高いのに、政府支出ができないので雇用情勢の改善(失業率の改善)することができないのです。

                                     

                                     そうすると、どうなるか?失業率が高いのは、「フランスの労働規制が強固だからダメなんだ!岩盤規制である雇用規制を取っ払わなければ国際競争力が弱くなる!」というレトリックが使われます。

                                     

                                    ●パートタイムの労働者割合

                                     ドイツ:26.7%

                                     イギリス:25.2%

                                     フランス:18.2%

                                     

                                    ●最低賃金

                                     ドイツ:8.8€

                                     イギリス:8.6€

                                     フランス:9.7€

                                     ※€=ユーロ

                                     

                                     このように、フランスの労働環境は、ドイツとイギリスと比較して、パートタイムの労働者割合が少なく、最低賃金も高く設定されています。グローバリストの方から見れば、フランスは労働者が保護されすぎていると見えるかもしれません。だから規制緩和をしなければいけないという発想、この考え方は竹中平蔵らの主張・論説と全く同じです。

                                     

                                     私の想像ですが、マクロン大統領は、最低賃金は下げなければならない、パートタイマーをもっと増やしていかねばならない、こう思っていると思われます。とはいえ、インフレ率1%を切ってデフレであること、長期国債金利も1%を下回っている状況は資金需要が不足していること、すなわちデフレ状況なわけですから、普通に政府が需要創出すればいいのです。

                                     でも、EUに加盟しているから、ユーロに加盟しているから、政府の需要創出ができません。そこで政府は労働規制の緩和、構造改革を進めていくべきだ!という話になっていくのです。

                                     

                                     最低賃金を引き下げ、企業が労働者を解雇しにくい規制を外し、いつでも従業員を解雇できるようにする、そうすれば国際競争力が上がり、失業率が改善するという話です。

                                     ここでいう国際競争力は、国益と直結しません。単なる価格競争力です。とはいえ、賃金を下げなくても設備投資によって生産性の向上が図られれば、単位労働コストの低下によって国際競争力を高められます。

                                     

                                     日本国内でも、日本人の実質賃金が下がっているのであれば、規制を強化すればいいのです。もしくは韓国の文在寅大統領のように、公務員を増やすでもいいです。例えば介護職員を全員公務員にするとかやればいいわけです。

                                     

                                     そこで立ちはだかるのが、「”いわゆる”国の借金」問題です。財政問題を無理やりクローズアップさせて緊縮財政を強要すれば、企業が競争力を高めるためには、労働者の賃金カット・処遇悪化しかありません。

                                     実際に労働者の賃金カット・処遇悪化を実行した場合、誰が喜ぶでしょうか?それは、グローバル投資家です。

                                     

                                     フランスは、EU・ユーロに縛られ、フランス国民のための政策はできません。何ができるかといえば、グローバル投資家のために利益拡大・配当増額するための政策しかできないのです。

                                     イギリスはEU離脱しますが、フランスも将来EUを離脱しない限り、フランス国民のための政策が打たれることはありません。

                                     

                                     何よりも大事なのは、人々の生活と暮らしです。「その生活と暮らしを壊さないと、国際競争力が回復しない!」という論説は、皆さん納得されるでしょうか?わざわざ生活・暮らしを壊さなくても、もしくは国民が生活・暮らしが壊されるのを我慢しなくても、普通に国債発行して財政出動すれば、経済復活できます。

                                     

                                     日本でいえば、財政拡大をすれば日本国民を豊かにできるのにやらない。財政拡大をすれば「国の借金で破たんする!」と言い出します。それと並行して、派遣労働者を拡大し、法人税減税をやり、企業の純利益を拡大させてグローバル株主を喜ばせるという、日本国民のための政策ではないことが、どんどん実行されています。

                                     とはいえ、日本はEU・ユーロという縛りがないので、本来は「国債増刷」と「政府支出増」が自国ですぐに実行できます。フランスはEU離脱しないとできません。

                                     

                                     この現在の状況、日本とフランスどっちが愚かなのでしょうか?

                                     

                                     

                                     というわけで、今日はフランスの雇用情勢に触れ、雇用情勢(失業率)の改善策について、意見させていただきました。

                                     日本は「国債増刷」と「政府支出増」のパッケージでデフレ脱却するという方策が、普通に自国の意思で可能、即ち自国で解決することが可能です。一方、フランスはEUに加盟しているため、財政政策・金融政策の独立は認められておらず、政府の負債対GDP比率3%以内に収めるというマーストリヒト条約に縛られて、自国で解決することができません。

                                     解決するためには、イギリスと同様にEUから離脱するしかないと考えます。フランスは、EUから離脱した方が、幸せになるでしょう。ギリシャも同様です。

                                     結局、勝ち組のドイツが積み上げた貿易黒字を、国境を越えて負け組を救う制度、日本の地方交付税交付金制度がないため、こうした問題が起きているのです。とはいえ、ナショナリズムを同じにしない国同士が、地方交付税交付金のように、インフラが充実しているドイツ国民が貯めた黒字を、インフラが充実していないフランスに所得移転(勝ち組の国から負け組の国への所得移転)するということは可能でしょうか?

                                     私は不可能と思います。地方交付税交付金は、日本国内の同朋意識を持つ日本人同士の所得移転だから、インフラが充実している東京から法人税・住民税を徴収し、インフラが充実していない都道府県に対して、税の再分配ができると思うわけです。

                                     前大阪市長の橋下徹氏は、「維新八策」の中で、道州制を導入すべきなんて言っていますが、それは自己責任のもと、国に頼らないで地方自治体単位で、歳入と支出を運営するということなのですが、私は大反対です。

                                     EUの問題、ユーロの問題が何なのか?が理解できれば、皆さんも日本の地方交付税交付金の意味、そして優れた制度であることが理解できると思うのです。


                                    「政府の債務残高対GDP比率3%以下」という”3%”に根拠なし!

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                                       今日は、今年5月に就任したフランスのマクロン大統領が3か月経過して、支持率が急落していることについて触れ、EU加盟していることで、プライマリーバランス黒字化、政府の負債残高のGDP比率3%に収めなければならないとする”3%”に根拠があるのか?日本で1997年11月に施行された財政構造改革法と、欧州のマーストリヒト条約について合わせて触れていきたいと思います。

                                       

                                       

                                       下記は毎日新聞の記事です。

                                      『毎日新聞 2017/8/20(日)11:00配信 <マクロン仏政権>緊縮策で支持率急落 外交舞台では存在感

                                      【バルセロナ(スペイン北東部)賀有勇】

                                       フランスのマクロン大統領(39)が5月に史上最年少で就任してから、21日で100日を迎える。就任直後から、外交舞台で存在感を示すことに成功した一方、国内政策では財政立て直しのために歳出削減方針を打ち出したことなどが反発を招き、支持率は40%を切るまで急落。今後も、公約の労働市場改革を進めるが、反発が予想されており難局が続く。
                                       マクロン氏は就任後、オランド前政権で関係が冷え込んでいたロシアのプーチン大統領と会談をこなした。米国のトランプ大統領には、地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」にとどまるよう説得を続け、大国のリーダーと渡り合う姿を印象付けた。さらに、7月には、国家分裂状態が続くリビアの暫定首相と武装組織の指導者の会談を仲介し、停戦合意にこぎ着けた。
                                       しかし、外交舞台で存在感を示したマクロン氏の勢いは、内政への対応でそがれた。
                                       マクロン政権は、財政赤字を国内総生産(GDP)の3%以下に抑えるよう加盟国に求めている欧州連合(EU)の財政基準を満たすことを目指す。このため、7月に学生や低所得者が受給する住宅手当や地方助成金を減額する緊縮策を発表。痛みを伴う改革に反発が広がった。
                                       国防予算の削減方針も打ち出し、異論を唱えた仏軍の制服組トップのドビリエ統合参謀総長に対し、「私がボスだ」とクギをさし、ドビリエ氏の抗議の辞任に発展する事態となった。
                                       また、治安政策でも不評を買った。マクロン氏は、パリ同時多発テロ(2015年11月)後に出された非常事態宣言を解除する代わりに、平時でも治安当局の権限を強化するテロ対策法の制定の方針を示し、「市民生活の制限になる」との反発を招いている。
                                       こうしたマクロン氏の姿勢や政策は「支配欲の強い人間」(仏紙リベラシオン)と、国民の目に映っているとも指摘される。
                                       調査会社IFOPが8月上旬に実施した世論調査では、就任後64%に達した支持率は36%まで下落。オランド前大統領の就任後の同時期(46%)を10ポイントも下回った。(後略)』

                                       

                                       上記記事のほかに、毎日新聞からの引用でグラフを掲載します。

                                       

                                       この通り、早くも大統領支持率が下がっているのです。

                                       日本のワイドショー番組では、マクロン大統領のことを若いとかハンサムとか持ち上げていました。とはいえ、就任当時60%だった支持率は、36%にまで落ち込み、不支持が60%を越えています。この数値、安倍政権に匹敵するといえます。

                                       

                                       あっという間にたったの3か月でここまで下がってしまったわけですが、この数値は、支持者が3人に一人しかいないということであり、半数の支持を得ていないのです。

                                       

                                       もともとフランス大統領選挙において、第1回目の投票で反グローバリズムのルペンとメランションの2人に投票した人が40%いました。メランションに入れた人は、マクロンには投票できない一方、ルペンにも投票できないという人が多かったと言われています。もちろん、ルペンに投票した人がマクロンに入れるはずがありません。結果、大統領選挙の本選挙において棄権した人が多かったのです。

                                       その後に行われた国民議会選挙(日本でいえば総選挙)でも、マクロン率いる共和国前進が圧勝しましたが、ここでも棄権した人が多く、投票率は44%でした。要は2人のうち1人、半数は投票したい人がいないということで、棄権してしまったのです。

                                       

                                       そんなわけで、国民から圧倒的な支持を得たわけではないにもかかわらず、マクロン大統領は、緊縮財政をすすめました。

                                      特に国防費の削減を断固としてやるとして、軍のトップのドビリエ統合参謀総長に反感を買い、辞任されてしまったのです。

                                       

                                       毎日新聞の記事にも掲載されていますが、オランド氏も支持率が低いことに悩まされました。大統領就任後3か月後の数値で比較する場合、マクロンは36%オランドの46%よりも低いと報道されています。

                                       

                                       マクロンの基本は親EUであり、それがフランス国民のためになると思っているわけです。EUの基本はマーストリヒト条約に基づく、財政黒字化、プライマリーバランス黒字化であり、基本は無駄削減の緊縮財政です。

                                       

                                       マクロン政権は、財政赤字額について対GDP比率で3%以内に収めるとし、5900億円の歳出削減を宣言しています。

                                       具体的には、公共事業、防衛費、住宅補助などを削減するとしています。

                                       

                                       この発想自体、日本と似ていませんでしょうか?

                                       思想・発想が、日本の緊縮財政の発想と全く同じです。日本は橋本政権の時の1997年11月に、財政構造改革法が施行され、緊縮財政を法律で定めました。その法律の中で、次のように具体策が盛り込まれています。

                                       

                                      <日本の財政構造改革法>

                                      ●2003年度までに、国と地方を合わせた財政赤字をGDP比3%(1997年は5.4%)以下に抑え、赤字国債の発行をゼロにする

                                      ●公共事業や社会保障を含む主要経費の削減目標値を定める

                                       

                                      <EUのマーストリヒト条約>

                                      ●ユーロ参加の条件として財政赤字を対GDP比で3%以内、債務残高が対GDP比で60%を超えないこと

                                       

                                       いかがでしょうか?日本の財政構造改革法の発想と同じです。しかも定量数値目標で3%の記載があります。この3%という数字、なんか根拠あるのでしょうか?

