日銀が保有する国債は、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!

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     今日は、「日銀が保有する国債は、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!」と題し、産経新聞の記事を紹介したうえで、下記1〜5の順で論説したいと思います。

     

     

    1.マイナス金利導入の意味とは?

    2.マネタリーベースを増やせばマネーストックが増えるのは本当か?

    3.「日銀当座預金の意味」と「バンクとノンバンクの違い」について

    4.法定準備預金制度について

    5.産経新聞記事に対する私見

     

     

     

     まずは産経新聞の記事を紹介します。

     

    『産経新聞 2018/08/18 21:58 「出口」戦略の障害の懸念も 利上げで債務超過… 日銀資産、戦後初のGDP超え

     日銀の総資産が膨張したことで、将来的に大規模金融緩和を手じまいする「出口」戦略を開始した際に財務体質が悪化する懸念が強まっている。日銀が国債購入で放出したお金は金融機関が日銀に預ける当座預金に入る仕組みで、金利水準を引き上げればその利払い費が増加するからだ。最悪の場合、日銀の自己資本8兆円が消失して債務超過に陥る恐れもあり、出口を検討する際の障害になる。
     三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは「もし総資産の規模を保ったまま利上げに踏み切れば、債務超過もあり得る」と指摘する。
     問題は日銀の収入となる保有国債の利息と、支出となる当座預金の利払い費の差額だ。平成29年度末の国債保有額は448兆円で、利息は1兆2211億円に上る。対する当座預金は378兆円で、利払い費は1836億円。差額の1兆円余りが日銀の収益となる。
     当座預金の金利はマイナス金利政策下で0.1〜マイナス0.1%に抑えられている。ただ、出口戦略で金利を引き上げれば保有国債の金利(29年度は0.28%)を超え、利息の受け取り分を支払い分が上回る“逆ざや”になりかねない。仮に1%利上げすれば単純計算で3兆7千億円規模の利払い費が追加発生するため、数年で日銀の自己資本を食い潰してしまう。
     日銀も出口での損失に備え27年から国債の利息収入の一部を年数千億円規模で引き当てており、国債の購入規模も減額している。また、実際の出口戦略では、まず資産規模を減らしてから利上げに移るといった手法も考えられるため、「逆ざやに陥らないよう工夫して対策を取るだろう」(市川氏)との見方が強い。
     ただ、資産規模ばかり膨らみ、対策のハードルを上げているのは事実だ。日銀は先月の金融政策決定会合で欧米の中央銀行にならいフォワードガイダンスと呼ばれる指針を導入し、超低金利を当面続ける姿勢を明確にした。市場では2%の物価上昇目標達成は難しいとの見方が強まっており、終わりの見えない金融緩和をいつまで続けるのか改めて問われている。(田辺裕晶)』

     

     

     上記の記事は、日銀の金融緩和が継続していることについての懸念をしている旨のニュースです。どのような懸念があるかといえば、2013年以降、アベノミクスの金融緩和で、コアCPI(生鮮食品の価格変動を除く消費者物価指数)で2%上昇の目標を立てていましたが、未だ日本はデフレのため、2%の物価目標達成は難しいと言われています。

     

     デフレ脱却には財政出動が必要ですが、謂れのない借金問題が原因で、国債増刷すらせず、財政出動は無駄遣いとして財政出動をしていません。政府の積極的な財政出動によって需要創出をしない限り、2%の物価目標達成は未来永劫できないでしょう。

     

     物価目標率に関していえば、私はもともと日銀の物価目標はコアCPIではなくコアコアCPI(エネルギー価格と生鮮食品の価格変動を除く消費者物価指数)で、2%目標を設定すべきと思っております。なぜならば原油価格が上昇するだけでコアCPIは上昇するからです。

     日本は原油輸入国ですから、原油価格が上昇しても日本人の所得増にはつながらず、カタールなど中東諸国の所得が増えるだけであり、日銀の物価目標がデフレ脱却だとするならば、輸入価格の物価上昇が主な原因でコアCPIが2%達成できたとしても、GDPは輸入は控除するため、GDP拡大どころか、むしろ伸びを抑制してしまうのです。

     

     

     

    1.マイナス金利導入の意味とは?

     

     日銀の物価目標がコアCPIかコアコアCPIかどちらがふさわしいかという話題はさておき、日銀は2016年1月29日からマイナス金利を導入しました。

     

     理由は金融緩和で、日銀が市中(三菱東京銀行、三井住友銀行、みずほ銀行などメガバンクほか、地銀や信金・信組といった金融機関)から国債を買い取って、銀行の日銀当座預金を増やしていますが、資金需要がなく貸し出しが伸び悩んでいるからです。

     

    <日銀当座預金とマイナス金利のイメージ>

     

     

     上図はマイナス金利のイメージ図です。上図を見れば一目で明らかですが、日銀当座預金全額にマイナス金利をかけるわけではありません。基礎的残高とマクロ加算残高を除く日銀当座預金部分のことを政策金利残高と呼んでいますが、この部分にマイナス金利をかけるのです。

     

     ではマイナス金利導入の意図は何でしょうか?

     

     それは「新規に日銀当座預金に積まないで貸し出しを増やしなさい!」という意図です。

     

     とはいえ、物・サービスの価格を下げないと売れないというデフレ環境下では、資金需要が伸び悩むのは当たり前です。デフレでお金を借りてビジネスをしても儲からないため、銀行への借金の返済が滞る可能性を恐れて、お金を借りてまでしてビジネスをしようとはしないのです。

     

     

     

    2.マネタリーベースを増やせばマネーストックが増えるのは本当か?