                                       おそらく、この3%という数字がいかなる意味を持つのか?論理的に説明できる人っていないのではないでしょうか?経済学部の大学教授、エコノミスト、アナリスト、たぶん誰も答えられないのではないかと私は思います。

                                       

                                       はっきり言います。私は、3%以内に収めなければならないとする経済統計的な根拠は全くないので、誰も答えられないと考えます。なぜならば、デフレの場合は、政府が国債を発行して需要を創出し、プライマリーバランスを赤字にして財政赤字を拡大しなければなりません。インフレの場合は、逆に無駄を削減し、プライマリーバランスを黒字にしなければなりません。とはいえ、3%という数字が、社会情勢やら雇用情勢やら金融情勢やら、世界情勢によって何か3%以下でなければならないとする理由なんてのは、無いと思うのです。

                                       

                                       国家は通貨発行権を持たないユーロ加盟国は別にして、本来通貨発行権を持つ国は、自国通貨を発行できるため、インフレの場合は無駄削減でプライマリーバランス黒字化を目標にし、デフレの場合は無駄でも需要創出してプライマリーバランス赤字化を目標にするというように、臨機応変に対応しなければなりません。にもかかわらず3%と決まっているのです。

                                       

                                       この3%という数字目標について、どなたか?ロジカルになぜ3%なのか?教えていただきたいものです。

                                       

                                       

                                       というわけで、日本にしてもフランスにしても、政府の負債残高を減らさなければならないという発想が、国民をどれだけ不幸にしているのか?その根源は、プライマリーバランス黒字化という思考に呪縛された結果なのです。3%には根拠はありません。

                                       プライマリーバランスという指標は、それはそれで意味を持ちますが、経世済民という国内の国民が豊かになることを目指すのが政府の役割だとすれば、”プライマリーバランスは黒字でなければならない”という家計簿的な発想は間違っていると言わざるを得ないのです。ましてや3%に根拠もありません。こうしたことに早く気づき、国債増刷+政府支出増へと政策の転換を早く実行していただきたい。

                                       日本は可能ですが、フランスの場合はEUから離脱しない限りできません。ナショナリズムを否定する発想が根底理念にあるEUは、やがて崩壊せざるを得ないでしょう。

                                       日本は国際協定に縛られず、自国の主権で政策が実行できます。早くこの間違いに気づき、デフレからさっさと脱却するための政策を打っていただきたいと思うのであります。


                                      教科書で語られない16世紀の日本人奴隷(豊臣秀吉の「伴天連追放令」の理由)

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                                        JUGEMテーマ:グローバル化

                                         

                                         今日は、『教科書で語られない16世紀の日本人奴隷(豊臣秀吉の「伴天連追放令」の理由)』と称し、1500年代に日本人奴隷がいたという史実に触れ、「伴天連追放令」を豊臣秀吉が出した背景などを考察しながら、現代におけるグローバリズム、特に「人の移動の自由」についての論説を述べたいと思います。

                                         

                                         

                                         

                                        1.「南蛮貿易」と「朱印船貿易」

                                         

                                         私たちは、歴史の教科書で島原の乱をどのように教わるでしょうか?その前に、2つの貿易について知る必要があります。その2つの貿易とは、「南蛮貿易」と「朱印船貿易」です。

                                         

                                         南蛮貿易とは、16世紀半ばで行われた、来日ポルトガル人と来日スペイン人との間で行われた貿易で、長崎県の長崎、平戸を中心に交易がおこなわれていました。日本からは銀が輸出され、鉄砲、火薬、時計、ガラス、中国産の生糸・絹織物などが輸入されていました。

                                         

                                         朱印船貿易とは、江戸幕府から与えられた朱印状を持った西国の大名や京都・堺(大阪府)・長崎などの商人が、東南アジアなどへ船を出して行った貿易です。日本からは、銀・硫黄・銅・刀が輸出され、中国産の生糸・絹織物、武具用のサメ皮、鹿皮、砂糖などが輸入されました。

                                         

                                         この「南蛮貿易」は「朱印船貿易」と共に、いずれも江戸幕府が鎖国体制を取られる中で終了しています。1635年には、日本人の海外渡航・帰国の禁止により、朱印船貿易の終了、1639年には、ポルトガル船の来航禁止により、南蛮貿易の終了となりました。

                                         

                                         ところで、この「南蛮貿易」「朱印船貿易」が始まってから、鎖国令が出るまでの間に、日本人奴隷が存在し、キリシタン大名が世界に売り飛ばしていたという事実を知っている人は少ないのではないでしょうか? 

                                         ポルトガルといえば、スパイスロード(香辛料の道)において、香辛料以外の商品の交易も盛んにおこなわれていたことで有名です。ところが、スパイスロードにおいて、アジア人奴隷も運んでいました。16世紀〜17世紀の「南蛮貿易」では、ポルトガル人は日本で日本人を奴隷として買い付け、マカオやポルトガルなど、様々な場所で売り付ける大規模な奴隷交易(=人身売買)が発展していたのです。

                                         島原の乱といえば、キリシタン大名の殉職者の悲劇と、豊臣秀吉が排他主義者であることを伝えることはあっても、豊臣秀吉が、日本人が奴隷として売られている事実を知り、激怒したことがきっかけという上述の背景を、日本の歴史教科書には記載していません。

                                         

                                         

                                         

                                        2.なぜ「伴天連追放令」が実施されたか?

                                         

                                         「伴天連追放令」について、なぜ実施されたのか?について、日本の歴史教育では教えません。

                                         実際は、「伴天連追放令」について、織田信長や豊臣秀吉と会見したルイス・フロイスが詳細な記録を残しています。人身売買の事実を知って怒り狂った豊臣秀吉は、1587年7月24日に、イエズス会の副管区長のガスパール・コエリョに対して使者を出し、次の太閤の言葉を伝えています。

                                         

                                        その第一、汝らは何ゆえに日本の地において、今まであのように振舞ってきたのか。…仏僧たちは、その屋敷や寺院の中で教えを説くだけであり…汝らのように宗徒を作ろうとして、一地方の者をもって他地方の者をいとも熱烈に扇動するようなことはしない。よって爾後、汝らはすべて当下九州に留まるように命ずる。…もし、それが不服ならば、汝らは全員シナ(マカオ)へ帰還せよ。…」
                                        第二の伝言は、汝らは何ゆえに馬や牛を食べるのか。…馬は、道中、人間の労苦を和らげ、荷物を運び、戦場で仕えるために飼育されたものであり、耕作用の牛は、百姓の道具として存在する。しかるにもし汝らがそれを食するならば、日本の諸国は、人々にとってはなはだ大切な二つの助力を奪われることとなる。…」
                                        第三は、予は商用のために当地方(九州)に渡来するポルトガル人、シャム人、カンボジア人らが、多数の日本人を購入し、彼らからその祖国、両親、子供、友人を剥奪し、奴隷として彼らの諸国へ連行していることも知っている。それらは許すべからざる行為である。よって、汝、伴天連は、現在までにインド、その他遠隔の地に売られていったすべての日本人をふたたび日本に連れ戻すように取り計られよ。もしそれが遠隔の地のゆえに不可能であるならば、少なくとも現在ポルトガル人らが購入している人々を放免せよ。予はそれに費やした銀子を支払うであろう。」

                                         

                                         上記の豊臣秀吉の言葉に対し、ガスパール・コエリョは、「奴隷売買を廃止しようと努力しているが、取り締まらない日本が悪い」と返答しました。

                                         この言葉に対し、豊臣秀吉は、更に激しく怒ったとされ、「キリシタンは、いかなる理由に基づき、神や仏の寺院を破壊し、その像を焼き、その他これに類した冒涜を働くのか?」との伝言を持たせて、再びガスパール・コエリョに使者を出しています。

                                         

                                         ガスパール・コエリョは、上述の伝言に対し、「キリシタン大名らが、キリストの教え以外に救いがないと悟り、自ら決断して、それら神仏の像を時として破壊したり毀滅したのである。」と答えました。

                                         このガスパール・コエリョの回答は、いわば自分たちは悪くなく、キリシタンとなった大名たちが勝手にしたことと責任逃れをする内容なのです。

                                         

                                         豊臣秀吉が激怒した理由は、「太閤検地・刀狩り政策」を徹底するにあたり、神社寺院仏閣の破壊を通じた農村秩序の崩壊は、何より脅威だったと思われ、単に人身売買で哀れみで同情したというより、九州の勢力が兵器を大量に保持して、動乱を起こされるのを危惧したのでは?との見方もあります。

                                         もちろん、「南蛮貿易」によって輸入された珍奇な物産や新しい知識に魅惑されることもあったかもしれません。とはいえ、実際の南蛮貿易が日本人の大量の奴隷化をもらたしているという事実を目の当たりにして青天霹靂のごとく、恐れと怒りを抱いたとみることもできるでしょう。それは、「大綱の言葉」の”第三”について人身売買について触れ、”許すべからざる行為”という言葉に表れていると考えることもできます。

                                         

                                         実際、16世紀後半では、ポルトガル本国や南米アルゼンチンにまで日本人が奴隷として送られました。この日本人を奴隷として輸出する動きは、ポルトガル人が種子島に漂着した1540年代終わりころから始まったと考えられています。

                                         奴隷とはいっても、宣教師が夜中に民家に押し入り、誘拐したわけではありません。キリシタン大名や日本人仲介人がそれを幇助していたとされています。キリシタン大名らは、密貿易と若い女性の身体と引き換えに、火薬や武器の輸入していたのです。

                                        現代の倫理観も、グローバリズムで崩壊していると思えるのですが、こうして奴隷となった日本人は、自己責任なんでしょうか?当時の倫理観でいえば、キリシタン大名は、人を家畜のように売っても罪悪感を感じなかった可能性もあります。

                                         

                                         1582年(天正10年)に、ローマに派遣された有名な少年使節団の一行が、世界各地で多数の日本人が奴隷の身分に置かれているのを目撃し、驚愕しているという記録があります。

                                         

                                         その中の人物に千々石ミゲルという人物がいます。天正遣欧少年使節(てんしょうけんおうしょうねんしせつ)の一人です。肥前国に生まれた安土桃山時代から江戸時代初期の武士です。

                                         キリシタンとなって、天正遣欧少年使節の4人のうちの1人で、唯一キリスト教を棄教した人物として知られています。千々石ミゲルは、旅行先でこう述べています。

                                        「(前略)このたびの旅行の先々で、売られて奴隷の境涯に落ちた日本人を親しく見たときには、道義をいっさい忘れて、血と言語を同じうする同国人をさながら家畜か野獣かのように、こんな安い値で手放す我が民族への激しい怒りに燃え立たざるを得なかった。」

                                         このように千々石ミゲルもまた、豊臣秀吉と同様に、奴隷貿易について悪しきものと捉えていたのです。

                                         

                                         

                                         

                                        3.「ドイツNGOとイタリア政府」と「ポルトガル人・キリシタン大名と豊臣秀吉」

                                         

                                        下記は2017年8月4日に放映されたNHKニュースです。

                                        『2017年8月4日 NHK 難民援助の船を密航ほう助容疑で拿捕 イタリア

                                        アフリカからヨーロッパを目指して地中海を渡る難民や移民を送り出している密航業者と連絡を取り合い、密航を助けたとして、イタリアの検察は難民や移民の救助を行うNGOの船を拿捕(だほ)したことを明らかにしました。
                                         地中海ではアフリカからヨーロッパを目指す難民や移民を乗せたボートが沈むなどして死亡したり行方不明になったりする人が相次ぎ、複数のNGOが船で救助活動を行っています。
                                         こうした中、イタリア・シチリア島にある都市、トラパニの検察は2日、密航を助けたとして、救助活動にあたってきたドイツのNGOの船を拿捕し、船内を捜索して乗組員に事情を聴いたことを明らかにしました。
                                         検察官は会見で、この船の乗組員が難民や移民を送り出している密航業者と去年、3回にわたって連絡を取った証拠があるとして「不法移民を助ける犯罪行為だ」と非難しました。その一方で、検察官個人としてはNGOが連絡をとった理由は難民や移民の命を救うための人道的なものだと確信しているとしています。
                                         拿捕された船を所有するドイツのNGOは、インターネット上に出した声明で船が捜索を受けていることを認め「命を救うことが最優先であり、現在活動ができないことをとても残念に感じている」とコメントしています。』

                                         

                                         このニュースで出てくるドイツのNGOの手法は、公海上で難民を待ち受け、イタリアに輸送するという手法です。拿捕されたドイツのNGOの手法は悪質です。なぜならば、欧州はダブリン協定という国際協定で、難民が最初に到着した国で申請して受け入れることが義務付けられているからです。その結果、イタリア政府の財政が圧迫され、イタリア人の行政サービスが削られます。

                                         イタリアは、EUに加盟していますので、マーストリヒト条約によって、政府の負債対GDP比率3%以下を義務付けられています。自国以外の難民受け入れを義務付けられ、難民に対して財政支出する一方、政府の負債対GDP比率3%以下という制約がある以上、イタリア市民の行政サービスを削らなければなりません。

                                         ドイツのメルケル首相や、フランスのマクロン大統領は、イタリアに対して「もっと努力しろ!」とでもいうのでしょうか?グローバリズムの発想とは、シュンゲン協定、ダブリン協定を前提として、技術力の高いかつインフラが進んだドイツらと関税という盾なしで競争し、EUに加盟することで自国で法律も作れず、結果は自己責任ですというのがグローバリズムの発想。

                                         「人の移動の自由」が正当化され、難民と言えども、自由に欧州に受け入れるべきだとする発想です。その結果、自国民が行政サービスを削られる、低賃金労働者として採用される難民の人々と、賃金競争に晒される。こういう結果も、「自己責任です!」ということでグローバリズムでは善とされるのです。

                                         

                                         もっともドイツのNGOは、上述を隠します。表面的には「密航してくる移民の生命を助けるという人道的な観点から、密航業者と連携している」と主張するでしょう。とはいえ、そうした動きはリビアの密航業者のビジネスに加担していることに変わりなく、「ビジネスで利益が出ればよいのでは?」と密航業者の「利益」を膨らませる手助けをしていることになるのです。

                                         

                                         ドイツのNGOという偽善者(敢えてこう言わせていただきます!)に対して、「待った!」をかけたのは、イタリア政府という国家権力でした。

                                         15世紀〜16世紀にかけて、世界では奴隷貿易が普通に行われる中、来日してきたポルトガル人のキリスト教の普及活動の陰で、密貿易が行われ、日本人を奴隷として海外に売り飛ばす習慣を、罪悪感を持たないキリシタン大名らが加担して、そうした文化を持ち込んだことに「待った!」をかけたのが、豊臣秀吉でした。

                                         

                                         密航者たちの生命の安全に配慮して人道主義に基づいて密航業者と連絡を取ったドイツNGOと、国家権力を用いてグローバリズムのアフリカ人密航を人道主義に基づいて助けようとしてNGO船を拿捕したイタリア政府、どちらが正しいのでしょうか?