     

     「市中に出回っているお金」のことをマネーストックといい、「市中に出回っているお金+日銀当座預金」のことをマネタリーベースといったりもしますが、リフレ派と呼ばれる人々が、「マネタリーベースを増やせば、マネーストックが増える」と考え、財政支出をせず金融緩和だけで景気が良くなると主張してきました。

     

     これは1976年にノーベル経済学賞を受賞したミルトン・フリードマン氏が唱えたマネタリーベースを操作することでマネーストックを増減できるという考え方に基づくものです。私は、この意見には全く賛同できず反対の立場です。

     

     なぜならば需要がない限り、日銀当座預金の残高をどれだけ増やしても、貸し出しが増えることはありません。理由は企業が借入して投資しても、物・サービスの値段を下げないと売れないデフレ化では儲かりにくいため、借入金の返済が滞る可能性が高いからです。つまりマネーストックを増やすことを目的に、マネタリーベースを増やすべく日銀当座預金をどれだけ増やしても、残念ながらマネーストックが増えることはないのです。

     

     事実、現在の日本は日銀が国債を買い取って日銀当座預金を増やす形で、マネタリーベースが増やしていますが、物価上昇率2%目標は達成できていません。

     

     

     

    3.「日銀当座預金の意味」と「バンクとノンバンクの違い」について

     

     もともと日銀当座預金は「お金」であることには間違いありません。ただし一般の支払い(資材などの代金の支払い、従業員などの給料の支払いなど)に使うことができません。物・サービスを買うお金ではないのです。

     

     もちろん銀行は日銀当座預金を取り崩して現金に換えることは可能です。とはいえ、譲渡性という点で日銀当座預金は、現金紙幣、銀行預金、小切手、約束手形などに比べて劣っています。

     

     また日銀当座預金は、私たち家計分野や企業が口座を持つことができず、法定準備預金ということで銀行が保有します。銀行は記帳するだけでお金を貸すことができます。信じられないかもしれませんが銀行は、資金を調達して利ザヤを載せて貸すのではなく、記帳するだけでお金を貸し出すことができます。

     

     例えば皆さんが住宅ローンを3000万借り入れるとして、3000万円の現金をみたことがあるでしょうか?おそらくないでしょう。銀行は預金が集まるのを3000万円待つことなく、貸付金3000万円、お金を借りる人に借入金3000万円とするだけで、お金を貸すことができます。この3000万円借りた個人は、住宅建設会社に建設代金を3000万円支払います。現金で払った場合は、建設会社は受け取った3000万円を銀行に預けるでしょう。もしくは振込払いの場合は、建設会社の預金残高が3000万円増えるでしょう。

     

     こうして裏付けなく3000万円貸し出したお金は、銀行に預金という形で戻ってきます。このとき、経済のパイが3000万円増えることとなりますが、このことを信用創造といいます。バンクと呼ばれる銀行は信用創造の機能を持ちます。経済のパイを拡大する機能を持ちます。ところが、ノンバンクの場合は信用創造の機能がないため、有償無償問わず他から何らかの名目(借入金、社債、新株発行、保険料などの何らかの名目)で調達した上で、利息を付して貸し出します。

     

     消費者金融、商工ローン会社であれば、銀行から有償で借りて、さらに金利を乗せて貸したり、株式を発行・社債を発行・銀行から借り入れなどで調達したお金に金利を乗せて貸す。生命保険会社であれば保険料を集めて、そのお金に金利を乗せて住宅ローンとして貸し出す。などなど。

     

     上述の通り、銀行というバンクはお金を貸し付ける際に資金調達などしなくても、自身のバランスシートに「貸付金」、借主の通帳に「借入金」と記帳するだけでお金を貸すことができて、経済のパイを拡大する信用創造機能を持ちますが、ノンバンクは資金を調達して貸し出すビジネスモデルであるため、信用創造の機能はありません。これがバンクとノンバンクの決定的な違いです。

     

     

     

    4.法定準備預金制度について

     

     銀行などのバンクは、記帳するだけでお金を貸せるため、規制がないと制限なく貸し出しができてしまいます。そこで法定準備預金という制度で、日銀当座預金に日銀が定めた利率の分の現金を預けなければならないと規制しています。

     例えば、法定準備預金の利率が1%だった場合、3000万の住宅ローンを個人に貸し付けたとすれば、その銀行は1%に相当する30万円を日銀当座預金に預ける必要があるのです。

     

     この日銀当座預金には通常は利息が付きません。もともと利息が付かない日銀当座預金でしたが、リーマンショックで世界的に金融危機が訪れた2008年10月から、日銀は日銀当座預金の残高に0.1%の金利をつけることにしたのです。それが先ほどの図の基礎的残高に対する△0.1%です。

     

     とはいえ、日銀は政府が55%の株式を持つ株式会社組織です。日銀と政府は親子関係にあるため、日銀が買い取った国債の金利は国庫納付金として、一般会計に入ります。

     

     本来であれば、利息が付かない日銀当座預金に対して、各銀行の残高の0.1%相当の利息を日銀が銀行に払うということは、一般会計に入るお金の一部が民間の銀行に渡されていることを意味します。

     

     

     

    5.産経新聞記事に対する私見

     

     こうしたことを踏まえますと、産経新聞の記事は、明確に間違っていると断言できます。

     

     産経新聞の記事によれば、日銀の2017年度の決算資料から、日銀当座預金残高が378兆円あり、日銀が銀行に払う利息は1836億円にも上るとのことです。この利息は、上述の「4.法定準備預金制度について」の後段で述べている通り、本来一般会計に入るべきお金を、銀行の経営の補助のごとく銀行に渡しているものです。

     

     もともと日銀当座預金は利息は付きません。ブタ積預金といって金利が付かない口座が日銀当座預金です。

     

     そのため、本来銀行は資金を効率よく運用するため、できるだけ不要な資金を日銀当座預金に預けないで最小限の残高に留めるということをします。

     

     例えば、今日の定期預金は普通預金と金利が同じ水準なので意識しないかもしれません。皆さんの家計では、金利の低い普通預金の残高はなるべく少なくして、残りは少しでも金利が高い定期預金に預けるということをするはずです。

     

     そうした発想と同様に銀行は、日銀当座預金は法定で定められた利率以上に預けないようにするというのが、本来の姿です。

     

     ではなぜ今、銀行は日銀当座預金の準備利率を超えてお金を預けるのでしょうか?