                                         

                                         また、長崎を中心に、ポルトガル人から大量の武器・火薬や、当時では珍しい文化をもたらす一方、人身売買を公然と行っていることを何とも思わなかったキリシタン大名やその日本人仲介人らと、日本人の人身売買に怒り狂ってキリシタンを激しく弾圧した豊臣秀吉、どちらが正しいのでしょうか?

                                         

                                         「南蛮貿易」の話でいえば、自由に貿易をしていれば、西洋の文化や物資や知識などが日本に入ってくることで、日本を豊かにした面もあるでしょう。一方で、「ヒト」の国境を越えた商売の推進を規制するためには、豊臣秀吉による国家権力による規制が必要だったとも言えるわけです。

                                         欧州の場合は、ダブリン協定、シュンゲン協定という国際協定に加え、「多文化主義」「人道主義」という思想を盾にして、「人の移動の自由」が肯定されて、リビアの密航業者の利益に加担しているのです。

                                         

                                         

                                         というわけで、今日は「16世紀の日本人奴隷」について取り上げ、豊臣秀吉がなぜキリシタンを弾圧したか?について触れました。最終的には「価値観」の問題になるとはいえ、「グローバリズムは自由であり、自由であるから善なのです!」という竹中平蔵らが、もっともらしくTVマスコミで発言することに、違和感を覚えます。「グローバリズムが自由だから正しく、規制は悪!」とする論説が、欺瞞に満ちているということも、こうした歴史から学べると思うのであります。


                                        フランスでも始まるか?日本で猛威を振るうデフレ長期化をもたらした緊縮財政!

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                                           東京都議会議員選挙は、都民ファーストの会が圧勝して幕を閉じました。

                                           今日はマクロン大統領の政党の共和国前進がフランス議会選挙で躍進したことについて触れ、「フランスでも始まるか?日本で猛威を振るうデフレ長期化をもたらした緊縮財政!」と題し、フランスの今後の未来について意見したいと思います。

                                           

                                           マクロン大統領の新しい政党の「共和国前進」が単独で過半数の議席を得ました。投票率は44%ということで、今までの最低投票率より10%以上下回った結果となり、投票率が低かったというのが今回のフランス議会選挙の特徴でもあります。

                                           

                                           とはいえ、これは大統領選挙のころから予兆がありました。

                                           第一回大統領選挙において、マリーヌルペンとメランションの2人で、40%弱の票を得ました。ルペンが決選投票まで行き、あの時メランションに入れた人は、反EUのマクロン氏に入れられず、かといってイデオロギー的に極右のルペンにも入れられず、第二回投票の時点で、棄権票が異常に多かったのです。

                                           

                                           その流れを引きずって国民議会選挙=日本で言えば、総選挙です。さすがに日本で総選挙で、参議院議員選挙で44.52%というのが平成7年度にありましたが、衆議院議員選挙で44%という投票率は過去にありません。(我が国の総選挙の投票率は下図を参照)

                                           

                                           44%というフランスの総選挙で、いかに棄権が多かったか?ご理解できるかと思います。

                                           因みに前回の国民議会選挙は57%だったため、10%以上下がったということです。

                                           

                                           マクロン政権は、このまま親EUのグローバリズムを突き進むでしょう。そしてグローバリズムにつきものの「規制緩和」「自由貿易」を推進するために、必ず「緊縮財政」路線が採用されることになります。「規制緩和」「自由貿易」「緊縮財政」は三位一体でセットなのです。そしてこれらの3つは、いずれもデフレを深刻化させる政策のパッケージです。

                                           

                                           日本において猛威を振るい、デフレ長期化をもたらした緊縮財政が、いよいよフランスでも本格的に始まると言えましょう。

                                           

                                           下記はロイター通信の記事です。

                                          『[パリ 26日 ロイター] 2017年 06月 27日 フランス、公共投資削減で年内に財政赤字目標達成へ=経済相

                                          フランスのルメール経済相は26日、新たに全面的な公共投資の削減を実施することで、2017年の同国財政赤字は欧州連合(EU)が上限としている対国内総生産(GDP)比3%におさまるとの見方を示した。

                                          事前にはTF1テレビが、監査当局の今年の財政赤字予想は同3.2%になると報じていた。監査当局は29日に見通しを公表する。

                                          ルメール氏は同テレビの夕方のニュース番組で「29日に明らかになる」としたうえで、「唯一言えることは、年末まで何もしなければ、われわれのコミットメントは達成できないということだ」と述べた。

                                          さらに中央・地方に関わらず、政府の社会事業に関する公共投資を削減しなければならないと指摘。「フランスは公共投資によって身動きが取れずにいる。重要な国家主権のために公共投資を削減しなければならない」と言い、「あらゆる公共投資に関し多くの提案を行っていく」とした。』

                                           

                                          フランスの長期金利:0.717%

                                          2016年通年の失業率:10.1%

                                          若年層失業率:25%

                                          直近のインフレ率:0.9%

                                           

                                          どう考えても、上記経済指標を見る限り、現在のフランスは財政出動を拡大すべき局面です。公共工事を増やして雇用を改善しなければならないはずですが、ロイター通信の記事では、逆で削減を実施するとしています。

                                           

                                          国債金利とインフレ率の両方が低いわけですから、本来は普通に「国債を発行して、政府の財政出動でインフレ率を押し上げる」という政策を取るべきです。

                                           

                                          ところが逆に、ルメール経済相は全面的に公共投資を削減すると言っています。なぜそうなってしまうのか?

                                          理由は次の二つが、フランスの主権を縛っているからです。

                                           

                                          一つ目は、ユーロ加盟国であること。このことにより、金融政策でECB(ヨーロッパ中央銀行)に委譲してフランス国家に主権がないため、日本のように量的緩和政策で国債金利をコントロールすることは、少なくても主体的には行えません。

                                           

                                          二つ目は、EU加盟国(欧州連合に加盟していること)であることです。そもそも、なぜ財政赤字を対GDP比3%に収める必要があるのか?

                                           

                                           

                                          <マーストリヒト条約に基づく、過剰財政赤字是正の手続きの流れ>

                                           

                                           EUを成立させたマーストリヒト条約で、財政赤字を対GDP比3%に収めるという決まりがあるのです。(上図参照)

                                           フランス中央銀行は、今年のフランスの財政赤字対GDP比が3.1%になると予想を発表しました。それを受け、欧州委員会のモスコビシ委員は、マクロン大統領に対し、2017年中に財政赤字削減目標を達成するよう要請しました。上図のマーストリヒト条約の通り、「財政赤字対GDP比3%以下」もしくは「政府対GDP比率60%以下」を満たさない場合、報告書を作成して是正するというルールがあるからです。

                                           

                                           モスコビシ委員は、「フランスの財政赤字は、今後、対GDP比で3%を越えてはいけない」と発言しました。これは露骨な内政干渉であり、本来はフランスは異論反論すべきですが、EUとは、そういう国際協定であるため、許されます。

                                           そうした内政干渉や、自国で立法できない、EUの法律を押し付けられるという状態に嫌気を指したのが、イギリス国民であり、EU離脱騒動です。

                                           

                                           フランスはマクロン大統領がEU残留を掲げて当選していますので、当然EU加盟を継続することとなり、財政赤字の額を「主権」に基づいて決めることができないという状況が継続することになります。

                                           その結果、国債金利とインフレ率が双方低いにもかかわらず、公共投資削減に走ることになります。

                                           

                                           日本同様に、フランスは本格的なデフレに突入する可能性は大であると考えます。

                                           フランス国民は、マクロン政権の緊縮財政の下で苦しみ、問題を解決したくても、「ユーロ」「EU」という国際協定の楔によって、解決できないまま、ひたすらグローバリズムに突き進むことになるでしょう。

                                           

                                           

                                           というわけで、今日はフランスのマクロン大統領の政策から見た今後のフランスの未来を意見しました。日本もプライマリーバランス目標という楔のために、いつまで経ってもデフレが脱却できないという状況が続いています。さっさとデフレ脱却できる環境が日本にはあります。フランスとは異なり、グローバリズムに汚染されることもなければ、「ユーロ」「EU」といった国際協定で縛られるものもないからです。そのような観点で、フランスを見てみますと「フランスは今後ますます大変になりそう!」「日本は、まだ解決の策がある!」ということがお気づきになるかと思います。特に、プライマリーバランス黒字化については、すぐにでも廃棄すべきです。

                                           ぜひ安倍政権も、欧州の現状を見ていただき、周回遅れのグローバリズム、移民受入を速やかに辞めていただきたいと思うのです。


                                          イギリスとフランスの選挙を振り返る

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                                             イギリスとフランスで選挙が行われました。今日は改めて選挙結果について振り返ってみたいと思います。

                                             

                                             

                                             

                                            1.イギリスの選挙結果について

                                             

                                             まずはイギリスです。

                                             下院選挙で定数650人のうち、メイ首相が所属する保守党は12議席を減らす318議席で過半数を割ってしまいました。それまで過半数の勢力があった保守党ですが、メイ首相は敢えて選挙を早め、議席を増やしてEU諸国とのブレグジットに臨もうとしていたのですが、裏目に出てしまったようです。

                                             というより、メイ首相がヘタだなと思うのは、メイ首相がEU問題でなく、社会保障問題で緊縮っぽいことを言ってしまったのです。社会保障問題において、年齢がある程度いった人に対して負担増を表明し、収入だけでなく財産にまで税金掛けますよ!と緊縮財政っぽいことを表明したことで人気が下がり、大きく選挙で苦戦してしまったのです。

                                             かつてイギリスの鉄の女と言われたマーガレットサッチャー首相も、人頭税をやるといって選挙でぼろ負けしたことがあります。イギリスの女性政治家は、緊縮財政をやろうとして選挙でぼろ負けしたという歴史があるのです。

                                             メイ首相は議席を増やして一丸となって雰囲気を作ったうえで、EU諸国とブレグジットを交渉していくつもりだったわけですが、国民の支持で強気に出るという方法は難しくなったと思います。

                                             実際、選挙後には10議席ほど持っている小さな他党と閣外協力をすることになりました。

                                             

                                             逆に野党最大の労働党には勢いがつきましたが、だからといってブレグジット自体が変わることはあり得ません。ただ、どういう風に離脱するか?は、これまでと違った影響が出てくるでしょう。

                                             

                                             強硬に行くか?ソフトランディングに行くか?マスコミの報道では、ハードブレグジットとか、ソフトブレグジットとか言われています。本当はメイ首相は全部クリアにして、移民や関税や、自分たちの主権は自分たちで判断しますよ!という風にしたかったと思いますが、今回の選挙結果で少し無理になったと思います。

                                             

                                             メイ首相が「移民受入は拒否し、EUとの関税は”なし”ですよ!」と強気に行けるのか?今後のメイ首相のブレグジットへの対応には注視していきたいと思います。

                                             

                                             

                                             

                                            2.フランスの選挙結果について

                                             

                                             次にフランスです。

                                             5月に新しくマクロン大統領が誕生しました。

                                             その後、国民議会の総選挙の第1回の投票が行われ、議席の確定が5/18に決選投票に持ち越されたもののマクロン大統領の新しい党の共和国前進が大躍進し、過半数の289議席を大きく超える見通しとフランスの公共放送が伝えています。このフランスの選挙結果をどう見るか?一番注目すべきは投票率です。48.7%と50%を切ってしまっているのです。

                                             これは、反EUということでルペンやメランションに投票した人々が、「どうでもいいや!」という状況で投票を棄権してしまっているのです。なんかまるで私の都議会議員選挙への興味が無くなってしまったのと同じです。

                                             

                                             とはいえ、これでマクロン政権は親EUのグローバル政策をやることになります。するとグローバル疲れで反動が大きくなり、次の大統領選挙は大きく状況が変わるのでは?と予測してます。

                                             

                                             マクロン大統領は、「EUはイイじゃない!」という考え方の人です。そのため、ますますフランスとEUは緊密になる一方で、国内のルペンとメランションを支持した人、その数は投票有権者数で棄権した人で、フランス国民の半数の人々が反発することでしょう。

                                             

                                             さらにテロの問題もあります。フランスは未だに非常事態宣言下にあり、テロが頻発しているこの状況で、これを解除することはできません。

                                             加えて若年層失業率も高く、25%近くにも上ります。

                                             

                                            <2015年度の主要国の若年層失業率:単位「%」>

                                             

                                             なぜ若年層失業率が高いか?理由は移民がどんどん入ってきてしまうからです。

                                             シュンゲン協定による人の移動の自由で、グローバリズムを推進すれば、若年層失業率はさらに上昇するかもしれません。今までのひどい状況が、さらにひどくなっていくと私は予想します。

                                             

                                             とはいえ、議席をかなり増やすわけですが、先ほども申し上げた通り、フランス国民の半分のルペン、メランションに投票した人々は投票を棄権しているので、数字的にはフランス国民の30%程度の人々がマクロン大統領に期待しているということになるわけです。

                                             

                                             

                                             

                                            3.他のヨーロッパの国々への影響はいかに?

                                             

                                             グローバリズム、反グローバリズム、どちらも一気に一方的にはいかないということがわかってきました。今後はグローバリズムが少し盛り返す一方で、国民の不満は溜まっていくことになると思われます。そして将来、その状況の下で選挙を迎えるという状況。

                                             これまでと同様にドイツの一人勝ちは続くと思います。何しろ、技術力が他のEU諸国と比べて抜きん出ており、インフラも他のユEU諸国より有利な状況です。しかもドイツの輸出攻勢に対抗して、EU諸国は関税を掛けることができません。そのため、ドイツは他の関税を掛けられないEU諸国に対し、まるでサンドバッグをボコボコに叩くように、輸出を伸ばすことができるわけです。

                                             イギリスはEUから抜けます。フランスはマクロン大統領が「EUはイイね!」という人なので、EUから抜けることは考えられません。

                                             そうなると、フランス国としてどこまでドイツの攻勢に耐えられるか?はたまた、ドイツ以外のEU諸国をサンドバッグ化して輸出を伸ばしていくか?

                                             またEUに加盟した状態であれば、移民の受け入れ(=ダブリン協定)、人の移動の自由(=シュンゲン協定)によるフランス国民の人件費抑制、緊縮財政の押し付けによる政府支出増ができず需要創出ができないという、主権が縛られる状態が続きます。イギリスは主権が縛られるのが嫌だからEU離脱でブレグジットに突き進んでいるわけですが、フランスは、こうした主権喪失状態にどこまで耐えられるのか?私は見ものだと思います。

                                             

                                             以下は、ダブリン協定、シュンゲン協定に関するブログ記事です。

                                            「 欧州域内で広がるシュンゲン協定(=人の移動の自由)への批判 」

                                            「 移民が増え続ける日本(移民政策のトリレンマ) 」

                                            「 「移民・難民受入推進」は後戻りができない愚策! 」

                                             

                                             

                                             というわけで、今日はイギリスとフランスの選挙結果について振り返り、私見を述べさせていただきました。


                                            フランス・韓国の大統領選挙結果と反グローバリズム

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                                              5/7にフランス大統領選挙で、マクロンがルペン候補を抑えて、マクロン大統領が誕生いたしました。

                                              今日は、改めて主にフランス大統領選挙を振り返り、反グローバリズムについて意見いたします。

                                               

                                              フランス大統領、韓国の大統領選挙、双方の国に共通することは、グローバリズムによって国民生活が破壊されているということです。

                                              物・人・カネの国境を越えた移動を自由化して、規制緩和して財政は緊縮財政・均衡財政(=赤字にしないようにすること)とし、社会保障削減、公務員削減なんてことばかりやっていくと、若い世代から職が無くなって不満が貯まります。

                                              フランスと韓国は、その点が共通している国家です。

                                               

                                              文在寅を支持したのは若者で、グローバリズムの悪影響を受けた世代です。

                                               

                                              <2015年度 主要国の若年層失業率> 

                                                                                (単位:「%」)

                                               

                                              2015年度の主要国における若年層失業率を見ますと、

                                              フランス:24.7%

                                              韓国  :10.4%

                                              日本  : 5.3%

                                               

                                               スペイン・ギリシャの49%という数字もひどいですね。若者が人材として育たない。どれだけ優秀な大学を卒業していようと、就労経験がなければ人材になり得ません。そういう意味でフランスの24.7%という数字もまた4人に1人は、人材に育たない環境と言えます。日本は世界で一番恵まれているということが、上記のグラフでお分かりいただけると思います。

                                               

                                               ところで、韓国の10%は、数字のマジックがありまして、実は、韓国政府は若い世代の失業率について、国際標準の15−24歳「若年失業率」ではなく、オリジナルな15−29歳の「青年失業率」で公表しています。当たり前ですが、25歳から29歳までの若者は、15歳から24歳と比べると、仕事を得ている可能性が高い。すなわち、韓国の青年失業率は、若年層失業率よりも低くなる傾向があるのです。

                                               

                                               さてフランス大統領選挙では、マクロン大統領が誕生しましたが、メランション氏の左翼党、ルペン氏の国民戦線と同様に、反EUを掲げ、20%もの票を得ています。

                                               反EUの人々が、第1回投票で40%、メランションとルペンに投票をしているのです。

                                               

                                               メランション氏は、もともとはヨーロッパ連合を支持していたのですが、実際にEUに加盟してみたら、経済自由主義(=グローバリズム)で、欧州連合が汚染されて民主主義が実現できず、欧州連合に反対するようになった人物です。

                                               

                                              グローバリズムが問題なのは、「グローバリズムをやればうまくいく!」という、これを国際法・国際協定で固定化することに問題があります。

                                               

                                              フランスには移民が入ってきて、既存の労働者が困って、苦境に陥っています。

                                              でも移民は制限できません。少なくてもEU加盟国は移民の制限ができません。

                                              シュンゲン協定とダブリン協定で制限ができません。シュンゲン協定を締結していなくても、EUに加盟していれば、マーストリヒト条約という国際協定により、労働者の受入を拒否することができないのです。

                                              シュンゲン協定を締結しているか否かで違うのは、イミグレーションで入出国審査をしないかするか?の違いだけです。

                                               

                                              緊縮財政についても、オランド大統領は緊縮財政をやっていました。

                                              マクロン大統領も緊縮路線を取ると言っています。公務員12万人を削減すると言っています。

                                              この点は韓国の文在寅大統領が公務員を81万人増やすと宣言したのと異なります。

                                               

                                              これをフランス国民が主権に基づいて緊縮財政を反対して、積極的な財政運営にしたり、韓国の文在寅大統領のように公務員を増やすということは、EUに加盟している限りできません。

                                               

                                              マーストリヒト条約によって、財政赤字はいくらまで?とか決まっているからです。

                                              いわば、主権が無くなってしまうというのが、EUに加盟することの真実です。

                                               

                                              かつてフランスのオランド大統領は、「グローバル金融は敵だ!」と言っていました。

                                              しかしながら、EUに組み込まれているために、どうにもならなかったのです。

                                               

                                              イギリスのメイ首相は、それを知っているから、だからEU離脱という道を選びました。

                                               

                                              フランスは、イギリスのようにEU離脱まではいかなかったですが、これからのヨーロッパは、「グローバリズムですか?」「反グローバリズムですか?」という方向にならざるを得ないのが、歴史の流れになるでしょう。

                                               

                                              今のフランスは大変な状況です。

                                              さっきも触れましたが、2015年のフランスの若年層失業率は24.7%で25%近い4人に1人が失業という状況。

                                              若年層失業率は、労働市場に参加していない人、例えば主婦や学生は入っていません。

                                              実際に働きたい意思がある若者での失業率が4人に1人の24.7%なのです。

                                               

                                              表にはありませんが、若年層失業率ではなく、全体の失業率でもフランスは10%超です。

                                              よくある誤解で「ヨーロッパは社会保障が充実しているから失業率が高くなるんだよ!」と言われます。

                                              そんなこと言ったら、今のドイツはどうなるでしょうか?

                                              21世紀初頭はITバブル崩壊を受けて、ドイツ経済が一気に失速し、2005年にはドイツは失業率が10%を越えました。

                                              そのときフランスの失業率は7%〜8%程度です。

                                               

                                              その後、ドイツにユーロのシステムをうまく利用されて、金利を下げる必要がなかったのに、ドイツのためにユーロ加盟国全部の国が金利を引き下げました。ユーロ加盟国間同士では、当たり前ですが、為替レートの変動がありません。何しろ通貨がユーロに統一化されているのですから。

                                               

                                              ドイツ製品が欧州諸国、具体的にはフランス、イタリア、スペイン、ギリシャに輸出されていく形で、またユーロ危機が深刻化すると思いきや、ユーロの価値が下がってユーロ圏外に向けた輸出を拡大するという形で、ドイツが追いつきました。

                                              結果、フランスの失業率は上昇して10%になってしまったのです。ドイツは日本の失業率の次に良くて4%台。

                                               

                                              でもフランス国民はどうにもなりません。EUに加盟している限り、ユーロに加盟している限り、マーストリヒト条約でがっちり決まっています。

                                               

                                              マクロン大統領は、グローバリズムの3つ、

                                              「自由貿易」

                                              「規制緩和」

                                              「緊縮財政」

                                              この3つをやっていくことになるでしょう。

                                               

                                              ドイツを中心としたグローバリズム国家に、フランス国民の所得がチューチュー吸い上げられていくことになります。

                                              グローバリズムによる疲弊でより悪化していくことになるでしょう。

                                               

                                              雇用対策で公務員12万人削減すると言っていますが、本来なら、失業率10%超の国で何やっているんだという話です。

                                              公務員削減したら、失業率が増えるのに何でこんなことをするのでしょうか?