     

     お金を借りてくれる人がいないからです。銀行といえば聞こえはいいですが、消費者金融と比べれば、信用創造の機能があるだけであり、預ける人しかおらず、借りてくれる人がいなければ銀行の経営は破綻します。何しろ銀行の貸借対照表上では、預金は負債だからです。

     

     とすれば産経新聞の記事の「(準備預金の利率を)仮に1%に利上げすれば・・・」というくだりは、何のために1%利上げするの?ということになりませんでしょうか?まさかマイナス金利環境で貸し出しが伸び悩む環境の中、経営が悪化する銀行の補助金を増やすために1%利上げするのでしょうか?これは、もう意味不明としかいいようがありません。真の意味で正常化というのであれば、日銀当座預金の利息0.1%付与を、0.0%に戻すことこそ、正常化です。

     

     だいたい「出口戦略」を語る人の論説の中に、肥大した日銀のバランスシートとして、日銀の金融緩和政策は将来の日銀の経営破綻リスクが高まるなどと、ウソをまき散らす人が多い。「出口戦略」というそれっぽいことを語る人は、なぜか日銀のバランスシートの拡大(=日銀の負債と資産の両方が増えること)を問題視します。

     

     日銀といえども、負債だけ増えるというファンタジーなことはありません。反対側で必ず資産も増えます。簿記が少しわかる人なら理解できるはず。負債が増えて資産が増えるわけですから、日銀の総資産が増えることはあってバランスシートは拡大しても、純資産が減るわけではないのです。仮に日銀のバランスシートが拡大・肥大化して何か問題あるのでしょうか?真に問題にすべきことは、国債を増刷せず市中の国債を買い取り続けた場合、市中の国債が尽きてしまうことではありませんか?

     

     日銀が保有する国債が増えること自体は極端な話どうでもよく、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!なのです。

     

     日銀の当座預金の金利が上昇して日銀の純資産を食いつぶすという論説は、全くをもってデタラメです。記者クラブで財務省職員からそうした説明があったのか?記事を書いた真相は不明ですが、産経新聞の記事には残念に思います。

     

     

     

     というわけで、今日は「日銀が保有する国債は、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!」と題して論説しました。日銀の金融緩和は、財政出動とセットになってこそ、景気浮揚策として十二分に寄与しますが、財政出動をしなければ貸し出しは増えず、景気浮揚効果はありません。

     とはいえ、市中の国債(民間の銀行や信金・信組が保有する国債)を、日銀が買い取ることで、実質的な政府の負債が減少し、新規の国債発行を容易に消化できる環境を作り出していることに意義があります。つまり国債増刷の環境を整えているということです。であるからこそ、「新規に国債増刷」「積極的な財政出動」という政策が打てます。

     にもかかわらず、謂れのない借金問題や、公共事業が無駄であるとか、税金の無駄遣いなどとして、「積極的な財政出動」をしないから、いつまでたっても景気が良くならないのです。

     一刻も早く多くの国民が「積極的な財政出動」こそ、早急に行うべき政策であることに気付いていただくため、私はこの言論活動を続けていきたいと思うのであります。

     

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       今日は2017/11/9のロイター通信の記事で、本田悦朗氏がロイター通信のインタビューに応じ、ポスト黒田総裁に強い意欲を示したと報じられたニュース取り上げます。

       

       記事の概要は下記の通りです。

      『2017/11/09ロイター通信 日銀総裁に就任すれば、全力でデフレ脱却実現する=本田・駐スイス大使

      [東京 8日 ロイター] - 安倍晋三首相の経済アドバイザーとして知られる本田悦朗・駐スイス大使は8日、ロイターとのインタビューに応じ、次期日銀総裁に指名され就任が決まれば、2%の物価目標実現によるデフレ脱却を全力で実現すると述べ、ポストに強い意欲を示した。
      また、消費増税までに強じんな日本経済の実現が必要であり、拡張的な財政政策が必要であるとの見解を示した。
      <目標未達の黒田総裁、続投望ましくない>
      本田氏は、2014年4月の消費増税によってアベノミクスの効果が相殺されたとして、金融緩和と拡張的な財政支出を同時に展開しなければデフレになじんだ人々の物価観を転換することはできないと強調。
      黒田東彦総裁の大胆な金融緩和を評価しつつも「(就任して)5年目なのに物価は(生鮮・エネルギーを除く)コアコアで0.2%しか上昇していない(9月消費者物価指数)。これをどう評価するかだ」と指摘し、デフレ脱却には「人心一新が必要」と強調した。(中略)

      <理想は増税凍結望ましい>
      本田氏は、税収拡大ペースと比較して歳出拡大が緩やかであるとし現状の財政運営を「緊縮的」と表現。企業部門の貯蓄超過が解消されることを目指し、必要であれば補正予算・当初予算の編成を通じ、財政を「より拡張的」にすべきと論じた。
      2019年に予定されている消費税率の引き上げについては「理想的には凍結が望ましい」としつつ、自民党が衆院選で「引き上げを公約とした事実は重い」と指摘。
      現実的には「増税に耐えうる強じんな日本経済を作るしかない」と述べた。消費増税分は「全額社会保障に充当して欲しい」とも付け加えた。
      デフレ脱却を確実にするため「2013年に策定した政府・日銀の共同声明を書き改め、名目600兆円のGDP(国内総生産)を共通目標に掲げるのが望ましい」と指摘した。』

       

       

       本田悦朗氏の主張を整理すると以下の通りです。

      ●アベノミクスの効果が2014年4月の消費増税で相殺されてしまった

      ●金融緩和と拡張的な財政支出を同時に展開しなければデフレになじんた人々の物価観を転換することはできない

      ●黒田総裁の金融緩和策を評価するが、就任して5年目なのに物価は9月の消費者物価指数でコアコアCPIで0.2%しか上昇していない

      ●理想は増税凍結が望ましい

      ●とはいえ自民党が消費増税を公約とした事実は重く、現実的には増税に耐えうる日本経済を作ることに加え、全額社会保障に充当して欲しい

       

       

       第2次安倍政権はデフレ脱却を標榜して誕生しました。アベノミクス第一の矢で金融緩和を実行し、第二の矢で国土強靭化で政府支出を増加してデフレ脱却し、第三の矢の成長戦略(科学技術等への投資?)ということで、政策がスタートしました。

       第一の矢の金融緩和だけは、現在も継続しており、デフレが続く状況において政策的に正しいです。第二の矢の国土強靭化は、2013年度こそ、政府支出を増やした結果、名目GDPで1.9%の上昇を果たし、税収でも6.9%の上昇を果たしています。

       

       ところが、2014年4月に消費増税を実行し、かつ本予算+補正予算が2013年度を下回るという緊縮財政が始まりました。医療介護費の削減やら、公共事業(インフラ投資や教育や科学技術への支出など)の削減をし始めてしまったのです。

       

       同時に、第三の矢の成長戦略は、規制緩和を本丸とした政策となってしまい、デフレギャップの状態、即ち需要<供給の状態で規制緩和をすれば、デフレがさらに深刻化するというブレーキを踏んでしまったのです。規制緩和は供給サイドの強化に繋がることが多いため、需要<供給の状態で規制緩和を進めればデフレが深刻化するということは、少し知識を知っていれば、端からわかっていたことです。

       

       結局、金融緩和だけ継続し、第二の矢は緊縮財政に変わり、第三の矢はデフレをより深刻化する規制緩和を推進するということを5年間継続してきたわけです。本田悦朗氏のいう黒田日銀が就任して5年目なのに9月の消費者物価指数がコアコアCPIで0.2%しか上昇していないという指摘は、安倍政権にとって痛い指摘です。

       

       本田悦朗氏は、金融緩和だけではなく、積極的な財政出動も重要である旨の主張をされていますし、増税凍結が望ましいとも仰っています。私が主張してきた財政支出の増加、増税凍結(もしくは私は減税もありと思います。)を主張されている点で、本田悦朗氏のインタビューの答えは、「うん!まさにその通り!」と称賛したくなるコメントです。

       

       「消費増税をしたとして全額社会保障に充当して欲しい」と最後に希望を述べられていますが、本来は消費増税凍結もしくは減税と言いたいところ、仮に消費増税をするのであれば全額社会保障支出に充当するということも、真っ当な主張です。

       

       なぜならば、2014年4月の消費増税で、財務省は政府の負債の返済に充てた可能性が高いのです。例のプライマリーバランス黒字化やら、”いわゆる”国の借金1000兆円ということで、増税した一部を政府の負債の返済に充てた可能性があります。消費増税5%→8%のとき、3%分すべてが社会保障に使われたわけではありません。

       

       GDP3面等価の原則で考えれば、増税した税金を全額、医療でも介護でも科学技術でも教育でも防衛で核兵器作るでも将来の生産性向上のためのインフラ投資でも何でもいいのですが、消費税の税収以上に必要であれば、国債を増刷して政府が負債を増やしてそれを財源に、上述の支出をした場合、投資=消費=分配 でGDP成長(=経済成長)します。

       

       ところが、借金の返済は、お金と物の対価の交換ではないため、投資にも消費にもならない。端的に言えば誰の所得にもならないため、その分はGDPにカウントされず、所得税も法人税も消費税も取れないということになるわけです。

       

       そういう意味で、本田悦朗氏の主張する、仮に増税するとしても全額支出すべきというのは、社会福祉に限定しているとはいえ、方向性としては正しい主張だと私は思います。

       

       

       というわけで、今日は本田悦朗氏のロイター通信のインタービューでのコメントをご紹介しました。本田悦朗氏が日銀総裁となり、積極的な財政出動を政府に働きかけるとなれば、消費増税8%→10%が与えるダメージ以上に、経済成長するということはあり得ると思います。また、消費増税は景気を冷やすインフレ対策というお考えをお持ちですので、私としては正しい政策をやっていただける有望な人物と思うのです。

       黒田日銀総裁の後継者として、本田悦朗氏が就任されれば、日本は経済成長を取り戻すことができるのではないか?と思います。

       

       

      〜関連ブログ記事〜

       

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      物価目標2%は、どの指数を使うべきか?消費者物価指数は3種類あります!

       

      ●●GDP3面等価の原則について●●

      「国民が豊かになる=実質GDPが成長すること」です。

      GDP3面等価の原則について(「スマートフォン製造」のシミュレーション)

       


      減額が続く日銀の国債買入額

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        JUGEMテーマ:国債

         

         今日は、2017/6/7に掲載された朝日新聞の記事「国債購入「金利」シフト 「80兆円めど」かすむ 日銀」について意見します。

         

         記事の概要は下記の通りです。

        『2017年6月7日05時00分 国債購入「金利」シフト 「80兆円めど」かすむ 日銀

        日本銀行よる国債買い入れの減額が続いている。長期国債の買い増し額を「年約80兆円をめど」にすると公表してきたが、直近の増加ペースは60兆円前後で差が目立つ。昨秋に「金利」重視の政策に転換し、大量の国債買い入れに限界が出つつあるなか、大規模緩和の当初に掲げた「量」は脇に追いやられつつある。(後略)』

         

         

         日銀による国債買入額の減少が続いているというニュースになります。

         長期国債について、年間80兆円をメドにすると日銀は公表していましたが、最近の買入ペースは60兆円前後となっており、80兆円との差が目立っています。

         昨年秋に金利重視の政策に転換し、国債の大量国入に限界が出てきている状況でした。そんな中、大規模金融緩和で当初掲げた80兆円という買入額のペースの量は、とりあえず横に置いた形となり、脇に追いやられつつあります。

         

         国債買入額の減少の理由は、国債市場で日銀が国債を買いにくくなったことも影響しています。日銀の保有国債の総額が発行総額の40%も占めている状況です。特に満期まで1年超〜5年以下の国債が、今年3月から品薄気味となり、2月まで8200億円程度だった1回の買入額が、最近では5800億円程度となっています。

         

         2016年9月21日、日銀はアベノミクス第一の矢で実施していた大規模金融緩和について、方針に変化を加えました。単に国債を年間80兆円ずつ物価上昇率2%となるまで買い続けるというだけでなく、金利操作の目標を入れ込みました。

         

         具体的には、短期金利を▲0.1%、長期金利を0%として、金利のイールドカーブコントロールするというものです。

         ですが、この日銀の2016年9月21日に発表したイールドカーブコントロールと年間80兆円の国債買入は、矛盾します。なぜならば、1年間立たずに物価上昇率2%目標達成したら、80兆円の買入額に満たなくても量的緩和を止めなければなりません。

         

        イールドカーブのイメージ図

         

         年間80兆円の国債買取宣言とイールドカーブコントロールは明らかに矛盾します。

         

         もともと日銀は岩田規久男副総裁らリフレ派の論説を信じ込み、「名目金利=実質金利+期待インフレ率」をフィッシャー方程式「実質金利=名目金利−期待インフレ率」として、右辺から左辺の結果が出る因果式ととらえていました。

         そのため、期待インフレ率を日銀が2%と宣言すれば、名目金利を操作しなくても、実質金利が▲2%となり、金利が下がるから貸し出しが増えるだろう!というのがリフレ派の理論です。

         

         もともと私はリフレ派の理論は間違っているという立場です。何しろ、金利が下がってもインフレギャップで需要がない限り、物・サービスの値段が安く買われる環境では、融資の返済が難しく、資金需要はない、即ち量的緩和をやって期待インフレ率をコミットメントしても、貸し出しは増えないという立場です。

         