                                              グローバリズムは、「自由貿易」「規制緩和」「緊縮財政」の3点セット、これがパッケージであり、この3つは絶対に一つも欠けることはありえないのです。

                                               

                                              なんでそんなことするのでしょうか?欧州連合のルールで、緊縮しなければならないからです。
                                              今のフランス(=フランス国民)は、今後大変な苦労をすることでしょう。

                                               

                                              グローバルに嫌気がさしたというムードはフランスでも間違いなくありました。

                                              そうした人々はメランション氏を支持したかったけど、ルペンが残りました。

                                              メランション支持の人は、マクロンには投票したくないわけです。かと言ってルペンにも投票できない。

                                              結果、25%が白票と無効票になったと言われているのです。

                                               

                                              マクロンが大統領になっても、フランス経済は絶対いい方向にはいきません。

                                              難しいのは、マクロン氏がグローバリズムを推進することで、グローバル疲れが深刻化します。

                                              その場合、次の大統領選挙では、ルペンとかメランションが大統領になって、EU離脱で国民投票になる可能性があります。

                                               

                                              それはそれで過激な改革であり、どっちみち大変なこと。壮大な実験とはいえ、大きなツケを国民が払わさせれることになるのです。

                                               

                                               

                                               そんなわけで、今日はフランスの大統領選挙の結果を踏まえ、マクロン大統領がグローバリズムをさらに推進していくことで、フランス経済がさらに悪化するということを述べました。フランスと韓国は、失業率が高く、グローバリズムに疲れた国民が多い国家という点で共通しますが、韓国の文在寅大統領は公務員81万人増加し、4大財閥を改革すると言っています。とはいえ北朝鮮問題もあり、韓国もまた先行き不透明感が漂います。日本は、外需依存すればするほど、こうした世界情勢のリスクへの感応度が高くなってしまうわけですので、内需拡大へと足腰の強い経済とするよう、政策転換が必要だと思います。

                                               

                                              (左がマクロン大統領、右はマリーヌルペン候補)


                                              男の子の溺死写真がきっかけで、メルケル首相が難民受け入れを推進したことによるドイツ国民の不幸

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                                                JUGEMテーマ:難民受け入れ

                                                 

                                                 フランス大統領選挙について、マクロン候補の当選が確定したようです。

                                                 フランス国民はEU離脱までは望まなかったということでした。グローバリズム対保護主義の戦いは、今後どうなっていくのか?私たちの生活にも影響が出てくる話ですので、ニュースは注目し続けています。

                                                 今日の株式市場は取り合えず上昇といったところでしょう。

                                                 

                                                 さて、今日は掲題をテーマとして、ドイツのメルケル首相について意見します。

                                                 2015年から2016年にかけ、もっとも評判を落とした政治家は、文句なしでドイツのアンゲラ・メルケル首相です。女性の首相ですが、評判のみならず、支持率も大きく下げました。下記は、2016年9月20日のBBC放送によるニュースの記事です。

                                                 

                                                 

                                                「BBCニュース 2016年09月20日 メルケル独首相、移民政策の影響認める 市議選大敗で

                                                ドイツのメルケル首相は19日、自ら率いるキリスト教民主同盟(CDU)がベルリン市議会選で「苦い敗北」を喫したのを受けて、移民受け入れ推進が大敗につながったと責任を認めた。

                                                移民危機を振り返り、メルケル氏は自分の政策は「全体としてまったく正しかったが、究極的には、長いこときちんと事態を制御できていなかった。あの状態を繰り返したいという人は、私を含めて誰もいない」と述べた。さらに、自分の移民政策について理解を求めるため、説明により尽力する必要があると認めた。(後略)」

                                                 

                                                 

                                                 メルケル首相は、2016年9月19日の記者会見で「時計の針をもどしたい」と難民政策の誤りを認めました。2015年に難民受け入れを決意したときのスローガン「われわれは成し遂げられる」については、空虚な決まり文句と化したと指摘して使用は控えるとも語りました。

                                                 

                                                 とはいえ、メルケル首相のいう「時計の針をもどしたい」とは、2015年の難民受け入れそのものに対する後悔ではなく、難民受け入れに際して大混乱が発生したことを受け、「政府の準備が整っていなかった」と認めたにすぎません。別にメルケル首相が、イギリスのメイ首相やフランスのルペン氏、アメリカのトランプ大統領のように、移民・難民制限派に転じたという話ではありません。

                                                 

                                                 メルケル首相が大量の移民受入の決断のきっかけとなったのは、1枚の写真です。(下記を参照)

                                                 

                                                 上記は新聞記事ですが、新聞に掲載されている写真はトルコ沖で、シリア難民の男の子が溺死し、遺体がトルコの海岸に打ち上げられた写真です。

                                                 

                                                 この写真によって、一気に世論が「シリア難民を受け入れろ!」となり、メルケル首相は、

                                                「政治難民受け入れに上限はない」

                                                「われわれは成し遂げられる」

                                                とスローガンを連呼し、ポピュリズム的に難民受け入れ路線を突き進んでいったのです。

                                                 

                                                 ドイツの無制限難民受け入れは、ドイツ社会を不安定化させたあげく、EU諸国の連帯までも壊しました。例えばパスポートのチェックなしで国境を越えることが可能なシュンゲン協定は、有名無実化しています。

                                                 

                                                 メルケル首相は記者会見で、対応に問題があったと認めながらも、「人道的見地から難民に国境を開いた判断自体は完全に正しかった!」と、自分の政治的判断を弁護しています。であるならば、ドイツ国民の「人権」はどうなるのでしょうか?

                                                 

                                                 ウォールストリートジャーナルの2017年4月25日付の新聞記事「ドイツで移民の犯罪急増、選挙控えたメルケル首相に試練」によれば、2017年4月24日に公表された警察当局の数字で、犯罪数が激増したと報じています。

                                                 

                                                ◆◆移民(=難民ならびに難民申請を拒否された人々)が犯した犯罪件数◆◆

                                                2015年 11万4238件

                                                2016年 17万4438件(前年比52.7%増)

                                                 

                                                 犯罪の種類は、窃盗、財産犯罪・文書偽造、身体への危害・強盗・違法監禁が、2/3以上を占めており、麻薬関連や性的犯罪も増えていると報じています。

                                                 

                                                 メルケル首相の間違った判断により、ドイツ国民は、本来遭うはずがなかった犯罪に苦しむ羽目になったのです。犯罪被害者であるドイツ国民の「人権」は、メルケル首相にとってどのような位置づけなのでしょうか?

                                                 

                                                 誤解の無きよう申し上げますと、私は内戦で政治難民と化したシリア人の人道よりも、ドイツ人の人道を優先すべきといった「不毛な議論」をしたいわけではありません。この手の現実的な危機・危険が進行している際に、「人道」とやらを持ち出すのは政治家として極めてずるいと思います。

                                                 

                                                 国民国家の政治家である以上、メルケルはドイツ国民の豊かさや安全に責任をもつ立場にあります。他国民への人道的見解を持ち出して、自国民の幸福を破壊する行為は、一般人ならまだしも、政治家としては許されない態度ではないでしょうか?(といっても、日本にもこの手の政治家は山のようにいますけど・・・)

                                                 

                                                 メルケル首相は、世論の「男の子がかわいそう!他の難民も助けるべき!」という声に迎合し、勇ましいスローガン「政治難民受け入れに上限はない」「われわれは成し遂げられる」を掲げ、難民受け入れを開始したに過ぎないわけです。実際に「シリア難民を受け入れるべき!」と叫んだのは、ドイツ国民でありドイツのマスコミなどです。とはいえ、メルケル首相は政治家として、世論との間に一線を引いて判断をするべきだったと思うのです。

                                                 

                                                 

                                                 そんなわけで、今日は難民受け入れで対処に苦慮しているドイツのメルケル首相を取り上げました。ドイツに限らず、移民を受入れてしまった国々は、今さら移民を追い返すわけにいきません。

                                                 移民政策は「ダメだったら辞めればよい!」というように、時計の針を戻すことができません。改めて「かわいそう!」的で感傷的な世論の声で、ドイツのメルケル首相が難民受け入れを判断したことに疑問を呈すると同時に、ドイツの失敗に見習い、安倍政権は外国人労働者受け入れの推進を止めるべきであると、申し上げたく思います。

                                                 

                                                 


                                                フランス大統領選挙で垣間見る「フランス国民の分裂」と「欧州経済」

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                                                  さて、フランス大統領選挙の決選投票で大勢がもう間もなく判明します。

                                                   

                                                  下馬評では、マクロン前経済大臣が優勢と伝えられています。

                                                  マクロンが勝つと、自由貿易・規制緩和・緊縮財政が推進されます。

                                                  ルペンが勝つと、EU離脱という「革命」的な方向に進み、保護貿易・規制強化・財政出動へという流れになるものと思われます。

                                                   

                                                   イギリスのメイ首相も、アメリカのトランプ大統領も、「保護貿易」「規制強化」「財政出動」を推進しようとし、または既に実行に移しています。

                                                   

                                                  <2017年4月23日第1回フランス大統領選挙で得票1位だった県(出典:AFP通信)>

                                                   

                                                   4月23日に行われた第1回フランス大統領選挙では、候補者で50%の過半数の票を得ることができず、このたびの決選投票に持ち込まれました。上述はAFP通信社からの出典ですが、フランスの東北部と南部の地方はルペンが勝ち、それ以外の地方とパリではマクロンが勝利しました。

                                                   

                                                   この第1回フランス大統領選挙にでは、パリでは、マクロン候補が得票率36%、ルペン候補はたったの5%とマクロン候補が圧勝しています。

                                                   また、人口が多い上位10都市で見た場合、ルペンが所属する国民戦線の地盤のニース、マルセイユ以外では圧倒的にマクロンの圧勝です。フランスの東北部は、炭鉱業が衰退して地盤沈下が著しい工業地帯で、アメリカのラストベルト地帯(イリノイ州、インディアナ州、ミシガン州、オハイオ州、ペンシルバニア州の工業地帯)と同じ錆びれた製造業地帯と言ってもよいでしょう。この地域では、ルペン候補が圧勝しました。

                                                   

                                                   マクロン候補が勝てば、「自由貿易」「規制緩和」「緊縮財政」が推進されます。この場合、競争激化に加えて緊縮財政で政府部門もお金を使わなくなることから、デフレが促進され、物・サービスの値段はさらに下がり、結果的に労働者全体の賃金は下がっていくことになるでしょう。

                                                   ルペン候補が勝てば、EU離脱となって「保護貿易」「規制強化」「積極的な財政出動」が推進されるでしょう。この場合、イギリスのメイ首相、アメリカのトランプ大統領と同様に、自国民ファーストというコンセプトで「保護貿易」「規制強化」「積極的な財政出動」の組み合わせにより、フランスは内需拡大となって国力は強化されます。

                                                   

                                                   グローバリズムを推進すると、物・人・カネの国境を越えた移動の自由を推進することで、国民が「所得階層別」「地域別」「属性」で分断され、国民統合が壊されていきます。産業革命による生産性の飛躍的な向上を興したイギリスを中心とした最初のグローバリズムでは、この壊された国民統合を復活させたのは、戦争(第一次世界大戦)でした。

                                                  今回のグローバリズムへの反応がどのような結末を迎えるか?興味を持っております。

                                                   

                                                   株式市場では既にマクロン候補が勝つことを織り込んでいるという報道が見受けられますが、マクロン候補が勝つ場合、EUに踏みとどまるということで環境が激変しないということから、株価は短期的中期的に上昇するでしょう。とはいえ、「自由貿易」「規制緩和」「緊縮財政」が推進されることになるため、デフレの方向に進みます。スロートレード(各国がデフレで購買力が下がり、物が買えなくなるという事象を通じて貿易総量が減ること)が加速されることになると思われます。

                                                  ルペン候補が勝つ場合、EU離脱で環境が激変して先行き不透明として短期的に株価は下落するでしょう。とはいえ、「保護貿易」「規制強化」「積極的な財政出動」が推進されればフランスの国内需要が高くなり、中長期的には世界経済に好影響をもたらす可能性が高いです。内需が強くなり、国民の購買力が上昇すれば、他国からの輸入も増えます。結果、日本経済にとっても長期的にはいい方向に向かうと思っています。

                                                   

                                                   短期的に最もダメージを受けるのは、輸出に依存する国家です。例えばドイツは輸出依存度は高く「輸出額÷名目GDP」が40%を超えますが、日本は「輸出額÷名目GDP」は16%程度です。もともと日本はGDPの60%を国内需要が占めています。米国も国内需要国にもかかわらずトランプ大統領は、更に国内需要を盛り上げる政策を打っています。即ち日米は共に外需依存度が低く国内需要国なのですが、ドイツやスイス、アジアで言えば中国・韓国といった国は、外需依存度が高い国であるため、影響を受けるでしょう。こうした国々も自国民ファーストで保護主義をとれば国力が強化されますが、おそらくフランス以外の国力の弱い国々への輸出を増やそうとするので、いつまで経っても輸出依存度が高いまま、相対的に国力は弱いままです。

                                                   

                                                   外需依存度が高い国=国力が弱い国です。ドイツが強い国かと言えば、EUとユーロ通貨統一とシュンゲン協定によって、ドイツ以外のEUの国々から貿易黒字を積み上げているというだけの話。EU離脱やユーロ離脱がドミノ倒しのように始まった場合、外需依存のドイツはダメージを受けることになるでしょう。

                                                   

                                                   それでもドイツは高速道路などのインフラが進んでいるので、EU域内の国々と比較すれば、生産性が高い国であることには変わりません。生産性の高い国が、生産性の低い国の関税を認めなければ、水は高いところから低い所へ流れるがごとく、絶対に貿易黒字は積み上がります。ユーロ通貨統一は、単に通貨が統一されただけでなく、ユーロ加盟国間では関税がかけられない、金融政策が自由に打てない(公定歩合の上げ下げなど)といった問題点があるのですが、ドイツはユーロ通貨統一ということで各国の主権(関税や金融政策)を縛っているため、対ドイツの貿易赤字を減らすべく関税をかけたくても、EUに加盟してユーロに加盟している以上、関税をかけることができません。

                                                   

                                                   そんなわけで、今日はフランス大統領選挙について私見を述べさせていただき、今後の株式相場や欧州経済がどうなるか?見通しを述べさせていただきました。


                                                  英国がEU離脱で支払う金額7兆円!