         もし、短期金利を▲0.1%、長期金利を0%として、イールドカーブを操作するとするならば、名目金利を操作するということになるわけで、今までの金融政策と矛盾するのです。

         

         名目金利を下げなくても、期待インフレ率を2%目標と日銀が掲げ、あとは量的緩和をやれば、物価上昇率2%は達成できる、とする理論が間違っていたことを認めることになるのです。なぜならば、名目金利をコントロールしようとしているわけですから。

         

         日銀の政策の矛盾よりも重要なのは、今の60兆円のペースで買い増しをしたとしても、おそらく物価上昇率2%は達成できないでしょう。何しろ政府が緊縮財政をやっていて、需要を削っているわけです。物価上昇どころか、デフレ脱却するわけがありません。

         それどころか、あと1年ちょっとで日銀が国債を買えなくなるXデーが近づいています。政府がちゃんと国債を発行しない限り、日銀の金融緩和政策は強制終了せざるを得ません。そうなれば超円高になって株安になってパニックになります。

        (参照ブログ:「「国債増刷」「政府支出増」が必要な理由」「国債市場が閑散している!」「国債発行残高減少?国債が尽きるXデーが早まる!」)

         

         読者の皆さんの中には、国債保有者は銀行だけでなく、生損保も持っているから生損保から買えば?と思われる方、生損保が国債を売るわけがありません。生損保のビジネスモデルは安定的な運用がメインです。国債以外にリスクが安定した運用って何があるでしょう?銀行預金はペイオフがあります。低金利とはいえ、国債が一番安全で安定的な運用ができるのです。

         もし、生損保が外債や株式というハイリスクな金融商品でしか投資できないとすれば、生損保のビジネスモデルは崩壊します。

         

         道はただ一つ、政府が国債を発行することだけが解決策です。

         

         

         というわけで、今日は国債買入額の減少について意見しました。骨太方針で安倍政権は閣議決定において、負債対GDP比率の目標を入れ込むことはできましたが、プライマリーバランス黒字化目標を残してしまいました。プライマリーバランス黒字化目標を残した状態で、安倍政権が国債増刷に踏み切れるか?私は疑問に思っています。例えば追加で財政出動するとなっても、国債増刷に踏み切らず、増税するとかあり得ると思うのです。プライマリーバランスを黒字化させるという目標は意味がありません。アイルランド、アイスランドはプライマリーバランスが黒字でしたが、国家財政破綻の憂き目にあいました。

        (アイルランド、アイスランドの財政破たんの関連ブログ「憲法改正で財政規律条項を入れる動きに反対!」)

         この意味のないプラマリーバランス黒字化目標のために、国債増刷と政府支出増ができなくなっているこの現実を、皆様にもご理解を深めていただきたいと思うのであります。


        国債市場が閑散している!

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          JUGEMテーマ:国債

           

          今日は、5月の初旬に掲載された債券市場についての記事を取り上げます。

           

          下記は日本経済新聞の記事です。

          『2017/05/01 15:27 日本経済新聞 電子版

          1日の債券市場で先物相場は横ばい圏で推移した。前週末と同じ151円02銭で取引を終えた。日銀がきょう実施した国債買い入れオペ(公開市場操作)で、残存期間「3年超5年以下」の買い入れ額を減らした。中期債の需給が緩むとの思惑から先物に一時的な売りが出たが、前週末の時点で既に織り込んでいた向きもあり、持続しなかった。(後略)』

           

           

           新発国債10年物の国債の取引が低調というニュースです。大規模金融緩和で、債権が金融商品としての魅力が薄れ、市場参加者が減っていると報じています。

           

           しかしながら、記事で指摘する金融商品の魅力とか関係なく、もっと簡単に言えば、債券市場に国債が無くなっているというだけの話です。金融緩和で、日銀の国債保有残高が400兆円を突破しました。日銀は買い取った国債を売ることはありません。ひたすら買い続けます。それが金融緩和です。というわけで、市場から国債が無くなっているというのが債券市場の実態です。

           

           本来ならば政府が国債を発行しなければなりません。国債の増刷、赤字国債でも建設国債でもいい。にもかかわらず、やらないからこんなことになっているのです。

           

           そして、こういうことを言う人がいます。

          「市場機能が低下したまま将来、日銀が国債買い入れ額を減らした場合、金利が急騰する!」

           

           皆さんどう思われますか?日銀が買い入れ額を減らしたら本当に金利が急騰するでしょうか?

           もし急騰したら日銀がまた買えばいい!ただそれだけです。

           

           このように「金利の急騰」「国債の暴落」を夢見る人たち、財政破綻を叫んでいる連中が、根本的におかしいのは、金利が急騰したら、日銀が国債を買えばいいだけの話にもかかわらず、なぜか”日銀が国債を買わない”ことになっているのです。

           日銀が買ったらどうなの?と聞きたい。それで終わりです。

           

           どの新聞社も必ず「金利の急騰」「国債の暴落」と記事に書きたがります。とはいえ、日銀が買えば「金利の急騰」も「国債の価格暴落」も発生しないのです。暴落したとしても安く買えてラッキー!それで終わりです。

           

           というわけで、今日は日銀の金融緩和が継続され、国債増刷をしないために、債券市場の取引高が減少していることについて取り上げました。私は財政破綻論を撲滅したい、そのように思っています。日本には財政破綻はあり得ないことを皆さんに知っていただき、早く正しい政策が打たれることを心から望みます。


          リフレ派理論について

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            JUGEMテーマ:経済全般

             

            今日はリフレ派の理論について取り上げたいと思います。

             

            「リフレ派」という言葉、皆さんお聞きになったことありますでしょうか?TVなどの経済ニュースなどで、「リフレ」という言葉が出ることがあります。

             

            リフレ派の理論の概要は次の通りです。

            「日銀がインフレ目標を設定し、目標達成まで量的緩和を継続することコミットメントとすることで、期待インフレ率が上昇する。期待インフレ率が上昇すれば、実質金利が下がる。実質金利が下がれば、設備投資や消費が増える。結果的に需要が創出され、デフレから脱却できる。」

             

            厳密に言えば、

            「インフレ目標と量的緩和のコミットメントで、期待インフレ率が上昇するはず!」

            「期待インフレ率が上昇すれば、実質金利が下落するはず」

            「実質金利が下落すれば、設備投資や消費が増えるはず」

            と、いくつもの「はず」がなければ成立しえない理論でした。

             