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                                                     今日はイギリスのメイ首相が3月29日、ついにEU離脱を発表したというニュースについて意見いたします。

                                                     

                                                     2017年3月29日、ついにイギリスのメイ首相がEUから離脱を発表いたしました。EU離脱する場合に支払わなければならない金額は、500億ポンド(約6兆9500億円程度)になると、欧州連合のユンケル委員長が説明しました。

                                                     BBCのインタビューで、「EUから離脱するのにお金を払わなければいけないのか?」という問いに対してユンケル委員長が答えました。

                                                     

                                                     ユンケル委員長の言い方には含みがあります。EU離脱を理由に英国を罰するつもりはないものの、他の加盟国が追随することは防がなければならない。イギリスが払うべき金額を科学的に計算すると7兆円前後は支払わなければならないという話です。

                                                     

                                                     しかし、これは非常に違和感があります。なぜならばイギリスにとって、EU欧州連合は常に歳出超です。下表は2013年、2014年の輸出入統計ですが、イギリスからすればEUは輸入が多く、貿易赤字でした。端的に言えばイギリスからしてみるとEUに加盟しているが、EU内の貿易においてEUの他の国からは稼いでいないのです。

                                                     例えば、ドイツは逆です。ドイツは圧倒的に貿易黒字を積み重ねています。ユーロに参加して関税がかけられないギリシャやイタリア等の南欧諸国から稼いでいるだけでなく、ユーロに参加していないイギリスからもドイツは稼いでいます。

                                                     イギリスはEUに加盟していて、EU域内の国から所得を稼いでいるわけではない。にもかかわらず、EUに加盟している限り加盟料を支払わなければならない。だが今まで貿易収支で見返りがなかった。だから問題で、イギリス国民の不満が蓄積していったのです。

                                                     

                                                     分かりやすいのは農業予算です。イギリスは、農業予算についてEUとしての農業政策として資金を負担しています。しかしながら、イギリスには農業予算が付きません。EUに農業予算として資金を吸い上げられても、イギリスに農業予算は付かないのです。こういうのは山ほどあり、ECの時代からあった話です。

                                                     

                                                     とはいえ、これは日本の地方交付税交付金と置き換えれば、イギリス国民がEUに加盟していることの不満が理解できます。例えば日本国内で言えば、地方交付税交付金をもらっていない地方自治体は、世界で比べてもインフラが最も進んでいることから、本社機能が集中する東京都のみです。その他の地方自治体は赤字で、地方交付税交付金をもらっています。これは税収格差を是正し、そのお金でインフラを整備しなさいという意味が込められています。

                                                     日本の都道府県間におけるこうした仕組みは、同じ日本国内日本国民だからできます

                                                     しかしながらEUは所詮、国はそれぞれ別です。民族も異なれば言葉も違う。予算がEUに吸い上げられてなぜ自分のところには予算が付かないのか?という不満を持って当たり前です。

                                                     例えば、東京23区は政令指定都市と比べて権限が制限されています。例えば23区に徴税権がある法人事業税の一部が制限されています。具体的には東京都に納められ、他の23区に再分配されます。東京23区で不満が出ないのは、東京都が上乗せして再分配するから。もともと東京は世界と比べてインフラが進んでおり、本社機能が東京に集中します。結果、法人事業税が多く集まってくるのです。

                                                     大阪府でこれをやったら、上乗せ再配分はできないでしょう。大阪府自体地方交付税交付金をもらっているのですから。例えば大阪市が解体されて、特別区制度が導入されたとして、その特別区は地方税の徴税権が制限され、大阪府に吸い上げられているにもかかわらず、大阪府からの再分配が少ないなどとなれば、その特別区に住んでいる住民に不満が出るのは想像できるのではないでしょうか?

                                                     イギリスでは、このようにEUに加盟料を払っているもののイギリスの国益になっていないということで、国民の不満が貯まり、メイ首相を押し上げたのです。こうした背景を知らず、EU離脱の動きについて「過激なナショナリズム」などと、竹中平蔵氏が楽天証券主催のセミナーで発言したことを私は覚えています。自国民が自国のことを考えることがなぜ「過激なナショナリズム」なのか?私には理解ができません。自国の国益は自国の主権にもとづいて判断し、実行すればいい。

                                                     

                                                     主権を制限される二国間貿易協定(例えば米韓FTA)や多国間貿易協定(例えばNAFTAやTTP)は、いわば主権を放棄することが前提です。

                                                     

                                                     「主権がない」ということはどういうことか?例えば食料安全保障のために国民が飢えることがないように、あるいは海外市場で食物価格が乱高下することによって国民に不利益が出ないように、国産の比重を高めようとして関税を引き上げたいとしても、ユーロ加盟国間またはNAFTA加盟国間で関税を引き上げることはできません。ユーロやNAFTAだけでなくTPPや米韓FTAとは、そういうルールです。

                                                     また、ギリシャ人がギリシャの国で取得した運転免許で、イギリスでトラックを運転するのは危険だから、免許制度を変えたいと思っても、EUに加盟している限り、EUで憲法と法律が作られなければ、できません。自ら規制することができないどころか、EUで作られた法律を押し付けられることもあるわけです。

                                                     

                                                     日本は主権があるわけですが、第二次大戦後まもなく、GHQによって主権が制限されました。現在の日本国憲法は、マッカーサーがホイットニー氏に草案を作らせ、戦争が二度とできないようにということで憲法9条が入ったものを日本に押し付けたものです。押し付けたと言っても当時日本は敗戦国で主権を主張できる環境になく、主権を失っていたのです。

                                                     

                                                     EU離脱の話に戻しますが、イギリスに対して7兆円払え!となれば、これは他のEU加盟国、東欧諸国や南欧諸国の反発を受け、離脱する国が拡大するだけです。

                                                     なぜならば、日本は国際連合や国連やユネスコに莫大な資金負担をしています。

                                                     その莫大な資金を負担する日本が離脱したいというのであれば、日本はお金を払え!というのと同じです。

                                                     

                                                     とはいえ、ユンケル委員長の発言の狙いは、イギリスに次ぐ国が出ないようにすることが目的だと思われます。実際問題としてイギリスが7兆円払うという話は、すぐ消えるでしょう。そうやって脅さないと他のEU加盟国の国民たちが、自分たちも主権を回復したいのでEUを出たいという声が出る。イギリスが簡単に出ているのに、なぜ自分たちは出られないのか?とならないようにするため、他のEU諸国の離脱を防止するために、イギリスに7兆円払え!というおかしなことを言っているのでしょう。

                                                     

                                                     さて、フランスの大統領選挙が行われますが、国民戦線のルペン氏を含め、候補者3人がフランスにおいて徴兵制復活を提言しています。ヨーロッパでは徴兵制は20世紀末に無くなりました。理由は軍事行動自体が労働集約的ではなく、科学的専門的技術的になっていたからです。みんなが専門家になって集団になって戦う。結果、徴兵された兵士が活躍貢献できる場が無くなっていったのです。

                                                     

                                                     フランス国内では今、国内の治安維持は別であり、徴兵制が必要であるという考え方になってきています。これは労働集約的と言えます。例えば、ドローンを使って国内の治安維持とか、まだ実現できないからです。

                                                     

                                                     フランスはEUに加盟して、かつシュンゲン協定とダブリン協定を締結しています。移民を受入れることを義務付けられ、その移民問題に端を発してテロが増えている結果、自由に集会ができず集会自体が禁止されるなど、様々な自由がフランス人は制限されているのです。

                                                     

                                                     既にスウェーデンやバルト三国(エストニア・ラトビア・リトアニア)では徴兵制が復活しています。これはフランスの事情とは異なり、国内のテロ問題というより対ロシア対策です。

                                                     

                                                     こうしてみると世界は、いいか悪いかは別として、時計が逆回転しています。本来、グローバリズムを貫けば、世界はフラットになって平和が続くと思われてきました。一定の自由の元で競争すれば平和が続くというのは、結局無理だったと言えます。

                                                     それがイギリスのメイ首相、アメリカのトランプ大統領、フランスのルペン氏といった政治家の登場と言えるでしょう。

                                                     

                                                     そんなわけで、今日はイギリスのEU離脱について述べさせていただきました。


                                                    スウェーデンは本当に理想国家なのか?

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                                                      JUGEMテーマ:北欧経済

                                                       

                                                      2012224日 読売新聞「[税と安心 一体改革の行方](1)消費税25%、北欧は納得」という記事について意見します。

                                                       

                                                      この記事は、消費税5%を8%に引き上げをするか否か?を巡って当時議論された論説です。概要は以下の通り。

                                                      『「消費税国会」が始まって1か月。「無駄の削減が先」「景気が悪い時に増税などとんでもない」という慎重論も根強い中、なぜ消費税率引き上げが必要なのか。その結果、どんな社会保障の将来像を描けるのか。海外事情も含め、"生活者の視点"から、社会保障・税一体改革の意味を考える。

                                                       安い保育料/育休8割補償/大学無料

                                                       ともにIT(情報技術)関連企業の会社員。平均月収は計7万クローナ(約84万円)を超え、所得税などで3割近い約2万クローナ(約24万円)が源泉徴収される。日本の消費税に当たる付加価値税の税率は原則25%。「確かに税金は高い。だけど納得できる」とマティアスさんは言う。

                                                       それというのも、保育園の費用の大半は市の予算で賄われ、自己負担は2人分で月約1700クローナ(約2万円)。16歳になるまで国から児童手当が支給され、月額2250クローナ(約2万7000円)を受け取れる。授業料も、小学校から大学まで無料だ。

                                                       息子がそれぞれ1歳になるまで、夫婦交代で育児休業をとった時は、給料の80%が国から支給された。インゲルさんは「この国では男女がともに働き、子育てするのが普通。とてもいい環境よ」と笑顔を見せる。

                                                       高負担への納得感は、子育て世帯だけに限らない。

                                                       ストックホルムの職業安定所で、効果的な履歴書の書き方の講習を無料で受けていた男性(27)は、職を失って1年以上たったが、月約1万クローナ(約12万円)の失業手当を受け取っている。男性は「お陰で生活費の心配をせずに職探しに専念できる」と話す。

                                                       スウェーデンの社会保障の特徴は何か。ペール・ヌーデル前財務相の説明は明快だ。「高齢者や低所得者だけでなく、あらゆる世代に給付がある。普遍的な給付のために負担は高くなるが、納めた税金が確実に戻ってくるとの実感があるから国民は負担を受け入れるし、世代間の対立もない」(後略)』

                                                       

                                                      上記の記事について、本ブログの読者は何を感じるでしょうか?「スウェーデンは理想国家であり、日本も消費税増税によって老後の安心を・・・・」という思考プロセスの結果、消費税増税するのが良いと思われる方もいるのではないでしょうか?