            この理論は、もともとポール・クルーグマン教授(2008年ノーベル経済学賞の受賞者)が提唱した「フィッシャー方程式の読み替え」に依存していました。フィッシャーとは1900年代前半に活躍して貨幣数量説を復活させるなどした米国の経済学者です。

            フィッシャー教授が名目金利について定義した方程式こそ、次の「フィッシャー方程式」と呼ばれるものです。

             

             名目金利=実質金利+期待インフレ率 

             

            野村證券のホームページに、証券用語解説集として説明が記載されています。それを引用すれば、この方程式は、「名目金利が一定ならば期待インフレ率(物価上昇率)を持続的に高めていくことが実質金利を下げる効果として働き、経済活動が活性化されることで景気回復へ向かうとされる」と解説しています。私は野村證券の証券用語解説において、最後”〜とされる”としているのは、フィッシャー方程式自体は単なる定義式ですが、経済活動が活性化されるか否かは、いくつかの「はず」がなければ成立しない仮説であるということを理解しているからと思っています。

             

            このポール・クルーグマン教授、1997年に実質金利を決定する方程式であるとして、下記のようにフィッシャー方程式を右辺から左辺の因果式ととらえました。

             

             実質金利=名目金利−期待インフレ率 

             

            このフィッシャー方程式、もともとは単なる定義式でしたが、クルーグマンは実質金利の決定式であるとする仮説を唱えたのです。

            具体的には「期待インフレ率を変更することで実質金利を下げられる」と主張しました。

             

            クルーグマンの仮説に全面的に依存したリフレ理論推進者は、たとえ名目金利がゼロであっても、期待インフレ率を上昇させれば「実質金利を引き下げられる」と考え、実質金利が下がれば日本の経営者は設備投資を増やし、消費者は消費を拡大する「はず」と考えたのです。

             

            私は、「日銀のインフレ目標と量的緩和のコミットメントでは、期待インフレ率は上昇しない」「期待インフレ率が上昇し、実質金利が下がっても、消費や投資は増えない」と極論を言いたいわけではありません。もともと私はデフレ・インフレは貨幣量説(ここで言う貨幣がマネタリーベースかマネーストックか不明)ではなく、需要の過不足説が正しいと主張しています。ですので、リフレ理論によって需要が十分に増えるか否か?であって、それ以外に論点はありません。

             

            したがって、金融政策とパッケージで、積極的な財政出動を行えば、インフレ目標も量的緩和のコミットメントも害がないと思っていました。私は、デフレは貨幣現象ではなく、需要の過不足説であるため、財政出動がパッケージになっていれば金融緩和政策は有効だと思っております。とはいえ、財政出動をせず、マイナス金利となれば、銀行のバランスシートを痛めるだけなので問題があると考えています。

             

            解決策は金融緩和を辞めることでしょうか?それは違います。デフレであるにもかかわらず金融緩和を辞めれば、2015年1月15日に発生したスイスフランショックと同様に、一気に円高になることが目に見えています。この場合、株式市場で外国人投資家が日本株を叩き売ることとなり、株式の含み損を抱える等通じてさらに消費と投資に悪影響を及ぼすことが目に見えています。

             

            とはいえ、国債が尽きるXデーは着々と進行していまして、解決策としては「国債増刷(赤字国債でも建設国債でもどちらでもOK!)」と「財政出動(新幹線整備・港湾整備等の公共インフラ投資)」をするべきであると主張し続けているわけです。

             

             

            というわけで、今日はリフレ理論を取り上げ、その根底となるフィッシャー方程式をご紹介するとともに、リフレ理論とはいくつもの「はず」がなければ成立しえないフィッシャー方程式に依存していることをご説明しました。”いくつもの「はず」がなければ”というのは、数学の方程式でいえば変数がパラメーター化(固定化)されることを意味します。とはいえ、「常に需要がある」「常にお金を借りたがっている」「常に物が売れる」ということは現実的にはあり得ません。そのためか、マンデル・フレミングモデル」や「クラウディングアウト理論」(※1)など、ノーベル経済学賞受賞者でさえ、経済理論は常に成立すると思い込んでいる人がいるのです。ですが唯一「GDP3面等価の原則(※2)」これだけは、常に成立いたします。このことは改めて強調しておきたいと同時に、ほとんどの経済理論は、一定の条件を満たさないと成立しえないということを知っていただき、こうした理論を振りかざした論説については、エコノミスト・アナリストであろうと間違った説明をしている可能性が高いことを改めて皆さんに知っていただきたいと思うのであります。

             

            ※1:「マンデル・フレミングモデル」「クラウディングアウト理論」については、下記をご参照ください。

            マンデルフレミングモデルとクラウディングアウト理論を振りかざすエコノミストらへの反論

             

            ※2:GDP3面等価の原則については、下記をご参照ください。

            GDP3面等価の原則について(「スマートフォン製造」のシミュレーション)

            「GDP3面等価の原則」を完全攻略しよう!

            トランプ誕生の経緯とトランプリスクに備えて日本がすべきことは?の(1.付加価値の積み上げとGDP3面等価の原則)


            日銀の金融緩和は正念場か?

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              JUGEMテーマ:経済全般

               

               日本銀行が発表したマネタリーベース資金供給量の3月末残高が447兆2678億円となり、3か月ぶりに前月を上回って過去最高を更新しました。今日は、この話題について述べさせていただきます。

               

               デフレ脱却に向け、大規模な金融緩和を続けているために、マネタリーベースが増加しています。その一方で日銀が国債を大量に買い取ることで、市中の国債が不足するという事象も起きています。

               国債のマーケット関係者は、日銀の国債買い入れ額について神経質になっていて、金利が乱高下しやすくなっている状態になっています。

               

               ちょうと4年前、日銀の黒田総裁が2年間で2%のインフレ率を達成します!と宣言しました。その際、つきましては物価上昇率目標2%が達成されるまで、量的緩和(マネタリーベースの拡大)を実施します!2%インフレ達成してデフレ脱却します!と宣言しましたが、既に4年が経過しました。

               

               確かに日銀当座預金が増える形でマネタリーベース(日銀当座預金を含めた市場に出回っているお金の量)は320兆円増えました。その日銀当座預金が、貸し出しの需要がないために貸し出しに回らず、マネーストック(マネタリーベースから日銀当座預金を引いたもの=実際に貸出や普通預金など市場に出回っているお金の量)は伸び悩んでいます。

               

               インフレ率は0.2%でほぼ0%。なぜこうなってしまったのでしょうか?理由を検証した方がいいです。

               

               理由は簡単。金融緩和をやっている反対側で、政府が緊縮財政をやっているからデフレ脱却ができないのです。緊縮財政とは、2014年4月実施の消費税増税8%への引上げ、政府支出の削減(本予算+補正予算の額で見た場合、2014年以降減らし続けている)です。

               一方的に日銀に責任を押し付けられて、日銀に同情したくなります。お金を発行するだけでデフレ脱却できるはずがありません。お金を発行すればインフレになるという間違った論説を唱える、いわゆるリフレ派ら、間違った理論を信じ込んでいたからです。

               いい加減にインフレデフレが貨幣現象ではなく、総需要の不足であるという需要過不足説だということを理解するべきです。デフレを総需要の不足です!と統括すれば、政府支出増、消費税増税凍結・減税・廃止など、政策が変わっていくはずです。

               

               日銀が国債を買っている状況について、市中銀行が持っている国債は200兆円弱、もう2年で市中の国債が尽き、強制的に金融緩和を注視せざるを得なくなる、いわゆる日銀のXデーが近づいている状況です。銀行側がパニックに陥りかけている状態とも言えます。そして日銀が持っている国債を市中に売って、買い戻すということまでやっていますが、これは大変マズイことです。

               

               普通に政府が国債を発行して、市中の銀行の国債を増やしてあげて、財政出動(社会保障でも公共投資でもなんでも)をやればいいのに、やらない。プライマリーバランス黒字という考え方から脱却できないからです。

               

               今日は日銀の金融緩和について、改めて今が正念場になっていると同時に、私が常々申し上げている「国債の増刷」と「政府支出増」と「消費税減税もしくは廃止」を速やかに行うべきであることを、改めて主張させていただきたく思います。 


              乏しい成果のマイナス金利!

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                JUGEMテーマ:経済全般

                 

                 

                 

                 日銀が世界でも珍しいマイナス金利を導入してから1年が経ちました。その後の金利の急低下により、住宅ローンの借換でメリットが出ましたが、消費や投資を促す大きな成果は出ていません。

                 

                 税収=名目GDP×税率×税収弾性値

                 GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出

                 ※純輸出=輸出−輸入

                 

                 当たり前ですが、以前に高い金利で借りた借入金を、低金利の借入金にしたところで、それ自体はGDPの個人消費でもなければ政府支出でもなければ設備投資にも純輸出にも該当しません。税収増に結び付きません。

                 低金利で借り換えた人が浮いたお金で消費?などと言う人がいるかもしれませんが、デフレの環境においては、その分貯金を増やす人の方が多いのではないでしょうか?もちろん全員が貯金を増やすとは言いません。とはいえ、こうした金融政策は、政府支出(=財政出動)と異なり、いつ?いくら?使われるかは測定不可能です。政府支出は予算化されれば、事業年度内つまり1年以内に必ず執行され、GDPにカウントされて税収増につながります。

                 

                 日銀が2016年1月にマイナス金利の導入を決定して以来、どうなったか?振り返ってみましょう。

                 

                <資料1:「新発10年国債」1か月間の金利の推移>

                 

                <資料2:「新発10年国債」1か月間の金利の推移>

                 

                 

                 長期金利が1月に0.2%台となり、2月にマイナス圏になり、4月には一時▲0.3%台まで急落しました。

                 それに連動して住宅金利も下がり、8月には過去最低水準にまで下がりました。その結果、住宅ローンの新規申込が急増。昨年1年間で56万件。新たに住宅投資をするのであればGDPにはプラスに働きます。しかしながら借換の場合はプラス側面がありません。今までの銀行から新しい銀行へ所得が移転し、前の銀行は所得を減らすデフレ促進になります。

                 それ以外にもマイナス効果があります。長期金利の低下は、国債の利回りの低下です。安定資産として大量のお金を運用する年金など、利回り低下のデメリットを直撃しました。生命保険会社など長期で資金運用するのに、国債金利がマイナスになってしまうことで、運用難の環境がより厳しくなりました。生命保険各社は、この4月に予定利率を引き下げ、保険料をUPいたします。

                 

                 マイナス金利を導入してどうなったか?検証してみますと、どれだけ量的緩和をしても物価上昇しませんが、考えてみれば当たり前です。デフレで物・サービスを安くしないと売れない状況では、企業が設備投資を控えますし、雇用が不安な状態になれば個人も消費を増やす、具体的に言えば借入して自動車を買う、家を買うなんてことはしません。個人が消費を増やすためには、雇用が安定し、毎月決まってもらえる給料が増え続けるという環境になって、今後もそれが続くと確信が持てる場合のみです。つまり金融緩和策だけで物価上昇すると考えるのは間違っているのです。これはデフレ・インフレについて正しい理解をしていないからです。デフレ・インフレは物価の変動現象です。物価の変動は需要の増減で決まります。貨幣量(定義はマネーストック・マネタリーベースか不明)現象ではないのです。金利を下げれば銀行がお金を貸し出したくなるインセンティブにはなるでしょう!とはいえ、デフレが続く以上、私たちはお金を借りようとしないのです。企業もお金を借りようとせず、自己資金で投資をしようとするでしょう。資本主義の根幹である借り入れによる経済のパイの拡大、即ち信用創造の否定が続きます。資本主義が機能しない状態なのです。

                 

                 また国債の金利が下がるということは、銀行の収益が下がって政府に収益が移転します。政府が銀行に払うべき国債の金利が下がる分、政府が金利を銀行に払うのを免れるからです。銀行が受け取るべき金利(=銀行の収益)を政府に移転するので、マイナス金利は緊縮財政の一環とも言えます。

                 

                 というわけでマイナス金利は、デフレで借りてくれる人がいなくて、仕方なく国債を買って利息を得ている銀行の収益を奪って銀行のバランスシートを傷つけて政府に所得移転をさせる一種の緊縮財政であり、すぐに辞めるべきです。その代りに「国債増刷」で銀行の国債不足の不安を解消し、デフレ脱却を速やかに果たすべく「政府支出増」の決断を急いで欲しいと思うのです。

                 

                 


                国債は何兆円まで発行できるのか?(管理通貨制度について学ぼう!)