                                                       

                                                       また「日本政府は小さな政府を目指すべき。無駄な公務員を削減し、公共工事を削減して支出を少なくするべき!その上でスウェーデンのような高負担高福祉までとも行かなくても、中負担中福祉国家を目指すべき!」というような論説も、新聞でよく見かけました。

                                                       

                                                       こうした論説について、反論させていただきます。 

                                                       

                                                       そもそも、スウェーデンやノルウェーなどの北欧諸国は、労働人口に対する公務員の割合が高く、30%程度に達しているのに比べ、日本は5%程度です。30%程度が公務員となれば北欧諸国では労働人口の約1/3弱が公務員となり、その分政府支出がGDPに占める割合は高くなります。

                                                       

                                                       

                                                       上記はスウェーデンが他国と比べて何が違うのか?政府支出とGDPに占める割合をグラフにしたものです。

                                                      スウェーデンは、社会保障費と社会保障以外の政府支出の合計は、対GDP比50%超ですが、日本は42.5%となっています。

                                                       

                                                       日本は「社会保障以外の政府支出」の対GDP比は、19.4%OECD諸国で下から数えて4番目に低いです。理由は、無駄な公共工事削減、公務員削減として、政府支出を削減してきたからです。米国は「社会保障支出の政府支出」の対GDP比は少ないですが、「社会保障以外の政府支出」の対GDP比は多くなっています。これは軍人(公務員)が多いからです。

                                                       韓国の社会保障支出の対GDP比の少なさも注目です。日本と比べて韓国はGDP比率で半分以下でしか社会保障支出が行われていません。失業者のセーフティネットや病人やら、弱者に厳しく暮らしにくい社会であると言えるでしょう。

                                                       

                                                       話を戻しまして、読売新聞はスウェーデンが理想国家のように報道し、日本において消費税をUPさせるべきであると主張する論説を掲載しました。(他の新聞も消費税を引き上げなければ財政が破たんするという意見は同じでした。)しかしながら、スウェーデンの犯罪率は日本の7倍と言われています。特に昨今は凶悪犯罪が増えています。理由は中東からの移民受入が原因です。

                                                       

                                                       価値観の多様化などの考え方に基づき、スウェーデンは中東から移民を積極的に受け入れてきました。その結果、中東からの移民が30年度には「生粋のスウェーデン人」の人口を抜くと言われています。その中東移民もスウェーデン語を話せない人は、国内で職を得にくいのです。結果、移民の若者の失業率は50%に達し、第一世代や第二世代の移民は職に就けず、彼らが犯罪に手を染め、スウェーデンの犯罪率が高まっているのです。読売新聞に限らず、言論人や政治家の中にも「スウェーデンのような高福祉国家を目指せ!」と息巻く人がいるかと。とはいえ、「安い保育料/育児休暇8割補償/大学無料」といっても、所詮それは政府支出でお金を使っているに過ぎないのです。

                                                       

                                                       要は「政府支出を削減しろ!」「無駄な公務員を辞めさせろ!」という論説は、「スウェーデンが政府支出でお金を使って高福祉が実現している」という事実と矛盾するのです。

                                                       日本はデフレですから、政府支出増によってその財源で公務員を増やして高福祉にすることはデフレ脱却に繋がります。消費増税はインフレ対策であり、デフレに苦しむ我が国において消費増税をする必要はありません。要は「消費税UPすべき!」という結論があるため、スウェーデンの高福祉高負担の話を持ち出したにすぎません。また、生産年齢人口の減少を移民で受け入れれば、スウェーデンのように犯罪が多くなるだけでなく、企業が生産性向上の設備投資をせず、安い人件費として自国民と賃金競争とならざるを得ず、所得が増えにくくなる結果、高度経済成長ができなくなってしまいます。

                                                       結局のところ、スウェーデンは「国民負担が多く、国民への支出が大きい」という国に過ぎず、ある意味で社会主義的な国です。その国家モデルも移民増加や高齢化で崩壊しようとしています。そのスウェーデンは公務員が多いので政府の社会保障が手厚い。逆に社会保障を手厚くしようとすれば、公務員を増やさざるを得ません。「公務員を削減しろ!」といいながら、「スウェーデンを理想国家として目指すべき!」という論説が、矛盾していることに気付かない言論人は、バカかアホとしか言いようがありません。

                                                       

                                                       そんなわけで今日は、高福祉高負担のスウェーデンという国家の「高福祉高負担」とは、所詮公務員が多く、政府支出によって高福祉のサービスが供給されていることを指摘させていただき、一方で移民受入等の問題を多く抱えてしまっていることをご説明しました。私はスウェーデンが理想国家とは呼べないと思います。犯罪率一つとっても、移民受入で後戻りできない状態を見ても、普通に日本の方が住みやすい。「北欧諸国に倣って福祉を充実させるために消費税UP」という論説はデタラメであり、財政問題のない我が国は、「普通に政府支出増で医療費・介護費を充実させれば、デフレ脱却して雇用増・賃金UPになる」ということを改めて主張させていただきます。


                                                      フランス大統領選挙!ルペン氏は極右なのか?

                                                      0

                                                        JUGEMテーマ:経済全般

                                                         

                                                         

                                                         今日はフランスの女性の政治家、国民戦線の党首でマリーヌ・ル・ペン氏について取り上げます。

                                                         

                                                         マリーヌ・ル・ペン氏はフランス大統領選挙の選挙運動の中で、トランプ大統領を取り上げ、トランプ大統領は選挙公約を着実に行動に移していると力説され、トランプ大統領を持ち上げました。

                                                         

                                                         マリーヌ・ル・ペン氏が主張する政策とはどういう政策か?といえば、欧州連合というグローバリズムという国際協定に対して非常に懐疑的。即ちEUやユーロについて懐疑的に見ています。人の移動の自由、物・資本の移動の自由について、もっと制限をかけるべきでは?と主張しています。いわば、トランプ大統領の女フランスバージョンと言えます。

                                                        もっとも国民戦線という政党自体が、上述の主張をしており、ル・ペン氏も以前からこうした公約を掲げていたようです。

                                                         

                                                        政策の具体的な内容は?

                                                        ●警察署・刑務所の増設

                                                        ●公共サービスの充実

                                                        ●移民を厳しく制限する

                                                        ●製造業中心の国家主導の産業政策

                                                        ●輸入品と外国人労働者への課税強化

                                                        ●外国資本の規制

                                                        ●国内産業の補助金支給

                                                         

                                                         フランスは日本以上にグローバリズムが進行してしまった国です。とはいえ、上述の施策は全てグローバリズムに逆行する政策です。これらの政策、日本で安倍政権がすべてを実行すれば、デフレ脱却を果たし、間違いなく国富増強、国力強化につながります。トランプ大統領がやろうとしている保護主義と財政出動の組み合わせは、経済を成長させるための政策として至極全うなのです。にもかかわらず、保護主義といえばグローバリズムに逆行するとか、財政出動といえば借金が増える、などと我が国には相も変わらず、何もわかっていない頭の中がお花畑な思考停止の愚民が多い国家となり、発展途上国化していきます。

                                                         

                                                         私は、日本のマスコミが、ル・ペン氏が率いる国民戦線に対し、極右政党という報道をすることを辞めて欲しいと思うのです。

                                                         例えば、トランプ大統領も極右なのでしょうか?

                                                        「自国民を大切にするため、保護主義をする」という論説は極右なのでしょうか?

                                                        この手のレッテル貼りする人こそ、思考停止に陥ったバカ。頭の中にお花畑が咲いているアホです。

                                                         

                                                         イギリスのメイ首相、フランスのル・ペン氏、米国のトランプ大統領らの論説で、重要なキーワードである「保護主義」は、1年後には標準になっている可能性があります。そのくらい世界ではグローバリズムで自国の産業や雇用やインフラが壊されて、グローバリズムに疲れているのです。日本はデフレという問題を抱えていますが、まだそこまでグローバリズムに疲れていません。とはいえ、周回遅れのグローバリズム路線を突っ走っている感があります。

                                                         

                                                         ル・ペン氏が率いる国民戦線について、おそらく大統領選挙で決選投票にル・ペンが出るのは間違いないでしょうが、従来の発想、レジームで考えれば、絶対にそこで負けることになるでしょう。なぜならば他の政党が大同団結して、ル・ペン氏が過激だとしてみんなで反対に回るからです。でも、英国のメイ首相、米国のトランプ大統領の登場でわからなくなりました。トランプ大統領が登場する1年前に「トランプが大統領になる」と言っていた人は頭がおかしい人というレッテル貼をされていたでしょう。ところが実際にはトランプが大統領になってしまったのですから、ル・ペン氏が大統領になる可能性もあるのでは?と私は思っております。

                                                         

                                                         もちろん日本にとっても株式投資をしている投資家の皆さんにとっても、間違いなく保護主義で各国が内需拡大政策を打ち出す方が世界経済はよくなります。ぜひ、この流れでル・ペン氏が大統領になれば株式市場にとっても上昇要因になるものと思っております。

                                                         

                                                         

                                                         


                                                        地方交付税というバッファーがない共通通貨ユーロの歪んだシステム

                                                        0

                                                          JUGEMテーマ:経済全般

                                                           

                                                           経済の原則の一つに、国際金融のトリレンマというものがあります。今日は「国際金融のトリレンマ」について解説し、ユーロが歪んだシステムであることを皆さんに知っていただきたく、私見を述べさせていただきます。

                                                           

                                                           

                                                          1.国際金融のトリレンマとは?

                                                           

                                                           国際金融のトリレンマとは、次の3つ

                                                          ・固定相場制

                                                          ・資本移動の自由

                                                          ・金融政策の放棄

                                                          上記3つを同時に達成することは不可能という経済政策上の原則です。ユーロ加盟国が「共通通貨」を実現するには、各国が金融政策の独立を放棄し、為替レートを対ユーロ加盟国内どうしで固定相場にしなければなりません。

                                                           

                                                           実は日本では、次の3つは実現されています。

                                                          ・固定相場制

                                                          ・資本移動の自由

                                                          ・金融政策の独立

                                                           

                                                           日本の各都道府県間では、通貨は「日本円」で統一されています。各都道府県間で固定相場制が実現している結果、東京の1円は、北海道の1円と同じ価値を持ちます。

                                                           また日本国内では、各都道府県間の資本移動は当たり前に自由に移動できます。東京で預金した日本円は、大阪のATMで引き出すことができます。都道府県間を超えて「お金」を移動させても、何も問題ありません。

                                                           さらに各都道府県は金融政策の自由を持っていません。中央の日本銀行に統合されています。日本銀行以外の「誰か」が日本円を発行した場合、その「誰か」は逮捕されます。また地方自治体に通貨発行権はありません。

                                                           そして当たり前ですが、日本において都道府県の県境で「関税」をかけることは不可能です。日本国内は完全な「統一市場」ですので、日本国内において県境で「県税」をかけることはできません。

                                                           

                                                           

                                                           

                                                          2.生産性の違いを埋めることができない点がユーロの弱点

                                                           

                                                           このように考えますと、共通通貨ユーロが真の意味で「統一欧州国家」を作ろうとしていたことが理解できるかと思います。

                                                          問題は、ユーロで言えば「各加盟国」、日本国内であれば「各都道府県」の生産性の違いです。

                                                           生産性が異なる国同士が「統一市場」で関税や為替レートの変動といった「盾」なしで真っ向から競争すると、確実に勝者と敗者が生まれます。国家が統一市場で敗者になり、貿易赤字や経常収支の赤字が拡大して、それが続くと最終的には財政危機に陥ります。

                                                           

                                                           日本国内の場合、地域間の生産性の違いを補うために「地方交付税」などの仕組みが完備されています。圧倒的に生産性が高い東京などで国民が稼いだ所得から税金を徴収し、生産性が低い地方を中心に、地方交付税として分配されます。分配された地方は、その税金を使ってインフラ整備に使い、自らの生産性向上を目指すのです。

                                                           

                                                          <資料:ユーロ主要国の経常収支の推移(単位:十億ドル)>

                                                           

                                                           このような生産性の違いを埋める仕組みが共通通貨ユーロにはありません。結果的に生産性が高いドイツは、ユーロ発足後にひたすら対南欧諸国の貿易黒字、そして経常収支の黒字を積み重ねていきました。一方で、南欧諸国のギリシャやスペインやイタリアやポルトガルといった国々は、ドイツ、オランダの輸出攻勢に関税がかけられず、貿易赤字を積み上げ、経常収支を悪化させていったのです。

                                                           

                                                           <資料>をご覧いただければお分かりいただけると思いますが、直近ではドイツとオランダ以外の国は、経常収支が赤字です。本来、ユーロに加盟していなければ関税をかけ、「関税の税収で自国の産業を育成する」「政府支出により雇用を増やす」などにより、貿易収支の黒字化を目指し、経常収支の赤字を改善することができますが、ユーロ加盟国であるがために自国でそれを行うことができないのです。

                                                           

                                                           マクロ経済上、経常収支の赤字とは「対外純負債の増加」を意味します。日本は20169月末で対外純資産325兆円と世界最大の金持ち国ですが、経常収支が大幅黒字であり、その黒字を積み上げた結果です。

                                                          原発を止めて貿易赤字となっても、海外に投資した配当やら貸し付けた利息やらを含めた所得収支が圧倒的に黒字のため、サービス収支、所得移転収支が赤字だったとしても、経常収支は毎年黒字です。

                                                           

                                                          経常収支=所得収支+貿易収支+サービス収支+所得移転収支

                                                           

                                                           高い生産性の日本やドイツ、オランダと比べて、生産性が低い南欧諸国は、関税なし為替レート固定となると自国市場を守ることができず、特にドイツとの生産性の違いを埋めることができないため、毎年着実に対外負債を積み上げていくようになります。

                                                          その結果、最終的には財政危機に陥ってしまうのです。

                                                           

                                                           

                                                           

                                                          3.地方交付税という優れた仕組みについて

                                                           

                                                           ドイツが真の統一欧州国家というものを目指すのであれば、ドイツ国民が稼いだ所得から徴収した税金を、日本の地方交付税のように低生産性諸国に移転する仕組みが必要です。とはいえ、ドイツと南欧諸国はナショナリズムを共有していないため、国家間の大々的な所得の移転となる地方交付税のような分配は政治的に不可能であると思うのです。

                                                          例えば「俺たちが頑張って稼いだのに、その稼いだ富をなんで他国のために分配しなければならないのだ!」と。

                                                           

                                                           前大阪市長の橋下徹などが維新八策として、また日本維新の会が道州制を日本に導入すべきとしていますが、こうした論説は、地方交付税を廃止して地方の税収で、自己責任で収支を管理するべきであるという主張であると、私は思っています。災害大国の我が国において、インフラ整備を自己責任として、地方交付税を廃止すれば、インフラが遅れている地方は、ますますインフラに投資するお金がないために整備が遅れます。結果首都直下型地震や南海トラフ地震で太平洋側を中心に大被害が起きても、インフラが遅れた地方の人々は支援をしたくても支援ができず、安全保障上問題が生じます。

                                                           

                                                           もともと日本は都道府県で、日の丸、国家、日本語という言語、ナショナリズムを共有しています。日本人どうし助け合うという発想がなければ、地震や噴火や津波や洪水水災や大雪災害から、生命の安全を保障することができません。そう考えれば「地方交付税なんてやめてしまえ!」という人は、いないでしょう。橋本徹やら日本維新の会が主張する道州制を導入すべきという考え方が如何に愚かか?ご理解できるのではないでしょうか?