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                  JUGEMテーマ:経済全般

                   

                   私は安倍政権の政策がデフレ脱却どころか、デフレ促進政策(「外国人労働者受入」「民泊推進」「医療介護費削減」「消費減税凍結を検討しない」)を推進していると批判をしております。

                  特に急ぐべきは、政府支出増(公共工事)を国債増刷によって行うべきなのに、やろうとしないので批判を続けているのです。

                   

                   

                   

                  1.増刷した建設国債、特例公債(赤字国債)の使い道

                   

                   公的固定資本形成や政府最終消費支出の例で有力かつ急ぐべきと思われるのは以下の通りです。

                   

                  (1)老朽化したインフラ整備(高い生産性の維持が目的)

                   ‐絏漆綟賛

                   高速道路

                   0貳牝始

                   

                  (2)将来生産性向上のためのインフラ整備(将来の生産性向上が目的)

                   リニア中央新幹線の早期開通(東京オリンピック開催までに完成させる)

                   リニア中央新幹線の関空伸長(名古屋⇒大阪⇒関西国際空港まで伸長させる)

                   K摸新幹線の大阪伸長

                   に務て賛郡汗の札幌伸長(函館北斗⇒札幌の完成を急ぐ)

                   ゾ綉以外フル規格新幹線(秋田・山形新幹線はミニ新幹線)による各種新幹線整備

                  (羽越新幹線、山陰新幹線、伯備新幹線、四国新幹線、東九州新幹線)

                   2TEUのコンテナ船が直接着岸できるようにするための港湾整備

                   電柱地下埋設事業

                   

                  (3)将来生産性向上の開発につながる科学技術投資支援

                   々餾リニアコライダーの岩手県北上市へ招致の速やかな決定

                   スーパーコンピュータへの投資

                   

                  (4)先進医療の健康保険適用(赤字国債)

                   ,ん治療の陽子線治療・重粒子線治療の健康保険適用

                   狭心症や心臓病患者向けのハートシートは、治療費1000万かかっていました。しかしながら、20161月にハートシートは健康保険適用されるようになりました。高額療養費制度に基づき、10万弱で治療が受けられ、需要増となってデフレ脱却につながります。ハートシートはテルモ(証券コード:4543)が製造しています。がん治療において、陽子線治療、重粒子線治療が健康保険適用されれば、がん患者のほとんどが上述の治療を選択するはずです。極めて需要が多く、デフレ脱却につながります。

                   

                   

                  2.国債は何兆円まで発行できるのか?

                   

                   財源として建設国債や特例公債(赤字国債)を発行して問題ありません。ところが少し“知ったかさん“の人の中には「国債を買う余力は?そして家計と企業の預金のキャッシュを­していくらまで発行できるの?ハイパーインフレにならないの?」という人がいます。こうしたキャッシュの範囲内でしか(裏付けとなるキャッシュがないと)国債が買えないという発想は誤っています。

                   

                   紙幣発行の裏付けは、預金残高やマネーストックやマネタリーベースやら、金の備蓄量、外貨準備高、対外純資産残高、といった定量的な数値が裏付けになっているのではありません。金本位制だった時代は、金の備蓄量が裏付けとなっていましたが、金本位制→金ドル本位制→管理通貨制度へと変遷しました。概要を記載しますと以下の通り。

                   

                  1944年 金本位制→金ドル本位制(※)

                  (※)米ドルが基軸通貨として金と交換できるという体制でブレトンウッズ体制もしくはIMF体制ともいう

                   

                  1971年 金ドル本位制→管理通貨制度(※)

                  (※)米国がドルと金の兌換停止に踏み切り、金と通貨の関係は完全に切り離されて管理通貨制度に移行された

                   

                   管理通貨制度では、自国通貨は原則的にいくらでも発行できます。金本位制と異なり、金の備蓄量に拘束されないメリットがある反面、発行量によってはインフレやデフレの一因になることがあります。中央銀行は物価上昇率を見ながら、通貨発行量を調整するのが本来の仕事です。インフレになれば発行したマネタリーベースを回収する、デフレが続くのであればマネタリーベースを増やす、それが仕事です。

                   ただしよくある誤解ですが、金融政策だけではインフレやデフレになりません。事実、金融緩和を続けていても、物価上昇率2%は、この3年間で達成できませんでした。理由は、単に紙幣発行量を増やすだけではインフレにならないからです。

                   

                   

                   

                  3.著名な経済学者・アナリスト・エコノミストでも誤認するデフレ・インフレの理解

                   

                   読者の皆様の中は、インフレ・デフレという物価変動現象について、貨幣現象説と需要過不­説があるのですが、貨幣現象説であると思っておられる方も多く居られるのではないでしょうか?

                   一般人ならそうした誤解はまだしも、日銀黒田総裁やら岩田副総裁やら安倍首相のブレーンの一人であるエール大学の浜田教授ですら、貨幣現象説を主張していました。貨幣現象説とは端的に言えば「紙幣を発行すればインフレになる」という説です。

                   インフレ・デフレとは物価変動現象ですので、物・サービスが高く買われる(名目的な需要があること=名目GDPの上昇に寄与します。)こと、物・サービスが個数または回数が多く買われること(実質的な需要があること=実質GDPの上昇に寄与します。)がなければ、どれだけ国債を発行して通貨発行しても、物価上昇せずインフレになりません。

                   また逆も然りで、物・サービスが安く買われる(名目GDP減少に寄与)、物・サービスの個数もしくは回数が少なく買われる(実質GDP減少に寄与)となればデフレになりますが、通貨発行残高の増減はデフレと直接関係ありません。

                   極端な話、1000兆円を追加で国債発行したところで、現金1000兆円を使わずに川原で全部燃やしてしまえば、物・サービスが買われているわけではないので、物価変動せずインフレにもデフレにもならないのです。

                   

                   もし、米国のトランプ大統領の100兆円インフラ整備のように、我が国が100兆円建設国債を発行して5年間20兆円ずつインフラ投資を行えば、100兆円の需要=100兆円の支出=100兆円の分配となって、100兆円の物・サービスが買われる需要増となります。結果、デフレ脱却と同時に将来生産性向上が図られることになり、民間の設備投資を誘発して、一石二鳥三鳥四鳥にもなります。

                   

                   というわけで、今日は改めて「政府支出増」の必要性と効果を述べさせていただき、その財源として国債を発行することについて、何ら問題がないことを知っていただきたく、管理通貨制度について触れさせていただきました。(下方に参考資料として管理通貨制度のマンガを掲載いたします。)

                   

                   


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