                                                           

                                                           今日は共通通貨ユーロが如何に歪んだシステムであるか?を指摘させていただき、日本にはインフラの遅れた地域に地方交付税という仕組みがあることがどれだけ優れた仕組みであるか?を述べさせていただきました。

                                                           

                                                           

                                                           

                                                           

                                                           


                                                          イギリスのメイ首相のEU離脱宣言について!

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                                                            JUGEMテーマ:経済全般

                                                             

                                                             

                                                             今回は、英国メイ首相の「EUからの完全撤退」宣言について取り上げます。

                                                             

                                                             英国のメイ首相は、2017117日に演説し、「EUから完全撤退」を表明しました。移民の制限など英国の権限の回復のためとしています。EU側は英国を特別扱いしないとし、反発しています。また、財界では交渉が長引くと英国から投資資金が流出しかねないとの指摘もあります。上述の指摘について私見を述べさせていただきます。

                                                             

                                                             

                                                             

                                                            1.自由市場と単一市場について

                                                             

                                                             英国のEU離脱宣言については、まず自由市場と単一市場を理解する必要があります。例えばEUと通貨統一とシュンゲン協定で加盟国が異なります。政治家の方を含め、日本国民の大多数はヨーロッパとか欧州と一括りにして考えていますが、意外と複雑なのです。

                                                             例えば、英国はシュンゲン協定を締結していませんし、ユーロに参加しておらず英国ポンドが存在しますが、EUには加盟しています。スイスはEUにもユーロにも参加していないのでスイスフランが存在しますが、シュンゲン協定は締結しています。またアイルランドはEUとユーロに参加していますが、シュンゲン協定は締結していません。

                                                             こうしたことを踏まえて自由市場と単一市場を理解しましょう。

                                                             

                                                            (1)自由市場(人・物・金の自由)

                                                             (の移動の自由

                                                              「関税をなくしましょう!」ということです。

                                                             ⊃佑琉榮阿亮由

                                                              英国はシュンゲン協定締結国でないですが、EU加盟国なのでマーストリヒト条約により労働者の受入を拒否できません。具体的にはイミグレーションで入出国審査をすることはできますが、労働者の流入を止めることができません。)

                                                             お金の移動の自由

                                                              ドイツ国内のATMで預けた1ユーロは、フランス国内のATMで1ユーロ下ろすことが可能です。

                                                             

                                                            (2)単一市場(国別に異なるではなく同じ)

                                                             …眠澆療一

                                                              ユーロ加盟国はドイツ国内のATMで預けた1ユーロも、フランス国内のATMで下した1ユーロも同じ価値で統一化されています。

                                                             ∨[Г療一化

                                                              EUで制定された法律はEU諸国内で統一して適用されます。

                                                             6睛酸策の統一化

                                                              ユーロ加盟国では金融政策の自由はなく、欧州中央銀行(ECBEuropean Central Bank)に委ねられ、公定歩合操作などの金融政策は統一化されています。

                                                             

                                                             上述の通りEUはここまで統一化自由化をやっています。即ち加盟国は主権がないのです。例えば免許制度について英国国民がもっと安全な運営にしたいと思って立法することも規制することもできません。逆にEUで決められた法律は押し付けられます。自国の主権がないのと同じなのです。

                                                             英国のEU離脱とは、英国が鎖国するという話ではありません。EUはここまで統一化自由化をやって各国の主権を奪っており、英国はどこまで主権を回復するか?統一化自由化された領域のうち、どれをどこまで戻すか?という話なのです。

                                                             

                                                             

                                                             

                                                            2.「EU離脱で英国から企業が撤退する!」は本当か?

                                                             

                                                             メイ首相は「物の移動の自由化」即ち関税を無くすことについては維持し、それ以外は英国国民の主権を考えて判断するとしています。もし、EUが英国を追い出し、英国とは自由貿易をやらず関税引き上げるとなれば、損をするのはEU諸国側です。

                                                             

                                                             下記はJETROで掲載されている指標を表にしたものです。

                                                             

                                                             英国はEU域内において、アイルランド以外は純輸出がマイナスです。これは純輸出のマイナス額が大きければ大きいほど、英国のGDPにはマイナスに働きます。と同時にもし本当にEUが英国を追い出し、「自由貿易もやりません。関税引き上げます。」となれば、損するのはEU側です。特にドイツ、オランダは純輸出額のマイナスが大きい。輸入額で見ても、ドイツ、オランダ、フランスの3か国でEU域内の半分を占めます。即ちドイツ、オランダ、フランスから見れば、英国の輸出額が大きいお得意先です。したがって英国が関税を引き上げればドイツとオランダが最も損します。

                                                             

                                                             私見ですが、「物の移動の自由化については基本的に今まで通り関税無しでやりましょうよ。後はお互いの主権に基づく形で決めましょうよ!」となるような気がします。英国の本音は「物の移動の自由化」についても認めず、関税を引き上げたいかもしれません。とはいえ、もしそれをやれば対英国に貿易黒字であるドイツ、オランダ、フランス、ベルギー、イタリアが損をするわけです。

                                                             

                                                             英国国民から見れば、どうなるか?

                                                            「移民は嫌だ!」

                                                            「余計な法律をEUから押し付けられる!」

                                                            「サービスも免許制度も統一化されて押し付けられる」

                                                            となります。例えば、ギリシャで大型運転免許を取得した人が、英国国内で大型トラックの運転ができるようになる!全部自由化単一市場とはそういうことなのです。そのため、英国のメイ首相は「物の移動の自由化」以外は制限をかけると思います。

                                                             

                                                             何もわかっていないマスコミ(テレビ新聞)らは「そんなことしたら英国から外資系が全部撤退する!」などと叫んでいますが、むしろ英国ポンドが下がっているのでイギリス製品の競争力は上がるという英国にとってはメリットもあります。

                                                             アナリストらの論説では、輸入関税と英国ポンド対ユーロ安となれば、輸入品の値上がりが消費者にデメリットとなるとの指摘もあります。とはいえ、目先デメリットになっても輸入品に保護規制をかけ、英国で自力で生産できるようにしていけば、そのこと自体が雇用を生み出し、国力を強化することになります。

                                                             これは、かつてインド産キャラコに輸入規制をかけて保護貿易を行い、その間に第一次産業革命で蒸気機関を発明して生産性が向上し、高品質の英国産キャラコを低廉な価格で生産ができるようになって、軍事力を背景に逆にインドに関税障壁を下げさせ、英国産キャラコをインドに大量輸出して儲けるようになって英国の国力が強化された歴史的プロセスを知れば、理解ができるのではないかと思います。

                                                             このようにEU離脱については、複合的に評価をしていかなければならない問題であると考えます。 

                                                             

                                                             ただし、EU側は英国だけを許すと他の国も「おれんとこもやってくれよ!(我が国にも関税はゼロでいいからEUを離脱させてくれよ!)」といってくる国が現れることを恐れるかもしれません。英国に有利な形にして離脱を認めるとそういう声が出る。例えば、「こういう形で離脱できるのか!」と東欧のハンガリーやポーランドも考えるかもしれません。

                                                             東欧諸国は安い賃金の労働者を送り出す側であるため、EU離脱で損することもあり得ます。とはいえ、2015年の移民問題のインパクトが強くて、ハンガリーやポーランドが最終的にどう動くか?は私にも予想がつきません。

                                                             

                                                             思えば、第一次産業革命をはじめ、世界の歴史が変わるときは英国から変わってきたものが多くあります。今のグローバリズムが蔓延し始めたのも、英国のサッチャー首相がきっかけでした。

                                                             メイ首相は、グローバリズムを世界的にやめさせる方向に導くトップランナーになる可能性があり、トランプ以上に歴史を変える人物になる可能性があるかもしれません。

                                                             

                                                             

                                                             

                                                            3.経済的な問題と政治的な問題

                                                             

                                                             価値観の問題もありますが、私は国民を意識した国民のための経済政策をするべきだと思っております。メイ首相は元来グローバリストでしたが、グローバリズムを辞めるという判断をしました。一方日本の政治家は「グローバリズムが正しい!」とみんな思考停止しています。

                                                             

                                                             この問題を経済的な問題と政治的な問題で整理してみましょう。

                                                             

                                                            (1)経済的な問題

                                                            ・物の自由化については今まで通り関税かけないでやりましょう!

                                                            ・あとは英国の主権に基づいて勝手にやってください。

                                                            ・欧州連合側が認めれば、欧州連合側も損しません

                                                            ・関税復活です!とやれば損するのはドイツ、オランダ、フランスです

                                                            ・特に対英国への貿易黒字が大きいドイツが一番損します

                                                             

                                                            (2)政治的な問題

                                                            ・英国のような方法で簡単に離脱できるという前例を作ることになります

                                                             

                                                             EU諸国が英国に罰則として関税かけても、WTOで各国がかけることを許される関税税率には上限があります。例えばEU英国の製品に4%の関税をかけますが、せいぜいその程度です。高関税をかければWTO違反となります。結局のところ、貿易に影響があるのは関税協定よりも為替です。ドル円だけで見ても1ドル100円〜120円程度まで1年で20%動きます。

                                                             マスコミ報道の印象操作の影響で、イメージ的には自由貿易が終わったと思われる方が多いでしょうが、貿易は関税かけて関税復活することよりも為替の影響の方が大きく、ユーロ英国ポンドの為替の影響も注視しながらこの問題を見ていく必要があります。

                                                             

                                                             そして、世界的なレジームが変わるとき、英国が先頭でトップランナーとして走り、最終回は日本が追走する。例えば、英国は保護政策を打ち出し始めたのに、日本は未だに中国人を受け入れ、推進しようとしています。

                                                             

                                                            なぜ日本がそうなるのか?

                                                             

                                                             関税が4%で戻ったとしても、ブレグジット以降のポンド安で余裕で取り戻せます。にもかかわらず、グローバリストを推進する人々は「EU離脱は反対!」という思考停止的に結論があり、結論が決まっていて結論を強化するために

                                                            ・投資した企業が損する

                                                            ・投資した資金が流出する

                                                            ・関税復活で保護貿易は時代に逆行する

                                                            という抽象的な言い回しで「EU離脱は反対!」と叫ぶのです。

                                                             

                                                             まだ英国国民が反対するならまだしも、英国国民以外が反対と主張するのは内政干渉に他なりません。英国国民の幸せは英国国民によって委ねられるものであり、その判断は尊重されるべきです。自国の主権を自国に取り戻す!これが、英国のEU離脱の意味なのです。

                                                             

                                                             今日はEU離脱について英国・欧州経済に与える影響とEU離脱を望む英国国民の真意について、私見を述べさせていただきました。

                                                             

                                                             

                                                             


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                                                              永井津記夫 (12/07)
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                                                              故人凍死家 (09/26)
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                                                            • オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス
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